一週間だけですが…
一週間だけですが!
「恭矢といったな。貴様、紅魔館で働け。」
「…はい?」
唐突なレミリアの言葉に、茫然としてしまう。
その間にもレミリアは上機嫌で話し続ける。
「フランや咲夜も貴様のことを気に入っているようだからな。
「いや、なんでもとは言いましたけど、俺は人里で教師をしてるんです。だから紅魔館で働くわけにはいかないんですよ。」
「むぅ、でも………。」
悲しそうに俯くレミリアに、恭矢の良心が刺激される。
少し迷った後に、代案を提示することにする。
「ええと…、ならこうしましょう。来週から一週間、とりあえず紅魔館でお世話になります。」
「一週間?」
「はい、その一週間で俺の心を変えることが出来たら、その後も働くことにしますよ。どうです?」
「うー、それでいいわ。絶対に心を変えてあげるんだから!」
「はは…、覚悟してますよ。」
まあ、恭矢は教師を辞める気自体さらさらないのだが…
───こんなやり取りをして、その日は宴会もお開きになった。
ちなみに後からではあるが、慧音に話を通して許可はもらっておいた。
そして一週間後───
恭矢は紅魔館の門前に立っていた。
「さて、今日から一週間はここに住むことになるのか。確か美鈴さんが門番をしてるんだったっけ?」
そういって恭矢が周囲を見回していると、独特なチャイナ服が目に映る。
「あ、美鈴さ…。」
「Zzz…。」
「寝てるし…。どうしようこれ。」
「心配しなくていいわ。」
「うわっ、いきなり声かけないでくださいよ咲夜さん。」
「あら、ごめんなさいね。」
「ところで、心配しなくていいというのは?」
咲夜の言葉が気にかかったため尋ねてみる。
「ああ、こうするのよ。」
ひゅっという音とともに美鈴の額にナイフが突き刺さった。
「えええええええ!?いや、何してんの!?何してんの咲夜さん!?」
「これくらいいつも通りよ、驚かなくても、ほら。」
咲夜が美鈴を指すと同時に、美鈴が額を抑えながら転げまわる姿が目に映った。
「いったあぁぁ!?何事ですか!?」
「おはよう、美鈴?」
「あ、おはようございます咲夜さ、ん…。」
咲夜の姿を確認した途端、美鈴の動きが止まる。
そして、目に見えるレベルで汗が噴き出す。
「…いつからそこに?」
「恭矢が貴女の寝ている姿を確認した時からよ。」
「あ、あはは…。全部じゃないですかやだー。」
「もう一発いっとくかしら?」
「え、遠慮しときます!」
二人のやり取りを眺めていると、話を逸らそうとしたのか恭矢に矛先が向く。
「そ、そういえば恭矢さんは今日から紅魔館で働くんですよね?」
「え?はい、そうですよ。一週間だけですけど。」
「紅魔館の良さを知ってもらうための期間よ。とりあえずお嬢様のところへ案内するからついてきなさい。」
「はい。」
「はー「美鈴?」すみません!だからナイフを下ろしてください。」
なんだか美鈴が不憫に見えてきた恭矢であった。
という訳で、やはりお仕置きされる美鈴さんでした。
まあ、定番デスヨネ?