禍の団の二天龍たち   作:大枝豆もやし

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今回はリアスアンチについて少し考えてみました


第72話

「なんで貴族に成りたいって思ったの?」

 

 放課後の旧校舎、僕は今朝と同じようにコーヒーを飲みながら会話を切り出した。

 

「え?何よ急に?」

「いやなんとなく。今朝僕に質問攻めしたからいいでしょ」

「う~ん、そうね……」

 

 グレモリーは少し考える素振りをした。

 

「そりゃあグレモリー家の娘として生まれたからね。グレモリー家に恥じないよう生きたいわ」

「……え?それだけ?」

 

 イッセーは意外そうに聞き返した。

 

「それだけって何よ?」

「いやいや、他にも理由あるでしょ。じゃなきゃ、貴族なんて責任の多い仕事なんてしたくないよ」

「そ、それは……」

 

 

 

 

 

「ふ~ん、じゃあ結局、なんとなく貴族になりたいって言ったんだ」

「!!!?」

 

 イッセーの一言でリアスは立ち上がって怒鳴った。

 

「そ、そんなわけないじゃない! わ、私はずっと貴族になることを夢見て来たのよ!?」

「そんなこと言っちゃって~。本当は大して貴族になりたいなんて思いないんじゃないの?」

 

 しかし、リアスの怒りなどでイッセーは怯みなどしない。彼は彼の言いたいことを言う。

 

「じゃあ具体的な理由言って。本当になりたいって思うなら語れるよね?」

「もちろんよ!あれは………あれは……」

 

 自信満々に語ろうとするリアス。しかし、彼女の口からは何も出なかった。

 泳ぎだすリアスの眼。体もプルプル震えており、自信満々の顔も何処か引き攣っている。

 

「ま、まあそんなこともあるわよ。でも私の貴族に対する思いは……」

「そんなわけないだろ。人間だろうが人外だろうが、興味を持つことにはアンテナが機能するんだよ。だから無意識に興味のあることは積極的に情報を取り、いつの間にか覚えてることが多々あるんだ」

 

 リアスの発言を遮るかのように語るイッセー。

 

 彼の言う通り、人間は興味のある分野に関しては関心が向く。故に興味のある分野に関するエピソードや情報は尽きることなく蓄積されていく。

 無論、その熱意や真剣度が大きすぎて上手く語れないことはあるかもしれなし、他人に共感出来るものとも限らない。

 だが、そういった情報やエピソードがないということだけは絶対にないのだ。

 もし本当にないのならそれに対しての熱意がないということ。

 

「で、でも私以外にグレモリーを継ぐ悪魔がいないのよ!だったら私が…」

「でもミリキャスがいるじゃん。だからリアスは手切れ金貰って何処かで生活する道もある。実際に僕の知り合いにいるよそんなタイプ」

「………」

 

 再び発言を遮られて黙るリアス。

 実際にイッセーの言う通り、手切れ金とまではいかないが独り立ちの祝い金を貰って自立する者はそれなりにいる。

 

「……リアス、もしかして君は両親にそう教えられたからそうしてるだけじゃない? それは本当に君の本心で語っている夢かい?」

「そ、それは…………」

 

 分からなくなってきた。

 イッセーに発言を潰されたせいか、それともあまり考えてなかったら思うように言葉が出ないせいか。リアスの頭の中が混乱してきた。

 

「じゃあ、一回ゆっくり考えたらいい。夢と向き合ってそれが本当に自分が望むものなのかどうかゆっくり考えたらいいよ」

 

 そう言ってイッセーは部屋から出てった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(なんていうか、リアスって真面目に貴族目指してる印象がないんだよねぇ……)」

 

 イッセーは渡り廊下を歩きながらふと先ほどまでの会話を思い出した。

 

 彼自身はリアスのことを特に何も思ってない。

 確かに外見は好みのタイプだがそれだけ。ただし中身に関して言えば相性最悪だ。

 とはいっても一緒に居れば情が湧く。だからついあんなことを言ってしまった。

 

「ねえドライグ、彼女って本気で貴族目指さいてるのかな?」貴族目指してるのかな?

『……俺はそんな風には見えないな』

「あ、やっぱり?」

『俺は奴が貴族として働いているところを見たことがない』

「……だよねえ」

 

『あの女は領地経営という名目で人間界に来たと聞いてたが、本気でやる気があるのか? その割には領地にハグレが出てるというのにパトロールにも行かず呑気に茶を飲んでるし、コカビエルの時は堕天使の行動にも気づかず呑気に球技大会に参加して遊ぼうとしてたし……あれで勉強してるなら相棒の睡眠学習の方がまだ勉強してるぞ』

「あ~確かに」

 

 リアスは領地経営を学ぶために人間界へ来ている。ならば彼女は一体何を学んだ?

 確かに彼女は人間界で様々なことを経験した。では、その上で何か具体的な成長はしたのだろうか?

 

 堕天使レイナーレ―――領地内部にハグレが出ていながら、アガレスが知らせるまで何もしなかった。その上レイナーレによって無断に侵入され、契約者を殺された。しかし、その改善はされてない。

 貴族悪魔フェニックス―――自分で言いだした領地経営を放り出してレーティングゲームに参加。少数精鋭でなんとかライザー眷属と善戦するも、ライザーの挑発に乗って一騎打ちに乗ってしまった。

 堕天使総督コカビエル―――堕天使が領地に侵入しておきながら気付かずに野球の練習をしていた。

 

 

 ……間違えることは仕方ない。というか、ソレが無くてはまず事件すら起きない。

 では、その上で何か成長したのか。

 

 二度と堕天使が侵入しないよう手を打ったか? 二度と婚約騒動が出ないようにしたのか? 今後こんなことが無いように何かしらの成長をしたのだろうか?

 やり方はいくらでもあるはず。二度と堕天使やハグレが侵入しないようパトロールする、使い魔を増やして監視体制を強化する。二度と婚約騒動が起きないように都合のいい婚約相手を探す、レーティングゲームで二度と失敗しないよう勉強しなおす。……ちょっと考えるまでもなく思い浮かぶはずだ。

 もし本当に成長した点があるならマジで教えてほしい。もし何かあるなら感想欄或いはメッセージで伝えてほしい。

 

「……あれじゃない? 口ではああいってるけど本当は領地経営なんてやる気ないとか」

『そんなわけないだろ。領地経営を学びたいと言ったのは奴自身だと聞いたぞ。それも日本を指名した理由は日本の文化が好きだからっていう私情丸出しの理由で。……なんか理由だけ聞いたら日本好きの外国人っぽいな』

「………」

 

 ドライグの話を聞いて“ああ確かに”と少し納得する。

 前から妙に引っかかるな~と思ってら、ソレに似ているのだ。

 少し昔に流行ったものだ、日本を外国人がやたら褒める番組が。

 

「じゃあアレだよ。本当はやる気ないくせにポーズ取って騙そうとしてるんだよ。……自分も周囲もね」

『? どいうことだ?』

「先輩でそんな奴がいた。本当は医者になるつもりなんてないのに、親族からのプレッシャーでなろうとしてた奴が」

『………』

「でも本当はなりたくないからソイツは本当の意味では本気になれなかった。形だけの勉強だけやったけど、興味がないから教科書以上のことが出来ない。だから彼は他の生徒たちより劣ってるとか言ってた。……まあ、才能はあったから形だけ医者になれたけどね」

『……人間というのは面倒だな』

「仕方ないよ。群れて生きる生物は周囲の影響を受ける。君たちドラゴンにしてみれば下らないものでもね」

 

 一瞬ドラゴンのような群れを形成しない動物を羨むも、その考えはすぐに消えた。

 たとえ群れを作らなくとも影響を受けるときは受けるものだ。むしろ、強い種こそ些細なことで傷つく。現に、たかが悪魔のハーフごときの発言で心を病んだドラゴンを知っている。

 

 

 

『そういえば何で相棒はあの女と関係を続けているんだ? 一体相棒に何の得がある?』

「……………………………なんでだろ?」

 

 自身の行動を見返す必要があるのは、リアスだけでないのかもしれない。

 




 よくリアスがアンチされる理由って、彼女が無能とかそんな下らない理由ではなく、まず貴族の仕事すらしないことだと思うんですよね。
 要するに……


1、貴族の役目を果たしてない、というか遊んでる。
彼女は序盤早々から仕事をさぼってます。はぐれが領地で暴れてるのに、彼女は優雅にお茶を飲んで遊んでました。
ここでちゃんと貴族として働いてるっていうなら使い魔や眷属をパトロールさせるなりバイザーやレイナーレの侵入を察知して自分が向かうなりしてれば、契約者を殺されたり、現地の人がはぐれに殺されたり、イッセーもレイナーレに殺されて心に傷(笑)を受けることもなかったでしょう。
このように彼女は仕事の重さを理解せず、サボって遊んでます。

2、貴族としての認識の甘さ。反省しない、今後に生かさない、同じ失敗を繰り返す。
例えば一度堕天使に侵入されたのに町の警備の強化をせず、イベントに参加して遊んでました。もしちゃんとパトロールでもしておけば堕天使の侵入に気付いた可能性があったにも関わらず、彼女は遊んでました。
こんな風に前回の失敗を克服しようとしない。だから何度も同じ間違いをして何か事件が起こったり仲間がピンチになる。これじゃあ領主どころか眷属たちの王としてもアンチされます。

3、なのにあの女はこんな様でも貴族に成りたいと言い、権力を乱用してます。
もし彼女が本当は領主なんかになりたくないとかあったら『嫌なことを無理やり押し付けられてる可哀そうな娘』として見られるかもしれません。しかし彼女は貴族に成りたいと言い、貴族としての権利をバンバン乱用してます。
日本好きだからという軽い動機で無理やり日本の学校に転校し、権利で無理やり土地の管理人になり、金に物を言わせて好き勝手し、兄の権力で学校を私物化させるわで権力を乱用しています。
そこまでしながら上記のように貴族としての役割を果たさない。
こうなると『貴族としての責務は果たさないのに権利だけを主張する我儘女』という感じに私には見えました。


4、周囲は彼女を優秀だと持ち上げている。
たぶん、これがリアスアンチが多くなる一番の原因ではないでしょうか。
もしここで彼女の暴走を止めたり、ちゃんと彼女を指導する人間がいればリアスアンチはそれほどなかったでしょうが、そう言った人物はいません。母親も最初はストッパー風なことしてましたがそれもすぐに形骸化しました。
こんな風に貴族として働かない上に軽い理由で権利を乱用する彼女を持ち上げてるせいで、マンセーが強すぎると思います。

5、彼女はポーズばかり。
人間の味方のフリしたり、町が大事な言い方をしていながら、人ハグレの被害が出ても知らん顔。そのせいで『お前本当は人間のことなんてどうでもいいだろ!』と思うアンチが出てしまう。

 この5つだと思うんですよね。
 どれか一つだけだとそんなにアンチされないと思うのですが、上記の理由が相乗関係となってアンチがひどくなると私は考えてます。
なので私には『責務の重さを理解出来ず、自分の与えられた権力がどれだけ大きか知りもせず私利私欲に使う子供』みたいに見えるんですけど皆さんどうですか?

あと、両親が貴族になれと言ってるだけで彼女自身はそんなに貴族に成りたいと思っておらず。家を継ぐ発言もポーズだけだと私は思ってますが、そこもどうですかね?



私が考えたリアスがアンチされる理由は正しいですか?

  • うん、大体あってる
  • いいや、部分的に違う
  • 全然違う
  • 全然足りないぞ
  • そもそもアイツ貴族継ぐ気なんてポーズだけで本当はやる気ねーだろ
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