巨人族の弟子   作:猫ペンギン

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仕事忙しくて中々執筆できないGWでした。




16話 挿絵:クロス

「おい!早く殺せ!!じゃねェと、てめェら全員排除するぞ!!」

 

縛り付けながらも、暴れる様子は見せずに、ただただ殺せと喚く様は滑稽以外の何者でもない。

 

「あぁ・・・コイツ、どうするガネ?」

 

「そうね・・・色々と空島について教えて欲しいこともあるんだけど」

 

「何も教えん!早く殺せェ!」

 

ロビンが襲撃者に対して声をかけるが、それでも喚くばかりで話にならない。とても面倒なものを連れてきてしまったものだ。あの"天国の門"に置いてくれば良かったと全員が思った時だ。

 

空からまた、何者かがこの船に飛び降りてきた。

 

「また現れたガネ!!」

 

ババっと再度みんなが身構えるが、今度の奴は敵意を持ってはいないようだ。

 

「我輩、"空の騎士"ガン・フォール!!!」

 

「ピエー!」

 

変な顔をした鳥に乗ったお爺さんが船の上に降り立った。

 

「我輩は敵ではない・・・おぬしら見たところ青海人だな?・・・なんと!!ゲリラを倒しおったのか!!?」

 

「青海人?門にいたバァさんも同じような事を言っていたな・・・」

 

「ゲリラって何?」

 

「ゲリラとは先住民シャンディアが自らの島を追われ、その島を取り戻す為にゲリラ活動をしている者のことを指す・・・そこで伸びている奴はシャンディアのリーダーである。空の戦いを知らないのに其奴を倒すとは・・・」

 

「追われて・・・?」

 

「"大地(ヴァース)"は空島にないのでな・・・彼らの住んでいた土地を空島の者が奪ったのだ・・・」

 

「ナーニよーーう!!空島の人達が悪インじゃナーーーイ!!?」

 

「返す言葉もない・・・」

 

「そこのゲリラを連れて行ってくれないかしら?私たちの手に余るもの・・・」

 

「・・・承知した!」

 

「誰がテメェなんかに・・・!!!」

 

ポーラがそう言うとガン・フォールが答えるが、襲撃者が否定した。

 

「・・・テメェに気を許した覚えはねェぞ、ジジィ!!!」

 

怒り狂ったように叫ぶ襲撃者。過去にこの2人になにかあったのは明らかだった。

 

「いや、連れて行かなくてもいい・・・これも何かの縁・・・仲良くやろうじゃないか」

 

「「「船長!!!」」」

 

「クロスちんもうダーイ丈夫なのーーーう??」

 

突如現れたクロスはマストに縛られた襲撃者の縄をベクトル操作で解いた。驚いた顔で襲撃者はクロスを見るが、特に暴れるようなことはしなかった。

 

「・・・礼は言わん!仲良くやるつもりもないぞ!!!」

 

「俺の仲間が縛ったんだろう?それが道理だな・・・ただ、俺もロビンも故郷がない身・・・仲良くできると思うが・・・」

 

「てめェが船長か・・・名は?」

 

「クロスだ」

 

「おれァワイパーという・・・今は引き上げるが、くれぐれも邪魔だけはするんじゃねェぞ!」

 

「おぉ!またな!!」

 

舌打ちすると、ワイパーは船を降りてどこかに向かって行った。

クロスの雰囲気に圧されたのかは分からない。勝ち目がないと悟ったのだろうか。

クロスは何が起きているのかよく分からなかったが、ロビンの頭にポンッと手を乗せるとガン・フォールに問いかけた。

 

「お前だれだ?」

 

「我輩は"空の騎士"ガン・フォールである・・・主が船長か。強そうな佇まいをしておるの」

 

「あぁ、俺は強いな・・・何か用でもあるか?」

 

「我輩は傭兵をしておってな。先ほどのゲリラのような者たちから観光客の護衛等をする仕事をしておる。おぬしらに必要はないみたいだったが・・・」

 

「あぁ・・・空気が薄いからな。俺にとってはなんの意味もないけど・・・空島でオススメの場所とかあるか?」

 

「ふむ・・・青海にはない文化が沢山あるからどこへ行っても良かろう。アッパーヤードにさえ立ちいらなければな」

 

「「「アッパーヤード!?」」」

 

「神の住む土地とされている聖域で、先ほどのゲリラの故郷でもある。おぬしらがいかに強かろうと、決して"神"には勝てん!」

 

「・・・ふーん」

 

クロスは特に興味なさそうに返事をしたが、他の面子はクロスが興味を持つのではないかと恐れていた。

 

「我輩はもう行く・・・くれぐれもアッパーヤードには近づかないように」

 

そういうと、ガン・フォールは"ウマウマの実"を食べてペガサスとなった鳥に乗って飛び立っていった。

その変な顔をしたペガサスのイラストを画用紙にマリーが描いていた。

 

「とりあえず上陸するガネ」

 

「あぁ、そうだな。俺が寝てる間に起きたことを教えてくれ!

 

クロスがそう言うと、ベンサムが何があったかを話した。

ロビンとポーラもちょいちょい口を挟みながら。

 

 

##

 

 

 

俺とロビンとギャルディーノを残して、みんなが空島に入っていった。

ワイワイと騒ぎながら、島雲のビーチで楽しそうにしていた。

 

「錨はどうするガネ?海底とかあるガネ!?」

 

「下ろしてみてダメだったら、俺の能力でここに留めるから大丈夫だ。やってみろ」

 

そう言うとギャルディーノは錨を下ろした。

 

「おぉ!手応えありだガネ!!」

 

「ふふふっ、私たちも行きましょ!」

 

そうして俺たちも下船してビーチに降り立った。

とても気持ちの良い気分だ。

俺たちはビーチでのんびりとすることにした。

と言っても、海のような雲に入ると身体の力が抜けたので、ビーチで転がったりフカフカの椅子に座ったりしていた。

フォーフォーと言いながら、クロールで泳ぐブルを見ながら、「泳げたのかよお前!」と全員がツッコミを入れたりしている。そうやって過ごしていると海から人が来た。

 

「へそ!」

 

「「「いや、何言ってるんだ!!?」」」

 

「はい、すいません。止まりますよ」

 

そう言って水上バイクみたいなものに乗ったオッさんは、止まり切れずに木の方にぶつかりそうになったが俺の能力でぶつかる寸前で止めておいた。

 

「面倒をおかけしてすいません。青海からいらしたのですか?ここは"白々海"ですいません。申し遅れましたが私の名は"パガヤ"ですいません」

 

謝り通しているおっさんに、クラヴァとポーラが戸惑い、海から出たブルがフォーフォーと笑っていた。

 

「そうだ、ちょうど良い。今、漁に出ていたのですが、みなさんお腹は空いていませんか?家にいらっしゃい。ご馳走しますよ!」

 

人の良さそうな笑顔でそう言ったパガヤさんに皆んなすぐに気を許した。基本的に人を信じないメンバーではあるが、空島の食べ物にみんな興味津々だ。

 

「イイのーーーう?ゴチになるわよぅ!!」

 

「空島料理も覚えてみたいわね・・・」

 

「キャハハハ!楽しみね!」

 

俺たちはワイワイしながら、パガヤさんに着いていった。

 

「見晴らしの良いところにあるガネ」

 

「「「おじゃましまーす」」」

 

「あらお父さん、へそ!」

 

「へそ!コニスさん」

 

へそって挨拶だったのか!と納得していると、コニスさんと言われた少女は俺たちに目を向けた。

 

「お父さんのお客様ですか?」

 

「えぇ!青海からいらしたそうで、エンジェルビーチで出会いました。空島料理をご馳走しようと連れてきたのですいません」

 

「ふふっ!みなさん、へそ!ゆっくりしていって下さいね」

 

とても優しい親子のようだ。

お言葉に甘えて俺たちは雲でできた椅子のあるダイニングに通された。

 

パガヤさんとポーラとホーンビーは3人でキッチンへ行った。

 

「気持ちいいな、この椅子は・・・船長!雲でできた家具を後で買いに行っても良いか?」

 

「行きたい・・・!」

 

クラヴァとマリーがそう言ってきたので了承した。後で買い物に出かけるのも良いだろう。

 

「ふふっ・・・じゃあ後でラブリー通りをご案内しますね!」

 

「ラブリー通り!!?ステキな名前じゃナーーーイ!?」

 

ベンサムはクルクルと周りながらそう言った。

 

「ラブリー通りはエンジェル島唯一の繁華街なんです!店が浮いていたり色んな"ダイアル"が手に入りますよ!」

 

「ダイアルってのはどう言ったものガネ?」

 

「ダイアル!?"ダイッ"!"ダッ"!!!」

 

「ダイアルをご存知ないのですか?そうですね・・・例えばコレです」

 

「「「貝!!?」」」

 

「この貝がダイアルです。これは"音貝(トーンダイアル)"で、音を録音・再生する習性がある白々海産の貝殻です。主に音楽を録音して使います」

 

「とォ〜〜〜〜〜おォ〜〜〜〜〜ん〜〜〜〜〜」

 

[とォ〜〜〜〜〜おォ〜〜〜〜〜ん〜〜〜〜〜]

 

ブルが録音して遊んでいた。

 

「すごいわね・・・色んなダイアルというのは?」

 

「あとは、"風貝(ブレスダイアル)"。例えば30分、風に当てておけば30分分の風を自在に排出できるんです」

 

そう言われて俺は風貝を借りてみた。貝を手に持ってグルグル回して殻頂を押してみると、強い風が出てきた。俺の能力に合いそうなダイアルだ。

 

「他にもまだ種類がありそうね・・・この照明もそう?」

 

「ええ、"灯貝(ランプダイアル)"です。光を溜めて使います」

 

「おぉ!貝が光ったガネ!!」

 

みんなダイアルに興味津々だ。

 

「直接の資源じゃないですけど、空島の文化はダイアルエネルギーと共にある文化ですから・・・他にも炎を蓄える"炎貝(フレイムダイアル)"、香りを溜める"匂貝(フレイバーダイアル)"、映像を残せる"映像貝(ビジョンダイアル)"と色々あります」

 

「面白いじゃナーーーイ!!?クロスちん!あちし、沢山買うわよーーう!」

 

「ふふふっ、良いわね・・・たくさん買いましょ」

 

「おまたせ!できたわよ!」

 

俺たちがダイアルの話で盛り上がっていると、ポーラとホーンビーがお皿を持ってきた。

お皿の上には見たこともない変な形をした魚と海老と貝が載っていた。

 

「「「いただきまーす!」」」

 

うん、めちゃくちゃ美味しい。

コナッシュと言われる飲み物とよく合う料理だ。

ポーラが作った料理はアクアパッツァだったが、パガヤさんとコニスさんも美味しそうにしてくれている。

俺たちはパガヤさんの作った空島料理とポーラ達の作った青海料理をご馳走になった後、ラブリー通りへ向かって、"ダイアル"と雲でできた家具や雑貨を買い込みながら、観光を楽しんだのだった。

 




クロスのイメージ画を描いてみました。
読者様のイメージとかけ離れていたらすいません。


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