学園デュエル・マスターズ WildCards【完結】   作:タク@DMP

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GR115話:縁神類─鎖

 ※※※

 

 

 

 ──俺とククリヒメのデュエルが始まった。

 

「──私は見極めなければなりません。千里眼を以てしても、未来を見通すことは出来ないのだから。貴方に……世界(ザ・ワールド)が力を貸すに足るか確かめましょう」

「よっし、行くぞチョートッQ!!」

「超超超可及的速やかに、勝負を決めるであります!!」

「ふふっ……どうでしょうね?」

 

 彼女は2枚のマナをタップする。

 浮かび上がるのは、白と緑の魔力。

 光文明と自然文明の使い手か。

 

「2マナ──《葉鳴妖精ハキリ》を召喚。これにて、手番を終えます」

「っ……《ハキリ》か……手強いな」

「相手ターンにこの子のパワーは上昇するの。討ち取れるものならば討ち取ってみなさい?」

 

 ハキリのパワーは相手ターン中、6000になる。

 生半可なクリーチャーでは返り討ちにされてしまうだろう。

 

「今は相手に出来ない……だけど俺は2マナで《タイク・タイソンズ》を召喚!」

「芽吹く命──しかし、炎のような攻めも、我が母なる大地の祝福によって包み込んで差し上げましょう」

 

 彼女は──3枚のマナをタップした。

 《ハキリ》だけじゃどんなデッキか分からない。

 このターンの相手の行動がカギになる!

 

「──さあ、ゆきなさい? 《呼織(コール)の鎖 マチョシビロ》!」

「ビーストフォーク……!?」

『でも、何かマークがついてるでありますよ!』

「このマークは荒ぶる拳と、鎖の如き強固な縁で結ばれた者達、暴拳王国の証です」

「王国……!? 鬼札王国と同じ、クリーチャーの派閥ってことか!」

「さあ、鎖の抱擁を受けなさい! 《ハキリ》で攻撃する時、アバレチェーンを発動です!」

 

 殴り掛かった《ハキリ》の手に鎖が巻き付いていく──!?

 縛るものではない。

 一撃を、より重くするための鎖だ。

 

「──行くわ! 《マチョシビロ》のアバレチェーンにより、山札の上から2枚を見てクリーチャーを手札に!」

「ッ……マジかよ!?」

「そしてたった今加えた《増刀(ブースト)の鎖 シノブ》を手札から降臨させます!」

 

 一気に場には3体ものクリーチャーが現れてしまった。

 あのアバレチェーンって能力は、自分のクリーチャーが攻撃する時に発動する能力みたいだけど……!

 

「そして、シールドをブレイクですっ!!」

「ぐあっ……!?」

 

 先ずは1枚。

 相手も序盤から積極的に攻め立てるデッキのようだ。

 しかも、早速盤面を取られてしまった。

 だけど──

 

「負けるかよ! 俺は1マナで《種デスティニー》を使う! 効果で《ハキリ》を破壊!」

「ッ……あらあら、そこまで手優しくはないのね」

「当然だ! 俺だって負けられないからな!」

 

 流石に手札とマナを増やし続けながら殴り続けるのはアウトだ。

 適当なところで止めなければ、こっちは一生、一方的に場数を増やされ続ける。

 手札は減るが、ジョーカーズのリソースはマナからも供給できる!

 

「俺は《タイク・タイソンズ》で攻撃する時、Jチェンジ発動! 《天体かんそ君》、来いッ!」

 

 離れた時の効果で、《タイク・タイソンズ》はマナを増やす。

 更に《天体かんそ君》もまた、マナを増やす。

 これで、残り4マナだ!

 

「あらあら……」

「お返しだ! シールドをブレイク!」

 

 突貫する《かんそ君》。

 だけど──これだけでは終わらない。

 攻撃の終わりにシールドがブレイクされた。

 それはつまり、キリフダッシュが誘発されるということでもある。

 

<ジョーカーズ疾走、キリフ・ダッシュッ!!>

 

「──キリフダッシュ発動──《熊四駆ベアシガラ》! 効果で山札の上から2枚をマナに送って、マナから手札に《バーンメア・ザ・シルバー》を手札に加える!」

「……成程。それが貴方の戦い方、というわけですね。苛烈な赤と緑の色の力……でも。私はそれさえも抱擁して見せましょう!」

 

 言った彼女は──4枚のマナをタップしてみせる。

 

「では、神の一手という大層なものではないですが……参ります!」

 

 何だ。

 地面が揺れ始めた……!?

 

 

「我が神秘、貴方に託しましょう──その鎖は絆と縁。運命を括る鋼の糸。幾たびも掛ければ暴れる拳が岩をも穿つッ!!」

 

 木々を揺らす程の咆哮が響き渡る。

 来る──彼女の切札だ!

 

 

 

「──天地神命、巡り巡って重ね重ねよッ!! 《剛力羅王ゴリオ・ブゴリ》ッ!!」

 

 

 

 幾つもの鎖がその獣の王に絡みつく。

 焼きつくのは王の証。

 こいつがキングマスターカードであることを意味していた。

 

「──かつて。鬼の侵攻に加担し、地の底に落とされた獣の王が居ました。暴れる拳の獣を統べる剛力の王。それがこの子なのです」

「鬼の仲間ってことでありますか!?」

「操られていたのです。桃太郎たちとの戦いに敗れ、この子は酷く傷ついていました。それを見かねた私は、倒れ伏せたこの子を──息子として加えたのです」

 

 おい待てや!!

 

「最後の一文さえなければ良い話だったんだけどなーッ!?」

「ゴブちゃんは怖くないですよ? ちゃんと私のバブバブ遊びにも付き合ってくれたし──」

「怖いのはオマエでありますよ!!」

「やめて差し上げろ!! クリーチャーからも尊厳を取り上げるつもりか!? そいつ一応キングマスターカード!!」

「……人の子よ、聞きなさい」

「ッ……!?」

 

 低く、唸るようにククリが言った。

 まずい。ツッコんでいたら、彼女の逆鱗に触れただろうか?

 

「──人の子も、クリーチャーも──皆同じ。心の奥底では、誰かにおしめを変えてもらいたい……そう願っているのです」

「通らねえよ!!」

『シリアスな顔でとんでもないこと言ったでありますよ!』

「くっ、強情ですね……ゴブちゃん。見せて差し上げなさい! 貴方のアバレチェーンと言うものを!!」

 

 ──来る。

 鎖が《ゴリオ・ブゴリ》の周囲に絡まっていく。

 その拳が──《ベアシガラ》に叩きつけられたッ!!

 

「──アバレチェーン、発動ッ!! 《ゴリオ・ブゴリ》、《シノブ》、《マチョシビロ》!!」

 

 三重の鎖が絡みつく。

 まさか、アバレチェーンって、攻撃時に一挙に全部発動するのか!?

 

「《シノブ》の鎖によりマナを1枚増やし、《マチョシビロ》の鎖により手札に《光牙忍ソニックマル》を加え、そして《ゴリオ・ブゴリ》の鎖は──」

 

 

 

 

「──大地さえも抉る、無敵の拳を生み出すッ!!」

 

 

 

 拳が、《ベアシガラ》を打ち砕いた。

 粉砕され、ガラガラと音を立てて崩れていくクリーチャーを見ながら、俺は蒼褪めた。

 パワー8000のベアシガラをバトルで破壊したのか、あの4コストのクリーチャーは……!

 

「《ゴリオ・ブゴリ》のパワーは5000。しかし、この子自身のアバレチェーンで、攻撃時にパワーは2倍の1万にまで上昇します」

「ッ……クッソ……!! マッハファイターに無敵のパワーが付くってか」

「そして、普通ならアバレチェーンはそのターン中、最初の攻撃でしか発動しません。しかし──」

 

 言ったククリは《マチョシビロ》を《天体かんそ君》に突撃させる。

 《かんそ君》のパワーは3000。このままでは自爆特攻だ。

 しかし、鳥人の腕には次々に鎖が巻き付いていく。

 最初の攻撃でしか発動しないはずのアバレチェーンが、再び発動しているってのか!?

 

「──アバレチェーン・ザ・ネクスト。《ゴリオ・ブゴリ》が居る時、アバレチェーンは2度来る。覚悟はいかがッ!!」

「二度、来る!?」

「じゃあ、1ブースト、1サーチ、パワー2倍がもう1度来るのでありますかァ!?」

「あらあら……守護獣君は物分かりが良いです♪ ご褒美におしゃぶりを上げましょうね~」

「要らないでありますよ!!」

 

 粉砕される《天体かんそ君》。

 一瞬で俺のクリーチャーが2体、片付けられてしまった。

 暴拳王国とアバレチェーン……実はとんでもなく、盤面を取る力が強いのか!?

 

「いかがでしたか? これにてターンエンドです」

「……つ、強いッ……!! だけど!!」

 

 俺だって負けてはいない。

 6枚のマナをタップする──

 

<超GRゾーン、アンロック>

 

「この感覚、久しぶりだぜ!! 頼むぞ──《バーンメア》!」

 

 12枚のGRゾーンが共鳴するように輝いた。

 

「駆け抜けろ《バーンメア・ザ・シルバー》ッ!! GR召喚──《せんすいカンちゃん》、そしてッ!」

 

 バチバチと稲光が超GRの門を開け放つ。

 来る。

 今度は、れっきとした俺の味方として!

 

「轟き叫ぶは王者の咆哮!! ドラゴンの魂がオーバーロード!!」

 

 バトルゾーン。

 そして、マナゾーンのジョーカーズさえも。

 デッキのカードが皇帝の降臨を歓迎する。

 さあ、来い! 満を持して!

 

 

 

「──切札爆発ッ!! 暴れ龍のお通りだ──《Theジョギラゴン・アバレガン》ッ!!」

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