…優しい読者さんなら笑って読み飛ばしてくれる筈(願望
家を建ててもらえることになって、一ヶ月後…
「よっし!お前ら、傷は治したな?」
「「「おう、完璧だ!」」」
「なら建て始めるぞ!一週間だ、一週間で完成させる!」
「一週間?そんなに短期間で出来るんですか!?」
「普通なら無理だが、俺には『組み合わせる程度の能力』があるからな。これのお陰で頑丈な家が使う道具も少なく作れるんだ。」
現代の道具を一切使用せず、加工まで全て手作業で行っているのだ。一週間で完成する、ということは能力を加味してもかなりの速度だった。職人たちの腕が素晴らしいからこそ成せることだ。
ちなみにこの一ヶ月間の恭矢の住居は、教師をしながら霊夢やアリス、慧音といった知り合いたちの家に泊めてもらうことで何とかしていた。
魔理沙や妹紅にも頼もうと考えていたが、魔理沙は霊夢から
「あいつの家は止めといた方がいいわよ、前に行った時は足の踏み場がなかったわ。」
と言われたのでやめておいた。
妹紅は単純に家がわからなかったので諦めた。今思えば、慧音に聞けばよかったと思っている。
一週間後───
「せんせーさようならー。」
「はいはい、またなー。」
「立派に先生やってるじゃないか。」
「あ、区内さんお久しぶりです。」
「おう、ひさしぶり。」
「わざわざ寺子屋まで来るなんて何かあったんですか?」
仕事が終わり子供たちを見送っていると、区内が話しかけてきた。この一週間、顔を見ることすらなかったので少し心配していたのだ。
そう聞くと、区内はニヤリと笑って言った。
「家、完成したぞ。」
「本当ですか!?」
「ああ、それを伝えに来たんだ。見たいだろ?」
「はい、是非とも!」
「良い返事だ、今から行くぞ。」
「分かりました!」
「先生、ちょっと恭矢借りてくぞー。」
「ん?ああ、家が完成したのか、そう言うことなら行ってこい。」
慧音に(区内が)許可をもらったので完成した家に向かう。
青年大工移動中───
「これが…!」
「そうだ、これがお前さんの家だ。」
「…大きくするとは言ってましたが、ここまでやります?」
区内たちが建てた家は素晴らしい出来だった。
問題があるとすれば、恭矢は一人暮らしの筈なのに建った家が
「はっはっはっ!すまんなぁ、興がのり過ぎた。ただ、反省はしてるが後悔はしてないぜ。」
「確かに立派で素晴らしいですけど…、これ掃除とかどうしよう…。」
「それなら俺らのとこの奴らに、定期的に掃除するように言っとくぞ?」
「いえ、そこまでしていただく訳にはいかないので。」
「そうか、なら頑張ってくれよ。俺は帰るぞ、もう眠いわ…。」
「ゆっくり休んでください。ありがとうございました!」
「おう、じゃあな。」
そう言うと区内は手を軽く振って帰っていった。
とりあえず、中を見て回ることにする。
全部屋に畳が敷き詰めてある日本人としてはうれしい造りだ。
ただ、部屋数が多い。これなら、五人くらいは余裕で住めるだろう。
「掃除、どうすっかなぁ…。」
悩むこと十分程、
「結界で何とかならないかなぁ。」
能力を上手く使ってなんとかするつもりのようだ。
早速試してみる。流石に屋敷全体で試すのは厳しいので、一部屋だけだ。
結界を板のように薄くして張り巡らせてみる。
張ることは出来たが、畳独特のやわらかさが消えてしまった。
「うーん、違うなぁ…。どちらかというと膜を張る感じで…。」
何度か試行錯誤していると、予想以上に早く成功する。
触れてみると、畳のやわらかさを残したまま表面上に膜状の結界を張ることが出来たようだ。
「よし、これなら屋敷全体でも出来そうだな。あと、感知用の結界も張っとかないと。」
青年結界セッティング中───
「や、やっと終わった…。結構疲れたなぁ。」
結界を張り終わり、時間を確認する。夕方から始めたのにもう夜だった。
「でもこれで、掃除するときは結界を丸めてゴミを回収すればオッケーだな。」
安心すると同時に、恭矢のお腹が空腹を訴えてくる。
「お腹、空いたなぁ…。食材も大半は霊夢さんにあげちゃったし、何かあったかなぁ。」
「あら、お困りかしら?」
「…なんだ、気のせいか。」
なにか聞こえた気がしたが、なにもなかった。幻想郷の賢者(愚)なんていなかった。
「あ、あら?ちょっとー、恭矢くーん。」
「んー、今残ってるのはもやしくらいか…。もやし炒めでいいか、なにも食べないよりはましだろ。」
「あの、食べ物持ってきてあげたんだけど。」
「………ああ、ストーカ、ん゛ん゛っ!ストーカーさんですか、なにかご用でしょうか?」
「泣いていいかしら…。」
「どうぞどうぞ。」
「あなたって幽香までは行かないけどかなりのSよね…。」
「いやー、褒めても結界式石畳しか出ないですよ?」
「…あれは、もう、いやよ。」
トラウマを思い出したのか震えだしたストーカー、もとい紫を見つめながら、恭矢はあることを伝える。
「安心してください、ここまで虐めるのは紫さんだけですから!」
「なにも安心出来ないわよ!?」
「ところで、何の用ですか?食べ物って聞こえたんですけど。」
「もういいわ…。どうせ家のことで時間を潰して食事のことを忘れてるだろうから持ってきてあげたのよ。」
「どこからその情報を?やっぱりストーカーですか?」
「お、女には色々と秘密があるものよ。」
「まあいいです。早く食べ物ください、ストーカーさん。」
「………どうぞ。」
「ありがとうございます。」
いくつかの食べ物を渡すと、いじけたように紫は座り込み地面に の の字を書いていた。
「どうせ私はストーカーですよ…。」
「はぁ…。ほら、飯作りますんで手を洗って居間に入っててください。」
「え?」
「二度は言いませんよ?」
「ツンデレか。」
「もっかい石畳やっときま「ごめんなさい」よろしい。」
料理(以下略
という訳で、恭矢手製の食事を食べ、満足したように帰っていった紫を見送った。
その後は、新しく出来た家の風呂に入り、購入しておいた新品の布団でゆっくりと眠りましたとさ。
次回に続く(かもしれない)
後半がただただ紫さんを弄る話になってしまった。
紫さん好きな方ごめんなさい(;・ω・)
キャラ崩壊タグ追加しとこう(´・ω・`)