屋上にて、俺たちは問題に直面していた。
「やっぱり無理です...」
体育座りしている海未が呟いてる。
「えぇー!?どうしたのー?海未ちゃんならできるよぉー!」
穂乃果が海未のことを励ます。今日1日でこの流れを何度見たことか。
「・・・できます」
「「「え?」」」
その予想外の答えを想像しておらず、俺たちは驚いた。
「歌もダンスもこれだけ練習してきましたし、でも人前で歌うことを想像すると...」
海未は確かに人見知りだったがまさかここまでとは...明日ライブだけどどうするの?
「あー、そうゆうことね」
「緊張しちゃう?」
海未は無言で頷いた。まあ、そうだろう。いっそのこと観客を野菜だと思えばいいのではないか。
「そうだ!そういう時はお客さんを野菜だと思えってお母さんが言ってた」
「野菜・・・私に1人で歌えと」
海未、どうやったらそういう発想に思い立った?
「はあ、困ったな〜」
「でも、海未ちゃんが辛いんだったら何か考えないと...」
「そんなこと言ったって、やれることなんてひとつぐらいだろ」
「なんなの?それ?」
「チラシでも配って人に慣れさせるぐらいだな」
「それだ!」
「そういう訳だから、ことり、穂乃果で海未を立たせてくれ。そして、今からチラシを配りに行こう」
「「おー!」」
「え?あの・・・」
はいはい。海未のことは無視しましょうね。
「あっ、俺今から行く場所あるから頼むわ」
「うん」
そうして、1度俺とことりたちは分かれて行動することになった。
それから俺は、アイドル研究部の部室に向かった。ことり達は秋葉原でチラシを配ると言っていたので、このあと秋葉原に向かうつもりだ。
「失礼しまーす」
「にっこにこにー!」
「またですか...」
「仕方ないじゃない!私と言ったらこれなんだから!」
「いや、挨拶くらいはちゃんと返しましょうよ」
「そうね。それで何か用?」
「いや、ただ部活に顔を出しに来ただけですよ」
「あ、そう」
「反応酷くないですか?」
「いつも通りよ」
「明日、ことり達のライブがあるんですけど来てくれますよね?」
「あんた、それ本気で言ってるの?」
「えっ?」
「今朝、あんたのグループの1人が恥ずかしがって逃げってたじゃない。それでライブなんて本当に出来るの?本気でライブが成功すると思ってるの?」
「バカですね。にこ先輩は」
「なんでよ!?」
「出来ると思ってるから誘ってるんじゃないですか」
「そんなにあの子達を信じてるの?」
「当たり前です。親を除けば1番付き合いが長いんですから。恥ずかしいなんて簡単に乗り越えてきますよ」
「そう」
「そういう訳でμ'sに入りませんか?」
「それはまだダメよ」
「はあ、まあ明日のライブには来てくださいね」
「興味が出たらね」
「はい。じゃあ、失礼しますね」
「また来なさいよ」
そうして俺は部室をでて、秋葉原に向かうために昇降口に向かってると、ケータイが鳴った。見てみると、ことりからのメッセージで「学校でチラシを配る」とのことだった。なので、正門で待ってると、どんよりした雰囲気の海未と海未を励ますことりと穂乃果がやってきた。
「どうだった?って聞くまでもないな」
「多分想像通りだと思うよ」
「それでここに戻ってきたと?」
「うん」
「もし俺の想像通りだと、海未が現実逃避したことになるんだが?」
「してたよ...」
やべえ、本当に成功するか不安になってきた。
「まあ、ここなら平気だろ」
「まあ、ここなら...」
うん、最初から秋葉原は難易度高すぎたよな。海未も他人にチラシを配るより、まだ顔を知ってる音ノ木坂生に配った方が気が楽だろう。
「じゃあ、始めるよ!μ'sファーストライブやりまーす!」
穂乃果がチラシを配りだし、ことりも穂乃果に続きチラシを配り始めた。
「じゃあ、海未も頑張ってこい」
海未はチラシを配ろうとしてるのだが、オロオロしており誰にも話しかけられずにいた。そして
「お、お願いします」
海未が声をかけた。すごい、俺、感動して涙が...さてと、海未はどんな子にチラシを渡したのかな?と思い見てみると...
にこ先輩がいた。マジかよ。海未のやつにこ先輩にチラシ渡しやがった。って、にこ先輩そのままスルーはひどくない?いや、海未、そのまま頑張ってにこ先輩にチラシを渡すんだ!
・・・無理でした。うん、なんか分かってた。海未も断られたら深追いしないし、今日の態度的ににこ先輩も貰ってくれなさそうだったから。そこに穂乃果が駆け寄ってきて
「ダメだよそんなんじゃ」
「穂乃果はお店の手伝いで慣れてるかもしれませんが、私は・・・」
うん、穂乃果はなんだかんだ言って和菓子屋の娘だしね。海未は恥ずかしがり屋だから、いきなり穂乃果のようにはいかないだろう。
「ことりちゃんだってちゃんとやってるよ?」
穂乃果が言ったのでことりの方を見ると
「お願いしまーす!μ'sファーストライブでーす!」
ゆるふわボイスで声を出していた。接客やったことないはずなのに、穂乃果と同じくらい堂々とチラシを配っていた。
「ほら、海未ちゃんも。それ配り終えるまでやめちゃダメだからね」
穂乃果が海未に恐ろしいことを言った。多分無理だと思う。
「えぇ!?無理です!」
「海未ちゃん、私が階段5往復できないって言った時、なんて言ったっけ?」
穂乃果が海未に言われたことを似たような形で返した。
「うぅ、分かりました!やりましょう!」
海未が吹っ切れたかのようにそう言うと
「よろしくお願いしまーす!μ'sファーストライブやりまーす!」
大声で言った。うん、何とかなったかな。すると
「あ、あの・・・」
穂乃果に声をかけた人がいた。見るとメガネをかけた女の子がいた。
「あ、あなたは誰?」
知らないのかーい!俺も知らないけど...
「こ、小泉花陽です...」
「そう。で、どうしたの?小泉さん?」
「え、あ・・・あの・・・ら、ライブ見に、行きます...」
やべえ、辛うじで聞き取れるぐらいの声だ。もしや、海未よりも人見知りなのか?もしくは臆病か?
「ほんとぉ?」
「来てくれるのぉ?」
うわ、びっくりした。いきなり現れるか。
「では、1枚2枚といわず、これを全部」
「海未ちゃーん」
海未...それはないだろ。さっきの勢いはどこに行った?穂乃果も睨んでるぞ。
「分かってます・・・」
その後小泉も帰っていき、3人がチラシを配り終えるまで茂みで隠れてみてようと思った時だった。
「何してるの?」
「うぉ」
びっくりしながら振り向くと絵里先輩がいた。
「なんだ絵里先輩ですか」
「なんで驚いてるのよ?」
「いきなり声をかけられたからです。何か用ですか?」
「茂みに女子生徒を見ている怪しい男子生徒がいると連絡があってね。見に来たら義政がいたわけよ」
「へえー、うちの学校にも変態がいるんですね」
「ええ、今私の目の前にね」
「え?」
「いるじゃない。茂みに隠れて女子を見つめている変態な生徒会役員が」
「・・・もしかして俺ですか?」
「他に誰かいるの?」
「いませんけど、これは隠れてるのではなく見守っていると言うものでして」
「別に茂みじゃなくてもいいじゃない。なのになんで茂みなのかしら?」
「・・・そこに茂みがあったからと答えておきます」
「まあ、冗談なんだけどね」
「冗談かよ!」
「ただ、茂みから女子を覗いてる変態がいたから話しかけただけよ」
「今変態って言いましたよね?それより用がないんですか?」
「そうね。明日の新入生歓迎会の司会の準備出来てるの?」
「・・・One more please?」
「なんで英語なの?司会の準備出来てるの?」
あはは、予行練習してから何もしてない...殺されるんじゃね?
「えーと、予行練習はしました」
「その後は?」
「予行練習はしました!」
「だからその後は?」
「予行練習h「やってないのね?」・・・はい...」
「はあ、今日の夜練習しなさい」
「わかりました!絵里先輩!」
「じゃあ、私は行くわね。ちゃんと練習してきなさいよ」
「はい!お疲れ様でした!」
絵里先輩がそのまま帰っていき、俺はことり達がいた方に目を向けた。・・・3人ともいない。
あれ?3人とも俺を置いて帰ったのかな?穂乃果や海未はともかく、ことりがそんなことするわけないよね。きっと教室にいるよ。その時電話がかかってきて
「ごめんね。義政くん。忘れちゃってた」
「え?」
「今、穂乃果ちゃんの家に向かってるから。先に帰ってね」
「ああ、わかった」
やばい。置いていかれてた。それよりも俺のこと忘れられてたって...酷くない?
よし、家に帰る前に神田明神にお参り行くか。明日のライブが成功するようにお願いしないとな。
その日の夜、穂乃果からのメールで神田明神にお参りをしたときた。タイミング合わなすぎでしょ。せっかくならみんなでお参り行きたかったよ。
いよいよファーストライブかー。
次回はもう少しはやく投稿できるかな?
多分プチぐるのイベントで無理だけど...
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