「な……なんだこの痛みは!?」
「これは……
「龍殺しって……鬼にも効くん……やな…」
痛みを訴える3人。それはただの痛みではない、ドラゴンにとって最も忌むべき毒、龍殺しによって蝕まられる痛みだ。
「いくら最強の二天龍と最強の鬼とて、竜殺しは効くのだな」
「だ・・・誰だ!?」
二人は同時に声のした方向に目を向ける。そこんは黄金の鎧を着込んで黄金の槍を携えた男と、堕天使の上半身に龍の下半身を持つ男がいた。
「………貴様は?」
「俺の名は曹操。俺は三国志最大の英雄である曹操の子孫であり、黄昏の聖槍を引き継ぐ真の英雄だ」
「「……」」
「
二人は解毒するための時間稼ぎをするために話に乗った。
「そして彼はサマエル。竜殺しの毒と光の毒を併せ持つ対ドラゴン及び対悪魔の堕天使だ!」
「「…………は?」」
イッセーとヴァーリは同時に思った。なんだその俺たちを殺すために存在しているような堕天使はと。
龍殺しの属性を持つ武器や生物などは神話クラスでも一握り。いくら神話勢力と接触する機会があるとは言え、よほどのことがない限り出会うことはない。
しかし現実はどうだ?悪魔にとって天敵であり毒である光の力、そして最上級のドラゴンさえも殺す
イッセーは
酒呑童子はどうであろうか。彼女は退治されたヤマタノオロチの尾の一つから誕生した鬼である。もし鬼にも堕天使の光が悪魔と同じ効果をもたらすならば、ヴァーリと同様の目に遭うであろう。
改めていう、なんだこの対イッセー及び対ヴァーリ生物兵器は。まるで最初から意図して創られたようではないか。しかもそんなご都合生物が太古から存在している?……マジでふざけんな。
「「(………最悪だ!)」」
二人は歯軋りする二人。彼らはドラゴンスレイヤー対策をしなかったことを激しく後悔した。
「では、今回の状況を理解した君たちに問いたい。……俺たちの仲間となってその鬼を差し出せ」
「「断る」」
即答だった。
「俺は最強の白龍皇であり最高の魔王だ。そんな俺が膝を付くなど天地がひっくり返ってもありえない」
「理解に苦しむな。勝率は我らの方が上。なら俺たちについた方が得なんじゃないのか? 研究者の端くれである君ならわかるんじゃないのか?」
「確かに勝率の低いのを避けて、最大限の結果を目指すのが常道だ。だけどね……」
「どれだけ確率が低くてもいい目を出すのも僕たちの仕事なんだよ
イッセーは指を立てながら言った。
「ほざいたな、赤龍帝」
「もちろんだ、白龍皇」
二人はそれぞれの武器を手に取る。その瞳には自身が勝つという未来以外は映っていなかった。
「……愚かな。命を捨てるとは」
黄昏の槍を構える曹操。彼もまたその瞳には自身の勝利しか映していなかった。
「「・・・」」
戦闘後、二人は顔を両手で覆いながら体育座りをしていた。
「何で二人とも顔を隠しとるん?」
「「だって……恥ずかしいじゃん」」
二人はどこかテンパったような声でハモりながら答える。
さっきまであんなにかっこつけたのに、あっさりと勝ってしまった。ついさっきまで最終戦みたいな雰囲気を出していたのに中ボス程にもならないほどあっさり倒してしまったのだ。ぶっちゃけ、四凶と戦っていた方が苦戦したと言える。
「なんかさー、かっこよくセリフ吐いたのにあっさり勝っちゃって………」
「テンションが覚めて……めちゃくちゃ恥ずかしい」
あの後、二人は戦闘に勝利した・・・というか、戦いにならなかった。
たしかに曹操の神滅具とサマエルの力は脅威だ。龍の力と悪魔或いはそれに類する力を持つ二人にとっては天敵といってもよい。
しかし、それがどうした?
防げないのなら避ければいい。ヴァーリは魔力で、イッセーは神器で回避力を強化した。
攻撃が効かないのなら威力を上げればいい。イッセーがブーステッド・ギアで援護し、ヴァーリが前衛を担当していた
ダメージを受ければ回復すればいい。イッセーがブーステッド・ギアで消耗した体力や魔力などを倍化することで水増し、ヴァーリはその辺の物を半減することで吸収して回復した。
「第一、ドラゴンスレイヤーも聖なる力も戦ったことあるんだよね。最初は面食らったけどぶっちゃけだから何だって話なんだよな……」
「ああ、ドラゴンスレイヤーも聖なる力も付加ダメージがあるというだけで、龍の力や魔力を無力化するわけではないからな。防御さえ固めたらなんとかなる」
そう、確かに当たれば怖いが、それだけだ。そういった攻撃はいくらでもあるし、何もサマエルの力が特別というわけではないのだ。
なのに俺たちはあんなノリで戦闘を開始した。あんなノリノリで。彼らを心境を簡単に表すなら、雑魚相手にボス戦みたいなノリで向かったようだ。
「……じゃ、次は後処理だな」
「うん、ああいうタイプは君の方が適任だろ?」
「そうだな」
短いけど次回でこの章は終わります。だってDDの曹操相手じゃ……ね?