ソールと言う女神がいるらしい。
太陽の女神で、金の髪と透けるような白い肌で表現されている。
男が居なくなった後に青いヨメミから聞かされた。
アカリは、その女神の化身として誘拐されたのだろう。
なんて身勝手な理由なのだろう。
「大丈夫、きっと後で捜索隊の人が友達を探してくれるよ」
ヨメミはそうアカリを元気づけた。
「それに、私もつい一週間前に連れてこられたんだよ」
あたし達少し似てるね、とヨメミは笑った。
無理矢理に笑う様子がアカリの目に愛らしく映る。
かなり絶望的な状況ではあるが、それでもアカリの気持ちは軽くなる。
彼女だったら友人になれるかも知れない。
「「一緒に脱出して、家族の元に帰ろう」」
そう言いあって、二人は冷たいコンクリートの上で眠りについた。
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「おはようございますアカリさん」
目を開けるとエイレーンが立っていた。
「今日も寝坊助さんですね」
エイレーンが早いだけだよ、と口を尖らせるとエイレーンもそうですね、と笑った。
でもねアカリさん、とエイレーンは続けた。
「食べ物が無くて、今にも飢えてしまいそうです」
「え?食糧庫に30日分は入ってたよね?」
そんな事はありません、とエイレーンは首を横に振った。
「もう無いです」
「へっ…なんで?」
次の瞬間エイレーンは地面に倒れていた。
― 死んでしまったんだ -
エイレーンが死んでしまったと理解した自分がそこにいた。
…ねえアカリさん…?
幻聴のように頭に声が響く。
地面に横たわったエイレーンはピクリとも動かない。
慌てて駆け寄り、身体を揺する。
「エイレーン!!エイレーン!!」
名前を叫び、体を揺するがエイレーンはピクリとも動かない。
まるで岩のように地面にへばりついている。
…アカリさん…
エイレーンの声がまた頭の中に響いた。
耳を塞いでイヤイヤと首を振るが、幻聴は息遣いが聞こえそうなまでに鮮明なものになってゆく
アカリにはその声が自分を責めている様に感じた。
「ごめんなさい…!!ごめんなさい…」
理由のない謝罪で声をかき消す
私が悪いんだ…私が軽率だったから…
湧き出た罪悪感に、心臓が早鐘を打ち呼吸が激しくなってゆく。
精一杯の謝罪を投げかけても、大粒の涙がエイレーンの頬を叩いても、彼女は動かない。
やがて、エイレーンの身体が地面に吸い込まれるようにして消えた。
声もいつの間にか聞こえなくなっている。
人の肉の焼けた匂いだけが、空間を漂う。
ああ、これが死か。
自分の手を見ると、骨を残して肉がずるりと落ちた。
ベチョリと音を立て、地面に大きなシミを作る。
鼻につく腐臭がとても不快だ。