ミライから来た少女   作:ジャンヌタヌキさん

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1.2話. [システムMirai始動]

~~~

 

時刻はAM00:25に差し掛かろうかと言うところ。

 

普段なら既に寝付いているが、アカリは寝付けなかった。

 

壊れかけのスピーカーから微かに漏れる音が頭をゾワゾワさせる。

 

「何の音?」

 

ソファから上半身を起こすと、赤い文字が目に入った。

 

”Emergency this computer is being hacked ”

 

(このコンピュータは現在外部からハッキングされています。)

 

ディスプレイに表示された文字は点滅を繰り返している。

 

明らかに異常な状態だ。

 

「……どうなってるの?エイレーン…」

 

「見ての通りです、ハッキングされています」

 

そう言うエイレーンはどこか怒っている様にも見える。

 

突如、青い文字が赤文字を上書きするように現れた。

 

―データを書き換えます-

 

「日本語?」

 

茫然とする二人を尻目に、画面は忙しく文字を上書きしていく。

 

―外部データダウンロード中―

 

―外部データダウンロード完了―

 

―外部データ読み込み中―

 

―外部データ読み込み完了―

 

―システムを更新します―

 

―………―

 

―システムを再起動します―

 

―ハロー―

 

プンッ…と音を立て、すべてのコンピュータの動作が停止、そして唯一微かに響いていたファンの音が消え、辺りが静寂に包まれる。

 

直後、更に追い打ちをかけるようにブレーカーが落ちた。

 

「いゃぁああああ!!」

 

闇に包まれた空間にアカリの絶叫が響き渡る。

 

「いやぁああ!!ちょっと待って!!待って!!怖い!!」

 

「アカリ、怖かったら私の背中にしがみついていてください」

 

「遠いよぉ!?」

 

泣き言を言いながらも、アカリはゆっくりとソファーを降り、中腰でエイレーンへとゆっくりと近づいていく。

 

「どこぉ?エイレーン…」

 

<ザーッ

 

「いやぁあああああ!!」

 

またも大絶叫が暗闇を響き渡る。エイレーンは少し可笑しいのか、クックッと喉の奥で笑いを堪えた。

 

「アカリ…ブフッ!…こっちに来るよりも大人しくしてた方がいいと思いますよ…ぶっぷっ…」

 

「笑わないでよ!本当に怖いんだかr」

 

<ボッ!

 

「あ¨あ゛ぁぁああああ!?」

 

恐怖の感情に支配されたアカリは、反狂乱でエイレーンの元へ走りだす。

 

途中に何が居ようと関係ない、恐怖には人一倍弱いアカリには暗闇にラップ音という環境が耐えきれない。

 

数秒間何と何かがぶつかる音が響き、それはやがて叫び声に収束した。

 

「はぅあああ!!エイレェエエエ!!!」

 

突き出した両手に柔らかい感触を認めたアカリは、それを逃がすまいと全力で抱きしめる。

 

「うっ…!」

 

エイレーンの少しくぐもった声が響いた。

 

少し苦しそうだったが、アカリはお構いなしにエイレーンを抱きしめ、更におでこをぐりぐりと押し付ける。

 

「見つけたよぉおおお゙エイレーンン゛ン゛ン゛!!」

 

「いたいいたいいたいいたい!!!!」

 

今度はエイレーンが絶叫する番だった。

 

痛みに絶叫するエイレーンと、恐怖に叫ぶアカリのデュエット。

 

一体何分続いたのだろうか。

 

エイレーンの絶叫が”痛い”から”気持ちいい”に変化する頃には電灯が回復し、部屋に光が戻り始めていた。

 

明りが戻ったことで落ち着きを取り戻したアカリは、締め上げたエイレーンの胴体から腕を解いた。

 

「こわかったぁ…」

 

「………」

 

「ゴメンね、エイレーン」

 

心配そうにのぞき込むアカリに対し、エイレーンはグッと親指を突き出す。

 

「いえ、気にしないで下さい」

 

「へぇ?」

 

エイレーンが頬を赤らめた理由は理解できないが、きっとロクな理由ではないだろう。

 

そう悟ったアカリはモニターに目を反らす。

 

モニターには太い青文字が表示されていた。

 

―このコンピュータは国際宇宙ステーションのネットワークに接続しています―

 

「何ですかこれ」

 

我に返ったエイレーンもモニターの表示に首を傾げた。

 

すると、モニターは二人の反応を確認したかのようにその文字を変化させていった。

 

―システムアップデート完了―

 

―共に世界を救おう―

 

「「はっ?」」

 

でかでかと表示された文字に二人は首を傾げた。

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