IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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第319話

「チェストォォオオオ!!!」

「やらせるかぁぁぁっ!!!」

 

甲高く響く音は鳥の声のよう、深く響く音は大地の鳴動のよう。重く振動するそれらを奏でながら宙を舞う二つの星、光の尾を引きながら引いては寄せてを繰り返しながら火花を散らしながら激突する。片方は身の丈程の剛剣を振り下ろし全てを両断するかのように、片方は盾を持ちながら激流をその力と技で受け流すという驚天動地の技術を見せつけながら対抗している。

 

「イィィイイヤァアアアアア!!!!」

 

鈍い金属音を纏いながらも回転しながら振るう刃、それを振るう剛剣の使い手である一夏。嘗ての自分を遥かに超えていく自分を日々感じながら、それに喜びを覚えながら更なる鍛錬を続けている。最近では肉体面の改造も視野に入れた鍛錬を行っている彼の突然すぎる回転切り、モーション中断の怒り移行のような突然すぎる回転切り。力だけではなく速度にも研磨を行っている一夏。切返しについては千冬も認める程の速度になりつつある、それは力と合わせる事ですさまじい不意打ち性能を発揮する。

 

「笑止ってなっ!!」

 

その手に持つ巨大な盾<ルーラー・ディバイダ―>は二つの盾が一つになっている物。それを二つに再度分割しながら己も回転を行う。同じ方向への回転を行い力に対して向かっていくのではなく、同じ方向へとそれを受け流していく。それでも衝撃は半端ではないが、回転によってブレを修正しながら完璧に回転切りを受け流してみる。それを想定していた一夏だが、まさかここまで完璧にやられるとは思っていなかったのか僅かに動きが止まる。そこへカミツレの回し蹴りが炸裂し距離が離れていく。

 

「くそっどういう反応速度してんだよ!!?」

「こちとら千冬さん対策で練習してんだよ」

「自分で生み出したものが千冬姉と被ってるとかいやだなおい!!」

 

そんな愚痴をこぼしながらも一夏はライフルを展開して牽制射撃を行いながら体勢を整えようとするが、今度はカミツレが一気に接近を掛けてくる。自分に対しては距離を取るのが一番なのにそれを敢えて詰めてくる彼に何が策があるのか、と思った一夏は<後方瞬時加速(バック・イグニッション・ブースト)>で一気に後退していく。これなら自分の体勢を整える時間を確保しつつ、カミツレの策にかからずに済むと思ったのだが、それは誤りだった。同時に彼も<後方瞬時加速(バック・イグニッション・ブースト)>で一気に距離を取ったのである。

 

「掛ったなっ!!カチドキ、お前の自信作見せてみろ!!」

『OK!!』

〔ファイズブラスター!!〕

 

カチドキの声と共にその手に展開されるのはトランク型の大型の物。そして同時にカミツレの手にはガラパゴスケータイのような物を握っている。それをセットしトランクについているボタンのような物を押して起動を掛ける。

AWAKENING

「103っと」

BLASTER MODE

 

トランク型の武器が伸びていく、銃身が大型のショットガンを模ったような形態となった。それを見た一夏は顔を青くした。カミツレが行っていた行動とコードの入力でそれがどんな物なのかハッキリと理解出来てしまった。だからカミツレは敢えて距離が大きく開くような行動をとったのかと全てが合点がいったような気分になってきた。ジャギン、という重々しいリロード音。そして引き金を引かれると銃口から赤い光弾が発射される。

 

「やっべぇっ!?」

 

回避を試みるが光弾は向かってくる途中にて四散する。散弾のように全身へと光の弾丸が浴びせ掛けられて行く。それを浴びてライフルが大きく火花を散らし、投げ捨てる。直後に爆発を見て判断があっていたことに安心しつつ三度飛んでくる光弾に大きくカーブを描くような軌道で回避を試みる、が、自分の行く先に置くような射撃で散弾を打ち込んでくるカミツレに成す術もなく身体中に弾丸が当たっていく。此処は流石に高速移動中の偏差射撃の経験の差が明確に出てしまっている。

 

「ダメだ何とか接近しないとっ!!!」

「もう遅いぜ、お前が後ろに急速に引いた段階でな!!」

Exceed Charge

 

ENTERを押すと同時にブラスターに凄まじいエネルギーが蓄積されていく。エネルギーが銃口へと収束されているのが一夏でさえわかる、徐々にエネルギーが甲高い音を立てななら唸りを上げていく。あれを撃たれたら本当に勝ち目がないと理解し、自らの剛剣、<雪片夏ノ型>の全開を発動させる。装甲の一部を刀身へと集中させた究極系の刀、それで放たれた光弾を切り裂いてカミツレを倒すしかないと。

 

「おおおおっっ……チェストオオオオオオオオ!!!!!」

「フォトンバスター……シュート!!!」

 

トリガーを引く。同時に今までの光弾とは比較にならない程の巨大な物が発射されていく。それに対する一夏は全力全開の一撃を振り下ろす。互いの究極の一撃がぶつかりあっていく。雪片を握りしめる一夏は歯を食いしばってそれに対抗して強引に刀を押し進めようとするが突如、光弾が四散する。そして目の前からは<ファイズブラスター>をブレイドモードにして蹴りで押し込んでくるカミツレの姿があった。

 

「セイヤァァアアア!!!!」

 

剛剣が振るわれるよりも早く、ブレイドが押し込まれていき『白式』へと直撃する。そのまま身体を切り裂かれた事で大幅にSEを削られてしまった。咄嗟に機体を立て直すが今度は<トライドロン砲>を構えてニッコリと笑っているカミツレの姿があった。

 

「き、鬼畜過ぎません……?」

「知・る・か☆」

 

笑顔のままトリガーを引いたカミツレ、その一撃を受けた一夏はSEを全て失ってしまい敗北を喫してしまった。これでまた対カミツレ戦での連敗記録を更新した事になる。

 

「ふざけんなよカミツレてめぇ!!なんだよあの武器!!?」

「カチドキの自信作、ファイズブラスターだ。イカしてるだろ」

「ざけんなまんまファイズのあれじゃねぇか!!」

『やれやれっロマンが分からないとは……だから貴方は一夏なんですよ』

「うるせぇよ!!」




私「やっぱりファイズのあれ良いよなぁ……あのカチャカチャ感がたまらない」

妻「普通ああいうのって手間とか面倒そうって思えるのに、ファイズのは凄い楽しそうっていうかカッコいい感じが出てますよね」

私「だから私はファイズが大好きだ。あと更新遅れてすいません。大体妻の副業のせいです」

妻「私は悪くない、注文を受けたからやったまでです」

私「だから私で試着と実験するなって言ってんだよ」

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