学園デュエル・マスターズ WildCards【完結】   作:タク@DMP

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GR129話:灯神類─聖魔連結王

 ※※※

 

 

 

「オ、アァァァァ……? アァァァァー?」

 

 

 

 

 おぼつかない虚ろな唸り声を上げる、謎の合体超獣。

 《アルカディアス》や《バロム》との合体は今まであったが、《アルファディオス》と《ドルバロム》の合体は初めて見るかもしれない。

 とにかく何をしてくるか分からない。相手は完全な未知のクリーチャーだ……!

 

「来タレ、我ガ王来の使徒……《天災(ディザスター)デドダム》……!!」

「ッ……《デドダム》!? 《デッドダムド》のデッキか!?」

『しかしマスター、あのカード……墓地と手札とマナをいっぺんに増やす以上、どのようなデッキに入っていてもおかしくないでありますよ!』

「俺の知ってるデュエル・マスターズにはまだ無いカードなんだよぉ!! どいつもこいつも未来からカード持ってきやがって!!」

 

 叫んでいても仕方がない。

 こっちだって仕掛けにいく。

 いきたいところなんだが……手札が全く見覚えのないカードしかない。

 

「チョートッQ、このデッキは……?」

『恐らく、皇帝(エンペラー)が用意したものでありましょう』

「ドラゴンのデッキはあんまし使ったことないんだが……!?」

『元のデッキ、恐らくアカリ殿にパクられたでありましょう?』

 

 そう言えばどこにも見当たらない。

 ……無いよりマシか!

 

「いいぜ……使いこなせなきゃ奴隷、使いこなせたなら……俺がコイツのマスターだ!! 《ボルシャック・栄光・ルピア》でマナを一気に増やす!」

 

 マナに置いたカードがドラゴンならば、さらにマナブーストをお代わりできる《栄光・ルピア》。

 恐らく《メンデルスゾーン》の生き物版のカードなのだろう。……サラッと言ったけど、こいつ自身もドラゴンだし弱いところ一切無いな。

 これで俺のマナは次のターンで6枚になる。しかも場にはドラゴンが残ってるし。

 完全にマナブーストでは圧倒したぞ──

 

「……呪文、《ドラゴンズ・サイン》」

「げ……!」

『アレはコスト7以下の光のドラゴンを呼び出す呪文でありますよ!』

 

 ──先攻とられたからか、相手の方が先に動いて来た……!

 

「ウ、オ? ァア……?」

 

 突如、場に現れる2体のクリーチャー。

 《龍素記号Srスペルサイクリカ》と──《血風聖霊ザーディア》!?

 でもあいつらは《ドラゴンズ・サイン》で出せるクリーチャーではないはず。

 そう思っていた矢先だった。

 

「キャッハハハ! 見てなよ人間。あれが私のご主人様をもビビらせたヤバい奴ら。あの灯の神が作り出した新世界の生き物」

「……!?」

 

 突如現れた、あのボンテージの少女。

 こいつ空間に入って来れたのか!?

 

「あんなの……悍ましすぎて鳥肌立っちゃうよねーっ! ……あたしは絶対ヤだよ、ああなるの」

 

 

<《スペルサイクリカ》!! 《ザーディア》!! Go to Dispect!!>

 

 

 

 2体の身体がモザイク状に砕け散り、そして混ぜ合わされていく。

 紫電が迸り、2つの命が1つとなっていく。

 そこに意思も尊厳も何も無い。

 歪な合体が執り行われようとしていた──

 

「な、なんだ……何が起こってんだ……!?」

 

 

 

 

「……来イ、《龍風混成 ザーディクリカ》」

 

 

 

 

We are Dispecter

 

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 突如現れた合体獣を前に、俺は立ち尽くす。

 赤い血潮の天使の身体に、水晶の龍が混ぜ合わされたそれを前にして俺は嫌な汗すら伝っていた。

 只の合体クリーチャーではない。

 そこには──とても邪悪な意思さえ感じる。

 

『《スペルサイクリカ》と《ザーディア》が、合体したであります……!?』

「……あれは()()()()()()()。アメノホアカリが龍魂珠(アントマ・タン・ゲンド)の力で混ぜ合わせた合体獣だよ♡」

「アカリが……造ったのか……!? あんな、ゲテモノを……!?」

『ゴッドなどとは違う……肉体から、クリーチャーの悲鳴さえ聞こえるでありますよ!! しかも、あのクリーチャー達の身体を何処から調達したのでありますか!?』

「さぁ、どこからだろーねぇ?」

「……おいお前、何か知ってんのか!?」

「それは、これに勝ってからだと思うよ? コレに勝てないザコザコに……今の地上がどうなってるか受け止められるとは思わないし?」

「──ッ!!」

 

 嫌な予感がする。

 地上にはこんなバケモノが沸いているのか!?

 世界は……皆は大丈夫なのか!?

 早く、斃さなきゃ……!

 

「あぁ、ア……? アァ……《ザーディクリカ》……EXライフ……!!」

 

 その時、《ザーディクリカ》の身体から光が飛び出し、シールドと化す。 

 

「……出たぁ。ディスペクターの第2の命」

「シールドが増えた!?」

「《ザーディクリカ》……!! 《ドラゴンズ・サイン》ヲ、モウ1度詠唱……ッ!!」

 

 更に墓地の《ドラゴンズ・サイン》が唱えられる。

 手札から現れたのは──2体目の《ザーディクリカ》……!

 

「呪文、《フェアリー・ミラクル》……!!」

「今度はマナを増やして来た……!!」

『当然のようにマナには5色が揃っているでありますよ!!』

 

 まずい。シールドが合計7枚に増えた上に、場には2体のWブレイカー。

 しかもこいつらはブロッカー化してるのか……!!

 

「……ア……ァ、ターン終了時……呪文ヲ唱エテイルノデ、《ザーディクリカ》ノ効果発動!! 相手クリーチャーヲ、破壊!! ソシテ、我ラハ2枚ドロー!!」

 

 突如雷撃が落とされ、《栄光・ルピア》が焼き鳥にされてしまった。

 呪文を唱えていれば、相手のクリーチャーを破壊する効果があるのか……!

 シールドを増やして呪文を墓地から唱えて、しかも盤面制圧に加えてドローって……1体で何体分のクリーチャーの役割こなしてんだコイツ!?

 

「しょ、正直、こいつで解決できるかどうかわからねえんだけど……!! やるしかねえ、か!!」

 

 ディスペクター。

 確かに恐るべき敵だ。

 だけど──こっちだって負けてられないんだ!

 俺たちには……皇帝(エンペラー)の守護獣がついているんだからな!

 

「5マナをタップ!!」

『マスター……!』

「もう1回、力を貸してくれ……もう1つの皇帝(エンペラー)!!」

 

 

 

 そして──頼むぞ《モモキング》!!

 

 

 

「これが俺の切札(ワイルドカード)!! 《王来英雄(オーライヒーロー)モモキングRX(レックス)》!!」

 

 

 

 浮かび上がるはⅣ。皇帝の数字。

 それを切り裂き、現れたのは──新たなる姿となった桃太郎、改め《モモキングRX》だった。

 

「ッ……ア、ァ?」

「ふぅん。少しはやるみたいだねぇ♡」

「《RX(レックス)》の効果発動!! 手札を捨てて2枚ドローし──こいつに進化できるクリーチャーを重ねる!!」

 

 このデッキには幸い、こいつから進化できるクリーチャーが入っている。

 7コスト以下、そして火文明から進化できて、尚且つ──この状況を打破できるカードが!

 

 

 

「進化……《ボルシャック・ドギラゴン》!!」

 

 

 

 轟!! と口から炎を噴き出す、両手に巨大な装甲を携えた革命の龍。

 ボルシャックの名を冠すそれが現れるなり、《ザーディクリカ》目掛けて飛び掛かる──

 

「──《ボルシャック・ドギラゴン》の登場時効果を使う! 《ザーディクリカ》とバトルして破壊だ!」

「ッ……ァァ?」

 

 巨大な拳が合成獣を砕く。

 こっちはパワー12000。相手は6000。差は歴然だ。

 しかも《ボルシャック・ドギラゴン》の強制バトルは攻撃時にも発動する。

 これでもう1体の《ザーディクリカ》も──

 

「キァァアアアアアア!!」

 

 ──あれ?

 

 

 健在だ。

 砕いたと思っていた1体目の《ザーディクリカ》は、無傷。ピンピンしている。

 

「キャッハハ! EXライフは、ディスペクターが場を離れる代わりに、増やしたシールドを身代わりにするんだよ? そんな事も知らないのぉ?」

「えっ……て知るかそんな事ーッ!!」

『そういう大事なことは先に言うでありまーす!!』

「まあ、良いんじゃなーい? 相手のシールドは1枚、墓地に送れたしー?」

「……!」

 

 あっ、本当だ。増えたシールドは墓地に送られている。

 増えたEXライフシールドは墓地に送られるってことは、安全に2枚、焼却出来るってことじゃねえか!

 こいつ、ただのウザいガキかと思ってたけど、意外と言ってることは的を射てる……のか?

 

「よし!! そうと決まれば《ボルシャック・ドギラゴン》で攻撃──する時、強制バトル発動!! もう1体の《ザーディクリカ》を、破壊!!」

「EXライフ……」

「は、墓地送りだぜーっ!!」

 

 そのまま鉄拳がシールドを3枚、叩き割る。

 これで、あいつのシールドは残り2枚!

 

「そんでもって、これで終わるつもりはねえよ!!」

『《RX》から進化したクリーチャーは、バトルに勝ったらアンタップするのであります!』

「だから、このまま《ザーディクリカ》をタコ殴りにしながら連続攻撃だーッ!!」

 

 《ボルシャック・ドギラゴン》が1体目の《ザーディクリカ》を完全に粉砕する。

 そして──大きな爪が、シールドを薙ぎ払った。

 

 

 

「残りのシールドもブレイクだ!!」

 

 

 

 

「……G・ストライク、発動」

 

 

 

 

 

 その時。

 《ボルシャック・ドギラゴン》の身体が──完全に硬直した。

 アンタップしたはずなのに、動き出す気配がない。

 

「……な、なにが起こったんだ……!?」

「《とこしえの超人(プライマル・ジャイアント)》のG・ストライクかー。人間ちゃん、運が悪かったねー♡」

『G・ストライク……確か、魔導司が極秘に開発しているという噂を聞いた事があるであります……! シールドをブレイクした際、見せるだけで相手を止められる能力だ、と!』

「だからそういうのは先に言え!!」

『分かってても防ぎようがないでありましょう!?』

「アァ、ア……?」

 

 マズい。

 《ザーディクリカ》1体は完全に倒し、シールドは全て割ったものの──此処からは完全に敵のターンだ!

 手札もマナも、十全に増えすぎている……!

 

「アァ、ア……?」

 

正義(ジャスティス)──《アルファディオス》!! 悪魔(デビル)──《ドルバロム》!! Go to Dispect!!>

 

 

 

 

 その時。

 空に浮かび上がったのは──Ⅺ。そしてⅩⅤ。

 どっちも大アルカナの数字だ。

 

 

『ま、待つでありますよ……! こいつから、いきなり反応が……!?』

「なんだ……こいつ、エリアフォースカードの力を同時に取り込んでるのか……!? しかも正義(ジャスティス)ってブランの──」

 

 

 

<Your Scream”King”>

 

 

 

 

「──我ガ名ハ? 我ラノ、名ハ……《聖魔連結王 ドルファディロム》」

 

 

 

 

We are Dispecter

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