学園デュエル・マスターズ WildCards【完結】   作:タク@DMP

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GR64話:無限合体──ビッグバンの弾丸

 脚と下半身を構成する《ダルタニック》。

 腕と胸部を支える《ダテンクウェール》。

 そして、頭部と背中のブラスターを構成する《ダンガスティック》。

 天、地、海、全てが揃った!

 

 

 

「我の名は《ダンダルダ》──超天を切り裂く無敵の巨人、でありますッ!!」

 

 

 

 そして、《ダンガスティック》の顔に亀裂が入り、龍帝の顔へと変化した。

 火、水、自然、三つの文字が刻まれた、双刃の剣が手に握られる。

 これが三位一体、心技一体の機械龍人、《ダンダルダBB(ビッグバン)》──!

 

「何なんだ、こいつ……まだ、こんな力が……!?」

「我も、人間も……当人が思っているほど強くはないでありますよ!」

 

 叫ぶ《ダンダルダ》が剣を掲げる。

 その目はハッキリとイカルス達を見据えていた。

 

「心の弱さを突かれ、ワイルドカードに憑りつかれた人間! エリアフォースカードに振り回される人間! 愚かしくも自分達で争う人間! でもっ……彼らはその時その時を必死で生きてきたであります!」

「1+1は2ではありません。人と人が繋がれば、無限大になるんですッ!」

「そうだ! 間違ったって、最適解じゃなくても、愚かだと言われても良い! 人間はそれでも、やり直して前へ前へと進めるんだ!」

 

 《ダンダルダ》の双刃剣が黄金に光り輝く。

 

「《バーンメア》の効果で出たGRクリーチャーはスピードアタッカーになる! 《ダンダルダ》で攻撃──」

「──するときに、ジョーカーズ・トルネード、発動であります!」

 

 刃から竜巻が巻き起こり、《バーンメア》のカードを俺の手札へ押し戻した。

 これで、《ダンダルダ》の剣にエネルギーが充填されていく──!

 

(ファイア)、ローディング──>

 

「これで俺は、手札に戻したジョーカーズ以下のコストを持つ呪文を手札か墓地から唱えられる!」

「っ……何だと!?」

「ハンデスのお礼は、たっぷりさせてやるぜ! 呪文、《灰になるほどヒート》を墓地から唱えるぜ!」

 

<──必殺モード、【ビッグバン・ヒート】!!>

 

 剣から巻き起こる極大の炎。

 それが再び天を衝き、《バーンメア・ザ・シルバー》を呼び起こした。

 

「な、何だ、また出てきた……!?」

「そうだ! この呪文は、手札からコスト6以下のジョーカーズを場に出せるんだ! 《バーンメア・ザ・シルバー》の効果で、《マシンガントーク》と《全能ゼンノー》をバトルゾーンへ!」

「ば、馬鹿な、まだ増えるのか……!?」

「ずるいずるいずるい! 何で使いまわしてるのさーっ!」

「これが水文明の力ですよ。戻して、もう1回放つ。貴方達を倒すまで、このループは続きますよ」

「GR召喚された《マシンガントーク》の効果で《ダンダルダ》をアンタップする! そして、《ダンダルダ》でシールドをブレイク!」

  

 突き立てた剣がそのまま地面を抉り、大火となって彼らに襲い掛かる。

 これで、やっと1枚……シールドを削れた!

 

「っ……く、くそっ、こんな時に限って──!」

「更に、《ダンダルダ》でもう1回攻撃──するとき、《バーンメア》を手札に戻して手札から《灰になるほどヒート》を使う!」

「ま、まだやるつもりなのか……!?」

「そうだ! 出すのは二体目の《ダンダルダ》、そして!」

 

 GRゾーンはこれで一周した!

 トップに捲れたカードは──《ゴッド・ガヨンダム》だ!

 

「《ガヨンダム》の効果で手札を1枚捨てて、2枚ドローする! 《ダンダルダ》でシールドをブレイクだ!」

「っ……なんなんだよ、この連鎖は……!」

「だ、大丈夫だよイカルス! まだトリガーは……!」

「そ、そうだ、俺達にはアレがあるじゃないか……! 耐えれれば、また《ペガサス》から《サハスラーラ》に進化してやる……!」

「させねえよ! 二体目の《ダンダルダ》で攻撃するとき、《バーンメア》を手札に戻す!」

 

 これで唱える呪文で……全部終わりにする!

 

「呪文、《灰になるほどヒート》! 効果で《ソーナンデス》をバトルゾーンへ!」

「っ!? い、今更何のつもりだ!?」

「さあな! 《ダンダルダ》でお前のシールドをブレイクだ!」

 

 刃が再びシールドを切り裂いた。

 これで、イカルス達のシールドは残り2枚──!

 

「おのれ、おのれおのれおのれ! オレ達を愚弄するのか? オレ達を否定するのか? 唯の人間が!? 冗談じゃない!」

 

 叫び散らすイカルス。

 割れたシールドが光となって収束した──!

 

「やらせるものかよ! 此処で消えちまえ、白銀耀……!」

 

 地鳴り。

 それが俺達の身体を揺さぶる。

 震える大地から無数の蔓が生えた──

 

 

「S・トリガー、《ゴルチョップ・トラップ》を発動するッ!」

「効果で相手のパワー4000以下のクリーチャーを全部マナに飛ばすよーっ!」

 

 

 

 一気に俺の場のクリーチャー達はマナゾーンへ飛ばされてしまう。

 巨大な蔓が絡みつき、《ダンダルダ》も巻き取られてしまった──!

 

「《ダンダルダ》-ッ!!」

「マスターッ! 後は……頼んだでありますよ!」

「っ……ああ! お前の繋いだ切札、無駄にはしねえよ!」

 

 場に残っているのは《ガンマスター》2体。そして相手プレイヤーを攻撃出来ない《ソーナンデス》、そして《バーンメア・ザ・シルバー》だけだ。

 《ガンマスター》はW・ブレイカー。このまま殴り切っても勝てるだろう。

 だけど──あいつら、自分のデッキの守りの固さに大分自信を持ってた……このままジャスキルで削り切れるとは思えない……!

 もし《ペガサス》で《母なる星域》をサーチされて、もう1回《サハスラーラ》が出てくればアウトだ!

 

「《ソーナンデス》で《ペガサス・レオパルド》を攻撃! するときにJチェンジ8発動!」

 

 幾ら選ばれないと言っても、攻撃は出来る。

 マッハファイターなら、神をぶち抜く事が出来る!

 

「その効果でコスト8以下のジョーカーズをマナゾーンからバトルゾーンへ出します!」

「頼むぞ──《キング・ザ・スロットン7》!」

 

 序盤にマナに埋めた《キング・ザ・スロットン7》が此処で生きた!

 その効果で、山札の上から3枚を表向きにする──!

 

「守り切ってやる! オレ達のプライドも、ペトロパブロフスキー重工のメンツも……!」

「その腐ったプライドを、ぶち抜く!」

 

 飛び出す切札。

 山札の上から捲れたカード。

 1枚目、《タイク・タイソンズ》。

 2枚目、《スゴ腕プロジューサー》。

 3枚目──直感。こいつだ。こいつしか有り得ない!

 出目はジャックポット……俺が選ぶ弾丸は、お前だ!

 

 

 

「これが俺達の、真龍の切札(ジョーカーズ・ドラゴン)──」

 

 

 

 エリアフォースカードに映る銃を掲げし皇帝の絵。

 そこから無数の銃火器が飛び出す。

 これは、此処までの全てを繋いでくれた、仲間達の思いを乗せて放つ──弾丸だ!

 

 

 

「──《ジョット・ガン・ジョラゴン》、装填完了!」

 

 

 

 降り立つジョーカーズのマスター・ドラゴン。

 空に浮かび上がるMASTERの刻印の上には、ドラゴンを表すDの文字が焼き付けられるようにして押された。

 

「ば、馬鹿な、《ジョット・ガン・ジョラゴン》が……!?」

「折角手札から落としたのに……!」

「余所見してんじゃねえよ! 《スロットン》でゴッドを解体だ!」

 

 こっちのパワーは7777。

 《ペガサス・レオパルド》のパワーは7000。

 スロットから飛び出した大量のコインが神々を溺れさせた──

 

「リンク解除! 《レオパルド》を留まらせる!」

「むぅー、恋人は離れても、何度でもくっつくんだからねーっ!」

「いーや、もうくっつかせねぇよ! 《Theジョラゴン・ガンマスター》で攻撃……するときに!」

 

 もう1つの《ジョラゴン》が戦場を走り抜ける。

 その腕に取りつけられた龍の砲門が開いた。

 

「──超天フィーバー、発動!」

皇帝(エンペラー)、アサルトモード……【超天フィーバー】、エンゲージ!>

 

 皇帝(エンペラー)のカードから響く無機質な声。

 それと共に《ジョラゴン》の身体に青白い光が迸った。

 そして、手札のジョーカーズを弾に、空へ目掛けて銃空を向ける──

 

「マナと場にジョーカーズが合計10体以上あるので、こいつが攻撃するときに手札から捨てたジョーカーズの数だけ相手のクリーチャーを破壊する!」

「っということは、この時捨てた手札でも……ジョラゴン・ビッグ1は発動するんですか!?」

「その通りだ紫月! これが、過去と未来のジョラゴンの力だ!」

 

 このターンで決められない可能性があるならば、それを打ち消す!

 

「《アイアン・マンハッタン》を捨てて、《ペガサス》を破壊!」

 

 弾丸の雨霰が天馬の神に襲い掛かる。

 これで2体とも仲良く墓地送りだ!

 

「更に、《マンハッタン》の効果で手札を捨てる! そして、《ガンマスター》でシールドをW・ブレイクだ!」

 

 砕かれる2枚のシールド。

 これで、トリガーが無ければ……!

 

「オレ達がこんな劣等遺伝子に……負ける訳が……無いんだァァァーッ!! 喰らえ、《龍幻のトラップスパーク》!!」

 

 次の瞬間、光が降り注ぐ。

 そして、俺のクリーチャー達は皆、光に縛り付けられてしまった。

 

「止められた……!」

「ハ、ハハハハハ! 言っただろう!? お前がオレ達の攻撃を止められたのに、オレ達がお前の攻撃を止められないわけがないってさぁ!」

「ね、ねえ、イカルス……」

「うるさい黙れ! 今良い所だろうが、イカルス!」

 

 乱暴に言い放つ彼は興奮した様子で、5枚のマナをタップした。

 

「こ、これで、お終いだ! 《ペガサス》を召喚して《母なる星域》をサーチするよ!」

「だからさあ、イカルス、それは──!」

「何なんだ! もう少しで勝てるんだぞ!」

「きゃっ!?」

 

 忠告する少女の天使擬きを突き飛ばす。

 あいつ、自分の相方にまで……!

 

「おい! 恋人は一番大事じゃないのかよ!」

「今オレは最高に達しそうなんだ。それを邪魔する奴は誰だろうが許さないね!」

「独り善がりのサイテー野郎ですね……」

「ハハハハ! 今更何を! 呪文、《超GR・チャージャー》でGR召喚だ──」

 

 そこでイカルスの表情は凍り付いた。

 何も、超GRゾーンから出てこない。

 いや出てくるはずもない。

 

「な、何で、何で何も出てこない!?」

「……イカルスの馬鹿。だから言おうと思ったのに……」

「オイお前、俺がさっきのターン何を捨てたのか忘れたのかよ?」

「っ……? ……あ!」

「俺が捨てたのは《アイアン・マンハッタン》だ。これでお前はクリーチャーを2体以上召喚出来ない」

 

 地面に撃ち込まれた弾丸は、彼らの足元を黒光りするアスファルトで埋め立ててしまっていた。

 もう、大地から異形の神々が現れることは無い。

 

「俺の負け筋は《サハスラーラ》の降臨だ。だけど、進化クリーチャーである以上コイツは絶対に進化元が必要。つまり、2体以上クリーチャーを出さなきゃいけない」

「《マンハッタン》を捨てられた時点で貴方達の負けです。そして、革命チェンジも防いでしまっていますよ」

 

 此処で考えられる負け筋は全て、相手が2体以上クリーチャーを場に出さなければ成立し得ない。

 《ペガサス》を出してしまった時点で、あいつはもう何も出来ないんだ。

 

「オ、オレ達が負ける……こんな事が……!」

「覚悟は良いかよ? 天使擬き!」

「ち、畜生、畜生畜生!! 折角、後もう少しでイけたのに──!!」

「じゃあ代わりにトばしてやるよ。超天の彼方まで……ぶっ飛びやがれ! 《バーンメア・ザ・シルバー》を召喚!」

 

 更に増えるスピードアタッカーたち。《バツトラの父》と《バイナラシャッター》が追撃を仕掛けんとばかりに飛び出す。

 そして、がら空きのイカルス目掛けて《ジョット・ガン・ジョラゴン》が先陣を切った。

 そこから放たれる、無数の弾丸が放たれる──!

 

「《ジョット・ガン・ジョラゴン》の攻撃時にカードを1枚引いて《メイプル超もみ人》を捨てる! そして、ダイレクトアタックだ!」

「させるかよ! ニンジャ・ストライク7、《怒流牙 サイゾウミスト》だ! 効果で墓地と山札をシャッフルしてシールドを1枚追加する──!」

 

 砕かれるシールド。

 そこから絡みつくような蔓が《ガンマスター》を飲み込んだ。

 

「S・トリガー、《ナチュラル・トラップ》だ! これで後2体……!」

「まだまだーッ! 《バツトラの父》でダイレクトアタック!」

「2枚目の《サイゾウミスト》で止める──!! シールドを追加して……《トラップスパーク》が来れば──!」

 

 二度目の奇跡は起こらなかった。

 イカルスの瞳から光が消えた。

 

「いっ……!」

「トリガーはあるか、イカルス!」

「な、無い……こんな事ってある!?」

「下劣で下賤な民に──オレ達が負ける!? 有り得ないッ!! これは良くない、良くない事──」

「──テメェらが勝手に貼ったレッテルなんざ知るかよ! 全部まとめてぶっ潰す! 《ガンマスター》、次発装填……再突入だ!」

 

 《ガンマスター》が無数の弾丸を空目掛けて撃ち放った。

 

 

 

「《Theジョラゴン・ガンマスター》でダイレクトアタックだッ!」

<ガンマスター・アサルトレイン……フィーバー!!>

 

 

 

 皇帝(エンペラー)のカードが無慈悲に名を呼ぶ時。

 天から流れ星のように弾丸が落ちた──!

 

 

 

「あ、あははは、マジかよ、今のオレ達って……」

「アタシ達って……」

「「すっごくすっごくすっごく、可哀想ーッ!!」」

 

 

 

 降り注ぐ弾丸のシャワー。

 天使擬きたちの身体に無数の風穴を開けた──

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