巨人族の弟子   作:猫ペンギン

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第2話

##

漂流から4日目、目が覚めた俺とサウロは腹ごしらえもそこそこに話し合うことにした。

 

「・・・なぁサウロ。これからどうする気だ?」

 

「デレシ!ワシはある島を探してるんだで。まだ動けそうにないから、舟でも作りながら療養しようと思うているんだで」

 

「そうか。俺はどうしようかな?」

 

本当にどうしよう。何か生きる目的みたいなものがないからなぁ。

世はまさに大海賊時代と言われているけれど。

海賊や海軍、賞金稼ぎと色々あるらしいが、どちらにせよ力を付けないと、すぐに死にそうな気がする。

大抵は能力でどうとでもなりそうだけど。

まだ保留という形でいいか。

ここに滞在するという手もあるし。

 

「・・・おはよ」

 

話していたら、またロビンがやってきた。

ここに着いてから毎日のように色々と食べ物を持ってきてくれている。

 

「なぁ、ロビン。こないだ言ってた妖怪ってどういう意味だ?」

 

「それは・・・」

 

そういうとロビンの肘から腕が3本くらい生えてきた。たぶん俺と同じ能力者だろう。

それで化け物扱いされたのだろう。とても悲しい目をしている。

表情には出てないようにも見えるが。

「怖くないの?」

「別に怖くはないかな」

「ワシは"偉大なる航路"におった事あるで。すげェ能力者いっぱい見たでよ。そうか羨ましいでよ。デレシシ!!便利そうだなデレシシ〜〜シ!!」

「うふふっ変な笑い方」

ロビンは嬉しそうに笑った。

それにしても偉大なる航路にいたのか。巨人族ってのは偉大なる航路にしかいないのかな?

サウロに鍛えてもらえるかどうかきいてみようかなぁ。

俺も能力者だけど、見た目の変化と言えば、この白髪が目立つ容姿が変化っちゃ変化だな。

「デレシ!」

「うめーうめーデレシシシシ!!」

考え事をしてたら、いつのまにかロビンの笑い方も変になってた。

まぁ、笑顔が一番だな。

俺はうつらないように気をつけよう。

 

##

 

「できたでよーー!!イカダ!!デレシシシシ」

あの後俺たちは、サウロが乗るための船を作った。

まぁ船というか本当にイカダだな、これは。

「じゃあ・・・・・もう行っちゃうの?」

「「!」」

ロビンがあからさまに悲しそうな顔をしている。

「もうちょい待ってくれよ、サウロ。着いていくかここに残るかまだ決めきれてないんだよ」

「そういや旗でも付けようと思うとったとこだで。も少しここにおるでよ。クロスもゆっくり決めればええ。デレシシ!」

サウロは良いやつだな。

ロビンも嬉しそうだし。このままこの3人でここにいれないものかな。

 

「私も海に出たいなぁ・・・」

ロビンがポツリとつぶやいた。

 

「私のお母さんは考古学の研究が忙しいんだけど、いつかまたこの島に帰ってきた時には、今度は海へ一緒に連れてって貰うの!!」

そう話すロビンは楽しそうだ。

「その為に勉強して、私、やっと考古学者になれたのよ」

「考古学者か、スゲェな」

そういや、考古学の島だったな、ここは。

「おめェ、母ちゃんの顔も覚えてないんだで?」

「・・・うん。でもお母さんだもん」

母さんか。二年前まで俺も両親は普通にいたんだよなぁ。

 

「知ってる?サウロ、クロス」

「「ん?」」

「世界には、100年間ポッカリ空いた、誰も知らない歴史があるの」

「あァ、"空白の100年"というやつだで?興味あるが政府はそれを調べることを禁じとるでよ」

・・・初めて聞いたな。そんなこと有り得るのだろうか。

 

「うん。私のお母さんは世界中でそれを調べて回ってるんだって。・・・でも、これは誰にも言っちゃダメよ!本当は犯罪だから」

「・・・・・・・・え・・・!!・・・それはまさか"歴史の本文"という石を探し回ってるという事ではねェか!?」

「"歴史の本文"知ってるの・・・?」

「知っとるもなにも!!ええかロビン!こういう問題は人前で口にしちゃイカンでよ!!ましてやおめぇの母ちゃんがそれを探し回ってるなん・・・」

 

サウロが何かに気づいたようなとても複雑な表情を浮かべている。

「・・・どうしたんだ?サウロ」

「・・・どうしたの?」

 

「ロビンおめぇ、母ちゃんの名前、分かるか?」

「オルビア」

「!!!?」

ドテ・・・!!

でかい音を立ててサウロが倒れた。

サウロはロビンの母親を知ってるのか。

 

「じゃあまさか!!ここは、オハラという島では!?」

「「うん」」

ロビンと俺の声がハモった。

「うわあ!!!大変だで!!なんてこった!なんてこったワシは!!オハラに来ていたのか!!つうか、クロス知ってたんか!!」

「知ってたけど、何か問題でもあるのか?」

「問題もなにも!こうしてる場合でねェ!大変だこりゃあ!ロビン!!おめェ驚くだろうが、ワシの言うことをよく聞け!」

 

「このオハラという土地に今・・・!海軍の軍艦が向かって来とるハズだで!!」

「海軍?どうして?」

「この島の学者達を消し去る為だ!!!」

「「!!!??」」

「そんなの、ウソよ!」

「どういうことだ?」

「ホントだで!ワシはお前らにウソつかんでよ!!ええか、今すぐ町に向かって異変がねェか見てくるでよ。もしかしたら、お前の母ちゃんも帰ってきとるかもしれん!」

 

ロビンは必死な表情を浮かべてすぐに走っていった。

「なぁサウロ。お前、何者なんだ?なんでそんなこと知ってるんだ?」

「ワシは・・・元海軍の・・・中将だで!」

「!!」

マジかよ。どおりで存在感というか生命力みたいなのを強く感じるハズだ。大きいからだと思ってたが、まさか中将とは。

「なんちゅう事だ・・・!!すまねェ・・・!!ロビン!!」

サウロは頭をかかえて、申し訳なさそうにしている。その件のせいで、サウロは辞めてきたのだろうか。

「「ん?」」

海から人の気配がするな、と思ったら、同時にサウロも立ち上がった。

「大変だでよ・・・!!!もう、見えるトコまで、軍艦が押し寄せて来とるで・・・!!!」

「マジかよ!ロビンが危ねぇじゃねぇか!」

「「クソっ!!」」

サウロと俺はまた同時に走り出した。ロビンが向かった方向へ。

「クロス、おめェは俺の上に乗れ!手遅れにならんといいが・・・もっと早くに気づくべきだったで!!ロビン!!早く逃げるでよ〜〜〜!!!」

 

「うおお!なんだありゃあ〜〜〜!!!!」

「巨人族だァ!!!!」

島民たちが俺たちを見上げて叫んでいる。でもそれどころじゃない。せっかく仲良くなれたのに。

もう俺は誰も失いたくないのに。

 

##

 

・・・ズドォォン!

・・・ドゴォォォ!

すごい音が絶えず鳴り響いている。

まるで二年前のあの時みたいだ。

「「ロビン!!!」」

サウロは肩で息をしながら立ち止まった。

「ここにおったか!!探したでよ!!」

「サウロ!!クロス!!」

良かった、無事みたいだ。

抱き合ってるのがお母さんだろう。

「オルビアにも会えたんだな!」

「サウロ!あなたが何故この島に・・・!」

「なんの因果かよ!そんなことより事態は最悪だで!早く島を出ねェと!」

「・・・ロビンをお願い!!娘を・・・!必ず島から逃がして!!」

 

「!」

「え、やだ!!お母さんは!?一緒にいてくれないの!?」

ロビンのお母さんは死ぬ気だろう。

覚悟を決めた目をしている。

ロビンを生かす為に。

 

「私はまだ、ここでやる事があるから」

「お母さん!離れたくないよ!!やっと会えたのに!私もここにいる!」

 

「ロビン。オハラの学者ならよく知ってる筈よ。"歴史"は人の財産。あなた達がこれから生きる未来を、きっと照らしてくれる。だけど過去から受け取った歴史は、次の時代へ引き渡さなくちゃ消えていくの。オハラは歴史を暴きたいんじゃない。過去の声を受け止めて、守りたかっただけ。」

「私達の研究はここで終わりになるけど、たとえこのオハラが滅んでも。あなた達の生きる未来を!私達が諦める訳にはいかない!」

「わからな"い"・・・」

「いつか分かるわ」

「さぁ、行って!3人とも!」

「・・・ええんだな!?」

「いやだ!わたしもここにいるよ!お母さん!」

「お母さァん!!!」

サウロは俺とロビンを乗せて、また走り出した。

 

「生きて!!!ロビン!!!」

 

##

 

「撃てーーっっ!!」

ドドドッ・・・ズドォォン!!

 

「ぬぉォォオ!コリャワシを狙って来とるでよ!!」

「誇れ!ロビン!お前の母ちゃん立派だで!オハラは立派だでよ!この島の歴史は!お前が語り継げ!ロビン!オハラは世界と戦ったんだでよ!」

 

ヒュルルルル・・・

 

「「あ」」

サウロに砲弾が向かっている。

 

「全反射(オールリバース)」

サウロに向かっていた砲弾は全く同じ軌跡を同じスピードで戻っていく。

 

・・・ズドォォン!!!

「うわぁあああ!!!」

「何が起きたァあ!?」

「分かりません!サウロ中将に当たった砲弾が帰ってきました!!!」

 

「「クロス?」」

サウロとロビンが同時に聞いた。今のは何だ?と言いたそうな顔をしている。

「俺も悪魔の実の能力者だ。ベクベクの実を食べたベクトル人間。俺はお前らを死なせない!!」

 

 

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