パガヤさんは"風貝"を使った乗り物であるウェイバー等の"貝船"を扱うエンジニアのようだが、漁に出ることも仕事としているようだったので、数日その漁の手伝いをしながらも空島を満喫していると、見たことのある船が遠くの方に見えた。
麦わらの一味も空島にやってきたようで、コニスさんと仲良くなっていた。
「お前らも空島に来てたのか!!!」
「ねぇ!どうやって来たの?」
嬉しそうにルフィが話しかけてきたが、ナミは不思議そうに聞いてきた。
「あぁ、俺の能力でプカプカと浮いてきた。お前らこそどうやって来たんだ?」
「反則じゃねェか!俺たちは"突き上げる海流(ノックアップストリーム)"で来たんだ!」
「それって災害じゃなかった?」
ウソップの答えにロビンが返事をすると、ナミとウソップとチョッパーは肩を落とした。
「・・・そうだよな。何も言えねェよ。なんだよプカプカって!本当に反則じゃねェか!」
「いや、あれはプカプカとは言えないと思うガネ」
ウソップが理不尽に文句を言ってきたがギャルディーノが言い訳をすると、みんなウンウンと頷いている。
解せぬ。
「今、パガヤさんと漁をしてたんだけど、船長のおかげで大漁なの。良かったら一緒にご飯しない?」
ポーラがそう言うと、麦わらの一味は全員嬉しそうにしだした。
「空島料理か!俺も手伝わせてくれ!」
「ふふっ・・・一緒に作りましょうね」
「キャハハ!空島料理に慣れてきたかも」
「お姉様方!!よろこんで〜〜〜!!!」
ポーラがウィンクすると、サンジはクネクネしながら目をハートにしている。
「ねぇ、その前に聞いていい?これ、どんな仕組みなの?風を受ける帆もないし、漕いでたわけでもない。何で海を走ってたの??」
ナミがパガヤさんの乗っていたウェイバーに興味津々のようだ。
パガヤさんがウェイバーで先導し、俺たちは暗黒丸に乗って漁をしていたから、またしてもパガヤさんは止まりきれずに樹木に突撃しそうになっていたのだ。
「アクセル?これか?踏めばいいんだな、これを」
ルフィがウェイバーに乗って海に駆け出した。が、すぐにコケてしまい海に沈んでいった。
麦わらの一味とパガヤさん親子は焦っている。
「逆流」
俺が能力で救いあげると、飛び込もうとしていたゾロ、サンジ、チョッパーはピタリと止まった。
「し・・・しぬ・・・」
「すいません!ウェイバーをお貸ししてすいません!」
「助かったよ、ありがとな!」
ルフィが死にそうになり、パガヤさんは謝り続け、サンジが礼を言ってきた。
「おーい!!」
声がする方を見ると、ナミがウェイバーに乗っていた。
ウチのメンバーで乗れたのは能力を使用した俺だけだったのに、能力なしで乗れるとはすごいな。
そう俺が感心していると、横で生き返ったルフィが拗ねて文句を垂らしていた。
「先行ってて!!おじさん、もう少し遊んでていい?」
「えぇどうぞ!気をつけて下さい!!」
俺たちは共に、またパガヤさんの家にお邪魔することになり、俺たちと同様、ダイアルの説明を受けていた。
サンジという男は、女好きのようだが、包丁を持つと顔が変わるようで、とても美味しそうな料理を持ってきた。ポーラとホーンビーがサンジに色々とレシピを聞いたり勉強させてもらったらしい。
「さァ出来たぞ!!"空島特産果物添えスカイシーフード満腹コース"だ!!!」
「んまほ〜〜〜〜〜!!!」
全員で一斉に料理に手をつけ始めた。
「ねェ、サンジさん?良かったらお姉さんにもっと色んなことをお・し・え・て?」
「キャハハ わたしもデザートの作り方教わりたーい!」
「はい喜んで〜〜〜〜〜!!!」
料理を持ってきてすぐにサンジは2人の肩を抱きながら厨房に戻っていった。
ふと海を見ると、ナミがいなくなっている。
「おい、お前らの航海士いなくなってるぞ?」
「ちょっと遠出でもしてんだろ?放っといていい!」
麦わらの一味は目の前の料理に夢中になっていたが、パガヤさんとコニスさんが慌て始める。その様子を見てルフィは顔を上げた。
「なんだ?どうした?」
「この"スカイピア"には何があっても絶対に足を踏み入れてはならない場所があるんです・・・その土地はこの島と隣接しているので、"ウェイバー"だとすぐに行けてしまう場所で・・・」
「足を踏み入れちゃならないって何だそれ?」
「・・・聖域です。神の住む土地・・・"アッパーヤード"」
そうコニスさんが続けると、ルフィはとても行きたそうにしていた。
アッパーヤードの話は俺たちも聞いていたが、まだ行ってはいない。
青海に帰る前にちょっと行ってみようとは考えていたけど。
この話はメンバーにはまだ言ってなかったけど。
とりあえず様子見の為に、全員でまたエンジェルビーチに向かうこととなった。
##
麦わらの一味はゴーイングメリー号に乗り込んで、ナミを探しに行くことにしたらしい。
俺たちデレシシ海賊団は、ビーチでまたのんびりとしている。
ルフィが船に乗る前に、古くなったウェイバーをパガヤさんに見せていると、階段の上から降りてくる人間が大勢いた。
ゆっくりと時間をかけて、匍匐前進で現れたそいつらは立ち上がるとへそ!!と挨拶をして、パガヤさんとコニスさんも挨拶を返した。
「あなた達ですね!?"青海"からやって来られた不法入国者7名というのは!!!」
「ええっ!?不法入国者?」
「弁解の余地はありませんよ。"天国の門"監視官アマゾンより"映像貝"による写真が届いていますので!!」
「・・・まさか?何かの間違いでは!?マッキンリー隊長!彼らはそんな悪い人たちでは・・・」
「なぁ麦わら、お前ら入国の時のお金を払わなかったのか?」
「あぁ、通っていいって言ってたからな!」
俺がルフィにそう聞くと、ニカッと笑ってそう答えた。俺は門を通るときに寝ていたから詳しくは知らないが、ベンサムとロビンが俺の分のお金も払ってくれていた。
「言い訳はおやめ下さいまし、認めて下さい・・・ですがまだそう焦る事もありません。"不法入国"これは"天の裁き"における第11級犯罪でしかありません。罰を受け入れればあなた方は、そこにいる10名と同じく安全な観光者となれます」
「何だそれを早く言えよ。心外にゃかわりねェが・・・罰ってのは一体何なんだ?」
マッキンリー隊長と言われる軍服を着た男に、サンジが質問をした。
「簡単なことです。入国料を10倍払って下さい。1人100億エクストル・・・つまり6人で600億エクストル!この場でお支払い下されば、あなた方の罪は帳消しにさせていただきます」
「600万ベリーだな・・・」
俺が教えてあげると、麦わらの一味は高すぎると騒いでいた。こいつらはそんなにお金を持っていないらしい。
「貸してやろうか?俺たち結構持ってるし・・・」
「え!いや、でも・・・」
「え!いいのか!?悪ィな!」
サンジとウソップは戸惑っているが、ルフィは潔く借りることを決意した。
その時、海の方からナミがウェイバーに乗って帰ってきたのだった。
「ちょっと待って!!」
「あぁっ!!ナミさん無事だったんだね?」
目をハートにしたサンジが手を振っている。
「ルフィ!その人たちに逆らっちゃダメよ!!」
「600万ベリーの不法入国料を払ったら許してくれるらしいぞ!」
大声で会話をするナミとルフィ。
「良かった、まだ罰金で済むのね・・・600万ベリーって・・・高すぎるわよ!!」
そういってナミはウェイバーでマッキンリー隊長の顔面を吹き飛ばした。
「ハッ!しまった!!理不尽な多額請求につい・・・!!!」
「おい!クロスがお金を貸してやるって言ってくれたのに!」
「えぇー!!早く言ってよ!あ、おじさんウェイバーありがとう。楽しかったわ!」
「いえいえどうもすいません。そんな事よりあなた方、大変なことに!」
「さぁ逃げるのよ、ルフィ!!」
すぐに島雲に降り立ったナミはルフィの手を引いてぐいぐいと船の方に向かおうとした。
「わ!何でだよ!お前、ケンカ仕掛けたんじゃねェのか?」
「"神"とかってのに関わってるとヤバいのよホントに!今のは事故よ!!」
「待てぇ〜い!!!」
逃げようとする2人にマッキンリー隊長が叫んだ。
「・・・逃げ場など既にありはしない!我々に対する数々の暴言・・・それに今のは完全な公務執行妨害・・・第5級犯罪に値している・・・!"神・エネル"の御名において、お前たちを"雲流し"に処す!!!」
「雲流し・・・!そんな!!」
「何だそれ、雲流しって気持ち良さそうだな!」
「良くありません!逃げ場のない大きさの島雲に船ごと乗せられて骨になるまで空を彷徨い続ける刑です・・・死刑です!!」
コニスが楽観的なルフィにそう説明した。とても恐ろしいことを思いつくものだ、空島というところは。
「ひっ捕らえろ!!!」
「「「ハッ!!」」」
ホワイトベレー部隊が弓を構えた。
「逃げて下さい!敵いません!!」
「止しなさいお嬢さん、それは犯罪者を庇う言動に聞こえますよ」
コニスさんが麦わらの一味を気遣ってそう言うと、マッキンリー隊長がギロリと睨みつけた。
「撃て!!"雲の矢(ミルキーアロー)"
!!!」
ホワイトベレー部隊が放った矢をルフィがサッと避けるが、その矢の後ろは雲が流れていて、ホワイトベレー部隊はその雲の上を風貝の付いた靴で流れるように移動してルフィに追撃をする。
「なーーるほど!!!」
ルフィは近くにあったコナッシュの木に捕まるとビヨーンとその場から姿を消した。
「何っ!?何だアイツは・・・!?」
「えェ!!?手が・・・伸びた」
「なァんと!!」
ホワイトベレー部隊のみんなと、コニスさん、パガヤさんも驚いている。
「ゴムゴムの・・・"花火"!!!」
ルフィはあっという間に、近くにいたホワイトベレー部隊をぶっ飛ばし、ゾロとサンジも参戦して全員を倒してしまった。
俺たちは傍観を決め込んでいる。
「・・・あのホワイトベレーをやっつけちゃった・・・!青海の人はここでは、運動能力が落ちるハズなのに・・・」
コニスがそう呟くと、マッキンリー隊長が立ち上がった。マッキンリー隊長は丈夫なようだ。
「ハ、ハハハ、バカ共め・・・我々の言う事を大人しく聞いておけば良かったものを・・・我々ホワイトベレー部隊はこの神の国の最も優しい法の番人だ・・・彼らはこう甘くはないぞ!!これでもはや第2級犯罪者。泣こうが喚こうが・・・アッパーヤードの神官達の手によって、お前達は裁かれるのだ!!!へそ!!!」
マッキンリー隊長はそう言い残して去っていった。他の隊員たちもなんとか起き上がり、隊長について行ったのだった。