少女は神を怖れない   作:宝犬

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書くのがムズくなってきたー


08狂人は茶髪にあう

 

 

ーーレザノフ公国 キングルップターミナルーー

 

「ここじゃよなぁ?」

 

一人の少女がある建物の前で途方に暮れていた。少女とは当然チェリーである。チェリーはあのあとすぐに馬車に乗せられ、ここに連れてこられたのである。

 

「前世でもこんなん見たことなかったのぅ。た、高いのぅ。」

 

チェリーの目の前には高さ五十メートル程の高い円形の搭が建っている。色は鉛色で金属でできているようだ。

 

「駅なんじゃよな? これ。」

 

チェリーは前世とあまりに違うその駅の形に疑問を持ちながらとりあえず入り口を探した。

どうやら馬車は不親切なことに入り口の逆側におろしたようでチェリーはなかなか見つけられない。一応裏口もあることにはあるのだが、初見のチェリーには見つけることができなかった。

 

円周約40メートルのためもう少し歩けば見つかったのだが、彼女はその前に"彼"と出会ってしまった。

 

「やぁ! 君かわいいね。 何か困ってるの?」

 

そいつは長めの茶髪を後ろで結んでいる割りとイケメンな男だった。ニヤリとした口元はとても軽薄そうである。

 

「む、すまんがこれを受理してくれるとこはどこじゃ?」

 

しかし途方に暮れていたチェリーはこれ幸いにと切符が入っている封筒を渡した。

彼はじろじろと品定めするようにチェリーを見たあと封筒を開いた。切符を取り出し、なにやらうさんくさそうにチェリーを見たあともう一度封筒を覗き、彼は一瞬だけ何かにとても驚いたような顔をした。

 

「うん、この切符の入り口はあっちにあるよ。でもこれは残念だね。この切符は期限切れだよ。」

 

「な、なんじゃとぅ?!

う、嘘じゃ! それはさっき貰ったばっかりじゃもん。」

 

信じられない、という表情でチェリーは叫ぶ。

 

「あーあ、君は常識をあんまり知らないんだね。可哀想に。いいよ、証拠を見してあげるよ。」

 

そういうと彼は手に持っている彼女の切符とは別に自分の懐からもう一個の切符を取り出し、チェリーに見せた。

 

「ほら、君の切符には赤い判子が押してあるだろ?

僕のには青い判子だ。赤い判子の意味は使用済みってことだよ!」

 

「な、なんじゃとぉおおおお?!」

 

チェリーは驚愕した。この青年のいう通りなら自分はあのゴールドマンとやらに嵌められたのだ。

 

(じゃけど、ワシを嵌めて何のメリットがあるんじゃ?)

 

もし自分をゴールドマンが嵌めたとしても奴が自分を嵌めるメリットがない。その気付いたチェリーは青年が自分を騙そうとしているのだと気付き、睨み付ける。

 

「おいおい、そんなに怖い顔で睨まないでくれよ。

だいたい君を騙して僕に何のメリットがあるのさ!

それに怪しむならそのゴールドなんとかってやつだろ?

大方君は捨てられたんだよ、そいつに。」

 

「む、な、なんじゃとぅ?」

 

チェリーは確かにゴールドマンが意地が悪そうなのは同意だったため、またしてもどうすればよいかわからなくなってしまった。この青年が自分を騙す意味はないのだ。

 

「そこでだ! そんなお困りのあなたに救いの手を差しのべてやろう!」

 

茶髪の青年はそう高らかに宣言すると自分の青い切符を少女に渡し、封筒を自分の懐に入れた。

 

「これはプロート学園行きのチケットさ。こっちは青いから使用済みじゃないし使えるだろ?」

 

「ほ、ホントにいいのか? ならありがたく貰っておくぞ! でもワシの推薦状は返してほしいのじゃ!」

 

特待生とやらに成るには推薦状がないといけない。そうゴールドマンに聞いたのだ。まあ今となっては自分を騙した男だが、利用できるものは利用する。チェリーはこの異世界に来てからそう学んだのだ。

 

「おっと、つまり君は僕にタダ働きしろっていうんだね。少しぐらい手数料を貰わないとこの切符もあげられないなー。」

 

青年は信じられないという顔でチェリーを見る。

 

「む、わ、わかった。それはやるから早く連れていってくれ!」

 

彼の気が変わらぬうちに早く駅を出発しなければならないためチェリーは観念することにしたようだ。

 

「なら、これで交渉成立だね。よしと、入り口はこっちだよ。」

 

そういって彼は先導していく。

その先には2つの円形の入り口があった。一つは青色、もう一つは赤色だった。

 

「よし、そっちの入り口で券をかざして。」

 

そういわれたチェリーは青い円形の入り口に券をかざす。

 

[認識完了]

 

そう音がなり、ドアが開く。

 

「ここからは切符を持ってる人しか入れないんだ。

だからここでお別れだね。」

 

茶髪が話しかけてきた。

 

(ということはもうお役ごめんということじゃの)

 

「ふん、世話になったな。」

 

そっけない反応で茶髪に興味を失ったチェリーは建物に入っていった。

 

 

 

「こっちのセリフだね☆」

 

彼が満面の笑みで隣の入り口から駅に入っていったのはいうまでもない。

 

 

 

 

「む、ここに切符をいれるのか。」

 

建物の中に入るといくつかの部屋があり、それぞれに名前がついている。部屋の大きさは電話ボックスぐらいだ。

チェリーはプロート学園行きの部屋の前にたち、切符を中に入れる。

 

「よし、入るか。」

 

そういって彼女は学園行きの転送部屋に足を踏み入れていった。

 

 

 

続く。

 

 




赤は北 青は南を表しています。
前途多難になりそうな彼女です。
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