学園デュエル・マスターズ WildCards【完結】   作:タク@DMP

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GR125話:晴天神類─天照らす歌姫

 ※※※

 

 

 

 ──アマテラスと、アメノホアカリのデュエルが始まった。

 

 

「初動ッ!! 先ずは3マナで《ボルシャック・栄光・ルピア》を召喚!」

 

 天を舞う火の鳥。

 一挙にアマテラスのマナゾーンにドラゴンが叩き落とされていく。

 落ちたのは《龍世界ドラゴ大王》に、《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》だ。 

 これにより、アマテラスのマナは一挙に5枚へと膨れ上がる。

 次のターンには余裕で6マナ域へと達する勢いだ。

 

「……何かと思えば。芸の無いドラゴンのデッキ。だけど……相手をしてあげよう。アカリは4マナで《極限左神クロス・ジャスティス》を召喚!! その効果で手札に呪文の《ポジトロン・サイン》を手札に!」

「極限……ッ!? あれは、我の知識に無いカード……ッ!!」

「当然、アカリが作り上げたカードだよ。エリアフォースカードの力の残滓でね」

「……猶更放置することなど出来んな。力に溺れる者は力に呑まれる。それが摂理ッ!!」

 

 アマテラスは一挙に4枚のマナを押し倒す。

 水のマナが浮かび上がる。

 

 

 

「──降臨ッ!! 国造りの神話よ、我が手の下で再び再演せん!

祖の礎にして建国の父!! 《蒼狼の大王 イザナギテラス》!!」

 

 

 

 現れたのは建国の祖たるイザナギの名を冠する龍神。

 

「我はその効果で山札の上から5枚を見る! 選択ッ!! 《龍の呼び声》を手札に加えるぞ!!」

「オリジン……!! 原初の神の使徒……!!」

「閉幕ッ!! これにて、ターンエンド!」

「……許せない。そんなのは……ッ!!」

 

 アカリは返す手で5枚のマナをタップする。

 唱えられるのは、《ポジトロン・サイン》。さっき手札に加えた呪文だ。

 そして、そこからS・トリガーを持つ呪文が唱えられようとしていた──

 

「──呪文、《ゴッド・ゲート》ッ!! 効果で山札から《極限右神ダフトパンク・アライブ》をバトルゾーンへ!!」

「……ぬぅ。やはり……造られたと言えど神は神か。おのれで引き寄せたいと考えたカードを全て引き寄せる。しかも、まだ完全ではない力で……ッ!!」

「《アライブ》とリンクできるクリーチャーを……アカリは手札から場に出せるッ!! 《「黒幕」》をコストを支払わずに召喚!!」

 

 現れたのは、全身を包帯で覆った中央神。

 玉座からは無数の蛇が伸びており、チロチロと伺うように舌を伸ばしている。

 

「──更に《ダフトパンク・アライブ》の効果発動ッ!! 墓地からコスト4以下のゴッド・ノヴァである《極限龍神ヘヴィ》をバトルゾーンへ!!」

「……我の知らんカードばかり……アメノホアカリ。神の力を用いるとはいえ、我とその性質は大きく異なるものじゃのう」

「古い神なんて要らない。新しい神の時代が、2019年からはやってくるんだ!! そして、3体で──中央・ゴッドリンク!!」

 

 《「黒幕」》を核として、左右の腕が結びついていく。

 片や、漆黒の悪魔の腕。

 片や、漆黒に煌めく極限の龍の腕。

 その中央に無数の蛇を従える黒き神が座す。

 《ヘヴィ》、《ダフトパンク・アライブ》、そして《「黒幕」》が結びついた──

 

「──来い、三体神──ッ!! 先ずは《「黒幕」》の効果で相手のシールドを全てブレイクッ!!」

 

 蛇の眼が光り、一挙にアマテラスのシールドを薙ぎ払う。

 

 

 

「──朽ち果てろアマテラスッ!! 陽熱の一閃ッ!!」

「……しかし。芸がない」

 

 

 

 全て砕かれたシールドを前にしても、アマテラスは動じない。

 そのうちの1枚が光り輝く──

 

「詠唱ッ!! S・トリガー、《アイド・ワイズ・シャッター》ッ!!」

「なぁっ!?」

「効果で2体の神をタップし、起き上がれなくする」

 

 それにより、三体神と《クロス・ジャスティス》は身動きが取れなくなる。

 このターン、彼女が攻撃することは出来なくなってしまった。

 

「……幾ら不死身の神と言えど、動けなくすれば怖くはない」

「ッ……!! そっちだって、追い詰められてるくせに……!! 《「黒幕」》の召喚時効果で、そっちは手札を全て捨てて貰う!!」

「……痛くも痒くもないな」

「なぁっ!?」

「結論ッ!! 先も言ったはず。神はおのれの手で最も引き寄せたいと考えたカードを引き寄せる、と!」

  

 動じる様子もなく、アマテラスはカードを引く。

 そして。

 それを見るなり、すぐさまマナを全てタップした。

 大王に続き、現れるのは──巨大なる母の龍。

 原初の大地を造った妃が姿を表そうとしていた。

 

「──祖の礎にして建国の母。来たれ、《蒼狼の王妃 イザナミテラス》!!」

「そんなカード1枚で──ッ!!」

「断言ッ!! ……1枚ではない。この手番で、貴様を倒す。《イザナミテラス》の効果で、山札をマナゾーンへ送る。そして、マナゾーンから《イザナミテラス》を進化元とするクリーチャーを呼び出すッ!!」

「なぁっ!?」

 

 《イザナミテラス》の身体が光り輝く。

 

「かつて宇宙より参り、そしてこの星の民に救われたッ!! 太陽の神と崇められながら、何一つ恩を返すことも出来ず、最大の災厄を呼びよせたッ!!」

「……ッ!!」

「人の罪も。そして我の罪も。汝の罪も。全て……贖う時ッ!! この時を以て、我が真の名を汝に告げようッ!!」

 

 アマテラスの姿が変わっていく。

 自らのクリーチャーとしての真の姿を目覚めさせたのだ。

 神歌の歌姫が、アメノホアカリの前に姿を現す。

 

 

 

 

「我こそは、天照らす光であるぞ!! 

照覧ッ!! 絢爛ッ!! 神歌繚乱ッ!! 《神歌の歌姫アマテラス・キリコ》!!」

 

 

 

 アマテラスは──否、アマテラス・キリコは、堂々と言い放ち、自らの真の姿を晒したのだった。

 

「それが、真の姿……!? なんて、圧倒的な……ッ!!」

 

 ──分かりたくないけど、今なら分かる。人間が、何故アカリにあれだけの力を詰め込んだのか……ッ!! アマテラス神は……これほどまでに強大なクリーチャーだったなんて……ッ!!

 

 リンクしたゴッドさえも凌ぐ神の光。

 それを前にしてアカリはたじろぐ。

 所詮、3割の力しか持たない彼女に、《アマテラス・キリコ》の放つ光はあまりにも眩しすぎる。

 

「だけど……だけどッ!! 肝心な時に居なかったくせにッ!! 今更出てきて、アカリの罪を濯ぐ!? 冗談じゃないッ!! 今更……オリジナルのような面をしないでッ!!」

「人に仇名す神は、我がこの手で断罪する。粛清ッ!! ……遺言は簡潔にな」

「ッ……誰様目線でェェェーッ!! そのクリーチャーは、リンクした《ヘヴィ》に攻撃しなきゃいけないのにッ!!」

「──《アマテラス・キリコ》で三体神に攻撃ッ!!」

 

 神姫の剣が宙を舞う。

 それが次元を切り裂いていき、そこから溢れんばかりの命を呼びよせる。

 それはまさに太陽。

 輝きに、無数の生命を呼びよせる力。

 その神楽舞に、獣たちは力を貸さんと現れる──

 

 

 

「《アマテラス・キリコ》の攻撃時の効果発動。神歌繚乱・神世太陽!!」

 

 

 

 ──突如。

 5体のクリーチャーがアマテラスの場に現れた。

 

 

 

 《龍世界ドラゴ大王》。

 

 

 《古代遺跡モアイランド》。

 

 

 《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》。

 

 

 《伝説の禁断 ドキンダムX GS》。

 

 

 《超絶奇跡 鬼羅丸》。

 

 

 

 龍の始祖である《ドラゴ大王》の前ではドラゴン以外の存在は許されない。

 そして、《モアイランド》によって呪文とフィールドは完全に封じられる。

 加えて《VAN・ベートーベン》によってコマンドとドラゴンの召喚は封じられる。

 《ドキンダムX GS》によって、相手のクリーチャーの効果は全て無視される。

 そして──《鬼羅丸》によって、全てのクリーチャーはスピードアタッカーとなっている。

 

 絶対無敵。

 

 

 

 文字通りの神の布陣が完成した。

 

 

 

 

「……は? なに、これ……?」

 

 

 

 アカリの顔が蒼褪めるのも無理は無かった。

 最早、彼女は何もすることができない。

 このターンで、終わる。

 三体神の効果はこの瞬間、消え失せる──

 

「……これしか、無かった。我が権能全てを集め、無敵の布陣を作り上げることでしか……貴様を滅ぼすことは出来なかった」

「ふ、ふざけるなッ、ふざ、け、るなァァァァーッ!!」

「《アマテラス・キリコ》では三体神に打ち克つことは出来ない。しかし、もう《ヘヴィ》の効果は無効化されているぞ?」

 

 突撃し、焼き尽くされていく《アマテラス・キリコ》。しかし、その顔に絶望は無い。

 神に向かって無数の槍が降り注ぎ、その動きを完全に封じていく。

 もう、攻撃を誘導することは出来ない。

 残る巨大獣たちが、アカリを跡形もなく焼き尽くさんと飛び掛かる──

 

 

 

「断罪の時だ。……我と、汝のな」

「──アマテラァァァァァァァァァァス!!」

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