学園デュエル・マスターズ WildCards【完結】 作:タク@DMP
──皇帝と、混成王・電融王のデュエル。
序盤は互いにマナブーストをしながら手札を増やしていく展開が続く。
片や《オラオラ・ジョーカーズ》を。片や《フェアリー・ミラクル》で一挙にマナを増やしていく。
「《ガヨウ神》召喚! フッ、皇帝の戦には……補給が肝心!!」
「……戦だと? 違う。これは一方的な蹂躙……この俺が戦線に立った時点で、既に戦いは終わっているも同然だ」
「あたしはあたしはー?」
「貴様はハンデだ」
「ひっどーい!! 混成王なんかキライだーっ!!」
「俺は《天災デドダム》を召喚し、カードを1枚手札に加え、1枚をマナに。1枚を墓地に」
「ひっどいひっどーい!! あたしの切札がーッ!?」
墓地に落ちたカードは──《勝災電融王》。
電融王が恐らく切り札とするカードだろう。
それを墓地に落としたという事は、恐らく吊り上げる手段があるのだろう、と皇帝は考える。
『あ、あのー、マスター? で良いでありますか?』
「何だ奴隷ッ!!」
『ひどい!!』
「フッ、貴様の主の心配をしているのか? ならば言おう!! 不要だ!! 余が戦っているからな」
『そういうことではなく!』
「それに──あの男が、戦う事を完全にやめることなどしないのは分かっているはずだ! 余はヤツで、ヤツは余だからなッ!!」
『……マスター……!』
「ヤツが再び立つ間くらいは、余が戦っても良いだろう?」
『助太刀、感謝するであります! こんな日が来るとは……!』
「だが余は、ヤツとは違って情けも容赦も血も涙もない! 圧政こそ正義ッ!! 我が前に立ち塞がるならば、例えそれが誰のガワを被っていようが銃殺刑よ!!」
チョートッQは縮み上がった。
口答えしたら自分が処刑されそうな勢いだ。
しかし、1つだけ言える事がある。折れたとしても──耀は、やはり完全に壊れてはいなかったのだ、と。
それが皇帝の権限によって間接的に証明されている。
皇帝が戦えるならば、耀もまた──絶望と戦っているのだ。
「余に任せよ。余は皇帝!! 武を以て、覇を成し遂げる男であるぞ!!」
「根拠のない自信……何処から湧いて出てくるのか知らんが、真の豪傑とは戦う前から勝敗を決しているものだ」
「それは詭弁である!! 何故ならば、本当に戦って見なければ真の勝敗など分からん! 強者が勝つのではない、勝者が強者なのだ!」
「ねー混成王! コイツ言ってることが小難しくて分かんないんだけど!」
「強者は余計なおしゃべりをしないという意味だ、電融王」
「オッケー、しばらくだまっとく!! ありがと混成王!!」
(扱いがこなれてるでありますなぁ……)
敵ながら、混成王に若干の同情を禁じ得ないチョートッQであった。
しかも、その姿は火廣金と花梨そのもの。
その姿を前にして、複雑な感情を隠せない。
『ディスペクターの王は、連結王だけではなかった……! マスターの前に現れた縫合王に続いて、混成王と電融王まで……アレはモロに火廣金殿と花梨殿であります!』
「フッ、心配など要らん」
『皇帝殿……!?』
「あんなもの、所詮はまがい物である!! 皇帝の名の下に成敗してくれるわ!!」
『ちょっとは躊躇いとか見せてくれないでありますかーっ!?』
耀とは何処までも真逆だ。
皇帝からすれば、彼らは仲間として過ごした記憶が無いのでやりやすいのかもしれない。
「それに、助けられないならば介錯するのが友としての礼儀というもの! その肉体を勝手に使う許可は出していないからな」
『……ッ!』
「ヤツがやれないならば、余が汚れ役を引き受けるッ! あの甘ちゃんには、何処までも世話を焼かされる!」
皇帝は6枚のマナをタップすると──火のマナを引き寄せた。
「──火の馬の悪夢は忘れた頃にやってくる」
<超GRゾーン、アンロック>
「来い、我が灼熱の駿馬……《バーンメア・ザ・シルバー》!!」
次元さえも突き破り、《バーンメア》は戦場へと駆け出した。
その効果により、《せんすいカンちゃん》と《ダンダルダBB》がすぐさま飛び出してくる。
『我、いきなり出番であります!?』
「せいぜい働け奴隷ッ!! 馬車馬のようにこき使ってくれるわ!!」
『お手本のようなブラック上司でありまーす!!』
「《せんすいカンちゃん》で攻撃する時、Jトルネードによって《バーンメア》を手札に戻し、その効果をコピーする! 2回GR召喚、そしてスピードアタッカーを付与する!」
追加で飛び出したのは《ジェイ-SHOCKER》に加えて《ゴッド・ガヨンダム》。
《ガヨンダム》の効果で墓地にカードを落とし、更に皇帝は2枚ドローする。
「ッ……S・トリガー……《獅子王の遺跡》! 効果でマナを3枚増やす!」
「では行くぞ奴隷!! 《ダンダルダBB》で攻撃する時、J・トルネード発動! 《ガヨウ神》を手札に戻し、そのコスト以下の呪文《灰になるほどヒート》を墓地から唱えるッ!!」
「──ッ!? 先程墓地に落としたカードか!?」
「ご名答! 奴隷から家畜に格上げしてくれようぞ」
『あっるぇーっ!? もしかしてマスターの中で、奴隷<家畜でありますかーっ!?』
「ハハハハハハハハ!! 細かいことを気にしているとハゲるぞ奴隷!!」
『ハゲる毛髪も無いでありますよ!!』
《ダンダルダBB》の剣に呪文の力がフル装填されていく。
そして、それを一気に解き放った──
『うおおおおお、ビッグバン・ヒートでありまぁぁぁす!! 《デドダム》をバトルで破壊でありますよ!!』
「もう1度来い、《バーンメア・ザ・シルバー》! 効果で《Theジョギラゴン・アバレガン》と2体目の《ダンダルダBB》をGR召喚だ!!」
「ッ……させるかァ!! S・トリガー……《
灼熱、閃光、そして激流が纏めてジョーカーズ達に襲い掛かる。
「……おっと、足止めか! 面白い」
「そして最もパワーの低い《ジェイ-SHOCKER》を破壊! 残りのクリーチャーは全てタップして止める! っく、くそ! なんて物量だ!」
大量盤面による押し潰しをすんでのところで防ぐ混成王。
「……オイ電融王。出番をくれてやる」
「マジでーっ!? こいつらブッ殺してイイんだ! じゃあ、いっくよーっ!! 呪文、《
「むっ」
「この効果で墓地からクリーチャーをドンと出すからね!! いっけぇぇぇ、あたしの切札ーッ!!」
その効果により、墓地から吊り上げられるのは──卓越した天才の身体と、武を極めた達人の頭脳を電融した奇怪なディスペクターだった。
<
<Your Scream King>
<We are Dispecter>
「──暴れ狂え──ヴォーパルレイジ……ウォークライ……バーサーク・オーンッ!!
《勝災電融王 ギュカウツ・マグル》ッ!!」
文武の極致の逆。
その両者の特徴を最大限に殺し、そして軽蔑したディスペクターが顕現した。
その身体から電磁波が迸り──更なる仲間を引き寄せていく。
「EXライフ──バチバチバチっと電融完了ッ!! 電融王の力……見てみればいいんじゃなーい!」
<
<Your Scream King>
<We are Dispecter>
『増えたでありまぁす!?』
「2体目ェ!!」
<
<Your Scream King>
<We are Dispecter>
「一気に3体の……《ギュカウツ・マグル》降臨!! EXライフ──バチバチバチっと電融完了ッ!!」
「ふん、流石の展開力だ電融王」
「でしょーっ、褒めて褒めて、混成王っ! これが電融王の荒業!! 後は全員でタコ殴りでブッ殺ッ!!」
「……ふむ」
立ち塞がる3体の電融王。
それを前に腕を組む皇帝。
そして、その3体目の効果が発動する。
「チッ、無駄にEXライフでカードを埋めおってからに……唱える呪文が無くなったらどうするつもりだ電融王!!」
「えー? 盾が増えて無敵って感じじゃなーい? 追加で、《斬龍電融 オロチリュウセイ》を召喚!!」
<リュウセイ・カイザー!! オロチ!! GotoDispect!!>
<We are Dispecter>
「《オロチリュウセイ》の効果発動! 全員スピードアタッカーだよ!! このまま殴って勝つ!!」
《オロチリュウセイ》から放たれた電磁波が《ギュカウツ・マグル》達に繋がれていく。
既に臨戦態勢に入っていた。
だが、それを──混成王が制止した。
「……待て。それならば、残るクリーチャーを全て焼き尽くす!!」
「ええ!?」
「……貴様が下手に動いた所為で《SMAPON》を引かれたのでは堪ったモノではない。反撃されれば、あの残った軍勢に押し潰されて死だ」
「なーんでー!? 殴ったら勝てるのに!」
「貴様の所為で俺の完璧な戦術が台無しにされては敵わんからな」
混成王はアカリから聞いていたのである。
ピンチの白銀耀には気を付けろ。必ずと言って良いほど、追い詰められた彼のシールドには《SMAPON》や《スゴ腕プロジューサー》が眠っている、と。
よしんば後者だったとしても《全能ゼンノー》で全てが終わる。
「《オロチリュウセイ》で《バーンメア》を! 残る《ギュカウツ・マグル》で《ダンダルダ》2体、《ガヨンダム》を破壊してターンエンドだ!」
これで皇帝の場に残っているのは──《せんすいカンちゃん》のみ。
対してこちらにはEXライフが残っている《オロチリュウセイ》に、4体の《ギュカウツ・マグル》が並んでいる。
「……ふぅむ、どうやらシールド頼みの戦術とナメられているようだな、もう1人の余は」
『マスターのギリギリの勝負根性は本物でありますからな……』
「気に食わん。余の奴隷を侮辱して良いのは余だけだ」
『でも、あの電融のディスペクターとやら、凄まじいパワーであります……バトルでは倒せないであります!』
「俺が何の為に手札を溜め込んでいたのか……今こそ分からせてくれる」
『え?』
「何をしようが無駄!! このパワーには誰も勝てないでしょ!!」
「面白い奴だ!! 殺すのは最初にしてやろう!!」
言った皇帝は──3枚のマナをタップする。
「呪文、《
「……なッ!?」
次の瞬間、混成王の山札から3枚が捲れる。
その中には──《蒼龍の大地》、コスト8のカードが混じっていた。
「バカな!?」
「EXライフ4枚……全て吹き飛ばす!!」
一挙に4枚のシールドが墓地へと置かれた。
だが、これで手を緩める皇帝ではない。
「弾は幾らでもあるぞ!! 呪文、もう1度《
「はーっ!?」
「くっくく、後悔するんだな。考えなしに軍勢を並べた事を!」
「そうそう当たるはずが……なっ!? 《残虐覇王デスカール》……ツインパクトか!?」
「というわけで……ご退場願おうッ!!」
一瞬で、電融の軍勢は消し飛ぶ。
戦況は──イーブンとなった。
最も、皇帝の場には《せんすいカンちゃん》が未だに健在なのであるが。
「あ、ああ、あたしのカード達がーッ!?」
「おっ、おのれ……!! 俺は《お清めシャラップ》を唱え、墓地のカードを選んでシャッフルする。そして、《龍風混成ザーディクリカ》を召喚!」
「ほう? まだ抗うか。そのカード……呪文を墓地から唱えるクリーチャーだったかな?」
「効果で墓地の呪文、《禁時王秘伝エンドオブランド》を唱え、貴様の《せんすいカンちゃん》を破壊し、次のターンコスト5以下の呪文を唱えられなくする!」
「そんなハンデで良いのか?」
言った皇帝は──《ザーディクリカ》目掛けて次の手を繰り出す。
「《ソーナンデス》召喚! そしてJチェンジ──《ドンジャングルS7》!! その効果で《グレープ・ダール》を場に出し、マナのカードを増やす」
「ぐっ……! まだ増えるか! 虫けらのように!」
「混成王のカード、パワーが弱いから負けちゃうんだよー」
「やかましい!」
「更に《ドンジャングル》の効果で貴様は《ドンジャングル》に攻撃を誘導される。さて、最後にその《ザーディクリカ》に消えて貰おう! 《グレープ・ダール》チェンジ──《ソーナンデス》!」
「っ!?」
《ザーディクリカ》も完全に粉砕される。
「……だが、これで良い……貴様を倒す手筈は整った……! 俺の切札は……手札が重要なのでな……そこの横に居るバカとは違うのだ、バカとは!」
「んなっ!? 失礼な!」
「此処からは……禁断の時間だ!!」
混成王の目の前にある9枚のマナがタップされていく。
<
「言ったはずだ。既にアカリ様によって運命は決められている」
<
「俺が下すのは審判。貴様等逆賊を裁く審判だッ!!」
<──GotoDispect!!>
<Your Scream King>
「……これが貴様の限界だ。跪いて許しを請うが良い」
<We are Dispecter>
「──既に戦いは終わっている。禁じられた奇跡を呼び起こせ、
《禁時混成王ドキンダンテ