それぞれの想い
始まり
夜は元気なモカを相手をしてとても疲れた。若干痕残ってるし...!
「ほら、モカ起きて。そろそろ行くよ。」
「んー...もうちょっとぉ~...」
「だめ。」
さすがに遅れると思い布団をとりあげると
「~~~っ!!!」
昨日あのまま寝たせいで、下着しか身に着けていない上に少しはだけている。
「いやー、らんのえっちー。」
「は、早く起きないのがいけないんでしょ!シャワー浴びてさっさといくよ!」
「一緒に入る?」
「なっ、馬鹿なこと言ってないで早くして!」
「はいはい、分かりましたよー。」
朝の準備でこれじゃあ持たないっての...なんて思いながら、ささっと準備を済ませて二人で家を出る。
ーーー約束の日になった。朝待ち合わせをしたリサと紗夜と日菜と一緒に目的地へ向かう。
しかし、実際当日になってみると、なぜ遊園地なのかと思うところもある。遊園地なんて小さい頃リサと行ったきり。
正直どうしていればいいのか分からない。色々考えながらぼーっとしていると
「ゆきな?どうしたの黙っちゃって?」
「湊さん、体調が悪いのなら無理は良くないですよ?」
「ゆきなちゃん、大丈夫??」
「いえ、大丈夫。少し眠かっただけよ。」
大した事でもないので適当に返事をしたら
「じゃあ目覚めのキス!」
などと言いながら頬に...
「ちょ、ちょっとリサ!人前で何してるのよ!」
「ただの眠気覚ましだよー☆」
こういうのは二人だけの時に、と言っているのに...
「リサちー大胆だね!あたしもおねーちゃんに目覚めの...!」
「だめよ。」
飛びかかった日菜は紗夜に完全に抑えられていた。
「うっ...なんでー...」
「なんでも。」
全く、こんな調子でやっていくと思うと、考えるだけで疲れるわ...
30分後、美竹さんたちと待ち合わせした所に着くと二人はすでに待っていた。
「おはよう。二人とも先に着いていたのね。」
「あ、みなさんお揃いなんですね、おはようございます。」
「おはよーございます。」
それぞれ挨拶を交わす。
そのまま全員で入場するが、リサと日菜と青葉さんは楽しそうに3人で進んでいってしまった。
「本当に元気ね。」
「そうですね。」
「ですね。」
取り残された私達3人はこういう所には慣れておらず、ただ立ちすくんでいた。
「あの、ここにいても邪魔でしょうし、移動します?」
「そうね。」
「と言ってもどこに行きましょうか?私は初めてで詳しくないのですが。」
「...」
「...」
紗夜の声に誰も反応出来ない。こういう時リサが居てくれれば…
「リサたちを探しに行くのはどうかしら。」
「あたしはいいですけど。」
「私たちだけでは何も進まないですし、それでいいんじゃないでしょうか。」
「それじゃあ行きましょうか。」
と歩き始めようといったところで叫び声が聞こえる。見上げると、少し先にものすごいスピードで走りゆくジェットコースターにあの3人らしき姿が見えた。
「ねぇ、あれに乗ってる人、見えるかしら?」
「なんとか見えました。日菜たちですね。」
「遊び始めるの早くないですか?」
「でも、運よく見つけられて、探す手間は省けたし良いんじゃないかしら。」
「それもそうですね。あとは、モカたちの乗ってるものの乗り場ってどこか分かりますか?」
「知らないわ。」
「分かりません。」
二人の声が重なる。
「ですよね。あたしも知らないです。とりあえず、入る時もらった地図でも見ましょうか。」
...美竹さんに出してもらった地図を頼りに進み、何とかたどり着いたけれど
「こんなに時間かけてしまったら、もう移動してるんじゃないかしら...」
「たしかにそうですね..」
「日菜に電話して来てもらいましょうか?」
「最初からそれでよかったかもしれないですね。」
「それもそうね。」
紗夜が電話をかける。
「日菜、あなたたちがさっき乗っていた乗り物の入り口付近にいるのだけれど、こっちに来れるかしら?」
「ええ、分かったわ。待ってるわね。」
「ここで待っていていいのかしら?」
「大丈夫みたいです。そんなに遠くまで行っていないからすぐ来ると言っていました。」
「あ、もう来たみたいですよ。日菜さんがすごい叫んでます。」
「おねーーちゃーーん!!こっちだよーー!!!」
人の間をすり抜けダッシュでこっちへ向かってくる。
「恥ずかしいから叫ばないでちょうだい...」
「おねーちゃんが呼んだんだよ?」
「大声出してなんて言ってないわよ!」
「えー、そうだっけ??」
相変わらず仲がよさそうね。
「日菜先輩早すぎですよ~。」
「ヒナって紗夜の事になるとすーぐ飛んでっちゃうよね~。」
後ろから二人もやってくる。
「全員揃ったみたいね。さて、いきましょうか。」
ようやく始まったと言える一日。今日は本当に疲れそうね。
お読み頂きありがとうございました!まだまだ続くと思いますので、是非お待ちいただけると嬉しいです。