禍の団の二天龍たち   作:大枝豆もやし

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第48話

 パーティ会場の控室、そこでリアスとその眷属、そして何故かソーナとその眷属、最後に魔王たちが休憩していた。

 学校の教室以上に広い部屋なのだけれど。この多人数のせいで若干狭く感じる。

 

 わざわざなんで僕の部屋にくるんだと文句を言いたいが、全員僕に用があるのでそういうわけにもいかない。

 だから僕は専用のパソコンでちょっとした作業をしながら話を聞くことにした。

 

「ふ~ん、そんなことあったんだ」

「そんなことって……。貴方はミリキャスと遊んでたから気楽だったけどね、こっちは大変だったのよ」

 

 僕がミリキャスを洗の……ミリキャスと遊んでいる間、リアスとその眷属たちで新人悪魔のパーティに参加。その際に新人悪魔の将来の夢や意気込みをそれぞれ発表することになったのだが、それでひと悶着あったらしい。

 魔王たちが新人悪魔達の夢を聞いた際、ソーナは自身の夢である「下級悪魔や転生悪魔がレーティングゲームを学ぶ為の学校の建造」を発表して、他の貴族悪魔に笑われたようだ。

 

 ……うん、魔王の妹を笑う貴族もバカだと思うけど、これはソーナも悪い。

 

「僕も無理だと思う。平民がレーティングゲームに参加するのは現実的じゃない」

「なんだと!?ふざけてるのか兵藤!?」

「やめなさい匙!……それで、なぜ無理だとおっしゃるのですか?」

 

 匙を止めながらソーナ・シトリーは僕に問う。

 一瞬冷静に見えるが、顔を引くつかせながら言っているあたり、彼女もどうやら怒りを抑えきれてないようである。先ほどの声にも怒気が含まれているのがその証拠だ。

 

「言葉通りだ。平民悪魔が貴族悪魔を差し置いて活躍するのはまず不可能だ」

 

 僕は正直に答える。

 ここで嘘を言ってご機嫌を取っても何のメリットもない。なので僕は僕が思うことを言うことにした。

 

「貴方は人間でありながらライザーを倒したじゃありませんか!」

「それは僕の神器が強いのと、大学を出て博士号も取るほどの天才だからだ。……まあ、通信制だったから両親に勧められて高校に行っているけど」

 

 僕は自分を優秀だと自負している。あいつら無能姫みたいに、なんの根拠もないわけじゃない。ちゃんと自分の実力で勝ち取った実績からの判断だ。

 もう一度言う。僕は優秀だ。今までの赤龍帝の中で最も優秀であり、僕がいてこそ妖精派は回っているのだ。

 

 

 だから僕は他人に僕のような成果を求めない。

 

 

 上司が優秀だとよく起こる事態だ。

 優秀な人は他人にも自分と同じ基準を求める。それでついていけない人がいたら無能とか言ったり、切り捨てたりして職場に悪影響を与えてしまう。

 だから優秀な人は自分が優秀だと認め、自負する。そして優秀さを皆に押し付けず、優秀だからと言って周囲を見下したりしない。

 

 とまあ、簡単に言ったけどこれがけっこう難しい。

 ついその人にとって無茶な内容を押し付けたり、つい上から目線で言ってしまうこともある。

 いやはや。優秀な者は本当に大変だ。

 

「まあ、僕の場合は僕が特別だったわけだ。誰もが僕の真似を出来るわけじゃないし、それを強制するのは酷な話だと僕は思う」

 

 自分で自分のことを特別だって言うのはおかしいかもしれないけど、実際そうなんだから仕方ない。だってこの世に12個しかない神滅具を有した時点で、誰がどう見ても特別なんだもの。

 

「第一、今活躍してる悪魔たちで平民出身の悪魔がいるの?」

「そ…それは……。けどサイラオーグは平民以下の魔力なのにあの強さです!」

「彼は特別だ。普通ならば、あのレベルに到達する前に心が折れる。僕から見たら、彼の精神力は異常だ」

 

 出たよ、努力すれば才能を超えられるって理屈。僕これ嫌いなんだよね。

 だって才能ある人が努力しないって言ってるみたいに聞こえるもん。なんか才能のない奴が才能ある人を下げようとしているようでむかつく。

 

「才能ある者を超えるのは並大抵ではない。才能がない分努力しなければいけないし、才能ある者だって努力する。そんな膨大な量の努力に耐えられる者は一体どれほどいると思う?」

「……」

「ただ努力するだけではだめだ。努力とは自分に今あるものを伸ばすためのものであって、決して努力だけすればいい話ってわけじゃない。ちゃんと自分に合った訓練と勉強を重ねて、初めて成果が生まれるんだ。ポーズだけじゃ意味はないよ」

「……」

「あと……」

「もうやめて!!」

 

 途中、そういってあのコスプレが僕を止めた。

 

「とまあ、僕が言いたいのは……ちゃんと相応の情報を用意してくれって話だ」

「・・・え?」

 

 僕がそう言うと全員が驚いた顔をした。

 

 

 

「じゃあ宿題だ。平民悪魔でも参加出来るようにするための案及びトレーニングメニューを用意して。それを見てから判断する」

「……え?でも貴方は無理って言ったんじゃ……」

「別に僕は君の夢を笑うわけじゃない。悪いかどうかはちゃんとした情報を聞いてそこから判断する。何の情報もなしに言われても、賛成するかどうか以前の話だよ。

 いきなりタイムマシン作りたいって言っても鼻で笑われるでしょ。もし作るんだったら理論を用意して実践してから。じゃないと判断のしようがない」

 

 そう、僕が話したのは現状での話。もし条件が変われば覆ることもある。

 僕だって科学者の卵なのだ。理屈で考え、出された条件と根拠を元にして考察する。もしそれが変わったら当然出る答えも変わるよ。

 

「じゃあ僕は君が現状を覆すものを用意することを期待してるよ」

「………そういうことですか。わかりました、このソーナ・シトリーが既得権に縛られた貴族社会を壊して見せます!!」

「(それ貴族が言っちゃダメな言葉なんじゃ……)」

 

 やる気を見せるのはいいけど、もう少し言葉を選んだ方がいいと思う。

 目標を発表するときだって単に平民用の学校を作るんじゃなく、悪魔社会に役立てるための人材を育てるとか、色々言い方あったと思う。

 そうやって微妙にニュアンスを変えるのも貴族には必要だよ?……まあこの程度も理解できる悪魔がいないのも事実だけど。

 

 こうして、ソーナ・シトリーの相談は終わったのだが…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……おい、なんで僕がテメーの元でゲームに参加しなきゃいけないのかな?」

「……………ごめん」

「それだけか!!」

 

 また別の問題が出てしまった。




そーなの夢って立派だけど、その過程が説明されてないので擁護する気になれないdねすよね。みなさんはどう思います?
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