禍の団の二天龍たち   作:大枝豆もやし

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急遽変更して申し訳ありません。


第75話

 その頃、ヴァーリは禁手の鎧を纏い、音速を越える速度で悪魔領土の上空を飛んでいた。

 目指すはアグレアスの空中庭園。

 その空中庭園で悪魔の駒の素材となる結晶体は産み出されており、そこに魔王二人が居るという情報を手に入れた。

 アジュカ・ベルゼブブを殺し、アグレアスを破壊して2度と悪魔の駒を作らせない為に二天龍は空を飛ぶのだ。

 

 アグレアスに砲撃を当てて穴を開けようとする。

 瞬間、ヴァーリ目掛けて黒い魔力弾が放たれた。

 空中旋回して弾丸を避け、放たれた方角に目を向ける。

 

「……やっと会えたね、白龍皇」

「……来たな、偽の魔王め」

 

 ゆっくりと、アグレアスの上に降り立つサーゼクスとヴァーリ。

 

「……君とは一度話したかった」

「……」

 

 鉄火場で悠長に話し合いをするなんて馬鹿らしいとは思うモノの、話したいと思っていたのはこちらも同じなので話を聞くことにする。

 

「君たちは私たちを無能というけど、それは君たちがまだ王になった苦労を知らないからだ。王に成ったらどうせ同じ風になる」

「つまり俺らが青二才だから、己を過信してるっていうのか?」

 

 ヴァーリとアルビオンが揃ってため息をつく。

 

「まあ、たしかに俺達にも至らぬところはいくらでもある。だから人の事をとやかく言うほど俺らも傲慢じゃないが……お前らはあまりにもひどすぎる」

 

 

 

 

 

「そもそもお前たちは国家元首としての在り方として間違っている」

 

 

 

 

 

「お前たちは中途半端だ。王として生きることで種族を守ると言いながら、自身の種族の益より身内贔屓ばかり優先する」

「ソレの何がいけない!? 家族を優先することがそんなに悪いのか!?」

「当然だ。今まで犠牲を是としておきながら、自分がその立場になると否定する。……上に立つ者として示しがつかないだろ」

 

 王となった以上、何かしらの汚い手段を打たざるを得ない局面がある。

 悪魔の場合はクレーリアの一件であろう。悪魔の駒の秘密を守るために彼らは何の罪もない貴族悪魔を犠牲にした。……まあ、ソレが本当に正しいかは別だが。

 とまあ、こんな感じで彼らは自身の民を、誰かの民を犠牲にした。

 その癖、自分たちの番になったら嫌だと言う。……そんなことが通るだろうか。

 

「私たちだって本当はそんなことしたくなかったんだ!」

「なら努力すればいい。仕事をさぼって妹に会う時間があるなら、その努力だって出来たはずだ。……なのにお前らはしなかった」

 

 もしちゃんと何かしらの努力をしているなら話は別だったかもしれない。

 しかし普段も彼らは仕事をさぼり、問題を放置し、今まで逃げ来た。そんな奴が頑張っていると言って納得するだろうか。

 作者にはこの男が【妹に会う事>民の命】に見えてしまう。……皆さんはどう思います?

 

「何よりも気に入らないのはポーズばかり取ることだ。王としての責務を放棄し、そのツケを他者に払わせておきながら、お前たち自身はやり切ったみたいな顔をしている。……それが一番ムカつく」

 

「他にも人間の味方のフリするのもムカつく。お前たちは不当なはぐれ認定や転生悪魔精度を見て見ぬふりし、和平の時だって人間の保護対策をしていなかったくせに自分は人間の味方ですムーブしやがって。……本当にムカつく」

 

「特に転生悪魔はお前たちの民だろ。なのにその問題を見て見ぬふりして遊び惚けていた。……王としてやる気がないのが丸わかりだ」

 

 彼らは仕事をしてるフリ、人間が好きなフリばかりで実際はそうではない。それがまた…。

 もしそんなことはないという人がいるなら、ちゃんと仕事をした例や人間の味方をした具体例を見せて欲しい。

 

 

「知った口をほざくなッ! 私がどれだけ苦労していると……!!」

「口先だけじゃなくて行動で示せ。妹に甘える暇はたっぷりあったろ。……そういうとこがポーズだけだって言ってるんだ」

「~~~~~~~~ッッ」

 

 

「お前たちは王としての責務を怠っておきながら、王としての権利だけを主張する。その癖、何か不都合があったらそんな風に被害者面だ」

 

「お前らはポーズだけなんだよ。王となって種族を導くなんてポーズを取っておきながら、やってることはごっこ遊び。どれもこれも中身はからっぽでポーズだけ」

 

「あの和平協定だってそうだ。人間の味方を気取りながら、中身は人間の家畜扱い。本心では人間を見下し、どうでもいいと思ってるからあんな下らない案しか出ないんだよ」

 

「そのくせ何かしらの行動をせず、努力したフリして自分は努力したとごまかし、すべきことから逃げている」

 

 

 

「中途半端で無責任。その癖に自分はちゃんとしていると勘違いしている。中見ないなお前ら四大魔王は」

 

 

 

 

 容赦なく吐き出される魔王への罵倒。それが決定打になったのか、サーゼクスは鋭い視線をヴァーリ達に向けた。

 

「どうやら話し合いでは解決し無さそうだね……グレイフィア!」

「……!?」

 

 突如、ヴァーリの死角から現れたグレイフィア。

 そう、サーゼクスの狙いは最初からコレだった。

 隠匿魔法を仕掛けた転移で気づかれることなく相手の死角に潜り込み、彼女の得意なナイフで仕留める。そういう作戦だったのだ。

 ちなみにコレを考えたのはグレイフィアであり、指示したり手筈を整えたのも彼女である。

 

 そのまま彼女のナイフはヴァーリの方へ……。

 

 

 

 

 

 向かおうとはせず途中で方向転換。サーゼクスに刺さった。

 

 

 

 

 

 

「ぐあああああああああああああああ!!!?」

 

 痛みのせいか、混乱のせいか、それとも両方か。

 サーゼクスは素っ頓狂な声で悲鳴を上げた。

 

 一体どういうことだ、何故最愛の妻であるグレイフィアが?

 あり得ない、こんなことがあっていいわけがない。

 どうして…どうして!!?

 

「グレイフィア……これは一体、どういう事だい?」

 

 息を整え、冷静さをなんとか保とうとする。しかし、声までは意をくんでくれなかったようだ。低く、震えた声になる。

 対するグレイフィアはヴァーリの元へと向かい、彼を鎧越しに抱きしめ豊満な胸を当て、ヴァーリの手を握って自分の尻を触らせる。

 

「見ての通りよ、サーゼクス。私はこちら側についたの」

「……ドッキリにしては随分不快な内容だ。君にはミリキャスという子供がいる。そして魔王の妻でもあるんだ。訂正するなら今だよ」

「あら、散々魔王としての役割をさぼっておきながら今更魔王面? 第一貴方はもう魔王ではなくなるのだから」

「…………」

 

 サーゼクスはヴァーリを射殺さんとばかりに睨み付ける。

 

「言ったろ、お前は中途半端だ。中途半端な愛し方をして、自分だけ満足して、「愛してやった」と思い込んで、後は知らんぷり。……よくもそんなので愛してるって言えるな」

「何を……言ってるんだい?」

「お前は妻にも妹にも民にも同じ様な事をしてる。お前のやり方で苦しめられた奴はごまんといるんだよ。なのにお前はソイツ等を無責任にも無視し、テキトーにやって「自分はちゃんとやっている、なんていい魔王なんだ」って勘違いしてるんだよ」

「………………」

 

 にらみ合う両者。

 サーゼクスは歯ぎしりをしながら、ヴァーリは鎧越しに射抜かんばかりの視線を向ける。

 

「見え見えなんだよ、お前の薄っぺらさが。本当のお前は誰も愛してない。中途半端なことして勝手に満足して、無責任に放棄して、自分が良い魔王だと思い込んでやがる。その癖何か問題があると被害者ぶり、それが通じないと相手を悪者に仕立て上げて非難し、己の責任と罪を有耶無耶にしようとする……反吐が出るぜ」

 

 小さく、しかし熱と圧の籠った声が辺りに響く。

 軽蔑、憎悪、嫉妬。

 幾らかの感情が薄く込められた言葉を発した。

 

 

 

 

「ふざ…けるなッ!」

 

 怒りの声とともに吐き出される破滅の魔力弾。

 技術もくそもないただの放出。

 まるで子供の癇癪のように吐き出された赤黒い閃光は、暴力的な破壊力を持ってヴァーリに牙をむく。

 

『Divide』

「空間断絶障壁」

 

 攻撃を予測したヴァーリはすかさず防御する。

 

 相手の攻撃を半減して弱らせ、更に空間にも干渉して障壁を張る。

 

 空間を断つことで断層を生み出し、あらゆる攻撃を遮断する堅牢な障壁を形成させる。

 どれほど強い魔力の光線であったとしても、空間を超えて相手にダメージを与えることはできない。

 

 ヴァーリの作り出した空間断層に赤黒い閃光が衝突。

 その間にヴァーリはサーゼクスの魔力を少しずつ奪い、吸収できない分は翼から排出して徐々に弱体化させに来た。

 

「民を愛してる? 家族を愛してる? 悪魔を愛してる? ……嘘を言うな。

 本当に愛しているなら何故もっと動いてやろうとしない? 何故もっと知ろうとしない?」

 お前の言う愛はまるでごっこ遊びだ。猫好きの子が猫に構って遊んでいる程度の愛なんて、いくらなんでもミーハーすぎるだろ」

「黙れ黙れ黙れ! 勝手なことをほざくな!! なら貴様は本当の愛とやらをしっているのか!?」

「ほら、そうやって話逸らせて臭い物に蓋をしようとする。都合が悪くなるといつもソレだ。たとえ俺が悪者でも、お前が中途半端で無責任で誰も愛してない空っぽ野郎だというのを論破したことにはならないぞ」

「~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!」

 

 更に追い打ちの言葉攻め。

 冷静な判断が出来ず、少しずつとはいえ弱体化していく魔王。

 対するヴァーリは心身どころか魔力にも余裕がある上、グレイフィアという援軍までいる。

 どちらが勝つかは明白だ。

 

「この若造が……!?」

 

 突如、サーゼクスの後ろの空間に穴が開き、そこから何者かが現れた。空間転移してきたのだ。

 現れたのはローブ姿の女。体型も顔もローブですっぽり隠れてよく見えないが、声だけで女だとサーゼクスは判断した。

 

「ヴァーリちゃ~ん、終わったわよ♪」

 

 サーゼクスの前にドチャリと何かが落とされる肉塊共。それはサーゼクスの自慢の眷属達――だったものだ。

 最早見る影もない。悪魔の生命力のおかげで辛うじて息があるが死体同然の状態であった。

 

「私の眷属が……ウソだ。こんなことは、ありえない……ッ!!」 

 

 サーゼクスの眷属は全員魔王クラスの実力を持つ強者の中の強者である。しかしそれは、悪魔という枠組みの話だ。

 この世界では悪魔という種族はそれほど強くない。ドラゴンや神など、悪魔を超える種族はけっこういる。

 更に今回はあらゆる種族が三大勢力を潰そうと一丸になっているのだ。数も質も勝る相手にやられたらそりゃこうなる。

 

「なんだ…なんなんだお前らは!!?」

「ああ、私?私はね……」

 

 パサリと、女がローブを脱ぎ去る。

 その素顔を見た瞬間、彼は顔を引き攣らせた。

 

 

 

 

「ば……バカな……」

 

 それは、本来あり得ない人物であった。

 

 

 

「君だけは……君だけは絶対にないはずなのに!!」

 

 共に戦い、共に今の世界を創り上げた仲間……。

 

 

 

「やっほ~♪ 私が精霊派の元頭首、セラフォルーちゃんだよ~ん♪」

 

 いつものアイドル声。しかし何処かドスの効いた声で彼女は堂々と裏切り発言をした。

 

 

 




サーゼクスがアンチされる理由はリアスと同じだと思います。

①何事にも無責任かつ中途半端。
これが無能王と呼ばれる所以だと思います。
転生悪魔問題、旧魔王派の片づけ、こそこそ動く貴族悪魔、母方の実家である大王派の悪魔共。解決すべき問題や倒すべき敵が内部にいるのに、碌に仕事せず放置して妹へ会いに行っている。
それで働いてても中途半端な政策しかせず、具体的な行動はしてない。
かといって妹や嫁に何かしている様子もない。
リアスを指導したり監視する悪魔を派遣せず、いいコネを紹介したりもせず、リアスのためになる行動を予めしてくれない
愛妻家も疑問。グレイフィアがイッセーと混浴しで嫉妬したり微妙な反応がない。

②魔王の権力乱用
ちゃんと働かず責任を果たさない癖に、義務を果たさない癖に権利は乱用する。
ライザーの結婚の際、勝手にライザーから結婚する権利を賭けの対象にした。
代わりの婚約者を紹介したり、ライザーを止める等の動きを出来た筈なのに。

③反省も対策もしない
問題が起きたのに何の対策もせず、同じような事件が毎回起こる。ちゃんと反省して対策を立てれば回避できたのに。

④周囲は魔王をちゃんとしてると持ち上げる。
普通なら反乱されたり見限られて離反されてもおかしくないのに、下の者は忠誠を誓ってる感じを出してる。それにしては下の者たちも碌な働きをしてるようには見えないが。

⑤ポーズばかり
上記のようなことをしておきながら自分はちゃんと魔王している、努力しているみたいな感じでいる。


以上のことが原因だと思われます。

しかし彼はリアスと違って何百年も前から成人しており、魔王というお嬢様の貴族ごっことは比べ物にならないほどの責務を負っています。だからより一層『なんでこんなのが王なんてやってんだ』と思われるのでしょう。

私が考えたサーゼクスがアンチされる理由は正しいですか?

  • うん、合ってる
  • なんか違う部分がある
  • 全然違う!サーゼクスさん頑張ってるだろ!
  • 全然足りないぞ! もっとあるだろうが!!
  • そもそもそういうラノベだろ
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