魔法少女もとこ☆マギカ[開花の物語]   作:カピバラ@番長

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都合、前後編としました。(もしかしたら前中後編になるかも)
あまり時間をかけずササッと描くつもりなのでよろしくです!

それではどうぞ。


魔法少女もとこ☆マギカ[開花の物語]〜前編〜

外は吹雪いていた。

軽やかな陽気に、鮮やかな風景。

アスファルトを彩るのは桃色の花弁。

世間は只今ポカポカ警報発令中。

 

「うぅ、行ってきます…」

 

けれど、そんな世界とは打って変わった悲愴さを全身から滲ませる真新しい学生服を着た一人の少女。

見るからに新学生といった格好なのに、何故なのか開かれた玄関から一ミリも動こうとしない。

 

「はや、は…は…はっくしょん!…あ"〜。

はやぐいぎなざいっでの、もとこ!」

 

こちらはこちらで、顔を顰めた妙齢も残りわずかな女性がボックスティッシュを脇に、学生服の少女ーーーもとこを急かす。

 

「(ズビ〜)あんたは良いわよね、テロに巻き込まれないで…っしょい!(ズビー)あ"〜ったく、盛りのついた犬かっての!

ほら!とっとと行く!ママを脱水症状で殺したいの!?」

 

「いひゃい!?」

 

「それじゃあ頑張って来なよ!ママも頑張るから!」

 

ボックスティッシュでお尻を叩かれたもとこは、その事実に気がつき振り向くまでの間にドアを閉められてしまう。

 

「うぅ…仕方ない、か…」

 

渋々と防水カバーのかけられた本を開いたもとこは、三つ編みのお下げ髪を揺らして桜の敷かれたアスファルトを見つめながら重い足取りで進んで行った。

 

 

 

 

 

 

桃源郷の景色とはきっとこんな感じなのだろうと、もとこは読んでいた本を閉じてしまう。

蒼く澄み渡り、ちぎれた薄い雲のいくつかが漂う空を、桜の並木道から覗く。

視線の先を舞い踊るのは桜の花弁が造る空間。

そして肩を、ちょいちょい、と突いてくるのは。

 

「おっは〜!もーとちゃん!」

 

「おはよぉ…やえちゃん…」

 

「おー!?どったのよ!新生活の始まりだっていうのにさー!」

 

「だって…不安なんだも…」

 

声のした方に顔を向けるもとこだが、その先には桜の木が見えるだけで誰もいない。

 

「ふっふー!さて、君に捕まえられるかね??」

 

「うぅ…、またなの…」

 

やえと呼ばれた少女は、もとこの背後を取るようにして動き回る。

もとこはやえを視界に捉えようとして直ぐに振り向く。

これを繰り返す事、三回と少し。ぐるぐると目を回したもとこはその場で尻餅をついてしまった。

 

「おぉ〜!記録更新っ!幸先がいいね!」

 

「も〜!やめてよ〜」

 

「にししし、それも残像なのだよ、もとこ君」

 

最後の回り込みをしたやえは、ショートカットの髪を揺らしながら起伏の薄い胸を誇るようにして腕を組む。

それをもとこは、先程までの不安など嘘のような笑顔で見上げる。

そんな風景をやえの母親は微笑ましく見守っていた。

 

「ほらほら、早く行っちゃいなさい。初日から遅れたら洒落にならないわよ」

 

「「はーい」」

 

差し出されたやえの手を握り、引き上げられたもとこはスカートに付いた埃を払い、手を繋いだ二人は日差しの中を弾むようにして進んで行った。

 

 

 

 

 

「いやぁ〜、やっぱり大きいでございますなぁ!」

 

「やえちゃん、それ誰の真似なの?

でも、そうだねー。何度見てもおっきいし広いよね。

なんだか緊張しちゃう」

 

校門の真ん中で手を繋いだ少女が二人、とても大きな建造物…もとい、見滝原中学校を見上げていた。

敷地の広さ、校舎の大きさ、設備の充実さ、どれも見滝原市に於いてトップクラスの中学校に、今年の四月から二人は通う事となっている。

そして今日がその初登校日。

二人は顔を見合わせて、何と無くうなずき合う。

 

「よい、しょっ、と!イェーイ!これで今日から見滝中せーい!」

 

「も〜、入学式は少し前に済ませたでしょ〜」

 

「いーのいーの。こーいうのの実感は初登校日に感じるもんなんだから。にしししし」

 

「そうなの?あはは」

 

敷地内に足を踏み入れた二人は大きな期待と僅かな不安を胸に顔を見合わせて笑い出した。

周りを見渡してみれば、状況は違うが同様に笑顔を見せている学生がちらほらと伺える。

 

「っと、入学式と言えば、あの時のパツキンのチャンネーちゃんはどこぞ?」

 

「絶対使い方間違ってるよそれ…

ええと、確か『巴マミ』って子だっけ?」

 

足取りも軽く校舎の入り口に向かうもとことやえ。

そんな二人の話題に上がったのは、入学式当日から既に噂になっていた一人の少女だった。

 

〔巴マミ〕

 

もとこ達と同様に新一年生の一人である。

けれど、その風貌や雰囲気、佇まいは異様としか言い表すことが出来なかった。

入学式だと言うのに金髪で、側頭部の髪をロールにして下ろし、左手の中指には指輪をはめていてその先の爪には花のような形のネイルを施している。

そんな格好なのだから当然先生に呼び出しを受けていた。

髪の色は生まれつきなのだとは先生も知っていたためにお咎めは無かったし、髪型に関しても見滝原中学校の校則に違反してるわけでもないのでやはりお咎めは無かった。

しかし、指輪やネイルに関してだけは違かった。

普段の学校生活ならまだしも、式典という日にそれを付けてくるのは流石によろしくないと注意を受けていたのだ。

加えて言うならば、あの落ち着き払った態度がもとこを含め、その光景を見ていた人達には不思議に感じられた事だろう。

それは、マミが注意されたのが入学式後の体育館の中だったからだ。

式が終わり、家族は勿論の事、新入生達が帰宅し始めた最中にマミは指導を受けていた。

誰もマミを意識していなかったとは言え、新しい生活の幕開けに不安を感じている時期な上、大勢の他人が居る状況だ、普通なら顔色の一つも変えて弁明をするだろう。

けれど、彼女は違ったのだ。

慌てたり、驚いたり、ましてやパニックに陥って泣いたりするでも無く。

 

『これは大事な形見で繋がりなんです。すみませんでした』

 

と、顔色一つ変えず言ってのけたのだ。

これには流石の先生も面食らっていたようで、額に手を当てると。

 

『そういう事なら仕方ありませんけど…次からは前もって言って下さいね?』

 

とだけ残し、体育館を後にしていた。

その姿を偶然にも目にしたもとこは不謹慎にも小さな憧憬を得てしまう。

当然だろう。

同い年の女の子がアレだけ格好良くしていたのだから、憧れるなという方が無理な話だ。

だが、もとこは気が付いていなかった。

その時伏せたマミの眼が映す悲痛を。

 

(あの時の巴さん、綺麗だったなぁ)

 

「なーんて、考えてるんじゃないよなー?もとちゃーん?」

 

「ふぇっ!?そ、そんな事…無くも無い…けど…」

 

「えー!?ひっどーい!もとちゃんには私という絶世の美女の彼女がいるのにー!」

 

「ちょ、やえちゃん!?声大きいよ!?

そ、それに私たちそういう関係じゃ…!!」

 

校舎の入り口まであと僅かといったところで発せられた大声に、周りの学生達の視線がもとことやえの元に一挙に集まる。

中には、微笑ましいものを見るような目もあった。

 

「あら、朝からおアツいのね、お二人さん?」

 

「「へ?」」

 

背後から聞こえた、安心感のある落ち着いた声。

余りにも唐突な呼びかけに、もとこは当然の事、やえまでもが間の抜けた返答をしてしまう。

 

「あ、ごめんなさい。驚かせてしまったかしら。

余りにも楽しそうだったから、つい声を掛けてしまったわ」

 

「と、巴さん!?」

 

「ふふ、嬉しいわね。もう私の名前を覚えてくれているなんて」

 

振り向いた二人の眼に映るのは、とても中学生とは思えない程、穏やかな笑顔の女性ーー巴マミだった。

一部分に至っては、大学生は愚か大人の女性ですら至れるか分からないくらい女性的に発育している。

 

「あの、その、お、おはようございまひゅ!」

 

「うん、おはようございます」

 

噛んだ事にも気付かずお辞儀をしたもとこと、それに習い挨拶を返すマミ。

その間のやえはと言えば、どこかつまらなさそうに近くに生えていた桜の木を見ていた。

 

「えっと、あの、その、とっ、巴さんって何クラスなんでしゅっ…!?

…なんです、か?」

 

今度は噛んだ事に気が付いて顔を真っ赤に染めるもとこ。

だがマミはそれを笑うでも無く、下アゴにネイルの施された指を当てて視線を斜めにあげると。

 

「確か、3クラス、だったわね。全部のクラスのちょうど中間だったから間違い無いわ。

ちなみに、貴女は?ええっと…」

 

「あ!もとこです!灯暮もとこ。灯火の灯すに暮れるの暮れで、ひぐれもとこ、です!」

 

なおもテンパりながら答えるもとこ。

その姿を隣で見ているやえは、口に手を当てて笑いを堪えるのに必死だ。

 

「そう、灯暮もとこさん、って言うのね。それで、灯暮さんは何クラスなの?」

 

「えっと、私はやえちゃんと同じ1クラス…あ、やえちゃんって言うのは、今隣でお腹を抱えてる子で、親友の事で…」

 

「あぁ、恋人さんね?

うふふ、良いわね。気の置けない友人がいるのは。凄く羨ましいわ。

貴女もよろしくね、やえさん」

 

右手を差し出して握手を求めてたマミに対して、笑いを堪えていたやえはほんの少しの間だけ硬直すると、飛びつくようにしてもとこに抱きつく。

 

「わわ!?」

 

「やーん、巴さんにネトラレちゃう!助けてもとこぉーん」

 

などと、意味不明な事を言い出した。

余りにも謎の言動に、アレほど落ち着き払った態度のマミでさえ目を白黒させている。

 

「ちょ、やえちゃん!失礼だよ!?」

 

慣れていたもとこは驚きこそしなかったが、慌ててやえを注意する。

 

「う〜ん、私の知らない言葉だから反応し辛いのだけれど…

でも、仲がいいのはやっぱりいい事ね」

 

出した手をしまいながら笑顔で返すマミ。

それとは対照的に、やえは少しばかり片眉をヒクつかせた。

 

「もう、ちゃんと巴さんに謝って?」

 

「しょーがないなー。もーしゃーしゃせーん」

 

「もー、もっとハキッリ喋ってよぉ…。

その、ごめんなさい巴さん。いつもはもうちょっとしっかりしてるんですけど…多分、今日は気分が上がり過ぎてるからだと…」

 

言いかけの所で予鈴のチャイムが学校の敷地内に響く。

 

「のーのー、もとこ君?さも無くば授業が始まってしまうのでは??」

 

「ホントだ。そろそろ教室に行かないと!」

 

「そうね、朝のホームルームの5分前だし、急げばまた間に合うわ。

それじゃ、また会いましょう」

 

そう言ってマミはもとことやえに手を振ると、小走りで下駄箱の方へと姿を消した。

「っと、我々もこうしてる場合ではありませんな、もとこ隊長!」

 

「そ、そうだね!すぐに行かなきゃ!」

 

同様に走り出した二人以外に、敷地内を行く人は誰もおらず、余計にもとことやえを焦らせた。

 

 

 

 

 

 

 

「うーん、楽だったー!

これから毎日ああいう授業ならいいのに!」

 

「あはは、レクリエーション楽しかったもんねー。

そうそう、特に別のクラスとの合同レクリエーション!隣の班だった巴さん凄かったなー」

 

風は弱く、視界を覆う程に舞っていた桜の花弁は、今はもう数える程度しか眼の前には無い。

代わりに映るのは茜色の空。

橙色に縁取られた太陽が緩やかに降って行く。

それを虚しむような顔でやえは眺めていた。

 

「へー、もとちゃんの隣だったんだ、あの巴って人」

 

「あ、そっか。やえちゃんは私と真逆の場所にいたから見れなかったんだね…

凄かったんだよ、巴さん!その時ね、校長先生が巴さんの班の人達を、クラッカーを使って脅かして来たんだけど、巴さんだけ全然驚かなかったんだ!

凄くない!?他の人たちはみんな驚いてたのに!

本当にちょっと前まで小学生だったのか疑っちゃったよ」

 

興奮気味に語るもとことの脚は、比例して速くなり、隣を歩くやえは逆に、半歩、また半歩といった具合に遅くなっていく。

五歩程度の差が開いた頃、隣を歩いて居たはずのやえが消えていることにもとこが気付く。

 

「…どうしたの?やえちゃん?」

 

彼女がそう問いかけると、やえは身体をプルプルと震わせだし。

 

「そう言えば、ちょっと前まではワシらは小学生だったのぅ…時が経つというのは早いのぅ…」

 

と、老婆のような声で話し出した。

暮れ出した為に酷く見え辛いが、右手の人差し指と親指で作った感覚を縮めるような仕草も交えている。

 

「あはははっ!なにそれ、お婆ちゃんみたいだよー?」

 

やえの身の心配は要らないのだと理解したもとこは、両手でお腹を抑えて笑い出す。

事実、やえの声真似はかなり達者で、吹き替えなどで用いれば十二分に老婆として聞こえるモノだ。

 

「む?本当かの!?じゃ、じゃあ!こうしたらどう??」

 

そう言うとやえは暮れる太陽を背に、曲げた腰に手を当てて杖をついている風なジェスチャーも交えた。

身体の震えも倍増しにして。

 

「うわっ、本当にお婆ちゃんに見えてきた…!やえちゃん凄い!」

 

「むっふっふー!そうじゃろーそうじゃろー?」

 

跳ね回って驚くもとこと、腰を曲げたまま腕を組んで喜ぶやえ。

二人の影法師が、帳が掛かり花弁の落ちたアスファルトに薄らと写される。

無邪気を具現化させたような彼女たちは何気無く近くの公園に設置された時計を見ると、もとこは再び歩き始めた。

僅かな沈黙を背負ったやえと共に。

 

 

 

 

 

数分後、やえの家へと二人は到着した。

その間の会話はほぼゼロに等しかったせいか、もとこの面持ちは少しばかり神妙だ。

 

「そ、それじゃあね、やえちゃん!また明日!」

 

もとこは、どうにかして振り絞った明るさで別れの挨拶をする。

けれど彼女からの返事はなかった。

沈黙を引きずったまま玄関のドアに手をかけるやえ。

その時になって、ようやく、やえが口を開いた。

 

「ねぇ、もとちゃん。私達、親友…なんだよね?」

 

それは余りにも唐突な問いだった。

 

「え?あはは、何言ってるのやえちゃん。当たり前だよ!」

 

もとこは思わず笑って答えてしまう。

だが。

 

「真面目に…答えて欲しいな」

 

やえから発せられる異様な雰囲気に、もとこの表情から笑みが消える。

 

「う、うん。真面目にそう考えてるよ。間違い無く、やえちゃんは私の一番の友達」

 

「なら、さ。約束して欲しいんだ、もとちゃん。

一生私の隣に居て。ずっとずっと、変わらず私の親友で居て貰えないかな。

…ダメ?」

 

もとこの目に見えるている訳では無い。

北半球にある日本にはとっくに夜の闇が訪れている時間だ。

だが、もとこには明確に感じられていた。

やえの身体の震えを、感覚として理解していた。

 

「ダメなはず無いよ!むしろ私がお願いしたいくらい!やえちゃんが良いなら来世でも、その次でも親友になろう?」

 

もとこには何故やえが震えているのか分からなかった。

またお婆ちゃんの真似をしているのかと考えてしまうくらい理解が出来ずにいた。

けれど、そんなもとこにも分かっている事があった。

やえの問いが真剣で切実なモノだという事。返答を間違えば二度と友情を育めないという事を。

だからこそもとこはほんの少しだけオーバーに答えた。

当然、その言葉の中に嘘偽りは無い。

 

「…有難う、もとちゃん。私も、もとちゃんが良いなら、来世でもその次でも親友になろう?」

 

微かに震えた声でそう紡ぐやえ。

もとこは暗闇の中、満面の笑みで返事を返す。

 

「もちろん!」

 

「…うん、うん!

そ、それじゃあもとちゃ…君!私のせいでとても言い辛いのだが、そろそろ帰らないとマズイのでは?」

 

「あ、そうだった!そ、それじゃねやえちゃん!また明日ー!」

 

「うむ!母上によろしく頼むぞー!」

 

駆け足でその場を去るもとこの背中を、細めた目で見送るやえ。

二人の距離は緩やかだが、確かに離れていく。

闇の中を進むもとこの姿をやえはしばらくの間、見送っていた。

 

ーーーー ーーーー ーーーー ーーーー ーーー

 

それから一週間の日が経った。

もとことやえは変わらず学校へと通っている。

変わった事と言えば、やえが三日連続で寝坊したり、指先に絆創膏を付けたりしたくらいだろう。

それを不思議に思ったもとこはやえに聞くと。

 

『にっしっしー、今週末までは秘密なのだよ』

 

いやらしい目で笑ってそう答えるだけだった。

そうしてやって来た土曜日。

 

「ねーやえちゃん、渡したいものって何?」

 

フローリングの床には、可愛らしくデフォルメされたネコの顔の描かれている絨毯が引かれ。

壁掛けのコルク版に飾られたもとことやえの写真の数々には、海や川に行った時や運動会のもの等が見受けられる。

薄ピンク色のベッドの上には、絨毯に描かれている猫と同じ顔のクッションが置かれ、透き通ったガラステーブルの両脇には女の子らしさを感じる座布団がある。

もとことやえはその座布団の上にそれぞれ座っていた。

 

「ふっふー。今日君を呼んだのは他でも無い。

そう、君にプレゼントがあるからなのだー!」

 

漫画なら効果線な付きそうなくらい勢い良く立ち上がって掌を突き出すやえ。

しかし、それで驚くほどヤワなもとこでは無い。

 

「えぇ〜ホント〜?それでくれるのはいつも『この私だー!』って抱きついてくるやえちゃんじゃん。何回お嫁に貰えば良いの?」

 

半ば呆れ気味にうつ伏せになるもとこ。

やえとどちらかの家で遊ぶ時の常套句な為、もとこにしてみれば今更驚きようが無いのだ。

 

「酷い…私とは遊びだったのねん…よよよ」

 

などと言って座り込むやえ。

お笑い芸人のテンプレを眼の前で見せつけられてはもとこも黙ってはいらない。

 

「違うんだよお前…わたっ…ボクはそんなつもりじゃ…」

 

即興劇を始めようとしたもとこだが、慣れない事をするものでは無い。

一人称を誤ってしまい、赤面真っしぐらだ。

 

「にししし、もとちゃんも随分ノリが良くなって来たね!母さんは嬉しいぞ〜」

 

「だって、そうしなきゃやえちゃんすっごく悲しい顔するんだもん…」

 

「なははは、それはしっけいしっけい」

 

「も〜」

 

そうして笑い合うと、やえはもとこの背後から抱きいて自分のスマフォの画面を見せる。

 

「今日は本当にプレゼントがあるんだ。この中、見てみて」

 

もとこは目の前に差し出されたスマフォを受け取り、画面を開く。

映されたのは、入学式の時に撮影した二人の写真の背景。

もとこのスマフォの背景と同じ物だ。

プレゼントの意味を理解出来ずにもとこが首を傾げると。

 

「開けー、ゴマ!」

 

やえの指が写真のマークをタップする。

瞬時に開かれるフォルダ。

映し出されたのは十数枚の巴マミの写真だった。

 

「えっ、これ、やえちゃん…!?」

 

「おっと、安心なされよワトソン君。しっかり本人の許可を得て写真を撮っている」

 

抱きついたまま「えっへん」と口にして誇るやえ。

その間のもとこはと言えば、フォルダに記録されてるマミの写真を一枚一枚丁寧に眺めている。

 

「これ、凄い…正面に横顔に振り向きに俯瞰に…これなんて、階段に座ってもらってローアングルから撮ってる!」

 

スワイプする手を休めずにドンドン見進めるもとこ。

 

「うりうり〜どうだ〜?見直したか〜?」

 

自身の頬に押し付けられるているやえの頬にも気付かず、もとこは記録された写真を三周するまでスワイプする手を止めなかった。

 

「凄いよやえちゃん!よくこんなに撮れたね!」

 

ようやくスマフォを置いたもとこは、そこで初めて横を振り向けない事に気がつく。

何故なら、そこには変わらずやえの頬があるからだ。

 

「やぁっと気がついてくれたかいワトソンくーん。ホームズは待ちくたびれてしまったよー」

 

「ひゃ!?や、やえちゃん!?いつの間にそんなに近く…!」

 

「むぅ…君が写真を見始めてからずっとだぞぅ」

 

「えぇ!?気づかなかった…」

 

「酷いなー」

 

言いながらやえは立ち上がると、テーブルのスマフォを手に取りもとこの正面へと席を移す。

 

「そいで、気に入って貰えたかな?私からのプレゼンツは」

 

「うん!すっごく良かった!」

 

やえの問いにもとこは笑顔で即答する。

 

「それはそれはよろしい。では、今すぐ送信してあげちゃおう」

 

「ホント!?ありがとうやえちゃん!」

 

「にししー、その為に撮って来たんだしねー。

それに案外話しやすい、いい子だったよ、巴さん。写真だって、二つ返事でOKしてくれたし」

 

SNSアプリを開き、もとこの連絡先に写真送りつつやえは話し出す。

 

「え、そうなの!?あ、でも確かに、初めて喋った時もすっごく柔らかい感じだったし」

 

「そーそー。でも、あの雰囲気だと話しかけ辛いのかな。クラスだとちょっと浮いてたんだよねー。でも、話してみると意外とって感じだし」

 

「そうなんだ…あんなにカッコイイのに、クラスだと浮いてるんだ…」

 

「ま、学校始まってまだ二週間も経ってないし、慣れたらまた違うんじゃない?

…っと、送信終了!どー?届いたかのー?」

 

やえの言葉に反応するかのように、電子音が室内に響く。

 

「丁度届いたみたい。

…お、おぉ!うぅーん、嬉しいなー!ありがとうやえちゃん!大切にするね!」

 

スマフォを抱きしめてもとこはお礼を口にする。

 

「いいっていいって、それに、間違って消しちゃったらまた撮って来てあげるからさ。って言っても、巴さんがいいって言ってくれればだけど」

 

「ううん!間違って消さないように、ちゃんとロックしとくから!」

 

「そっかそっか」

 

屈託無い笑顔を作るもとことは裏腹に、やえの表情はどこかぎこちない。

 

「…うむ、なら安心だねワトソン君。

…おっと、そろそろいい頃合いだな。陽が落ちる前の帰宅を勧めるよ?」

 

再び画像を見耽っていたもとこは、やえの言葉で我に帰って壁掛け時計に目をやる。

 

「わわわ、ホントだ。それじゃあ、ほ、ホームズ君!私は帰らせてもらうね!

また明日!」

 

「うん、また明日ー」

 

とても大事そうにスマフォを胸に当てたもとこは脇目も振らずに部屋を出て行く。

その姿が消えるまでやえは手を振りながら見ていた。

 

「…これで、よかったんだよね…」

 

一人残された部屋で、自分の身体を抱きしめるようにしてやえは呟いた。

 

 

 

 

 

 

「結構暗いなぁ…お化けとか出てきそう」

 

やえの家を後にしたもとこは、余りにも暗い帰り道にそんな事を口にしていた。

 

「うぅ、早く家に帰って写真見よう…」

 

スマフォを胸に当てて、小気味良い足音を夜の闇に響かせる。

三十秒ほど走った頃だろうか。

街灯に照らされたベンチがある場所に到着する。

 

(ここまでくれば、もうちょっとで家だ…)

 

安堵したもとこは、呼吸を整える為に一度ベンチに腰掛けて大きく息を吐く。

途端に街灯が点滅を始めた。

バチバチと電気の通う音が宵闇に響き渡る。

 

「何で今日に限って調子悪いの…」

 

半分泣き目になったもとこは直ぐに帰ろうと立ち上がるが、元々運動が苦手なせいか脚の筋肉に溜まった疲労がそれを許さない。

仕方無く再び座り込むと、どこからともなく声が聞こえた。

 

〔ふふっ。君は文化部だろう?慣れない事をするからじゃないかな。〕

 

「だ、だれ!?どこにいるの!」

 

少年のような声にもとこは辺りを見回す。

 

〔君の隣さ。〕

 

今度はどこにいるかの見当がついた。

街灯のある方だ。

もとこは直ぐさま振り向く。

空席となる隣から、シタシタと音が聞こえる。

闇の中から、するりと現れたのは、真っ白くて尻尾の長い、猫のような動物だった。

 

〔僕の名前はキュゥべぇ。

どのタイミングで言っても君は混乱するだろうから単刀直入に言うね。〕

 

キュゥべぇと名乗った猫型の動物は、身軽に動いてもとこの太ももの上に座り。

 

〔僕と契約して、魔法少女になってよ。〕

 

全くもって現実味の無い単語を口にした。

 

「え…へ?魔法…少女!?そ、それよりも何で猫…猫?が、喋ってるの…!?」

 

言っている意味も、状況も、一切の理解が追い付かないもとこは、目を忙しなく泳がせて冷や汗をいくつか流す。

 

〔うぅーん、どうにも僕が話しかけるとみんな似たような反応をするなぁ。

君達の身近にも喋る動物なんて幾らでもいるだろうに。〕

 

表情を一切変えぬままキュゥべぇは首を傾げる。

困惑の最中にも、その仕草にもとこは若干の恐怖を感じた。

だが、今はそんな事はどうでも良い。

一刻も早く正常な思考に戻す為、大きく深呼吸をする。

大量の酸素が脳まで渡り、僅かながらも思考力を取り戻す。

 

「そ、それはライトノベルとかアニメの世界だけで…現実には有り得ないって言うか…」

 

それでも、やはり、返答はしどろもどろになってしまう。

 

〔事実は小説よりも奇なり。そう言ったのは君達人間だろう?

それに、正確には僕は発声器官を使って話している訳じゃない。君の脳内に直接語りかけているのさ。

確か君達は、テレパシー、と呼んでいたかな。〕

 

太ももの上から飛び降りたキュゥべぇはアスファルトの上で自分の尻尾と戯れるようにしている。

光景だけなら無邪気に遊ぶ子猫と言っても差し支えはない。

けれど、もとこの脳内に流される言葉は平坦な陸地のように淡々としていて、更なる恐怖を煽るのに充分だった。

 

「や、やっぱり怖い…兎に角、警察に…!」

 

震えた指先で手にしていたスマフォの電源をつける。

画面に映されたのは、先程やえから貰ったマミの写真ーーーローアングルで撮られたもの。

ここに至るまでの道中でホーム画面の背景に設定していたのだ。

 

〔あれ?マミじゃないか。君達知り合いなのかい?〕

 

キュゥべぇはもとこの首に巻き付く形でスマフォの画面を覗く。

その瞬間、もとこを覆っていた恐怖が霧散した。

 

「え!?あなた、巴さんの事知ってるの!?」

 

まとわりついたキュゥべぇを引き剥がして両手で鷲掴み、目と鼻の先まで顔を運ぶ。

 

〔知ってるもなにも、彼女も魔法少女なのさ。とても優秀なね。〕

 

「それ本当!?」

 

〔本当さ。嘘をついも僕にはメリットがないからね。〕

 

ここでもとこは一つ、ある事を思いつく。

自分も魔法少女になれば、巴さんの手助けが出来るのでは?と。

憧れの彼女の為に何かが出来るならこんなに嬉しい事は無い。

そんな気持ちの傾きに追い打ちをかけるようにキュゥべぇは甘言を流した。

 

〔そうそう、魔法少女になってくれれば、願い事を一つ叶えてあげるよ。〕

 

この一言で、もとこの天秤は完全に傾いてしまう。

その後に何かを続けようとするキュゥべぇを遮ってもとこは決意を口にする。

 

「わかった!私、魔法少女になる!」

 

〔…うん、良い返事だ。それじゃあ君の願いを教えて?〕

 

身体をくねらせてもとこの拘束から抜け出すキュゥべぇ。

そのままもとこの隣へと着地して座る。

 

「えっと、どんな事でも叶えてくれる、の?」

 

〔当然の疑問だね。

うん、どんな願いでも、とまでは行かないけど、大抵の事なら叶えられるはずだよ。〕

 

少し前に見せたように、自身の尻尾と戯れる姿を見せながらもとこの脳内へと言葉を流す。

キュゥべぇの返答に安心したもとこは、少し頬を染めながら願いを口にした。

 

「その、[巴さんにとって必要な存在になりたい]…かな」

 

〔巴さんと言うのは[巴マミ]の事だね?

お安い御用さ。その願いでいいのかな?}

 

再びもとこの太ももの上でお座りの体勢を取るキュゥべぇ。

相変わらず表情は一切変わらない。当然、声の起伏も感じられない。

 

「うん、お願いします!」

 

〔わかった。〕

 

四足で立ち上がり、右の前脚でもとこの両胸の中心辺りを、ちょんちょんと突く。

瞬間、彼女の全身に言い表せない激痛が走る。

 

「んんっ…!」

 

口の中が急激に渇き、全身が軋み、力の限り瞼を閉じる。全ての感覚が奪われ、夜の闇よりも深い恐怖が脳を覆う。

だが、それも一瞬の事。

何かを産むような感覚と共に地獄は終わりを告げる。

ゆっくりと開けた視界に映るのは、卵に似た紺色の宝石と、それを包む金色に塗装された上品な器。

もとこは、静かに降りてくるそれを両手の皿で優しく包み込む。

 

〔それの名前はソウルジェム。君の願いの代償に生成された君そのもの。

それがあれば、君はいつでも魔法少女になれる。〕

 

「これで、私も、巴さんと同じ…?」

 

〔魔法少女だね。

ただ、君に一つ伝えて無かった事があるんだ。〕

 

「え?」

 

謝っているのだろうか。

キュゥべぇは顔を伏せ気味にして話しを続ける。

 

〔魔法少女になった者の使命は、魔女を狩る事。なんだ。〕

 

「魔…女?」

 

一般には中世ヨーロッパで広がった、無辜の女性達に付けられた非常なレッテルとして知られている魔女。

だが、キュゥべぇの言う魔女というのは、どうやら意味が違うらしい。

もとこの愛読書にも度々登場してくる、悪い魔法使い、の意味での魔女だろう。

魔法少女と同様、現実味の無い話だが、今更否定する筈も無く、もとこは納得するように頷いた。

 

〔そう、魔女。普段、君たちの目には見えないだけで確実にその隣に存在している。

TVのニュースなんかで集団自殺とかがあるだろう?ああいうのは大抵の場合が魔女の仕業なのさ。

魔法少女は、それを事前に防ぐ言わば生きた防衛機関のようなものだね。〕

 

「正義の味方…?」

 

〔そうとも言えるね。

ただ、君達はもっと単純な理由で魔女を狩らなければいけないんだけどね。〕

 

自分の尻尾を追い掛け回してその場でくるくると回転するキュゥべぇは更に続ける。

 

〔変身したり、魔法を使ったりするとソウルジェムには穢れが溜まるんだ。それが蓄積されていくと比例して魔法の威力が下がっていく。

普段の生活にも何か支障を来すかもね。

その穢れを取り除くには、魔女を倒すと手に入るグリーフシードという物が必要なんだ。〕

 

「巴さんを助け続ける為には、グリーフ…シード?を使って穢れを取る必要がある?」

 

〔まぁ、君の場合はそうだね。

ついでに伝えると、ソウルジェムは普段、指輪の形にしてはめている魔法少女が大半かな。〕

 

その言葉を流されて、もとこの中で初めて合点がいった。

入学式の日に付けていた指輪こそが、彼女のソウルジェムだったのだと。

 

〔あと、これは言うまでも無い事だろうけど、念の為に教えておくよ。ソウルジェムは肌身離さず常に身に付けておいてね?

いつ魔女が出てくるかわからないからさ。

いざという時に何も出来なかったら笑い話にもならないだろう?〕

 

キュゥべぇを見つめてもとこは頷く。

 

〔さて、取り敢えずの基礎知識はこんなものかな。

他に聞きたい事があれば、マミを頼っても良いし、僕が近くにいれば君の呼びかけにも応えるよ。〕

 

四足で立ち上がると、もとこに尻尾を向けるキュゥべぇ。

その背中には奇妙な楕円形の模様が描かれている。

 

「一緒に居てくれる訳じゃないの?」

 

〔まぁね。君以外にも僕を必要とする人間はいるだろうから。

ああ、そうそう。僕を呼ぶ時は、声を出すよりも念じて貰った方がいいかな。

基本的に僕の姿は他の人間には見えないからね。〕

 

タシタシと足音を響かせてその場を去りつつあるキュゥべぇ。

声が脳に流れ切った頃には、もう、その姿はどこにも見えなくなっていた。

 

「私が、魔法少女で、正義の味方で、巴さんの相棒…」

 

一人残されたもとこは、いつの間にか調子の戻った街灯の下で嬉しそうに呟いていた。

 

ーーーー ーーーー ーーーー ーーーー ーー

 

「ここが今日の戦場ね。まだあまり、高いところで戦った事は無いのだけれど」

 

夕暮れの鉄塔。

世界は異様に包まれ、日暮れの美しさは失われている。

彼女の目に映るのは、物理法則を無視してそびえ立つ一柱の鉄塔と、それを囲むようにして配置された複数の鉄塔群。

中心部に位置する鉄塔からすれば酷く小さく見えるが、それでも充分過ぎる程の高度を持つ。

その中心部の鉄塔の中腹付近に、ベレー帽を被った黄色をイメージさせる少女ーーー巴マミが孤高に立つ。

右手には、高潔な白を基調とした気品あるマスケット銃が一丁握られ、白銀の引き金には指が掛けられている。

 

「そんな事、言ってられないわよね」

 

言い終えるが速いか。

慣れた手つきで照準を九時の方向へ合わせて撃鉄を鳴らす。

ほぼ同時に、魔力で編まれた銃弾の跳弾する音が響く。

 

{¥$€%〒○☆→*#!!}

 

身の毛もよだつ奇声が上がったのは、最も最初に銃弾の当たった鉄骨からだ。

その後方から現れたのは、不気味な形をしたバケモノ。

親指のような頭部には裂けた口だけを持ち、脚部のみで成り立つ身体は太い鉄骨の上を駆け抜ける。

 

「逃がさない!」

 

撃ち切ったマスケット銃を放り投げると、いつの間にか足元に展開された数本の中から、すぐさま二丁目を引き抜く。

一丁、二丁、三丁、と撃っては放りを繰り返す。

だが。

 

「くっ!この魔女、素早い!」

 

どの銃弾も魔女の踵付近で跳ね返るだけで、未だ命中は無い。

更に付け加えるなら、鉄塔の巨大さ故に、走る魔女の姿がどんどんと小さくなって行く。

これでは当たるものも当たらない。

 

「近寄るしか、無いわね…!」

 

展開したマスケット銃の一本を右手で持ち、残りを魔女の元へと先行させる。

同時に、左手で出現させた黄色いリボンを遠くの鉄骨に巻き付けて、ターザンの要領で移動を始める。

瞬間的速度で、再び鉄骨の裏に隠れていた魔女への接近に成功したマミは、即座に背後に回り、手にしたマスケット銃で頭部らしき親指に銃口を当てる。

 

「これで、チェックメイト」

 

引き金と連動して撃鉄が落ちる。

その僅かな時間に、使い魔がマミのうなじに噛み付く。

 

「なっ!?」

 

マミの引いたマスケット銃は狙い違わず魔女の頭部を撃ち抜いた。

魔女の頭部には風穴が開き、耳を覆いたくなるような断末魔を上げる。

けれど、マミのうなじからは鮮血が垂れていた。

しかし、それは使い魔の手によるものでは無く。

 

「あ、危なかったわ…銃を投げておいてよかった」

 

マミのマスケット銃から放たれた銃弾が、薄皮を焼いた為だった。

 

「うん、これで今日はお終いね。

ちょっと危なかったけれど、擦り傷で済んで良かった」

 

魔女が消え去り、世界を覆っていた異質が原型を留めていられなくなる。

瞬きの後に、夕焼けはいつもと変わらないものになっていて、マミの立つ場所は人の手で作り上げた鉄塔へと姿を戻す。

マミの立つ足元には、漆黒色をした球体ーーーグリーフシードが垂直に浮かんでいる。

それを回収しながら呟く。

 

「さて、帰りにケーキでも買って行こうかしら。確か、駅前で新作が出るのよね。

もうすぐ夜だし、早く行かないと」

 

リボンを使って鼻歌交じりに鉄塔を降りるマミ。

その姿を、鉄塔の頂上から見つめる視線にも気が付か無い程、今日の彼女は疲労していた。

 

「…マミさんを、助けられて良かった」

 

紺色をイメージさせる格好をした少女は、夕陽が落ちきるまで、静かに達成感を味わうと、色は異なるがマミと同様のリボンを使って鉄塔を降りる。

地面に着地するのと同時に、彼女の服装が変わる。

 

「この後にマミさんが襲われたらマズイよね…

少し、後を付いて行こう」

 

そう言って、見滝原中学の制服となったマミを追い掛けたのは、同じ制服を着た灯暮もとこだった。

 

 

 

 

To be next story.

 




とまぁ、不穏な感じは出てましたかね?
色々設定が変わってたりするかもしれませんが、どうかご容赦を。

それではすぐにまたお会いしましょう!
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