最初は興味本位だった。
夏休み、暇な時間をつぶす為にカルデアという聞いたことのない組織に軽はずみで応募してみた。どうせ選ばれないと思っていたが後日、黒服の巨漢な男が二人俺の家に訪ねてきた。最初はかなり焦った、カルデアの者と聞いて一先ず家に入れてから詳しく話を聞けばどうやら俺は見事選ばれてしまったらしい。黒服の男が契約書のようなものを取り出して淡々と説明を始めた。守秘義務がどうとか保険がどうだ明らかにやばい気配が漂い始めた。どんどん怖くなってきたが今更やめるとも言いづらい、軽はずみで応募するものではないと後悔するもこんな非日常な出来事に心のどこかで小さな期待もあった。ゆっくりと目を閉じた後に深く息を吸い込み、肺に溜まった空気を全部吐き出してから覚悟を決めてサインを書いた。
そしてその直後、眠らされて誘拐された。
・・・やっぱりサインなんてするんじゃなかった。
目が覚めればどこかの施設の中だった。恐らくここがカルデアなのだろう、真っ白で何だか病院みたいなところだ。ひとまず起き上がってから体の調子を確認する、まぁ大丈夫だろう・・・多分。そんな確認をしていれば突如アナウンスが聞こえてきた。
「塩基配列 ヒトゲノムと確認。霊器属性 善性・中立と確認
ようこそ、人類の未来を語る資料館へ。ここは人理継続保障機関 カルデア」
やはりここはカルデアで間違いないようだ。文句を言ってやろうかと思ったがこの独特の間や音声を聞けば薄々機械のような気がする・・・そもそもこちらの声が向こうに届いてるかも怪しい気がする。
「扉の方へお進みください」
アナウンスを聞き渋々誘導されていけば何かの装置がたくさんあった。
「指紋 声紋 遺伝子認証いたします」
指紋に声紋、遺伝子って随分と厳重だな。不安な気持ちを顔に出したまま一先ず認証装置に向かって順番に行っていく・・・やったら帰れないとかだったらどうしよう。
「指紋認証 声紋認証 遺伝子認証 クリア。魔術回路の測定・・・完了しました。」
・・・ん?魔術回路?魔術って、あのあれ?・・・まさか中学二年で言っていたことは本当だったのか、今思い出せば・・・う、頭痛が、思い出すのはやめておこう。
「登録名と一致します。貴方を霊長類の一員である事を認めます。
はじめまして。あなたは本日 最後の来館者です。どうぞ、善き時間をお過ごしください」
俺以外にもここにいるのか、物好きが多いな・・・出会ったら友達になれそうだ。
「・・・申し訳ございません。入館手続き完了まであと180秒必要です。
その間、模擬戦闘をお楽しみください。」
おい、今模擬戦闘って言ったか、180秒くらい待つよ、カップラーメン出来るくらいの時間待てるから中止しよ?僕喧嘩苦手。
「レギュレーション:シニア 契約サーヴァント:セイバー ランサー アーチャー
スコアの記録は致しません。どうぞ気の向くまま、自由をお楽しみください。」
んん?この感じ、もしや俺が直接戦闘するのではなく味方に指示を出すいわば指揮官的なポジション?それならワンチャンあるぞ。
「英霊召喚システム フェイト 起動します。180秒の間、マスターとしていい経験ができますよう。」
アナウンスが終われば部屋全体が突如草原に変わった。ホログラムというやつだろうか、凄いな。辺りを見渡せば俺の前に3つの黒い人影が現れ、それぞれが剣、槍、弓の武器を持っていた。途中で言ってたセイバーとかランサーってこれのことか、これがサーヴァントで俺がマスター・・・なるほどなるほど。少しずつ理解している中、前方に一体のゴーレムが現れた。なんかこの距離感ド○クエ思い出すなぁ、帰ったらまた一からやろ。今回の目的は恐らくゴーレムの撃破、まずはサーヴァントのステータスを確認したいが・・・ゲームじゃないから見る方法わからないや。まぁ普通に考えればアーチャーは後方支援としてランサーはやっぱり速さを活かしての行動でセイバーは攻守ともにバランスの取れた行動・・・かな?考えても仕方ないので自分の考察が正しいか試すため即実行!
「突っ込めランサー!敵を翻弄しろ!」
指示を出せば槍を持った黒影は素早くゴーレムに向かって走り出した。即座に敵の元へとたどり着き、ゴーレムに先手を取った。この感じ、ドラ○エというよりどちらかといえばポケ○ンみたいだ。しかし思った通りランサーは相当の速さ、だって目で追えなかったもん。ランサーは攻撃しては敵の攻撃を回避を繰り返し、たった一体でも十分有利な雰囲気だが。
「アーチャーはランサーの援護、セイバーはゴーレムの隙を見て全力の一撃を叩き込め!」
全員がどういった動きをするのか気になるのでたたみかけるように指示を出す。するとセイバーはゴーレムに向かって走り出し、アーチャーはその場からゴーレムに向かって弓を三本同時に放った。走り出したセイバーもランサーほどではなかったが十分にはやく、アーチャーの弓はセイバーと翻弄するように戦うランサーの間を縫うようにすり抜け、ゴーレムの胴体に2本、片足に1本刺さった。矢によって怯んだゴーレムの一瞬の隙を見逃さないようにランサーが残った片足を槍で斬りつけゴーレムは両膝をついた。完全に無防備な状態となったゴーレムに走り出していたセイバーはその勢いのまま大きく飛び上がり勢いに乗ったまま剣を相手の頭へと振り下ろす。重たい音が響くとともにゴーレムは消滅した。
「よし!」
嬉しくなりガッツポーズを取れば周りが元の真っ白な空間へと戻っていく、どうやら180秒経ってしまったようだ。
「入館手続き完了いたしました。改めて、ようこそカルデアへ」
「は~い!」
アナウンスが聞こえれば高揚している俺は元気よく返事をした。最初は不安や後悔が多かったけれど、今ではこのカルデアに期待やワクワク感が勝っている。そんな上機嫌な状態で俺はカルデアの扉を潜った。
大体これくらいの文章をできるだけ定期的に投稿しようと思っています。
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