IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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第327話

機体の準備も済んだカミツレにはすぐに相手が割り振られた。相手はベラルーシ、その専用機の持ち味はラファールを超える程の圧倒的な武装積載量。正しく全身武器庫、拡張領域(バススロット)も完全に使い切った上に機体の各部には武装が外付けされている程の超重武装。そしてそれらをカバーするように重装甲、スピードなどを駆使して空間戦闘を行うのが主流なISでは酷く珍しい固定砲台型のISとも言える相手がカミツレの対戦相手となった。カチドキ曰く

 

『突進力とか捨てた代わりに遠距離攻撃を得たアルトアイゼン』

 

という評価を行っている。思わずなんだその例えとカミツレが言うと、ならばとライダー的な例えをする

 

『シュートベントとガードベンドを全部纏ってマグナギガと合体したゾルダ』

 

と言っている。カミツレもそれを聞いて大体合ってるだろうなと思っている。殆ど空中戦はせずに移動はホバーのように地上を滑る程度、したとしても軽い跳躍、機動面で言えばIS中でも最低クラスどころかぶっちぎりで最下位だとカチドキも太鼓判を押す。高い操縦技術とセンスからなる高速機動技術、高速反転技術、様々な速度の技を持つ相手と戦った事のあるカミツレだが……ここまで機動力が無い相手と戦うのは初めての経験故、どう攻めるか迷っていた。

 

「ブレードで斬ろうとしても弾幕、そしてあの装甲で防御。撃ったとしてもまたもや装甲で防がれる。成程、中々に厄介だな」

 

スピードを重視するISでの戦い、それに真っ向から否定するような戦闘スタイルを取るのがベラルーシのIS。世界を見ても類を見ない重装甲重火力。単純だがそれ故に弱点を突く事も難しい。速度で上回ったとしても端から動く気も回避する気もなく装甲で受け切る体勢、これを崩すのは難しい。

 

「トライドロン砲とディバイダーの連結ならいけるか……?」

『―――可能性はあります。それにあの重装甲も破る手もあります。』

「それなら俺もだ、よし……決めた!」

 

と作戦を決めたようなカミツレはその手にライフルを持ちながら迫りくるミサイルを迎撃する。落としたとしても次が迫りくる、それらを複雑な軌道を取りミサイルが追従出来ないようにしながら相手にない機動力で回避する。余りにも滑らか且つスムーズなストップ&ゴー、正しく高等機動技術である『稲妻軌道動作(ライトニング・アクション)』を駆使している。しかもその練度が異常である為に各国の政府関係者は驚くばかりであった。

 

「ちょこまかと……!!」

 

細かいが大胆に、精密だが大雑把に、矛盾するような要素の機動にベラルーシの操縦者は苛立ちを覚え始めていた。余りにも当たらなすぎる事が焦りと苛立ちを生み始めていた。弾幕を張り続けて相手の疲弊を待つと共にそこに最大の火力を叩きこむというのが本機の戦術、だが―――それが通用しない相手も存在する。

 

「弾幕の質としては良いだろうけど……ヨランドさんに比べたら粗が目立ちすぎるんだよなぁ!!」

 

弾丸の雨あられ、その中を突っ切っていく。雨が降っている空目掛けて飛んでいるのに降っている雨粒に当たらないように飛んでいるかのような軌道に皆が舌を巻く。焦りを浮き彫りにし始める少女は装甲各部に格納されていた砲塔まで起動させて更なる弾丸を放っていく。流石に盾での防御を必要とし始めたのか、「ディバイダー」での防御を行いながらライフルを握る。狙いを定めた一射は的確に装甲内部にあった砲塔へと命中した。

 

「し、しまった!!?」

「もう、遅いよっ!!」

 

一瞬、怯んだ瞬間が命取りとなった。懐に飛び込んだカミツレは瞬時に展開してブレードを装甲の内部へと食い込ませるように突き刺した。如何に分厚く硬い装甲だろうが脆い箇所は必ず存在する。そこを突いた、内部から爆散していく装甲を確認すると一気に距離を取ったカミツレ。内部に仕込まれていた武装が連鎖的に爆発している。

 

「これ以上の被害は……!」

 

致し方ないと苦虫を嚙み潰したような声を出して、肩の一部装甲をパージする。パージされた装甲は大爆発を起こす、それほどの武装を搭載していたという事。改めて攻撃を行うがカミツレは先程よりも容易く懐へと飛び込んで肩へと回し蹴りを叩きこむ。そしてトライドロン砲を構え、肩へと向けたトリガーを引く。光弾が肩へと直撃して大きく吹き飛ばされながら地面へと転げる姿を見ながらカミツレは言う。

 

「俺の師匠が言ってた。戦いとは呼吸とリズムとノリ、それを維持して自分の物に相手を巻き込んだ方が勝つってな。だからもう俺の勝ちだ!」

「そんな事は―――!!!」

「あるんだよ、これがな!!」

 

跳躍したカミツレ、彼は身体を回転させてその勢いのままで踵落としを相手の腕へと叩き込んだ。大きく体勢を崩された所にブレードを装備した「ストライク・ヴァンガード」が突貫し腕の装甲を切り裂く。そして相手がまともな行動がとれなくなった所に「ディバイダー」と連結させた「トライドロン砲」を構える、既にエネルギーのチャージは終了している。

 

「さあっ終幕(フィナーレ)だ」

ヒッサーツ! FULL THROTTLE!! FULL FULL HARMONICA BIG TAIHOU!!

 

連結されたハモニカ砲と「トライドロン砲」、供給されたエネルギーが限界を超えたは巨大なトライドロン型の光線となって襲い掛かった。恐らく万全な状態ならば耐えきる事も可能であるかもしれない、だが各部の装甲が傷つき肩をパージ、腕には深い傷を負っている状態ではそれを受け止め切れる事が出来ずにそれを受けて吹き飛ばされ、壁へと叩きつけられる。そして同時にSEが0のブザーが鳴り響く。

 

「ふぃ~……刺激的な戦いだったぜ」

『―――ベルトさんごっこ出来たので私も満足です。』




妻「突進捨てたアルトアイゼンとか勝ちないじゃないですか!!」

私「マジでそうだよな。私たちが愛したアルトアイゼンは突進とステークとバンカーとかがあってこそなんだよ!!」

妻「後皆さん、ご心配なく、アルトさんはこれからも投稿していきますから。私の事は大丈夫です。アルトさんに抱いてもらうので」

私「私に全部丸投げなんですね解ります」

妻「だって目の前で私のためにあのエロ野郎を投げるアルトさんに惚れ直しちゃいまして♪」

私「という訳でこれからも投稿はちゃんとしていきます!」

私&妻「これからも私たちをよろしくお願いします!」

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