学園デュエル・マスターズ WildCards【完結】 作:タク@DMP
※※※
──俺とククリヒメのデュエルが始まった。
「──私は見極めなければなりません。千里眼を以てしても、未来を見通すことは出来ないのだから。貴方に……
「よっし、行くぞチョートッQ!!」
「超超超可及的速やかに、勝負を決めるであります!!」
「ふふっ……どうでしょうね?」
彼女は2枚のマナをタップする。
浮かび上がるのは、白と緑の魔力。
光文明と自然文明の使い手か。
「2マナ──《葉鳴妖精ハキリ》を召喚。これにて、手番を終えます」
「っ……《ハキリ》か……手強いな」
「相手ターンにこの子のパワーは上昇するの。討ち取れるものならば討ち取ってみなさい?」
ハキリのパワーは相手ターン中、6000になる。
生半可なクリーチャーでは返り討ちにされてしまうだろう。
「今は相手に出来ない……だけど俺は2マナで《タイク・タイソンズ》を召喚!」
「芽吹く命──しかし、炎のような攻めも、我が母なる大地の祝福によって包み込んで差し上げましょう」
彼女は──3枚のマナをタップした。
《ハキリ》だけじゃどんなデッキか分からない。
このターンの相手の行動がカギになる!
「──さあ、ゆきなさい? 《
「ビーストフォーク……!?」
『でも、何かマークがついてるでありますよ!』
「このマークは荒ぶる拳と、鎖の如き強固な縁で結ばれた者達、暴拳王国の証です」
「王国……!? 鬼札王国と同じ、クリーチャーの派閥ってことか!」
「さあ、鎖の抱擁を受けなさい! 《ハキリ》で攻撃する時、アバレチェーンを発動です!」
殴り掛かった《ハキリ》の手に鎖が巻き付いていく──!?
縛るものではない。
一撃を、より重くするための鎖だ。
「──行くわ! 《マチョシビロ》のアバレチェーンにより、山札の上から2枚を見てクリーチャーを手札に!」
「ッ……マジかよ!?」
「そしてたった今加えた《
一気に場には3体ものクリーチャーが現れてしまった。
あのアバレチェーンって能力は、自分のクリーチャーが攻撃する時に発動する能力みたいだけど……!
「そして、シールドをブレイクですっ!!」
「ぐあっ……!?」
先ずは1枚。
相手も序盤から積極的に攻め立てるデッキのようだ。
しかも、早速盤面を取られてしまった。
だけど──
「負けるかよ! 俺は1マナで《種デスティニー》を使う! 効果で《ハキリ》を破壊!」
「ッ……あらあら、そこまで手優しくはないのね」
「当然だ! 俺だって負けられないからな!」
流石に手札とマナを増やし続けながら殴り続けるのはアウトだ。
適当なところで止めなければ、こっちは一生、一方的に場数を増やされ続ける。
手札は減るが、ジョーカーズのリソースはマナからも供給できる!
「俺は《タイク・タイソンズ》で攻撃する時、Jチェンジ発動! 《天体かんそ君》、来いッ!」
離れた時の効果で、《タイク・タイソンズ》はマナを増やす。
更に《天体かんそ君》もまた、マナを増やす。
これで、残り4マナだ!
「あらあら……」
「お返しだ! シールドをブレイク!」
突貫する《かんそ君》。
だけど──これだけでは終わらない。
攻撃の終わりにシールドがブレイクされた。
それはつまり、キリフダッシュが誘発されるということでもある。
<ジョーカーズ疾走、キリフ・ダッシュッ!!>
「──キリフダッシュ発動──《熊四駆ベアシガラ》! 効果で山札の上から2枚をマナに送って、マナから手札に《バーンメア・ザ・シルバー》を手札に加える!」
「……成程。それが貴方の戦い方、というわけですね。苛烈な赤と緑の色の力……でも。私はそれさえも抱擁して見せましょう!」
言った彼女は──4枚のマナをタップしてみせる。
「では、神の一手という大層なものではないですが……参ります!」
何だ。
地面が揺れ始めた……!?
「我が神秘、貴方に託しましょう──その鎖は絆と縁。運命を括る鋼の糸。幾たびも掛ければ暴れる拳が岩をも穿つッ!!」
木々を揺らす程の咆哮が響き渡る。
来る──彼女の切札だ!
「──天地神命、巡り巡って重ね重ねよッ!! 《剛力羅王ゴリオ・ブゴリ》ッ!!」
幾つもの鎖がその獣の王に絡みつく。
焼きつくのは王の証。
こいつがキングマスターカードであることを意味していた。
「──かつて。鬼の侵攻に加担し、地の底に落とされた獣の王が居ました。暴れる拳の獣を統べる剛力の王。それがこの子なのです」
「鬼の仲間ってことでありますか!?」
「操られていたのです。桃太郎たちとの戦いに敗れ、この子は酷く傷ついていました。それを見かねた私は、倒れ伏せたこの子を──息子として加えたのです」
おい待てや!!
「最後の一文さえなければ良い話だったんだけどなーッ!?」
「ゴブちゃんは怖くないですよ? ちゃんと私のバブバブ遊びにも付き合ってくれたし──」
「怖いのはオマエでありますよ!!」
「やめて差し上げろ!! クリーチャーからも尊厳を取り上げるつもりか!? そいつ一応キングマスターカード!!」
「……人の子よ、聞きなさい」
「ッ……!?」
低く、唸るようにククリが言った。
まずい。ツッコんでいたら、彼女の逆鱗に触れただろうか?
「──人の子も、クリーチャーも──皆同じ。心の奥底では、誰かにおしめを変えてもらいたい……そう願っているのです」
「通らねえよ!!」
『シリアスな顔でとんでもないこと言ったでありますよ!』
「くっ、強情ですね……ゴブちゃん。見せて差し上げなさい! 貴方のアバレチェーンと言うものを!!」
──来る。
鎖が《ゴリオ・ブゴリ》の周囲に絡まっていく。
その拳が──《ベアシガラ》に叩きつけられたッ!!
「──アバレチェーン、発動ッ!! 《ゴリオ・ブゴリ》、《シノブ》、《マチョシビロ》!!」
三重の鎖が絡みつく。
まさか、アバレチェーンって、攻撃時に一挙に全部発動するのか!?
「《シノブ》の鎖によりマナを1枚増やし、《マチョシビロ》の鎖により手札に《光牙忍ソニックマル》を加え、そして《ゴリオ・ブゴリ》の鎖は──」
「──大地さえも抉る、無敵の拳を生み出すッ!!」
拳が、《ベアシガラ》を打ち砕いた。
粉砕され、ガラガラと音を立てて崩れていくクリーチャーを見ながら、俺は蒼褪めた。
パワー8000のベアシガラをバトルで破壊したのか、あの4コストのクリーチャーは……!
「《ゴリオ・ブゴリ》のパワーは5000。しかし、この子自身のアバレチェーンで、攻撃時にパワーは2倍の1万にまで上昇します」
「ッ……クッソ……!! マッハファイターに無敵のパワーが付くってか」
「そして、普通ならアバレチェーンはそのターン中、最初の攻撃でしか発動しません。しかし──」
言ったククリは《マチョシビロ》を《天体かんそ君》に突撃させる。
《かんそ君》のパワーは3000。このままでは自爆特攻だ。
しかし、鳥人の腕には次々に鎖が巻き付いていく。
最初の攻撃でしか発動しないはずのアバレチェーンが、再び発動しているってのか!?
「──アバレチェーン・ザ・ネクスト。《ゴリオ・ブゴリ》が居る時、アバレチェーンは2度来る。覚悟はいかがッ!!」
「二度、来る!?」
「じゃあ、1ブースト、1サーチ、パワー2倍がもう1度来るのでありますかァ!?」
「あらあら……守護獣君は物分かりが良いです♪ ご褒美におしゃぶりを上げましょうね~」
「要らないでありますよ!!」
粉砕される《天体かんそ君》。
一瞬で俺のクリーチャーが2体、片付けられてしまった。
暴拳王国とアバレチェーン……実はとんでもなく、盤面を取る力が強いのか!?
「いかがでしたか? これにてターンエンドです」
「……つ、強いッ……!! だけど!!」
俺だって負けてはいない。
6枚のマナをタップする──
<超GRゾーン、アンロック>
「この感覚、久しぶりだぜ!! 頼むぞ──《バーンメア》!」
12枚のGRゾーンが共鳴するように輝いた。
「駆け抜けろ《バーンメア・ザ・シルバー》ッ!! GR召喚──《せんすいカンちゃん》、そしてッ!」
バチバチと稲光が超GRの門を開け放つ。
来る。
今度は、れっきとした俺の味方として!
「轟き叫ぶは王者の咆哮!! ドラゴンの魂がオーバーロード!!」
バトルゾーン。
そして、マナゾーンのジョーカーズさえも。
デッキのカードが皇帝の降臨を歓迎する。
さあ、来い! 満を持して!
「──切札爆発ッ!! 暴れ龍のお通りだ──《Theジョギラゴン・アバレガン》ッ!!」