はい。今更になってやえの話を書きました。
本編だといつの間にかいなくなっていた彼女ですが、きちんといなくなった理由はあったんですよ?
そしてそれをひけらかしたくなったんです。
かなり長いですので悪しからず。
では、どうぞ。
小さい頃の私は、父の影響で戦隊ヒーローが好きだった。
派手な爆発シーン。
オモチャっぽいけれど、格好の良い武器。
主人公たちの熱い気持ち。
そして、巨大なロボットで敵を倒す最後。
いかにも王道なお話が、私は好きなのだとずっと考えていた。
だから父が観ていれば決まって私も観るようにした。
女の私が興味を示したからか、初めの頃は驚いていた父だけれど。
『自分の子供と観る夢が叶った』
と言って凄く喜んでくれていた。
私もまんざらでは無かった。
けれどある時、父が戦隊ヒーローを観なくなった。
理由は『面白いと感じなくなったから』らしい。
集めていたフィギュアなんかをダンボールに詰め込みながら言っていた。
以来、私も戦隊ヒーローを観なくなった。
正確には、観る機会が無くなってしまった。
元々、父が観ていれば私も観る程度だったから。
ーーー中学校に入学するくらいの時に知ったのだけど、母は、女の私が男物の番組を観るのが余り好きでは無かったらしい。
それでも一度だけ、母にも父にも内緒で戦隊ヒーローを観た事があった。
聞こえる音量で点けていたTVの中には、派手な爆発シーンもかっこいい武器も熱い気持ちもロボットも何もかもが変わらずそこにあった。
面白かった、楽しかった、嬉しかった。
夢中でTVにかじりついた。
気がつけば、番組は終わっていた。
三十分があっという間に感じられた。
でも、違かった。
確かに気持ちはいっぱいになった。
けれど、何かが足りなかった。
人がでてきた。
敵が来た。
ロボットが来た。
爆発した。
勝った。
流れる映像を、聞こえてくる音を、ただ収集して理解するだけ。
そこに浅い感情はあっても深い感動はない。
思い返せば、ただそれだけだった。
名残惜しさとは違う違和感が胸の辺りでつっかえていて、奇妙な空間が胸の中に空いていた。
私が変わっていたのだろうか。
父が隣にいなかったからだろうか。
もしそうなら、父と一緒に見れば再び楽しく感じるのだろうか。
けれどそれを確かめる術は無い。
だから必死に考えた。
丸一日中考えた日だってあった。
そうして見つけた答えがこれだった。
『お父さんと見ていた時は確か、お父さんは映像を観て感じた事を楽しそうに語っていた。
私も後に続いて感想を口にした。だから私は楽しく感じた。』
それ以外に違いは思い出せない。
…なら、それはつまり。
私はただ父の感情に吊られて、面白がっていただけ…?
そう気がついた途端に、胸の中に空いていた空間が埋まったような気がした。
つまり私は、私の感情でアレの感想を言っていた訳じゃない。
感じていた訳じゃない。
ただただ父の感情の後追いをしていただけだったんだ。
ならそれ以外は、これまではどうだったのだろう。
昨日の夕飯は?
胸のすくような青空は?
隣の犬は?
思い出の本は?
部屋に置いてあるクッションは?
考えれば考える程にこれまで感じてきた何もかもが嘘のように思えて仕方なかった。
思い出せば思い出す程に私の胸には穴が空いた気がして気分が悪くなった。
ーーー次第に私は自分の事が信じられなくなった。
今まで美味しいと感じていたお母さんの料理が無味無臭な何かに思えて。
今まで好きだと感じていた天気は、本当は嫌いなんじゃないかと思えてきて。
可愛いと思っていた犬も、面白いと笑っていた本も、好きな触り心地だと撫でていたクッションも。
何もかも全てに自信が持てなくなって。
その日を境に私には、好きなものも嫌いなものも何もなくなった。
無感情とは違う。
笑うこともあれば、泣くこともある。
苦しく感じる時もあれば、楽だと感じる時もある。
そこに感情自体はある。
私にはそれが、自分の本当の気持ちだと思えなくなってしまったんだ。
感情はあっても感慨が無い。
どんな気持ちになっても本当のところは何も感じていないんじゃないか。
周りに合わせているだけなんじゃないか。
そう思えてどうしようもなかった。
ーーーだからかな。
初めて自分を疑った日を区切りに、一人ずつ友人が離れていったのは。
本来なら悲しんだり、怒ったり、何かをするんだと思う。
『行かないで!』とか、『私が悪かった!』とか、弁明や謝罪をするんだと思う。
でも、私はそれができなかった。
だって、分かってしまうから。
仲がいいと思ってた人にテキトーな返しばかりされるのが嬉しい人なんている?
少なくとも私の周りにはいなかった。
だから私には止める権利なんて無いと思った。
離れて行く事に怒る権利なんてあるわけが無いと思っていた。
気がつけば私はクラスで浮いていた。
ーーー多分、嫌われてた訳では無いと思う。
グループには入れてもらえてたし、ちょっとしたおしゃべりなんかはしてるから。
ただ、好んでしようとする人がいなかっただけ。
仲の良かった時の名残で私の名前を出してしまった。
拒む理由はないから会話に誘うしかなかった。
そんな感じだ。
そんな日々が二年ほど続いたある日、小学校五年生の頃に転機が訪れる。
転校生だ。
パッと見は全く冴えなくて酷く鈍臭そうな女の子。
(もじもじしていて三つ編みで、メガネをしていれば完璧な文学少女だろうな)
第一印象はそんな感じだった。
『あの…学校の中、案内して欲しい…です』
最初に聞いたのはこんな言葉だった。
朝の会で自己紹介はしていた。
けれど、私には関係のないことだと思って聞き流していたんだ。
ーーーどうして私に声をかけてきたのかわからなくて、少し意地悪に聞いてみたんだっけ。
『なんで私みたいなひとりっ子に頼むの?』
すると彼女は、ぽかんとした顔で。
『仲良くなれそうだったから…かな?』
そう言った。
正直に言って、驚いた。
思い返せば分かり辛い言い方だったかもだけど、それでもあの時の私が出来る精一杯のイヤミだったのに、彼女は真面目に答えてくれたのだ。
きっとその時の心情は
『なんで急に姉妹がいない事を教えてくれたんだろう』
だと思う。
そう思うと、笑えてきて仕方がなかった。
心の底からおかしくておかしくて笑えてきた。
周りの目なんて気にせず、勿論、目の前の子の事も忘れて、お腹を抱えて椅子から転げ落ちた。
何が不思議だったって、涙で歪んだ視界の先で彼女も笑ってた事だった。
ーーーこれが私だった女【因幡やえ】と、親友【灯暮もとこ】の出逢い。
私の生涯を捧げても良いと思えた…私に感情をくれた、一人の少女との初めての会話だった。
ーーーー ーーーー ーーーー ーーーー ーーー
〔どうして聞きたいんだい?そんな事を。〕
次に
最悪の生物との出逢い。
ーーー最高から最低に落とす辺り、コレはやっぱりあいつが原因だよね。
『命かけるんだもの。そのくらい当然でしょ?』
夕陽を背に、静々と赤い目を向ける猫らしき生物ーーー【キュゥべぇ】。
〔それもそうだね。
一言で言うなら、魔女は呪いから生まれた存在だよ〕
何も知らないくせに、知った風な口を利く因幡やえ。
『答えになってないよ』
〔そうかな?今の子達はそれで納得してくれるけど?〕
感情の乗ってない無機質なそれは、やえの脳に流される。
『私だってイマドキの子だっての!ん~…なら質問を変える。
…魔女になる呪いって、一体何?』
〔呪いは呪いさ。言い換えるなら、不幸によってその身に降りかかる絶望や悲しみ。妬み嫉み恨みなんかもそうなるね。
つまりは負の感情って事さ。〕
聞くだけで気が滅入る言葉を淡々と無感情に話すキュゥべぇに、やえはまだ続けた。
『それは人の感情だけ?』
〔まぁそうなるね。
それで、どう?魔法少女になる気になったかい?〕
『もう一つ。なんで人間の感情だけなの?
植物とかはまぁ分かるけど、他の動物や昆虫は?』
〔確かに木や土なんかは何かに影響を与える程の強烈な感情は無い。動物や昆虫は君たちよりももっと短絡的な感情しか無い。
だからそもそもの生まれる呪いの量が少ないんだ。だから魔女にはならない。
けど、そんな事を聞いてどうするんだい?〕
俯いて、尻尾を振るキュゥべぇ。
ーーーどうして私はこの時やめなかったんだろう。どうして私はもとちゃんにこの存在を教えようとしなかったのだろう。
後悔の念が体中を巡るのが分かる。
〔さて、そろそろ決めてもらってもいいかな?僕も暇って訳じゃないんだ。〕
『そう、ありがとう。これで大体わかった。
…うん、魔女の元は人間で、しかも、思春期とかの子供がメイン。特に多いのは女の子ってところね。分からないのは、どうしてあなたが私に…多分、他の子達にも、魔法少女になって欲しいと言っているのか。本当に魔法少女になれるのか。どんな願いでも叶えられるのか。だけど…けど、まぁ、どう?私の推理は。割と当たってるんじゃない?』
ーーーあぁ、そうだった。
〔驚いた。あの会話でこれだけを推測するなんて。もしかして君は探偵か何かにでもなるつもりかい?
けど、これ以上は部外者に教えられないよ。どんな事でも、覚悟もないのに踏み込み過ぎるとロクなことにならないからね。
まぁ、魔法少女になるなら教えてもいいけどね。〕
ーーーこの時の私は、因幡やえは……
『ま、そう言うしかないよね~。今のが答えになるとわかってても』
〔それで、君は魔法少女になるかい?さっきも言ったけど、どんな願いでも叶えられるよ?〕
ーーーキュゥべぇを、まるで昔の自分のようだと感じたんだ。
『勿論、なるよ!』
ーーーー ーーーー ーーーー ーーーー ーーー
『うんうん!いいよぉ!凄くいい!』
ーーーあぁ、今度はこの日なんだ。
やえが【私】に成り始めた時。指先がソウルジェムに触れたあの日を、私は見なければならないんだ。
『うふふ、貴女って人を褒めるのがとっても上手なのね。こっちまでその気になっちゃう』
ここは、先生や生徒が滅多に来ない校舎の外れ。
その一番端にある階段。
下から六段目辺りに座るのは、やえと同じ魔法少女の【巴マミ】。
ロールさせた髪の片方を左手の甲に乗せてポーズをとっている。
ーーーやっぱり、キレイだなぁ。
『ぐっふっふ~。ところでマミちゃ~ん?良かったら今夜僕と遊ばな~い?』
大袈裟ににやけて、変態じみた笑いを浮かべている。
ーーー本当の意味で客観的に見るとよく分かる。
この時のやえがどれだけおかしいのかが。
『あら、その誘い方だと、最近捕まったカメラマンの事を思い出すわね』
『なっはっは!ばれたか』
ーーー伸びてる。
汚くて、認めたくない、穢れた指が。触れている。
『ふふっ。でも、案外楽しいものね、モデルって。なんていうか…そう!新しい自分になったみたい!』
もとちゃん以外に感じるはずのない、感情というものをやえは受けていた。
否定のしようがない、明確な苛立ちを。
『(…そりゃあ良かったね。乳袋)』
ーーーううん、こんなのやっぱり違う。私に感情をくれるのはもとちゃんだけなんだから、こんなのは感情なんかじゃない。
絶対に。
『へ?因幡さん、今何か言ったかしら?』
小さな声だったからか、彼女には聞こえていなかったらしい。
『んえ?何がー?』
やえは当然のようにシラを切る。
恥ずかしげもなく、堂々と。
『そう?ならいいのだけど』
屈託のない、可愛さの塊のような笑顔で言う。
ーーーよくなんてない。彼女の笑顔の裏が見える私には判る。
彼女は、ウソを、ついている。
『いやぁ〜、あんがと〜あんがと〜!お陰様でとってもいい写真が撮れましたぁ〜!』
不自然に高い声のトーンでやえは感謝を口にする。
ーーーこれでよく隠し通せたと思ったもんだよ。
『ふふ、どういたしまして。私も楽しかったわ。けど、随分長くかかったわね。
…私としては機会を何度か与えたつもりだったのだけれど?
花の形をしたネイルと指輪を、これ見よがしにやえの前へ晒す女性。
『へっ!?な、何が…?』
対してやえは唐突な事態に驚きを隠せていない。
ーーーこれだけで分かる。やえとこの子との間にどれだけの経験差があるのかが。
『あら、その指に付けてる指輪は私の見間違いかしら?』
『しまっ…!?』
その子は試すような眼でやえを覗く。
そんな視線に気付く余裕のないやえは咄嗟に左指を確かめる。
『って、ない…?指輪、なんて…まさか!?』
一つの異物もないただの指をやえは見つめている。
そうしてようやく気がついたのだろう。
カマをかけられたことに。
『そう…やっぱり、ね』
視線を落として顔を伏せる。
『どうして…分かったの』
『本来ならこんな事はしないのだけどね…
昨日、キュゥべぇに教えてもらったの。〔この町に新しい魔法少女が現れた。〕って』
巻いた髪を弄りながら、何故か、申し訳無さそうに話している。
ーーーああ、そっか。どうしてこんな顔を見せられたのかようやくわかった。
〈卑怯な方法で、やえの正体を暴いていた事に罪悪感を感じたから〉だったなんて。
なんて、誠実な人。
…騙して、偽って、嘘を突き通すやえとは大違い。
『あぁ、なるほどね、そういう事。確かに、全然仲良くない人が急に『写真を撮らせて欲しい』だもん。疑わないほうが可笑しいか』
太陽が位置を変えたせいか。
ーーーそれとも観る記憶が移る前触れか。
やえと対面している相手の姿が酷く見え辛くなっている。
まるで、黒いもやがかかっているように。
『ごめんなさい…けど!別に貴女をどうこうしようってわけじゃないのよ!私はただ…』
『私を使ってグリーフシードを集めさせる。って?』
『…え?』
『私も聞いたんだ、キュゥべぇに。
いるらしいね。魔法少女の中には下っ端にグリーフシードを集めさせて自分だけ楽をするって奴が。
丁度、貴女みたいに共闘を申し込んで』
ーーーやえは目の前にいる女性に、聞き覚えの無い事…そう、その場から逃げるためのウソを吐いた。
この場から逃げるために。何より、もとちゃんに写真を届けるために。
『ちがっ…!
……いえ。そう、ね。確かにそう。…そう聞こえても仕方ないわよね』
黒いもやのせいでどんな動きをしているかはわからない。
けれど、酷く狼狽えている事はわかった。
取り乱したかのように身体を動かしている。
『やっぱりね。
言っておくけど、思い通りにできると思ったら大間違いだから。
私はそんなに弱くない』
首元からのぞかせるのは魔法少女の証である指輪。
それを手にしたことで黒いもやの態度が一変した。
『ま、待って!本当に私は貴女に危害を加えるつもりはないの!』
『ねぇ、■モ■ ■ミ?どうして貴女はそう上からの物言いしか出来ないの?なんで私の方が下に見られてるの?
まだ、戦ってすらいないのに』
可能な限り悪意を込めて発した
ーーーあれは、手を突き出してる?でも、どうして?まるで変身するみたいに。
『ダメ…やめましょう。私は本当に戦う気なんてないの』
『私じゃ役不足って?』
『違うわ!
…いえ、私だって今まで魔女と戦ってきたの。昨日今日契約した子に、素質で負けていたとしても経験で勝ってみせるわ…!
けど、そうじゃないの!私はただ貴女と…』
『やめて』
誰かの声に対して学生服の少女…やえは力強く静かに制する。
しっかりと指輪を握りしめて。
『それより先を言えば、二度とこの学校を、見滝原市を歩けないと思って』
『…貴女まさか、人を操れるの?』
『まさか。そんなに凄い魔法じゃないよ。私のはただ、危険を排除出来るだけ』
そう語るやえの言葉は半分だけ本当だった。
嘘の中に本当を交え、あたかも全てが事実のように聞かせることで、黒いもやの心をその言葉に縛り付けた。
ーーーやえの願い。それは[灯暮もとこが危ない目に合わない事]
いや、今の私でさえも望んでいる。
死の危険はなく、優しさに満ちた穏やかな世界にもとちゃんがいること。
それこそが私にとって最高の幸せ。一番の望み。
たとえその隣にやえがいなかったとしても構いはしない。
そう、例え、もとちゃんの危険をすべて肩代わりした結果が【私】だったとしても。
『それって、貴女に降りかかるものをってことでいいのかしら…?』
黒いもやは学生服の少女から大きく距離を取る。
まるでそこで戦うかのように。
『どうだろうね。
もしかしたら完全な防御魔法かもしれないし、逆に必ず先手を取れる一撃必殺の技かも知れない。あぁそうそう、さっきはああ言ったけど…本当は貴女の言うように人を惑わすタイプなのかも』
そう言ってうっすらと口角を持ち上げた少女は、くるりと黒いもやに背を向けて歩き出す。
『なんのつもり!』
『だって、戦うつもりはないんでしょ?だから、帰るつもり』
『帰るつもりって…!このまま終われると思って…!』
ピタリと歩くのを止めた少女は振り返る。
可愛さの微塵もない刃物のような瞳を黒いもやに突き刺して、その次を抑制する。
『私はあんたの手の内を知ってる』
少女の言葉は、人のような形をしたもやにぎっちりと木の杭を刺した。
けれど少女は、普段の調子で話し出す。
牽制が含まれることを除けば普段と変わらない様子で。
『キュゥべぇに聞かないとでも思った?自身の脅威について何も。
それに私だって貴女と戦いた訳じゃない。今回のはただのあいさつ。これから先、お互いがやり辛くないようにするために、ね』
もう一度背を向けると、動けずにいる黒いもやに片手を振って廊下の陰へと学生服の少女は姿を消した。
ーーーー ーーーー ーーーー ーーーー ーーー
眼に映るのは魔法少女になってから始めて得た喜び。
どんな絶望ですら拭い去ってしまえるくらいに幸福なひと時。
二人の少女はテーブルを挟み、惜しみなく幸福を与え合っている。
ーーーあの時は、心の底からそう思っていた。
この時を思い出せばどんなに辛い状況でも耐えられるはずだと。
けど、実際は違う。
やえがもとちゃんに対して一方的に幸せを感じていただけで、当のもとちゃんは全く別のものから幸せを貰っていた。
今ではもう名前どころか姿形や声色さえも、何一つ思い出す事ができない誰かの写真を見て幸せを得ていたんだ。
それをやえは認めようとしなかった。
きっと、やえと共に居られるから幸せを感じているのだ、と思い込む事で平静を保っていた。
なんて愚かな女だったのだろう。
事実を事実と認め、それを覆すように動いていればきっとこうはならなかったはずなのに。
それでもやえは自分を騙し続けた。
もとちゃんが部屋を去るその瞬間まで。
…そうだ、一層の事やえがどうしようもない愚か者だったら良かったんだ。
そうすればくだらない現実を知る事もなく、自分を騙している事にすら気付くことがなく、偽りの幸福を感じていることができたのに。
でも、現実は残酷だった。
思いの外やえは回る頭を持ってたから。
ーーーー ーーーー ーーーー ーーーー ーーー
次に映るのは、愚を極めた時の私だった。
自分勝手に、胸の内にある苛立ちを疑心を恥ずかしげもなく曝け出すその姿は、滑稽に映りすらしなかった。
こんなものは、ただの子供の戯言でしかない。
子供が喚き散らす言葉に何の意味もないことと同じように、この女の口にする言葉は無意味だ。
やがて、少女の一人が部屋を出て行く。暗い道を駆け抜け自分の部屋に戻って座り込んでも、女は泣き続けていた。
溢れて、溢れて溢れて溢れて溢れて。止めようのない無垢な涙は、着ていた服の袖をビショビショにしてなおも溢れ出た。
現実を受け入れてしまったんだ。
嘘を突き通せなかったんだ。
夢を見る事を諦めてしまったんだ。
なら後は何をするのか。
涙の止まる頃になってやえは決心したんだ。
ーーー
一匹残らず魔女を蹴散らし、写真に写っていた人物から仕事を奪い取ると。
格好良く魔女を倒し尽くせばもとちゃんはきっとやえだけを見てくれるはずだ。
そう自分に言い聞かせて、学校に行く時間すらも惜しんで魔女退治に明け暮れた。
ーーー睡眠時間は失った。
気絶するまで戦って、目が覚めたらまた戦って。
ーーー食事の時間は削り落とした。
効率のいい栄養食を移動中にお腹に納めた。
ーーーお風呂は定義を変えた。
臭いが気になったなら川を使って移動すればほら、身体の汚れは落ちる。それに、用を足す事だって簡単。
そうして戦って戦って倒して消して蹴散らして。
気が付いたらソウルジェムはまっくろくろに穢れていた。
グリーフシードを使って穢れを浄化する時間すらも惜しんでいたんだから当然。
ーーーもちろん、悔いは無い。
魔女の全滅は果たせなかったけど、それでも確実にもとちゃんに迫る脅威は、危険は減っているのだから。
何よりも、やえの…こんな事になった私の願いをあの悪魔に叶えて貰ったんだ。もとちゃんに訪れるのはきっと温かくて優しいものだけで、冷たくて身震いするような何かじゃないはず。
だから、路地裏で指の先すら動かなくなった時でもやえは平気だった。
もとちゃんと居られなくなる事に絶望は感じていても、底に沈む程じゃ無かった。
私が頑張った結果、もとちゃんが安全に暮らせるんだからって。
むしろ誇らしかった。
あの時の声さえなければ。
『今日も無事に終わってよかったね、マミさん』
ーーーそれは所謂テレパシーだった。
キュゥべぇと会話をする時に起こるアレと全く同じだった。
やえが感想を思考するよりも早くもとちゃんはテレパシーの圏内を抜け、お陰でこちらの声が届くことはなかったけれど、このテレパシーはつまり、もとちゃんが魔法少女になったという揺るぎない事実の証明だ。
気が付けば、やえは足場を失っていた。
ただただなすがままに絶望の底へと落ちていく。
ううん。落ちているなんて感覚とは程遠い。
アレは、蝕まれているんだ。
頭の先、腕回り、お腹、どこからでもあってどこか一箇所だけ。
ずりずりと這い寄る絶望は、全身を一度に襲っているようでいて、本当はどこか一辺から飲み込んでいた。
形容するなら、意識を持った水だと思う。
身体の全てが水中にあるけど、水が意図的に握っているのは指先だけで、その他はただ接しているだけ。
けど、受け手である自分はその違いを明確に判断出来ていないんだ。
なぶられるようなあの感覚は気が狂ってもおかしくなかった。
いいや、私は狂ってしまったんだ。
だからこうなった。
だからこれを見ている。
ただただ、希望と絶望を観る事によって呪いを増幅させ続けている。
魔女としての完成度を上げるために。
ーーーー ---- ---- ---- ---
それから何度同じ記憶を見ただろう。
何度同じ事を思考したんだろう。
自分の事だけの記憶は早々に何も感じなくなった。
私の失態ならいくらでも掘り返してくれて構わない。
何度見せつけられたって構いはしない。
だから、だからどうか。
どうかもとちゃんの…灯暮もとこちゃんの姿を見せないで。
あの笑顔を見るだけで私の心に希望が宿ってしまう。
あの声を聴くだけでもう一度会いたくなってしまう。
私にはそれが堪らなく苦痛に感じてしまう。
そうは思いたくないのに苦しみとして受けてしまう。
変わってしまった。狂ってしまった。
人だった因幡やえは、魔女となってしまった。
もとちゃんが憧れる格好いい正義の味方になろうとした私は、倒すべき悪になった。
私は、私はどうしたかったんだろう。
もとちゃんにとっての何になりたかったんだろう。
憧れの対象?
仲がいい友人?
もとちゃんを護る正義の味方?
…なんであれ、今の
……ああ、そっか。そうだったんだ。
私は間違えたんだ。
もとちゃんが危ない目に合わない、なんて抽象的なお願い事じゃなくて。
『因幡やえが、灯暮もとこが死ぬその日まで護り続ける』
そう願えばよかったんだ。
そうすれば私は、死ぬまでもとちゃんを護れた。
今みたいに私が先に死んでしまうことだってなかった。
もとちゃんが危ない目に遭っても、私が護る事が出来た。
っはは、今頃になってそんなことに気が付くなんて。
やっぱり私はどうしようもなく愚かな女。
救いようのないバカ。
こうなってしまった今ではもとちゃんを護るどころか、一緒に歩くこともできない。
遠くから見守る事さえ許されない。
そう、これが私の願いの果て。理想の終わり。
決して叶うはずのないたった一つの夢が永遠に私の胸を圧し殺す。
それを抱き続ける事が私の罰。
{もう、涙すら出ないんだ}
子供の玩具箱のようにまとまりの無い世界が、私に許された唯一つの空間。
ここに
{私は、今の
けれどそれは叶わない。それすら叶わない。
私の身体は既に私のものでは無くなりつつある。
誰かの意思が私を取り込み、
こうして意識を保って今を嘆くだけで精一杯。
だから、そう。
{もしも、もしも私が残っている時に
クチリと、脳に痛みが走った。
鉄屑の山が至る所に広がる、鉄工場のような景色の最果て、結界の始まり部分に僅かな歪みが映る。
同時に訪れたのは懐かしいあの感覚。
自身を正しい存在として疑わず、誇りを胸に日々を走り抜ける
{良かった。私は、私のままで終われるんだ}
がなりたつ不協和音は徐々に近付いてくる。
がちゃり、がちゃり、がちゃり。
その音はまるで、昔見た電気椅子に電気を流すスイッチを落とした時の音に似ていた。
死刑執行を待つ囚人の心とはこんなにも喜びに染まっているのだろうか。
死のお迎えが近づくたびに胸が弾む。
気が付けば、不協和音は止んでいた。
「使い魔がいないって事は、まだ産まれたての魔女かしら?」
そう、不協和音よりも頭の中を掻き乱す音は、私を問い質した。
{あんたは…あんたは…!!!!}
聞き覚えのない知るはずのないその音は、
今まで見た希望なんて全て掻き消して、それまで受けた絶望の全てを増幅して、私は
「なんて、貴女に言っても返事のあるはずないわね」
金髪の魔法少女は胸元についたリボンを右手で解く。
それは風の無いはずの結界の中でなびく様に舞うと、たちまち一本の煌びやかな銃へと形を変える。
「今回は色々試させてもらうわね。貴女には悪いけど、実験台になってちょうだい?」
そう言うと、右手に構えていた銃を空高くへと放り投げる。
「こっちよ」
円状に回転して空へと昇って行く銃から魔法少女に視線を戻すと、今度はお嬢様の様にスカートの両裾を持ち上げそこから空に投げた銃と同じものが数本、地面に突き立っていく。
「まだよ!」
そうして今度は被っていたベレー帽を右手で掲げ、左肩から右肩まで大きく半円を描く様に腕を回す。
次の瞬間には。
「どう?これが今の私の力よ」
空中に浮いている幾つもの銃口が向き、空から落ちてきた銃を構える魔法少女の姿があった。
「さぁ、戦いましょう?」
不敵に微笑む魔法少女は右手の撃鉄を鳴らした。
ーーーー ーーーー ーーーー ーーーー ーーー
「くうっ…そんな…!」
魔法少女との馴れ合いが始まってから二十分程だった。
目の前で立ち竦み、茫然とする彼女からはおよそさっきまでの不敵さを感じる事は不可能だ。
「失敗…したわ…。まさか、こうやって戦ってる間にも外から人を連れてこれるなんて…」
魔法少女が立ち竦む理由。
それは、
つまりは、魔女の口づけをした人間。
しかも、結界と同じ空間上を渡った人間には問答無用で口づけが付けられてしまう。
今はまだ四体しかいないけれど、このまま放っておいても後は物量差でどうにでもなる。
「こんなっ…!このままじゃ…!けどっ、私は…!」
こうなって仕舞えば再び結界の外で生活をする事は不可能となるわけだけれど、この魔法少女はそうとは知らずに戦っている。
「助け…ないと…!」
リボンを使って三体の鉄屑を必死にいなし続けるも、魔力を宿す鋭利な鉄の前では意味を持たない。
巻けば切れ、包めば裂ける。
素手で触れればたちまち真っ赤な噴水になってしまう。
気が付けば、魔法少女は人形のように立ち尽くしていた。
「そんな…」
鉄屑の使い魔もどきを見続ける事しか出来なくなった魔法少女。
このまま何もしなければこの魔法少女は、使い魔もどき達によって細切れにされるだろう。
その姿を想像するだけで
{…この高揚感は何?}
ーーー腹の底から湧き上がってくるこの優越感は…
屈折した支配感は…!
まるで鬱憤の塊を吐き出したような感覚。
知るはずのないただの魔法少女を蹂躙しているだけにも関わらず、最高の気分を味わっている。
が、そう思えたのも束の間。
小さな炸裂音が耳に届く。
「…え?」
さっきまで嫌というほど聞かされた、魔法少女のものと同じ音。
「どう…して…」
しかし、当の魔法少女は額を打ち抜かれた使い魔もどきを倒れないようにとリボンで支えようとしている。
そんなことをしても無駄だということはさっきまでのやり取りで理解しているはずなのに。
ガチャリと、鎧の倒れたような音がした少し後、二発、三発と続けて使い魔もどきの額が撃ち抜かれる。
「私は…なにを?」
眼の輝きを失い、オイルと化した人間の血を浴びた魔法少女はその場に崩れ落ちる。
やがて四発の銃声が響き、最後の使い魔もどきが倒れた。
「ううっ…ああ…」
したしたと魔法少女の頬から垂れるのは、色の薄まった使い魔もどき達のオイル。
その姿を見ているだけで心の底から陰鬱な喜びが顔を持ち上げる。
けれど、けれど何故か同時に、どうしようもない虚しさも出てくる。
{
ーーー
絶望に呑まれ希望を妬む今の
{そうだ、目の前でへたり込んでる魔法少女にだって見覚えが…}
南京錠に繋がれた何かを思い出しかけたその時に、
「大丈夫でしたか、■■さん!」
座り込む魔法少女の背後にふわりと立ったのは…
「…これは、貴女が?」
屈託のない笑顔で魔法少女を見つめる、地味な見た目の魔法少女は…
「えへへ」
ーーー
私は、誰のために、何のために魔法少女になったんだ。
ただ、ただただこの笑顔を護るためだったんだ。
なのに、どうしてこの魔法少女は…!
「なら、貴女は私の敵だわ」
「えっ?」
ーーーどうしてこうも簡単にもとちゃんの笑顔を奪うんだ!
目の前で繰り広げられる一方的な口撃が頭に響くたびに、私は破壊衝動に駆られる。
後悔に胸を抉られる。
ーーー失敗さえしなければ今頃はもとちゃんの隣にいられたはずなのに。
そうだ、本当なら、眼の前で銃を突きつけられているもとちゃんを救えたんだ!
今すぐにでもあいつを殺したい。頭でもいい腹でもいいとにかく致命傷を与えてこいつを殺したい…!なのにどうしてこの脚は動かないんだ!
違う。これは動かないんじゃない。動かせないんだ。
ギチギチと鉄塊を…鉄柱と大差ない姿と変わってしまった自分の両脚を黄色いリボンが縛っているんだ。
動かせば動かすほど締め付けは増していく。
にもかかわらず、少しも痛みがないのがどうしようもなく悲しかった。
でも今はそんなことどうでもいい。
「喋らないで!」
そんな矢先に、私のもとちゃんは膝をついた。
遠いあの日、私を見続けて目を回したもとちゃん。その時と同様に膝をついていた。
ーーー何をしているんだろう。
どうして私にだけ許されたそれを誰とも知らないお前がしているんだろう。
もとちゃんが膝をつく時は笑顔でなくちゃいけないのに、なんであんなにも悲しそうに見上げているんだ。
こんなのあってはいけない。起きちゃいけなのに!
脚が動く。
僅かに痛みが走る。
見れば、ふくらはぎの辺りが微かに凹んでいる。
それでも構わず脚は動く。
やがて、ビリッ、という音が体感で感じられた。
みるみるうちにリボンは裂け、気が付けば
ーーーこれで、これでやっともとちゃんを助け出せる。
右脚を出して左脚を出す。
さっきまで出来なかったそれを確かめるようにして脚を動かす。
今の私ならあと三歩で届く。
今すぐ助けるから…!
「ティロ・フィナーレ」
その声は光線となって
見なくても理解できた。頭の半分近くがたった一瞬で消し飛んだ事が。
ーーーそんな…
私はまだ何もできていない。
あの生物に願った事が叶ったのかすらわからないのに、なのにここで終わるなんて嫌だ。
せめて、眼に見える形で、自分で判る形でもとちゃんを護りたい。
同じ魔法少女だからじゃない。
私はもとちゃんが好きで、一緒にいたいから!
失われていく身体の感覚を必死に繋ぎ止める。
来るかもわからないもとちゃんの危機を救うために。
その
「…やめ…て」
「忠告は…したわ」
最後の最後で私の願いは届いた。
もとちゃんに絶体絶命のピンチが訪れる。
僅かな躊躇いがすべてを変える。
金髪の魔法少女が引き金を止めるその瞬間を私の眼は見逃さなかった。
「え…?」
ーーー脚が軽い。
鉄塊とは思えないほどに軽い、一歩。
たった一歩でもとちゃんに届いた。
腕を伸ばせない。
今頃になって気付く。今の私にはそれにあたるモノがないんだ。
なら、今出来るのは…!
「そんなっ!」
ーーー頭が半分残っていて良かった。
口が使えるから。
優しく掬うようにもとちゃんを拾う。
落ちないよう頭を傾けて位置を正しくする。
喉元を何かが過ぎた感覚が訪れる。
ーーーこれは…なに?
何で、どうして?私はただもとちゃんを口に入れて安全な場所に運んで行こうと…
なのにどうして私は当たり前のように飲み込んでるの?
だって私はもとちゃんと同じ魔法少女で…だから…
違う。違う違う違う違う!
私はもう魔法少女なんかじゃない…
私は、私は…!
食べたんだ。
ーーー私は人を食べた!あろうことかもとちゃんを!
どうして私はあんな勘違いをしたんだ!そんなわけないのに、私はもう魔法少女なんかじゃないのに!
だって、助けたかった。
私はただ助けたかった。もとちゃんを、危険なことから!
そうだよ、助けたんだ。私はあの金髪の魔法少女から、あいつの凶弾から身を挺してもとちゃんを護ったんだ。
だから私のお腹の中にもとちゃんがいる。これが銃弾からもとちゃんを護った証明なんだ。
そう、護れ…
{うああああああ!}
ーーー何も護れていない!
魔女になってから願いが叶うわけない!
だってそしたら…とっくに私は人に戻ってる!
全身に痛みが走る。
消えるからじゃない。
形が変わっているからだ。
腕が生え、脚が変わり、頭が改修されるから。
もう、私でも
視界が二つになる。
まったく別の空間を同時に見るのはたまらなく吐き気を覚えるがそれも一瞬のこと。
すぐに要領を理解して、吐き気は引いていった。
「灯暮さん…!」
どこからか誰かの声が聞こえる。
灯暮…もとこ…
私を救ってくれた、ただ一人の友人。
私に感情をくれた、ただ一人の人間。
今だって手を伸ばせば触れられそうに思えるけれど、もう、どこにもいない。
だって、
ーーーだからなのかな。
私たちの過ごした日々が紙芝居のように視界に映る。見覚えのない日のことも。
けれどそんな幸せな日々は二度とやってこない。
記憶の彼方へ霧散したそれらをもう一度思い出すことも出来ない。
消える意識の中、
忘れたくても忘れられない、優しい声が。
『私のためにありがとう。でももう大丈夫だよ。怖くない。やえちゃんと一緒だから』
その言葉は私に安心をくれた。
あの日のように。
あの日…それがどの日なのかももうわからないけれど、それでも私の心は懐かしさと嬉しさで一杯になる。
開けた視界の先に映るのは、金髪の魔法少女の足。
そっか、
もとちゃんを魔女にさせずに済むんだ。
ふふふ、私はもう貴女を恨んだりなんかしない。
手にしたその銀の銃で撃ち抜かれたって平気。
だって私には、貴女の持ってないものを持っているんだもの。
『ほら、行こうよやえちゃん!学校に遅れちゃうよ!』
『おおっと!それはまずいですな!行こうか、もとちゃん!』
煌めく最後の日常は、響く銃声とともに過ぎていった。
だって、二人を引き裂くなんてできないじゃないですか!(迫真)
私だって思いましたよ、書いてる途中に。
「あれ、これ、結構酷いことしてね?」
って。
でも仕方ないんですよ。
彼女たちはそうなる運命だったのです(無責任)
ちなみに、魔女化って私の中だと。
自分の意識があり魔女になりつつある(精神崩壊時さやかの段階)→魔女の身体を持つがまだ自分の意識がある(映画の魔女化ほむほむ)→魔女の身体を持ち自分の意識はない(完全体魔女)
の三段階だと思って書きました。
原作の設定とは異なるかもしれませんがお許しを。
こんな感じで、ひとまずはもとこ☆マギカは終わりです。多分、別編みたいなのももうないかなと思います。
次にまどマギ系を書くなら、もっとこうゆるーい感じのですね。
さやかたちが畜生に仕返しする話とかいいですね。(畜生と書いて上条と読む)
ではまた、別のお話で会いましょう!