IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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書いていると落ち着くのでこれからも書いて行きます。
少し、ペースは落ちるかもしれませんが。


第96話

今日も今日とて真面目に訓練に勤しむカミツレの姿がアリーナに見られる、アリーナを使用出来る日はほぼ必ずアリーナに出向いて訓練を行う直向きさと肉体面の訓練も絶やさないカミツレ。そんな彼の真面目さに触発されている代表はセシリアや乱、そしてあの一夏である。最近では千冬に自ら身体も鍛えた方が良いのではと進言し、ナタルに肉体作りのメニュー製作の推薦をしてもらい身体をも鍛える。アメリカ軍仕込みのメニューをラウラというドイツ軍の少佐に見てもらいながら行うという徹底振りで上を目指している。彼の成長を支えているのはメニュー管理と確りとした指導を行うラウラと彼を支える箒の存在も大きいだろう。

 

「うっくぅぅぅ!!」

 

強制的に出力ロックがされる高出力モードでの訓練、未だに「黒鋼」の時の感覚が残っているカミツレは少しでもその癖を抜こうと努力を続けている。高出力に負荷を掛けてスピードを下げつつ、急カーブを刻みながら負荷を0にして一気に加速していく。時々入れている「瞬時加速」によって身体中に掛かる感触、自らが今出せる物を最大限出しつつ更なる高みへと登る。それがヨランドの教育方針であった、それに沿いつつ真耶が作ってくれた高機動訓練メニューをこなしていく。

 

「おおおっ!!!」

 

そこいらの代表候補生も驚く訓練メニュー、しかしそれに必死に喰らい付きながら実力を高め続けていくカミツレは今や学園中から注目を集めており3学年もこっそりと練習風景を見学に来る程だった。

 

「これが1年の訓練メニューって嘘でしょ……?」

「うわぁっ……私達が1年の時の訓練が馬鹿にされても可笑しくないレベルゥ……」

「えっちょっと待って、今彼「ライトニング・アクション」しなかった?」

「嘘でしょ!?あれって1年が覚えられるような技術じゃないわよ!?」

 

カミツレは自分では気付けていないが自分が行っているカーブとストレートの緩急を付けた動き、それは高機動技術としても知られている「稲妻軌道動作(ライトニング・アクション)」と言われている物。緩急を付けつつカーブとストレートの機動を織り交ぜる事で相手を幻惑しつつ、相手へ突撃するという攻防一体の技術だが本人は全く気付いていなかった。何故なら―――

 

『―――良いですかツェレ。ISの機動中は通常の機動にも工夫が必要なのです』

『工夫……ストップ&ゴーをするとかですか?』

『正解ですわ。それを滑らかにする事で相手の偏差射撃のリズムをズラす事も出来ます、しかしそれは難しいのでまずはカーブとストレートを織り交ぜる事から始めましょう。これが自然に出来るようになるのですわ!!』

 

とヨランドから教えを貰った時の初期に言われたからである。それが自然に出来るようにと口を酸っぱくされるほどに言われたのである、なので本人は今やっている動き方にそんな名前があるなんて全く知らない。ヨランドからは代表候補生にはこれを当たり前に出来る人もいるからそれを目指そう…と言われたからやって体得しただけである。カミツレのそれは彼の技量の関係で本来の物より角度などは緩い物の、それでも十分すぎる技術である。

 

因みにヨランドの言う代表候補生とは、昔の自分や千冬、真耶の事を指している。つまり、大体ヨランドのせいである。

 

「っっ……!!」

 

最大出力での「瞬時加速」に「稲妻軌道動作」を織り交ぜるという領域に挑戦しようとしたカミツレだったがカーブからストレートにはいろうとした所で制御し切れずに失敗してしまう。各部から放熱を行いながら悔しそうに歯軋りをし、深い溜息を付いてしまった。これでこれの失敗は何回目になるのだろうか…と。

 

「いやまだまだ。人間、トライ&エラーが基本なんだからな!!カチドキ、まだ行けるか!!?」

『張り切っている所すいません、関節部がやや損傷気味です。自動修復機能で修復可能ですが、これ以上の訓練はお勧めしません』

「そっか……それじゃあしょうがないな」

『がっかりしないでくださいカミツレ、後で私厳選のドライブを見ましょう』

「因みに好きなタイプは?」

『DRIVE TYPE:SPEED!!』

 

相棒からの言葉を受けつつもピットへと戻って行くカミツレ、彼が「稲妻軌道動作」に「瞬時加速」を組み込んだ機動技術に執着するかのように練習を重ねているのは理由がある。カミツレの師匠であり最も敬愛し信頼している教師である真耶、彼女が現役時代に使用していた必殺戦術が彼が練習している技術だったからである。

 

「まだまだ俺の技術が足りないのかぁ……」

『一般的な操縦士の視点から見たら、カミツレは十分な技術だと思いますが』

「そうだとしても俺が満足出来ないのさ。真耶先生に見て欲しいんだ、俺はこんだけでっかくなったんだぞ!って物を。まあその……俺、真耶先生の弟子だし……」

 

弟子だからこそ師匠の技術を体得したいというそんな考えがあった、専用機を受領してから改めて真耶の偉大さと彼女への感謝が浮き彫りになったカミツレは一層彼女へ尊敬を向けるようになっている。だからこそ真耶が現役時代に使用していた技術を物にしたいと努力をしている。

 

「まあ、次も頑張るさ。失敗が明日の成功の母になるって」

『努力あるのみです、積み重ねこそ成果への近道です』

「サンキュ」

『そんな事よりカミツレ、一番好きなライダーキックはなんですか。アクセルクリムゾンスマッシュが凄い人気なんですが』

「あ~……あれカッコ良いもんなぁ……それも良いけどタジャドルのプロミネンスドロップも推したい」

 

後日、この事を知った真耶は号泣しながらカミツレに抱き付いてお礼を言った際、セシリアと乱に凄い睨まれてしまいお返しに熱い抱擁を送る事になったカミツレであった。

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