神主の息子が幻想郷にログインしました   作:コーラテートク

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気紛れで書き始めた小説が十話続くとは思ってなかった。
まあ、拙い文章なもので見苦しくはありますがよかったら見ていってね("⌒∇⌒")

……………タイトルが思い付かない(ネーミングセンス皆無




第十話 出会い、金髪幼女&貧乏巫女(腋)

 とりあえず大きめの鞄を買い、食料と、予備を含めて服を数着購入した。

 現在は、近くにあった団子屋で休憩している。

 

「おお!ここの団子美味しいですね。」

「まあ、里でも人気の団子屋だからな。奢ってもらって良かったのか?金、あんまりないんだろ?」

「いいんですよ、これは案内の対価ですから。」

 

 そういって笑って見せると、妹紅も納得したのか、一つ頷いて最後の団子を口に放り込む。

 

「さて、そろそろ博霊神社に行こうかな。すみませーん、団子をいくつか包んでください。」

「ん?まだ食うのか、よく食べるなぁ。」

「ははは、違いますよ。博霊神社に持って行くんですよ。」

「なんだ、優しいんだな恭矢は。」

「優しい、というよりはこれからお世話になりますっていう賄賂に近い感じですけどね。」

「面白い考え方をするんだな。博霊神社は里を出て道なりに進めば見えてくるよ。今は昼間だし、妖怪も出ないはずさ。」

「いろいろとありがとうございました、また会いましょうね。」

「おう、元気でなー。」

 

 妹紅さんと別れ、教えてもらった神社への道を進む。

 

 しばらく進んでいると、()()()()()()()()()()()()

 

「妖怪は出ない筈じゃなかったっけ…?」

 

 ひきつる顔を押さえながらも冷静に自身の回りに結界を張る。

 だが、結界を張ったからといって油断はしない。

 

 額を流れる汗を拭い、何の音も聞き逃さないように集中する。

 時間が過ぎるのが、いやに遅く感じる。

 

 しかし、その静寂は長くは続かなかったようだ。

 

 周囲を包んでいた闇が一瞬で晴れる。

 金髪の可愛らしい女の子が、恭矢の目の前までフヨフヨと飛んで来て一言、

 

「ねぇ、あなたは食べてもいい人類?」

 

 ───まさか、食べてもいいか聞いてくる人食い妖怪がいるとは思ってもいなかった。

 

「食べちゃダメな人類だよ、多分。」

「そうなのかー。」

 

 多少自信なさげに答えた恭矢の言葉を聞き、少女はショボーンという擬音が聞こえてきそうな程に落ち込んでいた。

 少女のお腹が可愛らしい音を鳴らす。

 

「うー、おなかすいた…。」

「お腹が空いてるの?団子でよかったら食べるかい?」

 

 そう言って団子を差し出した恭矢に対し、目を輝かせた少女は団子にかぶりついた。

 

 ()()()()()()───

 

「いったああああああっ!?」

「もぐもぐ、美味しいのかー。」

「いやいやいや、手も一緒に食べてるから!ちょっ、痛いってば、手は放して!?」

「分かったのかー。」

 

 しばらく団子と一緒にかぶりつかれていた恭矢の腕だったが、なんとか食い千切られずにすんだようだ。

 ………ばっちりと歯形は残っていたが。

 

「あー、痛かった…。団子は全部あげるから、もう手は食べないでね?」

「ありがとー、お兄さん。」

「俺は恭矢って言うんだ、君の名前は?」

「ルーミアなのだー。」

「ルーミアちゃんだね、覚えておくよ。俺は博霊神社に向かうから、また機会があったら会おうね。」

「ばいばいなのだー。」

 

 モキュモキュと頬に団子を詰め込むルーミアに癒されながらも、その場を後にした恭矢であった。

 

 

 

 そのまま進んでいくと、立派な鳥居が見えてきた。

 どうやら、階段の先に神社があるようだ。

 

「やっとついたよ…。次からは飛んでこよう。」

 

 人里から神社までは結構な距離があった。

 この距離だと、参拝にくる人も少なそうだなと考えつつも階段をのぼり鳥居をくぐる。

 くぐった瞬間、恭矢は違和感を感じる。

 

「これは…結界か?と言うことは()()が博霊大結界ってやつか。この結界を張った人はかなりの術者だったんだろうなぁ…。」

 

 皆さんはもう知っているだろうが、恭矢は『結界を操る程度の能力』を持っている。

 結界術という項目のみに絞れば、博霊 霊夢や八雲 紫に匹敵するレベルなのだ。

 そのため、博霊大結界に使用された術式や、その複雑さがある程度理解できるのである。

 

「まあいいや、そんな事より今は挨拶だよな。」

 

 だがしかし、恭矢は思考を放棄した。あくまでも恭矢の目的は博霊神社の巫女、博霊 霊夢への挨拶である。

 

 鳥居をくぐり、賽銭箱の前まで到着する。見た感じだとほぼほぼお賽銭は入っていないようだ。

 

 恭矢は財布を取りだし、いくら入れるか少し考える。

 

(こういう場合はご縁がありますように、と五円玉を入れるべきなのかな。それとも、これからお世話になりますって意味を込めて多めに入れる方がいいのかな………。)

 

 たっぷり五分ほど悩んだ末に、恭矢は財布に残っていた金額のうち10005円を投入した。悩むくらいならどちらも入れてしまえということらしい。

 賽銭箱に硬貨の落ちる音が響く。その瞬間、

 

「お賽銭!!!」

 

 腋の部分が大きく開いたタイプの赤い巫女服を身に纏った少女が表れた。

 

「お賽銭ありがとう!ねえ、いくら入れてくれたの!?」

「え、え?」

 

 突然過ぎて思考が停止している恭矢だったが、ふと頭の中にコマンドが浮かんだ。

 

 幻想郷の素敵な巫女(腋)が現れた!恭矢はどうする?

 

 戦う 逃げる 説明する

 

 恭矢は逃げるを選択した!

 しかし、回り込まれてしまった!

 

「ぐはっ!?」

「なんで逃げるのよ、別にとって喰おうって訳でもないのに。」

 

 巫女のお払い棒(弱)攻撃!

 恭矢は目の前が真っ暗になった………。

 

 

 数分後───

 

「落ち着いたかしら?」

「おれは、しょうきに、もどった!」

(本当に大丈夫かしら…。)

「ふう…。あ、お賽銭は10005円入れました。」

「いきなり正気に戻るな。………え?もう一度言ってくれない?」

「ふう…。あ、お賽銭は10005円入れました。」

「マ ジ で ! ?」

「マジです。」

「あ、」

「あ?」

「ありがとおおお!!!」

「うわぁっ!?」

 

 感極まったようで恭矢に抱きつく赤巫女(腋)。

 相当嬉しかったようである。

 

 

 更にまた数分後───

 

「落ち着きました?」

「わたしは、しょうきに、もどった!」

(大丈夫かなぁ…。)

 

 どこかで見たようなパターンである。

 

「あ、それでどうしたのかしら。お祓い?それとも祝福?なんでもしてあげるわよ?」

「あの、俺は外来人なんですよ。」

「あー、そういうこと…。なら外の世界に戻してあげるからそこに立ってなさい。」

「いや、違いますって。俺、幻想郷に住むことにしたんで挨拶にきたんです。」

「………ああそういうこと。」

 

 ようやく理解してもらえたようだ。

 

「ごめんなさいね、お賽銭なんて久しぶりだった上に額が額だったから…。」

(なんとなく気持ちが分かるなぁ…。)

 

 外の世界で恭矢の父が神主をつとめていた神社は、今でこそ有名になっていたが恭矢が幼い頃は似たような状況だったのだ。

 だからだろうか、共感出来る部分がある。

 

「まあ、そんな事は置いといて、よ。幻想郷へようこそ、私は貴方を歓迎するわ。」

「ありがとうございます。確か…、博霊 霊夢さんでしたっけ?」

「ええそうよ、改めて名乗らせてもらうわ、私は博霊 霊夢。幻想郷の調停者として妖怪退治なんかをやっているわ。貴方の名前は?」

「俺は夢祀 恭矢って言います。外の世界で神主の息子やってました。」

 

 本日四度目の自己紹介である。

 作者もそろそろ飽き(以下略

 

 自己紹介も終わり、現在の恭矢の目的も伝えたところで、霊夢から一つ提案が出る。

 

「仕事を探してるなら、寺子屋の教師が一番いいと思うわよ。外の世界で学んだことを教えてあげれば子供たちも喜ぶだろうし、高校だっけ?そこで学んだことがあれば充分な筈だし。」

「あー、慧音さんに聞いておけば良かったなぁ。流石に遅いし、今日はアリスさんのところに泊めてもらおうかな。」

「別にここに泊まっていけばいいじゃない。今から魔法の森まで行ってたら本当に夜になるわよ?」

「え、いいんですか?今日会ったばかりの男を家に泊めるなんて危険ですよ。」

「あら、私になにかするつもりなのかしら?」

「そ、そんな事しませんよ!」

「ならいいじゃない。」

「……………お世話になります。」

 

 完封である。幻想郷生活二日目は、博霊神社にお泊まりすることになりました。




霊夢さんのキャラ崩壊してる…。

二次小説によくあるキャラ設定になっちゃったよ…。

ルーミア可愛い(ここ重要!
…ロリコンじゃないよ?

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