ミライから来た少女   作:ジャンヌタヌキさん

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2.2話. [迫る悪夢]

ソールと言う女神がいるらしい。

 

太陽の女神で、金の髪と透けるような白い肌で表現されている。

 

男が居なくなった後に青いヨメミから聞かされた。

 

アカリは、その女神の化身として誘拐されたのだろう。

 

なんて身勝手な理由なのだろう。

 

「大丈夫、きっと後で捜索隊の人が友達を探してくれるよ」

 

ヨメミはそうアカリを元気づけた。

 

「それに、私もつい一週間前に連れてこられたんだよ」

 

あたし達少し似てるね、とヨメミは笑った。

 

無理矢理に笑う様子がアカリの目に愛らしく映る。

 

かなり絶望的な状況ではあるが、それでもアカリの気持ちは軽くなる。

 

彼女だったら友人になれるかも知れない。

 

「「一緒に脱出して、家族の元に帰ろう」」

 

そう言いあって、二人は冷たいコンクリートの上で眠りについた。

 

~~~

 

「おはようございますアカリさん」

 

目を開けるとエイレーンが立っていた。

 

「今日も寝坊助さんですね」

 

エイレーンが早いだけだよ、と口を尖らせるとエイレーンもそうですね、と笑った。

 

でもねアカリさん、とエイレーンは続けた。

 

「食べ物が無くて、今にも飢えてしまいそうです」

 

「え?食糧庫に30日分は入ってたよね?」

 

そんな事はありません、とエイレーンは首を横に振った。

 

「もう無いです」

 

「へっ…なんで?」

 

次の瞬間エイレーンは地面に倒れていた。

 

― 死んでしまったんだ -

 

エイレーンが死んでしまったと理解した自分がそこにいた。

 

…ねえアカリさん…?

 

幻聴のように頭に声が響く。

 

地面に横たわったエイレーンはピクリとも動かない。

 

慌てて駆け寄り、身体を揺する。

 

「エイレーン!!エイレーン!!」

 

名前を叫び、体を揺するがエイレーンはピクリとも動かない。

 

まるで岩のように地面にへばりついている。

 

…アカリさん…

 

エイレーンの声がまた頭の中に響いた。

 

耳を塞いでイヤイヤと首を振るが、幻聴は息遣いが聞こえそうなまでに鮮明なものになってゆく

 

アカリにはその声が自分を責めている様に感じた。

 

「ごめんなさい…!!ごめんなさい…」

 

理由のない謝罪で声をかき消す

 

私が悪いんだ…私が軽率だったから…

 

湧き出た罪悪感に、心臓が早鐘を打ち呼吸が激しくなってゆく。

 

精一杯の謝罪を投げかけても、大粒の涙がエイレーンの頬を叩いても、彼女は動かない。

 

やがて、エイレーンの身体が地面に吸い込まれるようにして消えた。

 

声もいつの間にか聞こえなくなっている。

 

人の肉の焼けた匂いだけが、空間を漂う。

 

ああ、これが死か。

 

自分の手を見ると、骨を残して肉がずるりと落ちた。

 

ベチョリと音を立て、地面に大きなシミを作る。

 

鼻につく腐臭がとても不快だ。

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