巨人族の弟子   作:猫ペンギン

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第6話

ロビンと一緒に西の海に帰ってきた。

社長から指令が出たのだ。

 

”西の海”で『殺し屋』の異名で知られている賞金稼ぎ。ダズ・ボーネスというやつをスカウトして来い・・・と。

 

めちゃくちゃ有名人で、俺も名前を聞いたことがある。

賞金稼ぎなら、向こうも俺とロビンのことを知っているのだろう。

 

何より賞金稼ぎなら、BW(バロックワークス )のことも耳にしたことくらいはあるかもしれない。

 

スカウトした賞金稼ぎに、スカウトをするように指示を出していたから、社員も結構な数が集まってきている。

 

「クロス。ダズ・ボーネス はあの酒場にいるそうよ」

 

聞き込みを続けているとすぐにダズ・ボーネス は見つかった。

有名人ということもあるだろうが、ロビンがハナハナの実の能力で、目や耳を咲かせて情報収集をしているのが大きい。

 

「失礼しまーす」

そう言って酒場の扉を開けた。

酒場自体は綺麗だが、客の面子がすごい。どこぞのギャングやら海賊共が騒ぎ立てている。

スカウトする時は結構酒場ですることが多いのだが、大体海賊が多いか海兵が多いかのどちらかだ。

海兵が多い酒場は、気づかれると面倒なのでスカウトに向いていない。

そういう意味では海賊共が多い酒場で良かったと思う。

ただ、海賊が多くても面倒であることに変わりはないが。

 

「おい・・・あいつ小さな巨人じゃねぇか!?」

「本当だ!隣にいるのは悪魔の子だぞ!」

「巨人ではないが、小さくもねぇな!以外にひょろっちぃけどよ・・・」

「最近は小さな巨人の意味を込めて、小鬼って呼ばれてるらしいぞ・・・!」

 

俺たちに気づいた奴らが、ヒソヒソとこちらの様子を伺いながら喋っている。

どこの酒場でも同じだ。

挑戦してくる馬鹿もたまにいるが、今日は早くダズ・ボーネスを勧誘したいから勘弁だと思う。

久しぶりにサウロに会いたいし。

つーか、小鬼って何だよ!すごく弱そうじゃないか。

 

ダズ・ボーネスはカウンターで一人で酒を飲んでいた。こちらに気付いてはいるようだが。

とりあえず話しかけようとカウンターに向かう。

 

「おいお前!3億の首らしいな!俺たちの為に死んでくれや!」

 

歩いている途中、身の程をしらない馬鹿共が俺の前に立ちはだかった。辺りが一瞬だけ静まり返った。

やはりこういう馬鹿はどこにでもいるんだな。

 

「あ、あいつら!最近、億越えの賞金首ばかり狙っているゴリアテ一味じゃないか・・・!」

 

「いや!流石に3億は無理だろ!」

 

「けど7人いるうちの一人一人が億越えを相手にできるらしいぞ・・・」

 

 

「なぁ、小鬼さん。表に出ろやぁ!俺たちに倒されてくれよぉ!そして、ニコ・ロビン!そんな奴と一緒にいねェで俺たちと楽しいことしようぜぇ」

 

ゴリアテというやつがニヤニヤとこちらを見ている。

いや、ロビンのことを舌舐めずりしながら見てやがる。後ろのやつらもニヤニヤしていた。

 

よし、こいつら、殺す。

俺は、ゴリアテの左腕を掴んだ。

 

「ん?なん・・・」

 

ブチブチブチィ!!

 

ゴリアテの肩から腕を引っこ抜いた。血はベクトル操作で流れないようにしているが、相当痛いだろう。

 

「ッギャアアああああ!!!!」

 

「こ、こいつ!!やりやがった!どんな力してやがる!!」

 

「てめぇ!!親分に何しやがる!お前ら!!かかれぃ!」

 

そういってゴリアテの後ろにいた6人が一斉に剣を持ち上げて俺に向かってきた。ゴリアテは苦しそうに地面に這いつくばっている。

 

「超・重力(グラビティ)」

 

ベクトル操作で、その6人にかかる重力を上げていく。

その6人は地面に倒れ、身体中から血を吹き出し、地面の中に落ちていった。

 

「「「はぁ!!???」」」

 

「ヤバい!あいつはヤバすぎる!!何をしたらあんなことになるんだ!!?」

 

周りの観衆共が喧しい。

俺はそのまま、ゴリアテの頭をつかんだ。

 

「や、やめてくれ!やめてくれぇえ!あ、あやまる!か、金も払う・・・!」

「全方向(オールベクトル)」

 

ゴリアテの頭部は弾けとんだ。

頭と左腕のない死体がその場に崩れ落ちる。

 

 

「「「「「う、うわぁあああああああ!!!」」」」」

 

その光景を見ていた客は一斉に店の外に逃げていった。

店の中には、ダズ・ボーネスしか残っていない。

 

「クロス・・・やり過ぎじゃない?」

 

「あいつら、ロビンのことを厭らしい目で見やがったから我慢できなかった、すまん・・・悪いな、店主!これで許してくれ!」

 

店主に札束をドサリと渡して、俺とロビンはカウンターに座った。

 

「か、勘弁して下さいよ旦那!!」

 

「ごめんなさいね・・・死体はちゃんと片付けるから・・・ブランデーを2つもらえるかしら?」

 

店主はビクビクしながらも、酒の準備をしている。申し訳ないことをしてしまった。

 

「俺に何か用か・・・?小さな巨人・・・!悪魔の子・・・!」

 

「いやまぁ、ここまで騒ぐ気は無かったんだが、ちょっと話があってな。"殺し屋"ダズ・ボーネス」

 

「BW(バロックワークス)って知ってるかしら?」

 

「・・・あァ、知っている。つい先日勧誘された・・・そいつは殺したけどな」

 

「・・・そう。是非入って欲しいのだけれど」

 

「それとも俺たちを殺すか?」

 

「・・・いや、そいつは無理だろう・・・なんで俺なんだ?」

 

「・・・冷静沈着で、動揺せずに相手を殺せるところと・・・ボスは兵力と言ってたわね・・・あとはネームバリューと言ったところかしら」

 

「・・・お前ら程、悪名高くはないが・・・良いだろう。BWに入ってやる」

 

「助かるわ。じゃあこの電伝虫とエターナルポースを渡すから、なにかあったらまた連絡するわ」

 

そう言ってロビンがアラバスタの"永久指針(エターナルポース)"を渡した。

 

「・・・了解。なぁあんた」

 

「ん?なんだ?」

 

「さっきのあれ、どうやったんだ?」

 

そう言って、ゴリアテの死体を指差した。

 

「あぁ、俺は悪魔の実の能力者なんだ。ただ、こういうご時世だからな。・・・お前の能力を教えてくれるなら教えてやっても良いけど」

 

「・・・俺は"スパスパの実"を食った"全身刃物人間"だ」

 

「結構簡単に教えてくれるんだな」

 

「同じ組織に入るんだ・・・くだらねェ馴れ合いをするつもりもないが、それくらい教えても良いだろう?」

 

「なるほど、一理あるな。俺は"ベクベクの実"を食べた"ベクトル人間"だ。さっきのは、頭部から下にかかる力の、ベクトルの向きを全方向に変換して、ベクトルの大きさを大きくしただけだ。触らなくても壊せるが、触った方が威力が高い・・・これでいいか?」

 

「・・・反則じゃねェか、そんなの」

 

「あぁ、気に入ってるよ。じゃあまた会おう」

 

そう言って俺とロビンは死体を回収して酒場を出た。

酒場を出てすぐに、死体を海の方向に向かって投げ飛ばした。

 

「能力を教えて良かったの?」

 

「俺の能力を知った方が、変な考えを起こさなくて良いと思ったからな」

 

「それもそうね」

 

店の外に出た俺たちを遠巻きで見ているやつらが沢山いた。

さっきの観衆たちだろう。

もうこの島には長居できそうにない。

 

「よし、ロビン。一旦サウロのいるとこに行くか!」

 

「ふふっ、久しぶりだものね。私も楽しみ」

 

それから俺たちは、サウロのいる島に向かった。

 

##

 

「デレシシシ!久しぶりだで!デレシシシシ!」

 

「「ただいま!」」

 

「おめェ達、懸賞金がまた上がったでよ!まだまだ上がる余地があるんだで!海軍も見る目がないでよ、デレシシシ!」

 

「ふふっ、元中将がそれを言うのね」

 

「デレシシ!しばらく見ねェ内にだいぶ辛辣になったでよ、ロビン!デレシシシシ!」

 

サウロもロビンも嬉しそうに笑っている。

 

俺たちは1週間滞在することにして、サウロに今までのことと、これからのことを報告したのだった。

 

 

 

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