IS~インフィニット・ストラトス~自由の戦士と永遠の歌姫   作:剣の舞姫

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お待たせしました。シルフェニアさんの方で削除が終わったみたいなので、こちらに移転します。


プロローグ

IS~インフィニット・ストラトス~

自由の戦士と永遠の歌姫

 

プロローグ

 

 ギルバート・デュランダルが提唱したデスティニープランを阻止すべく、ラクス・クラインが乗る高速戦艦エターナルを中心に始まったメサイア攻防戦、人類の未来を左右する戦争はデュランダルの死という形で終結し、戦争を終わらせた英雄として最強のMSストライクフリーダムとそのパイロットであるキラ・ヤマトは、地球圏で知らぬ者なしという程の有名人となった。

 戦争が終わってからプラント最高評議会議長に就任したラクスは、恋人であるキラをザフト軍に招きいれ、一部隊を任せる白服に任命、同時にフェイスの証を与えた。

 

 正式にオーブ軍准将からザフト軍白服になったキラはこの日、オーブからの情報で月面裏の宙域で奇妙な磁場が発生しているというポイントに来ていた。

 エターナルに乗り、カガリからの依頼という事でラクスも休暇だった為一緒だ。他にもバルトフェルドやダコスタ、正式にエターナルのクルーとなったメイリン・ホークも乗っている。

 

「そろそろポイントだな・・・キラ、そろそろフリーダムに乗って待機だ」

「了解、それじゃラクス・・・行ってくるよ」

「はい、いってらっしゃっ!?」

 

 ストライクフリーダムに乗り込んで待機する為、ブリッジを出ようとしたキラにラクスがいってらっしゃいと言おうとした時だった。

 突如エターナルの船体が大きく揺れ、各計器が異常をしらせて警報を鳴らしている。

 

「何だ!?」

「目標ポイントより強力な磁場が発生! そんな・・・まだ離れてるのに、ここまで影響が出るなんて!!」

 

 バルトフェルドの声に反応してメイリンが現状を報告する。磁場が発生しているというポイントからはまだかなりの距離があるというのに、そのポイントで丁度発生した磁場の影響がここまで出ているのだ。

 

「くそっ! エターナル緊急退避!! 直ぐにこの場を離脱する!」

「了解!」

「キラ、お前はラクスを連れて先にフリーダムで逃げろ!」

「バルトフェルドさん!?」

「早く! 最高評議会議長のラクスをこれ以上危険に合わせる訳にいかない! 後方の緊急ハッチを開けるから、其処から脱出して先にプラントへ行け! 俺たちも直ぐに追う!」

 

 エターナルよりフリーダムの方が速い、そう判断しての決断だ。

 プラントにとって今やラクスの存在は無くてはならない存在、だからこの場でラクスを最優先で逃がすのは絶対であり、それが可能なのはキラとフリーダムだ。そして同時にキラも、ラクス同様にプラントの重要人物でもあるので、この二人は早く逃げてもらわないと困る。

 

「わかりました、バルトフェルドさん、後で必ず!」

「必ず、生きて会いましょうね」

「ああ、必ず会おう!」

 

 バルトフェルドの言葉に安心し、ラクスの手を引いてキラはブリッジを飛び出そうとした。だが、それをダコスタが止め、彼はバルトフェルドの方に向き直る。

 

「隊長、隊長もガイアで先に脱出してください」

「馬鹿を言うな! 俺はエターナルの艦長だ、お前達を置いて先に脱出なんて出来るか!」

「いえ、だからこそです、万が一の時には貴方は死んではならない人だ、だからこそ、エターナルは僕に任せて脱出してください」

「ダコスタ…」

 

 これまでずっと、バルトフェルドを支えてくれた部下、マーチン・ダコスタの力強い瞳に、バルトフェルドはこれ以上何かを言うことが出来なかった。

 だから、彼は決断する。彼ならエターナルを任せられると、彼にエターナルを任せ、自分もまた、彼の言うとおりガイアで脱出しようと。

 

「死ぬなよダコスタ、帰ってきた時に艦長席が無くなっていたら流石に困るからな」

「ええ、隊長こそ、お気をつけて」

 

 立ち上がったバルトフェルドはキラとラクスと共にブリッジを飛び出し、三人揃って格納庫へ向かう。

 格納庫に辿り着くと、その一角にて威風堂々と佇む灰色の2機の巨人…キラとラクスはストライクフリーダムの、バルトフェルドはガイアのコックピットに乗り込んだ。

 流石にパイロットスーツに着替えている時間は無いので、軍服のままだが、問題は無い。ストライクフリーダムのコックピット内でキラはラクスを膝の上で横抱きにして、ハッチを閉じるとOSを立ち上げた。

 

「バルトフェルドさん!」

『こっちも準備完了だ。ホーク! 後部緊急着艦用ハッチを開放しろ!』

『了解! 後部緊急着艦用ハッチ開放! X-20Aストライクフリーダム発進、どうぞ!』

「キラ・ヤマト、フリーダム…行きます!!」

『アンドリュー・バルトフェルド、ガイア行くぞ!!』

 

 ストライクフリーダムとガイアが射出されると、目の前にミーティアがあった。もうフリーダムがドッキングするだけの状態になっており、これも使って最速で逃げろという事なのだろう。

 ミーティアにフリーダムをドッキングさせ、ミーティアの上にガイアが載ったのを確認したキラは直ぐに発進させようとペダルを踏み込んだ。だが・・・・・・エターナルの時同様にフリーダムも揺れだし、何かに引っ張られ始めた。

 

「な、何だ!?」

「キラ!」

『おいキラ! 何があった!? ミーティアがどんどん目標ポイントの方に引っ張られているじゃねぇか!』

 

 ミーティアのブースターを全力で吹かしているのにも関わらず、機体は前に進まない。ドンドン磁場のあったポイントに引っ張られていく。

 そして遂に、エターナルから離されたフリーダムとガイアは完全に磁場に捕まってしまった。更に追い討ちを掛ける様にフリーダムの後方に空間の裂け目が生まれた。

 

「何…あれ……」

「キラ…あれに飲み込まれたら」

『流石に、やべぇな』

 

 如何なるかは判らない。そう言っている内にミーティアを含むフリーダムとガイアの全体が裂け目に飲み込まれていく。

 飲み込まれ始めた瞬間からエターナルとの通信も繋がらなくなり、ブースターは意味を成さない。ミーティアをパージしようとも思ったが、磁場の影響でシステムが壊れたのか、ミーティアからフリーダムを切り離す事も出来ない。最早絶体絶命、助かる見込みは無いのだ。

 

「ラクス…バルトフェルドさん、ごめん…こんな所で終わりなんて、ラクスを助けられなくて」

「大丈夫です…私は、キラが傍に居てくださるのなら、それで満足ですわ」

『俺も責めたりはしねぇさ、まぁ…嫁さんが欲しかったってのは、あるけどな』

 

 操縦桿から手を離したキラは正面からラクスを抱きしめた。これが人生最後だとしたら、せめて最期はラクスの温もりを感じていたい。

 

「ラクス・・・愛してるよ」

「私も・・・キラ、愛してますわ」

 

 二人の唇がそっと重なった瞬間、キラとラクス、そしてバルトフェルドの意識は完全に途絶えた。

 フリーダムとガイアは完全に裂け目に飲み込まれ、ミーティアのビームソードの部分が完全に裂け目に入った瞬間、裂け目は閉ざされ、磁場も消えてしまった。

 C.E.74年、プラント最高評議会議長ラクス・クラインと、大戦の英雄キラ・ヤマト、砂漠の虎ことアンドリュー・バルトフェルドはMIA認定され、翌年死亡扱いとなるのだった。

 ラクスとキラ、バルトフェルドの死は多くの人間が悲しみ、嘗ての戦友や学友達も全員が葬儀に参列、嘗て敵であったシン・アスカはキラと共に新しい未来を築き上げていく事を夢見ていたのもあって、その悲しみは一入だ。

 

 こうして、C.E.75年にラクスに変わる新しい議長が就任する。それはキラにとっては嘗ての敵であり、後に友と呼べる間柄になったイザーク・ジュールだった。

 イザークはキラとラクス、バルトフェルドの死の報告を受けた後も未だにそれを信じられず、議長となってからも、彼等が夢見た世界を作り上げる努力の片隅で、相方のディアッカと、後にその妻となったミリアリア・ハウ、そして自身の妻であるシホ・ハーネンフースと共に3人の捜索を続ける。

 だが、イザーク達の生涯を掛けての捜索も空しく、イザークは86歳で、ディアッカは88歳でこの世を去り、後の世にこういい残した。

 

「嘗ての大戦の英雄は必ず生きている。自由の翼と永遠の歌姫はきっと何処かで生きている筈だ…どうか彼等の生を諦めず、いつの日か必ず見つけて欲しい。キラ・ヤマトとラクス・クラインの友として心から願う」




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