IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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第340話

「聞いたよカッ君、遂にいっ君が認められたって。いやぁめでたいねぇ」

「ホント唐突にきますね束さんは……」

 

話し合いの後、カミツレは一人部屋で夕食の仕込みをしているとそこへ一体どうやって部屋に入って来たのか分からないが兎に角束がやって来た。まあ彼女に関しては考えるだけ無駄だろうから下手に考えないでおく。

 

「001も喜んでたよ、あの子ってば所謂"白騎士"のコアでち~ちゃんとも一時的な繋がりもあったから妙に老成しちゃった上に条件もこの程度の事も出来ないようでは私の相棒とは認める気は皆目ありません、なんて言うからいっ君が出来るか本当に不安だったんだよ」

「まあそれは大量に下の家族が出来たから、でもあると思いますがねぇ……それで束さん本当にそれだけで来たんですか」

「ああっ流石に分かる?」

 

ご飯を食べに来た、というのもあるだろうがそれ以上の理由がある。カミツレの疑問に答える為に態々律義にやってきた事ぐらいはカミツレにも読み取れる。自分に対しては非常に几帳面且つ繊細な所がある束の事は理解しているつもりでいる、そして自分が問う言葉には必ず真実で返す事も。

 

「あの王女様何なんすか」

「あ~……うん、なんというか典型的な世間知らずの王女様って所?」

「まあだろうとは思いましたよ、じゃなきゃ俺と一夏を召使云々なんて世迷言言わないでしょうからね」

 

束としての評価もその程度でしか、本当に大した事のない王女である事が確定したに等しい。だとしても頭が足りなすぎるのだが……。

 

「束さん、本当にあの国に居たんですか?」

「まあホント一時的にね、2週間もしたらデイトレードで十分な資金集まったから出て行ったけど。その間に一応お世話になったから話位は聞いてやってさ、展開装甲の基礎の基礎技術は上げただけ」

「うっすい繋がりだな……」

「まあそれでも現行のISよりは性能良いからねぇ……」

 

ある種のマウントは取れている、だけどそれは本当に僅かな間だと束は語る。何故ならばもう既に女王陛下にも普段通りのテンションで接し続ける狂人にして大天才のリオノーラが独自再現の展開装甲の実用化まであと一歩というところまで来ている。既にカチドキの専用装備を完成、そして展開装甲設計図を自ら目の当たりにした事で既に作れる下地は出来ていたらしい、後はどれだけ自らの手で進化させられるかという事らしい。

 

「やっぱリオノーラさんってすげえんですね」

「リオっちは普通に超天才だよ、ぶっちゃけるけどEパックの基礎機論とか束さんだと盲点な考え方で凄いシンプルだったよ。初心を忘れずに常に始まりから今の自分を客観的に見れる超天才だよ」

「それが俺の兄貴の嫁かぁ……やばい杉山ファームの将来が壊滅的にやばくなる未来が見えてきた……!!」

「いや束さんと一緒になってる時点で凄い事になってるの分かってたでしょうに」

 

杉山ファームの現状。束のナノマシンによって土壌及び環境などが元々の日本の物に近くなっている、が周辺への影響も考慮済みで対策済み。束の農具などが平然と杉山ファームの方々に使って頂いている、コア・ネットワークを応用した警備システムの構築と警戒態勢、仮に軍規模の敵が来たとしてもファーム地下にある束の研究施設からコア達がコントロールする無人機が飛び出して撃退できるようになっている。最早魔境である。

 

「んでなんであの国のお世話になってたんですか?」

「あ~あの国の地下にはなんか特殊な鉱石があるって話を小耳に挟んでね、それがもしかしたらヴィブラニウム的な鉱石だったらロマンの塊だから調査したかったんだよね。まあ流石にあそこまで凄い鉱石ではなかったけど凄い物ではあったよ」

「へぇっ~」

 

流石にキャップの盾や黒豹陛下などと同じ物だったら色々とやばい事になる。それでもそのルクーゼンブルク皇国のみから採れる事が判明、そしてそれは時結晶(タイムクリスタル)と呼ばれているものだった。それはISのコアにも使う事が出来る素材である事が判明した、と言ってもそれだけではコアを作る事は出来ないのが……。

 

「最初にそれを見つけてたらそれ使ってたけどねぇ……一国からしか取れない物と世界中で流通している物で作るとしたらどっちにするカッ君だったら」

「う~ん……コストとか考えると確実に後者ですね、急に必要になっても調達が簡単ですし時間もかからない。前者だと色々と面倒ですけど限定できることで得られるメリットもありますけど……まあ後者が妥当ですね」

「でしょ、態々そんな面倒までしてその時結晶は欲しくないんだよね」

 

という事らしいので束自身としてはイギリスや台湾といった以外の国よりは多少関心がある程度の国、という認識でしかないので自分の名前を出して威張られても……といった感じらしい。どこぞのガキ大将を後ろ盾にするボンボンに近いのだろうか。

 

「分かりました、それじゃあ王女の言葉は別段真に受けなくても良いって事ですね」

「そういう事。というか影響力的に考えてもカッ君がそれを受ける意味も無いからね、あの子も王女様だしお父さんとお母さんが甘いから我儘に育ったんだろうなえぇ……まあ毒親よりマシだけどさ」

 

取り敢えず目の上のたん瘤が無くなった事に思わずホッとする、そしていい塩梅に出来上がった角煮の出来前に満足気にしていると扉が開いた。鍵は掛けていたがマスターキーによる解除だと気づいてそこから非常に疲れ切った千冬と真耶が入って来た。

 

「すまんカミツレ、メ、メシを……」

「せ、先輩はしたないです……カミツレ君情けない師匠でごめんなさい……ご飯を……」

「直ぐに出来ますよ、今日は豚の角煮がメインですよ」

「―――カミツレ愛してる」

「ハイハイビールは3本までです」




妻「先日の夕食角煮でしたよね」

私「まああれはビーフシチュー作ろうとしたけど買い過ぎたから急遽変更しただけなんだけどね」

妻「そしてアドバンテージが無くなっていく皇国」

私「設定的にあまりに辛い所って抹消すればいいと思うんだ」

妻「それだと束さんって辛くないんですか」

私「辛くはあるけどそれ以上にあの人ならしょうがない感があるから許される」
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