ラブライブ!彼女のために何ができるか   作:パンナコッタ吹雪

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ことりちゃん、お誕生日おめでとう!



南ことり誕生日記念

ただいまの時刻は8時55分。おかしい。いつものことりなら既にこの時間には来ているはずだ。そんなことを考えながらも俺はことりのことを待つことにした。

 

すでに集合時間の9時を10分ほど過ぎた。もしやことりに何かあったのではと不安になる。その時ことりから連絡が来た。

 

『ごめんね。少し遅れちゃう。本当にごめんね』

 

だそうだ。とりあえずことりが無事だったので良かった。

 

『分かった。気をつけて来いよ』

 

返信だけした。にしてもなんで家が隣同士なのにわざわざ待ち合わせなんてしたんだ?いつもはどちらかの家に集合なのに。

 

 

 

それから10分ほど経ってことりがやって来た。めちゃくちゃ可愛い。いつも可愛いが今日はそのいつものことりが霞むほど可愛い。1目見るだけですごいオシャレをしてきたのが分かった。

 

「ごめん!」

 

開口一番にことりは謝ってきた。

 

「いや、いつもことりは集まるとき早いから平気だけど…何かあったのか?」

 

「いや、何かあったわけじゃないけど...ただ、ちょっとだけ夢中になっちゃって」

 

何に夢中になったのかは聞かなくてもわかる。

 

「あー、だったらいいんだ。何も無くてよかったよ。あと、その服めっちゃ似合ってるよ。すごい可愛い!」

 

すると、ことりの顔はものすごい勢いで赤くなった。

 

「あ、ありがとう」

 

「本当のことを言っただけなんだから感謝の言葉はいらないよ。それよりも早く行こうぜ。混んじゃうだろ」

 

「うん!」

 

それから俺とことりは本日の目的である遊園地に向かった。

 

 

電車に乗って移動していると妙な視線を多数感じた。まあ、それも仕方ない。なぜならことりは今や有名人だからだ。スクールアイドルμ'sのメンバーの1人として知らない人などほとんどいないほどにだ。こうなったのも3月に海外ライブを行ってからだ。あのライブは日本でも中継されていたらしく、それによりμ's人気は爆発的なものになった。それから半年経ったが、未だにμ'sの人気は衰えていない。そんなμ'sメンバーの1人であることりが男と一緒に同じ電車にいたら見られてしまうだろう。現に今も

 

「なあ、あの子って南ことりだよな?」

 

「絶対そうだろ。それよりも一緒にいる男は誰なんだ?」

 

「本当だよな!釣り合ってないぞ!」

 

「だな。それよりもサイン貰えないかな?」

 

などと会話が聞こえてくる。いや、まあ、俺も俺とことりが釣り合ってるとは思ってないけど。そんなことを考えてると話をしてた男が2人近づいてきた。

 

「あの?南ことりさんですよね?サインくれませんか?」

 

「あっ、俺もお願いします」

 

こいつら図太い神経してるな。どう見ても俺とことりが一緒にいるのを分かってるのにサインお願いしに来るなんて。もう少し場所をわきまえろよ。

 

「もちろんいいですよ」

 

「おぉー!」

 

「やったー!」

 

いやぁ、流石ことり。我らが女神だな。こんな非常識な奴らにもきちんとサインをあげるなんて。

 

「でも、義政くんに謝ってもらっていいですか?」

 

「「えっ!?」」

 

「義政くんが私と釣り合ってないって言う話が聞こえてました。でも、私はあなた達にそんなことを言う資格はないと思うんです。だから、謝ってください」

 

「は、はい...」

 

「分かりました」

 

2人はそう言うと俺に

 

「「すみませんでした」」

 

謝ってきた。

 

「いや、別にいいけど」

 

「あっ、サインでしたよね?何か書くものありますか?」

 

その後ことりは2人の出てきたノートにサインをして2人はそのまま次の駅で電車を降りていった。

 

 

「ことり、ありがとな」

 

「えっ?何が?」

 

「いや、さっき俺がことりに釣り合ってないって言われたの謝らせてくれたことだよ」

 

「当たり前のことをしただけだよ。むしろ、私ちょっと怒りそうだったもん。なんで義政くんは自分が馬鹿にされてるのに大丈夫なの?」

 

「いや、実際に俺とことりは釣り合ってないだろ。だから言われてもあまり堪えなかったんだよ」

 

「それは違うよ」

 

「え?」

 

「私が義政くんのことを好きなんだから付き合ってるんだよ。それなのに私と釣り合ってないなんておかしいよ。私と義政くんが釣り合ってる釣り合ってないかは私たち自身が決めることなんだから。勝手に1人で解釈しないで」

 

「ああ、ごめん」

 

「うん!それに赤の他人の評価なんて気にする必要ないよ。穂乃果ちゃんや海未ちゃんは私たちのことお似合いだって言ってくれてたもん」

 

「そうだな」

 

「じゃあ、早く遊園地行こうか」

 

「ああ」

 

 

遊園地に着くと物凄く混んでいた。見渡す限り人、人、人しかいない。

 

「すごい混んでるね」

 

「まあ、それはそうだろ。休日だしな。どれ乗る?」

 

「う〜ん、ジェットコースター?」

 

「・・・マジで?」

 

「うん!ダメ?」

 

はい、その顔は反則だと思います。ことりにそんな顔されたら断るなんて手段はない!

 

「もちろん問題ないぞ」

 

そんなわけでジェットコースターに乗ることになったのだが、うん、ちょっとやばいかも。なんなのこのジェットコースター。3回転ぐらいしてるんだけど。

 

「楽しみだね〜」

 

あっ、ことりの笑顔が多少黒い。これって絶対にはめられたやつだよ。たまにこういうことしてくる面も可愛いから許しちゃうけど、もしもことり以外なら即リタイアものだよ。

 

そんなこんなで俺たちの順番が来た。うん、結論から言おう。このジェットコースター作ったやつちょっと出てこい。何を考えたらこんなのができるのかを問いただしてやる。そんくらいやばかった。よく、俺の三半規管持ってくれたよ。

 

「次、どうする?」

 

「義政くんの好きなのでいいよ」

 

「じゃあ、お化け屋敷で」

 

「えっ!」

 

「怖いのか?」

 

「べ、別に怖くはないけど」

 

うん、怯えることりも可愛いです。俺がお化けならこのことりを見ただけで成仏ものだな。

 

「怖いんだったら別に行かなくてもいいぞ」

 

「ううん、大丈夫だよ。義政くんが一緒にいるから」

 

ああ、本当に成仏してもいい。なんでそういうことを言ってくれるんですかね?

 

「あー、じゃあ行くぞ」

 

俺が歩き出すと、ことりが手を握ってきた。

 

「手、繋いでいい?」

 

「あ、ああ」

 

可愛すぎない?もう俺一生お化け屋敷に住んでもいいかも。だって、ことりが手を握ってくれるんだぜ。もう最高すぎるだろ。そんなことを考えながら俺たちはお化け屋敷の中に入っていった。

 

ひたすら暗い。いや、多少の明かりはある。しかしそれはどれもこれも消えかかってる照明のため、余計に怖さを感じさせる。

 

「義政くん、怖くないの?」

 

「まあ、雰囲気は怖いけどそこまで怖くはないな。さっきのお化け役の人もなんか拍子抜けしたし。それよりもことりは大丈夫なのか?」

 

「うん!大丈夫だよ!義政くんが手を握ってくれてるから」

 

やべぇ、めっちゃ嬉しい。生きてて良かった。

 

「んじゃ、さっさとここから出ようぜ」

 

「そうだね」

 

そんな感じで道を進むと何やら子どもが泣いている声が聞こえた。

 

「この先だよな?」

 

「そうだと思うけど」

 

曲がり角を曲がると隅の方に女の子が1人ですすり泣いていた。ことりはいち早く

 

「大丈夫?どうしたの?」

 

と女の子を心配し、声をかけた。俺もそれにならい

 

「親と離れたのか?」

 

声をかけた。すると女の子は

 

「ママがいないの」

 

と答えた。

 

「ママ?いつ離れちゃったの?お姉ちゃんたちと外まで行く?」

 

「ううん、ママが来るまで待つ」

 

「いや、そうは言っても多分君のママは外で待ってるんじゃないか?」

 

「来てくれるはずだもん」

 

「でも、流石に女の子を1人で残しては行けないよ」

 

「だよな〜、どうするか?」

 

そんな時だ。後ろからコツンと足音のようなものが聞こえた。俺は最初、次の人が来たのかと思い振り返りもしなかった。しかしその予想はことりの一声でかき消されてしまう。

 

「キャァァーー!」

 

「どうしたことり?」

 

と俺も後ろを振り向くと、後ろには誰もいなかった。ただ、長い髪の毛が上からぶら下がってるだけでだ。俺が天井を見上げると、天井を這いつくばるようにこちらに進んでくる女がいた。・・・やばくね?なんか本物ですよ感がめちゃくちゃ出てるんですけど。俺はすぐにことりと女の子の手を繋ぎ走り出そうとした。すると今度は女の子がこちらを振り向いた。その顔には本来ならあるべきはずの目がなかった。俺は女の子の手を振りほどきことりのことを抱えてその場から逃げ出した。

 

外に出てから落ち着くまで数分かかった。

 

「大丈夫か?ことり」

 

「うん。ただ、とっても怖かったよ」

 

「ああ、あれが人による演出だとしてももう二度とお化け屋敷には行かないことにする」

 

「だよね。あと、ありがとね。私のこと抱き抱えてくれて」

 

「いや、あの時はことりのことだけは無事に逃がさないとって思ってたから必死でした」

 

「だから、ありがとね。ご飯にする?」

 

「そうだな。んじゃ行くか」

 

レストランに着き、俺たちは昼食を頼んだ。俺とことりはパンケーキセットを頼んだ。このレストランのセットにはスイーツかドリンクがついており、俺たちはスイーツをセットに頼んだ。俺のセットとしてついたきたのはチーズケーキでことりのはショートケーキだった。すごいことりが羨ましそうにこちらを見てきた。

 

「ことりが食べるか?」

 

「えっ!?いいの?」

 

「ああ、だってことり、チーズケーキ好きだろ?」

 

「でも義政くんもチーズケーキ好きだよね?」

 

「そうだな。でも、俺がことりに食べてほしいんだ。だから貰ってくれ」

 

「うん、分かった」

 

そのあと、俺がパンケーキを食べ終わしてことりが食べ終わるのを待ってるとことりがいきなり

 

「はい、アーンして」

 

「は?」

 

「義政くんだってチーズケーキ食べたいでしょ?だから私が食べさせてあげようかなって」

 

うん、めっちゃ食べたい。でも食べれない。ことりのアーンで食べたら俺、本当に死んでしまうかもしれない。だが、このチャンスを逃すわけにはいかない。

 

「ぜひお願いさせていただきたい」

 

俺は口を開いた。

 

「アーン」

 

ことりがチーズケーキを俺の口に運んでくれた。うん、控えめに言ってもう死ねる。というか俺もう既に死んでるんじゃね?こんな素晴らしいことが起こる世界に住んでた記憶がないんだが。それから俺はことりが言うには10分間ほど意識がその場になかったらしい。

 

 

そのあと、俺たちはこの遊園地で一番人気のフリーフォールに乗ることになった。いや、まあ、ことりに行く場所がこの遊園地になると聞いた時に既に分かってたことだけどね。てか、人の量がえげつないな。待ち時間も2時間超えてるし。

 

「すごい人が多いね」

 

「まあ、一番人気のアトラクションだしな」

 

「そうだよね」

 

「なんか話でもするか」

 

「そうだね。う〜ん、じゃあ、この前穂乃果ちゃんがね」

 

話を始めたのもつかの間、これだけ人が多いとやはりと言うべきかことりに気づく人がいた。

 

「なあ、あの子って」

 

「そうだよな。さっき穂乃果ちゃんって言ってたし」

 

「やっぱりか。それじゃあ、横にいる男は誰?」

 

「あっ、俺知ってるぞ。あの男の人μ'sのマネージャーだったらしいぞ」

 

「それ本当か?」

 

「ああ、確か名前は岡田義政だったはずだが」

 

てか、なんで俺のことも知ってるんだよ!俺のことなんてスクールアイドルとしてμ'sを登録したホームページとμ's特集のスクールアイドル雑誌にしか載ってないはずだぞ。しかも、顔写真はなかったし。まあ、ここは列の中だしあいつらもサインとかは求めに来る気配はないようだ。・・・そう思っていた。確かに後ろの方に並んでた人たちはサインを求めには来なかったが、俺たちのちょうど後ろにいた女の子たちがなんとスクールアイドルでことりと話がしたいということになってしまったのだ。

 

「こんな衣装考えたんですけどどう思います?」

 

「とっても可愛いよ!でも、ここにフリルを付けたらもっと可愛くなるかも」

 

「確かにそうかも!ありがとうございますことりさん」

 

といった感じでさっきからずっと衣装の話やどんな練習をしていたかなどの話を続けていた。練習の話には俺も参加出来たが、衣装については1年間もμ'sマネージャーをやっていたにも関わらず、俺が参加出来る余地はなかった。うん、ファッションって難しい。

 

そんな感じで時間が過ぎていき、気づいたら俺たちが乗る番になっていた。

 

うん、見ただけで分かる。絶対にやばいやつだ。俺の三半規管が無事で済むかが怪しいレベルに。

 

そしてアトラクションが動き出す直前、ことりが手を握ってきた。

 

「義政くん、怖いから手、握っててくれない?」

 

あー、もう何が来ても大丈夫な気がする。

 

「分かった」

 

そしてアトラクションが動き出した。結果から言おう。ことりに頼られていたおかげで怖いと感じなかった。むしろ、もっと続いて欲しかった。人間って本当に何か幸せを感じてる時ってほかのことを感じないんだな。

 

次に観覧車に乗ることになった。待ち時間は10分と比較的短めだった。そして観覧車に乗り、俺とことりの二人っきりの密室が完成した。俺は今渡すしかないと、バックからあるものを取り出そうとした。しかし、その動きはことりの一言によって完全に止まってしまった。

 

「義政くんは、私と付き合ってていいの?」

 

正直、質問の意味が分からなかった。なぜいきなりこんなことを聞いてくるのか。俺には全く分からなかった。

 

「どういう意味だ?」

 

「そのまんまの意味だよ」

 

「俺には意味が分からない!何が付き合ってていいの?なんだ!」

 

「だって義政くん、今日ここに居ていい人じゃないんだよ。普通なら受験勉強とかで大変な季節だし。今日の義政くんを見てて、たまに心ここに在らずみたいな感じだったし。やっぱり勉強したいんでしょ。それなのにこんなところに連れてこられて迷惑なんじゃないの?」

 

「それは違うよ、ことり」

 

「違わない。それとも、私と遊園地なんか来たくなかった?」

 

「は?」

 

「私なんかよりも穂乃果ちゃんや海未ちゃん、真姫ちゃんと来たかったんでしょ」

 

「おい、ことり?」

 

「確かにそう思っちゃうかもね。将来的に考えて私なんかと付き合ってると嫌な思いするから」

 

「何が嫌な思いなんだ?」

 

「みんなと違って私には傷があるから」

 

・・・その時、俺はことりの言っている傷が何か、なんで嫌な思いをするとことりが考えたかが分かった。

 

「左膝のことか?」

 

「そうだよ。男の人って体に傷がある人って嫌なんでしょ?」

 

「ことり、お前は馬鹿だ!」

 

「えっ?」

 

「確かに世間一般の男は女の子に傷があることを嫌がるかもしれない。でも、俺にはそんなの関係ない!むしろ大歓迎だ。と言っても変な意味じゃないぞ。ことりだからこそ大丈夫なんだ。そもそも、ことりが昔、手術をしてなかったらスクールアイドルを出来なかっただろうし、今いる元気なことりだっていなかったかもしれないだろ」

 

「それはそうだけど...」

 

「だいたい、傷があるからってなんだ!俺はことりのことが好きなんだ!あと、今日の俺がたまに無意識になっていたのは、これを渡すのが、緊張してたからだよ」

 

そう言って俺は、バックからことりへのプレゼントを取り出した。

 

「これって...」

 

「開けてみろ」

 

ことりは俺のプレゼントを開けた。中にはネックレスが入っていた。

 

「ネックレス?」

 

「ただのネックレスじゃないぞ。これと合わせてみろ」

 

俺はバックからもうひとつのネックレスを取り出し、ことりに渡した。そしてことりは元々持ってたネックレスと俺の渡したネックレスの飾りの部分を合わせた。するとハートが出来上がった

 

 

「これって」

 

「それが俺の気持ちだ。それぞれの飾りの部分に俺とことりの名前が彫られてるだろ。あとは言わなくても分かるよな?」

 

ことりは泣きながら

 

「うん」

 

と答えた。

 

「だからもう二度とあんなことは言わないでくれ」

 

「うん」

 

気づいたら観覧車は下に降りていた。そのあと俺たちは家に帰ることになり、遊園地をあとにした。ことりの家に着き、ことりが家に入る前に

 

「義政くん、目つぶって」

 

と言ってきた。

 

「分かった」

 

俺が目をつぶると、唇に何かが触れた感触がした。

 

「もういいよ」

 

目を開けるとことりが真っ赤な顔で目の前にいた。

 

「じゃあ、また明日ね」

 

そう言ってことりは駆け足で家に入っていった。そのあと、俺が1時間ほどその場に立ち尽くして、警察に注意されたのはまた別の話。




リアルが忙しすぎて最低限しか書いてない。
来年、ことりちゃんの誕生日だけもう一度書きます。

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