学園デュエル・マスターズ WildCards【完結】   作:タク@DMP

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GR120話:廻神類─不死樹生誕

 ※※※

 

 

 

 

 

「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

 

 

 

 ゲンムエンペラーから溢れ出る無限のエネルギーが、仮初のエリアフォースカードしか持たない黒鳥に力を貸す。

 目の前の巨神──《廻神類シヴァ》の前には5枚の盾が現れた。

 果たして、このデュエルに勝利出来たところで相手を打ち破れるかは未知数であるが──

 

「巌流齋老師に託されたんだ……負けて堪るかッ!! 《戯具(ギーグ)ドゥゲンダ》を召喚し、カードを2枚引いて手札を2枚墓地へ落とす!!」

「ッ……ーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

 シヴァは、自然のマナを一挙に顕現させる。

 そこから唱えられるのは《巨大設計図》。一挙に巨大なクリーチャーを手札に集めていく呪文だ。

 《超七極Gio》、《ブラキオ龍樹》、《オブザ08号》、《ガンヴィー龍樹》が手札へと渡っていく。

 

(あんなカードを使うのは九極くらいなものだと思っていたが……ん?)

 

 黒鳥は、手札に加えられた《超七極Gio》のカードを見逃さなかった。

 恐ろしいことに、《Gio》は通常の物とは違うツインパクトカード。

 そこには《巨大設計図》が刻まれている。

 

(僕の知らないカード……! つまりあのデッキは、九極とは違うギミックで大きなコストのクリーチャーを活用するデッキ!!)

 

「だがいずれにせよ、攻めては緩めん!! 1マナで《戯具(ギーグ)ザンボロン》を召喚。そして、ムゲンクライム発動!!」

 

 手札を一瞥しただけで、黒鳥はデッキのギミックを理解する。 

 マナのカードだけではない。

 場にある2体のクリーチャーを横に倒し、代用マナとして使うのだ。

 それが──無間の罪業を裁く夢幻の断罪の儀式・ムゲンクライム。

 

「ムゲンクライム2──場の2体とマナのカード2枚をタップし、《罪無(クライム)ウォダラ該》を召喚!! その効果でカードを2枚引く。そして、《ザンボロン》の効果も発動!」

『ウッキャキャキャキャーッ!!』

 

 笑う玩具たち。

 ムゲンクライムに誘発され、《ザンボロン》は更に1枚、黒鳥にカードを送る。

 しかし。

 

「ーーーーーーーーーーーーーー……ーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

 シヴァは全く動じることなく、2枚目の《巨大設計図》を発動する。

 先程回収した《Gio》のツインパクトだ。

 そして、当然のように彼の手札は更に4枚、増加していくのだった。

 

「──だが、もう遅い! 既に手筈は整った! 《ザンボロン》と《ウォダラ該》、《ドゥゲンダ》でムゲンクライム3を発動!!」

 

 

 

<夢幻暗無・無間喰夢・無限喰罪>

 

 

 

 

「──無限の罪を喰らい、夢は現へと現れ出でる。《無量大龍ドゥエ・ミリオーニ》!!」

 

 

 

 オオオオオオオオオオオ──

 

 

 

 吸い込まれそうな音と共に、巨龍は姿を現した。

 更に、《ザンボロン》がムゲンクライムに反応したことで黒鳥は1枚のカードを引く。

 

(老師のムゲンクライム……此処までとは……恐ろしいデッキだ)

 

 たった3枚のマナで、パワー11000のドラゴンが降臨する凄まじさに、使っている黒鳥も舌を巻く。

 そして、まだ1枚のマナと1体のクリーチャーが残っている。

 

「ムゲンクライム1。《罪無(クライム)ターボ兆》を召喚。《ザンボロン》でカードを引いて、ターンを終了する」

「ーーーーーーーーーーーーーー……ーーーーーーーーーーーーー」

 

 シヴァのターン。

 しばし、動きを見せなかったシヴァだったが──遂に動き出した。

 

 

 

「……《樹喰の超人(グルメ・ジャイ、アント)》!!」

 

 

 

 まるで、呪文のような声。

 しかし、その意味ははっきりと黒鳥にも理解出来た。

 シヴァの手札が9枚、次々に墓地へと置かれていく。

 そして、たったの1マナでコスト8のジャイアントのクリーチャーが降臨したのだった。

 

(捨てた手札の数だけコストを軽減するのか……しかし、見た所それ以外の効果は無い。自分で手札を7枚も捨てて、何を考えている!?)

 

 

 

 

 

「創造の前に、破壊あり……不死樹(フシギ)爆誕(バース)!!」

 

 

 

 

 次の瞬間だった。

 ずぶずぶ、と地面へと吸い込まれていく《樹喰の超人》。

 そして、大地から──槍を持ったクリーチャーが現れる。

 

「ーーーーーー……来い、《ライマー・ランサー》……!!」

「っ……フシギバース……!?」

「永い、眠りだった──だが、漸く目覚める時……フシギバース……《ライマー・ランサー》、我が儀式の糧になれ!!」

 

 地面へと引きずり込まれていく《ライマー・ランサー》。

 そこから、巨大な樹が生えていく。

 全てを喰らい尽くす、龍の樹が。

 

 

 

 

「破壊の前に……創造あり……《インフェル龍樹》」

 

 

 

 

 現れたのは煉獄の門の名を冠する龍のクリーチャー。

 しかし、その巨体はこれまで黒鳥が目にして来たどのクリーチャーよりも強大だ。 

 ジャイアント・ドラゴン。

 文字通り、巨大な龍の樹である彼らのスケールは他の追随を許さない。

 無論、それが無量大数の名を冠するドラゴンを前にしたとしても。

 

「《インフェル龍樹》で《ドゥエ・ミリオーニ》を攻撃……!!」

「い、いかん!! 《ターボ兆》でブロック!!」

「……する時、我が大地にカードを1枚を置き、1枚を我が墓地へ」

 

 威厳のある声が巨神の身体から響き渡る。

 《ドゥエ・ミリオーニ》への攻撃こそ防げたが、現れたクリーチャーを前に黒鳥は戦慄せざるを得ない。

 

「パワー14000……!! しかも破壊すれば墓地からコスト10以下が出てくるのか……!?」

 

 このパワー差ならば、《ドゥエ・ミリオーニ》の効果を使えば破壊出来ないわけではない。

 《ミリオーニ》には、攻撃する時相手のパワーを-11000する能力があるからだ。

 しかし、シヴァの墓地は既に8枚も溜まっている。安易に破壊すれば状況を悪化させる危険性がある。

 

「ッ……破壊すれば効果が発動する……ならばデッキへ戻す!! ムゲンクライム3!! 《ザンボロン》、《ドゥゲンダ》、《ウォダラ該》よ力を貸せ!!」

 

 

 

 

<夢幻暗無・無間喰夢・無限喰罪>

 

 

 

 

「凍える無間地獄へ閉じ込める!! 這い出づるは《無量大龍 ノヴェ・シエントス》!!」

 

 

 

 

 現れた魚のような無量大龍は、すぐさま氷のオリの中へと《インフェル龍樹》を閉じ込める。

 

「コイツが場に出た時、または攻撃する時!! 相手のクリーチャーを1体選び、持ち主はそのクリーチャーをデッキの上か下へと置く!」

「……ッ!!」

 

 巨龍は、シヴァのデッキの下へと送られていった。

 何とか不発弾は処理する事が出来、黒鳥は安堵する。

 しかし──2度のフシギバースによって、シヴァのマナは既に6マナへと膨れ上がっている。

 

(……あのフシギバースとかいう能力、恐らくマナに送ったクリーチャーのコスト分だけ、指定コストの軽減を行うのだろうが……タネが居なければ大きくロスされる)

 

「やることはただ一つ、短期決戦だ!! クライム2、《那由多 アストロ宙ノ》!! タップされているクリーチャー4体の数だけカードを引き、更にその数だけカードを捨てる!! そして、これで僕のクリーチャーは全てスレイヤーとなっている!!」

 

 相手のマッハファイターへのけん制もしつつ、黒鳥はこれでターンを終える。

 打点は揃っている。

 このままいけば──

 

「……勝負をつけられる? ちっぽけな……人間如きが? 破壊神である……余に……!!」

「ッ……やはり、既に目を覚ましていたのか」

「頭が高いぞ人間ッ!!」

「っ……!!」

 

 ぎろり、と巨神の途方も無く巨大な眼が黒鳥を捕らえたような気がした。

 

 

 

 

「余を誰だと心得る……《廻神類シヴァ》……この大地の運命を終わらせる者ぞ……ッ!!」

 

 

 

 

 次の瞬間。

 現れたのは──墓地のクリーチャーの数だけコストを軽減する《オブザ08号》。

 既にフシギバースの準備は整っている。

 

 

 

 

「創造の前に破壊あり……破壊の前に創造あり……永遠に続く輪廻の輪からは何者でさえも逃れられぬ!!」

 

 

 

 刻まれる黄金の刻印。

 無数の大樹が絡みつき合い、それがシヴァの身体に絡みついていく。

 巨神は今、完全に巨龍へと飲み込まれていった──そして。

 

「我が身体を……糧に、現れ出でろ王者の龍よ!!」

 

 大地が揺れる。

 黒鳥は直感した。

 これが、敵のキングマスターカードであるということを。

 

 

 

 

「──永遠も終わりも、我が手中に。生も死も超越せん──《大樹王ギガンディダノス》!!」

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