学園デュエル・マスターズ WildCards【完結】   作:タク@DMP

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GR138話:混成王/電融王(3)

「──《禁時混成王ドキンダンテⅩⅩⅡ》ッ!!」

 

 

 

 

 時計盤から顕現したのは──禁断の存在。

 しかし、その手足はモザイクによって繋ぎ合わされている。

 そして異様なのは、ミラダンテと思しき墓標の如き時計塔であった。

 そこからは天使の羽根、そして馬の如き脚が生えている。

 そして、もう1つの命がそのシールドへと埋め込まれていく。

 

「EXライフ──混成完了。……君達の敗北は決定事項だ」

『これが、禁時混成王でありますか……あれは、ミラダンテなのでありますか!?』

「ほう、面白い!! 馬には馬というわけか!!」

「効果発動──ミラクル・フォービドゥン」

 

 次の瞬間、空から無数の槍が降り注ぎ、《ソーナンデス》と《ドンジャングル》を刺し貫いた。

 

「効果により、貴様のクリーチャーは全ての効果を失った! 封印されたも同然というわけだ! 更に《ドキンダンテⅩⅩⅡ》のパワーは99999……ディスペクターの王では最高を誇る」

「禁断由来の、超パワーか……面白い」

「面白い? そう言っていられるのも今のうちだ! 超えられるものならば超えてみろ」

 

 しかし、未知のクリーチャーを前にして皇帝は少なからず警戒を怠らなかった。

 あのクリーチャーから、本能的に嫌なものを感じたのである。

 

 

 

「ならば、お望み通り超えてみせよう! 呪文、《灰になるほどヒート》! 効果で《イッスン・スモール・ワールド》を場に出し、《ドキンダンテⅩⅩⅡ》とバトルさせる! 最も、パワーは必ずこちらが上回るがな!!」

 

 

 

 ──パワー、脅威の109999。

 僅かでも上回れば、バトルで勝ちとなるこのゲームに於いて、《イッスン・スモール・ワールド》は最強の巨大クリーチャーキラーとなる。

 

「ッ……バカな超えられた!? どうなっているのだ!? EXライフで生き残る!」

「あっはははは! 混成王、パワーで超えられてやんの」

「うぐう……!」

 

 《イッスン・スモール・ワールド》は、相手の最もパワーの高いクリーチャーよりもパワーが1000高くなるクリーチャー。

 しかもマッハファイターも持つため、このまま攻撃すれば《ドキンダンテ》を解体することが可能──

 

「でも。混成王の切札は文字通りサイキョーだもん。パワーだけじゃない。能力だってサイキョーだから」

「ふん……その通りだ。EXライフを剥がしたことは褒めてやるが……そこが貴様の限界だ!」

 

 その時。

 時計盤が動き──滅亡の刻が刻まれた。

 

 

 

「発動、禁じられた奇跡!! 呪文──《ドルマゲドン・ビッグバン》!!」

 

 

 

 次の瞬間、皇帝の場にあったクリーチャー達は次々に封印されていく。

 今度は能力の消失ではない。文字通りの封印だ。

 

「ジョーカーズにコマンドはそうそう居ない……この封印は解けんだろう!」

『こちらの呪文の詠唱に反応して呪文を唱えたであります!?』

「呪文だけではない。この効果はクリーチャーの召喚にも反応する」

『んなぁ!? それ手の打ちようがないでありますよ! ズルであります!』

「そーだよ? ズルなら、混成王は最強。パワーも、能力も、あたし達の中で一番強い! それが《ドキンダンテ》と混成王だ!」

「ッ……やるではないか! 褒めて遣わす!」

「それだけではない。貴様が墓地に置いてくれたEXライフが、貴様の首を絞める! 墓地から火または闇のコマンド──2体目の《ドキンダンテ》を場に出す」

 

 競りあがる滅亡の時計盤。

 そこから2体目の《ドキンダンテ》が姿を現した。

 

「……もう何もかもがお終いだ。俺は、貴様が力尽きるまで貴様の行動にカウンターしていればいい。楽な仕事だ。そうしてる間に俺の場にクリーチャーは並ぶ。逆に貴様は何も出来ない」

「ほう! 随分な自信だな! なかなか威勢は良いではないか、家畜の王!」

「誰が家畜だッ! 俺はディスペクターの王でも最強の男・混成王だッ! 8マナで《沸天混成 ジョバンセン・ガロウズ》を召喚!!」

 

<ジョバンニ!! ガロウズ!! GotoDispect!!>

 

<We are Dispecter>

 

 

 

「その効果で、墓地から呪文を全て手札に加える。もう1度《ドルマゲドン・ビッグバン》が使えるぞ!!」

 

 

 

 そして、と混成王は叫ぶ。

 

「もう、貴様の反撃など怖くはない!! 《ドキンダンテ》で攻撃する時──アタック・チャンス《禁時王秘伝エンドオブランド》!!」

「また呪文を封じてきたか……!」

「そして、このままT・ブレイクだ!!」

 

 雷光が降り注ぎ、皇帝のシールドを叩き割る。

 

 その破片が飛び散り、彼の身体を切り裂いた──

 

 

「ッ……余の身体に傷をつけるとは……天晴!!」

「……ターン、エンドだ!!」

 

 

 2体の《ドキンダンテ》によって呪文による反撃が常に行われる状況。 

 更に、混成王の手札は潤沢だ。

 

「……あくまでも。反応するのが召喚ならば、勝機はある!」

「無い。貴様に奇跡は起こらない。俺の奇跡が、全てを終わらせる」

「ならば貴様の言う奇跡を打ち消してみせよう!!」

 

 ──故に。

 その数少ないチャンスを的確に潰す。

 それだけが彼の勝機だった。

 8枚のマナを捻り出し──皇帝は自らの切札を突きつける。

 

「余は、皇帝である! 余の前では奇跡もただの偶然でしかない! そして、偶然は二度も三度も続きはしない!」

 

 風が──吹いた。

 

 

 

「これが(オレ)必中の切札(シューティング・ワイルド)、狩りの時間だ《オラマッハ・ザ・ジョニー》!!」

 

 

 

 

 狩人の姿となったジョニーが戦場へ姿を現す。

 狙うは──3体のディスペクター達だ。

 

「先ず、その登場時効果でマナゾーンから手札にカードを加える! 加えるのは《キング・ザ・スロットン7》だ!」

「馬鹿め血迷ったか!! 禁じられた奇跡を受けてみろ!!」

 

 禁時王の目が光る。

 

 

 

 滅亡の刻が刻まれようとしていた。

 

 

 

「──呪文、《ドルマゲドン・ビッグバン》!! 効果で貴様のクリーチャーを全て封印する!!」

 

 

 

 隕石が降り注ぎ、終焉が訪れようとする。

 しかし──それを全て《オラマッハ・ザ・ジョニー》が撃ち抜いた。

 

「皇帝の戦術に抜かりなど無いわ、たわけ!! 《アイアン・マンハッタン》を捨てて打ち消した!!」

「ッい……!?」

「《オラマッハ・ザ・ジョニー》の効果。相手が呪文を唱えた時、同じ手札を捨てればその効果を打ち消す! 皇帝の銃は武を以て覇を成し遂げる銃なり!!」

「ならば2体目の効果!! 今度は《蒼龍の大地》を使う!!」

「今度は《バイナラドア》を捨てて無効!」

「ぐっうッ……!?」

「感謝する。貴様が不用意に攻撃してくれたおかげで、我が手札が増えたぞ」

「そ、そんな、馬鹿な……!? S・トリガーをケアしていれば……良かったのでは……無いのか!?」

「たわけが。そんな生温いデッキを、ヤツは使ってはおらん」

 

 彼は笑みを浮かべてみせた。

 

 

 

「このデッキは、ヤツが今まで歩いてきた軌跡そのもの! ヤツの切札達の集まりよ! それを侮ったこと、後悔するが良い!」

「だが、《オラマッハ・ザ・ジョニー》1体で何が出来る!!」

「先ずは《ジョバンセン》のEXライフを砕けるッ!!」

 

 

 

 クロスボウが異形を撃ち抜く。

 その背後にあるEXライフシールドが破壊された。

 

「更に、マスター・マッハファイターで《オラマッハ》はアンタップし、貴様のシールドをブレイクする!」

「ッ……S・トリガー、《S・S・S》!!」

「7コストの《SMAPON》を捨てて打ち消す!」

「そんな、馬鹿な!?」

「《オラマッハ》で《ジョバンセン》を攻撃して破壊!! マスター・マッハファイターでシールドをブレイクしてアンタップする!」

 

 これで、残るは《ドキンダンテ》2体とシールド3枚を残すのみとなった。

 

「このターンで仕留める。《ドキンダンテ》に《オラマッハ》で攻撃する時、革命チェンジ発動!」

「ジョーカーズの革命チェンジだと!? そんなものはデータには──」

 

 次の瞬間、《オラマッハ》の身体に龍の如き甲冑が身に着けられていく。

 そして、巨大なガンランスが手には構えられ、そして──《ジョギラゴン》の上に騎乗するのだった。

 

 

 

「これが(オレ)切札(ワイルドカード)!! 来たれ《ジョギラゴン&ジョニー ~Jの旅路~》ッ!!」

 

 

 

 ジョギラゴン、そしてジョニー。

 ジョーカーズの2大切札が共に現れる。

 そして、2体の銃にジョーカーズの力が装填されていく──

 

「《旅路》は手札からジョーカーズを捨てる事で、その効果をコピーする!! 発動……ジョギラゴン・ビッグ1ッ!!」

 

<《スロットン》ローディング>

 

 

 

「効果で──《勝熱英雄 モモキング》をバトルゾーンへ!!」

 

 

 

「ッ……そんな、馬鹿な……!?」

「後は……薙ぎ払うのみ!!」

 

 《ドキンダンテ》に撃ち落とされる《ジョギラゴン&ジョニー》。

 しかし、その意思は確かに《モモキング》へと受け継がれた。

 残るシールドを、二刀が切り払う。

 

「ッ……バ、バカな……俺の禁じられた奇跡が封じられた!?」

「先に残弾が尽きたのは……貴様だったようだな、家畜の王!!」

「あっ、あっ、ああ……!? あああああああああああああ!? 何故だ!? 俺は、俺は、俺は混成王!! 至高の頭脳と呪いを持つ混成王だぞ!?」

「ね、ねえ、混成王もしかしてこれってヤバい──!?」

「あっ、ぎっ……おのれ……一生分の不名誉だーッ!!」

「フ……確かに手強かったぞ。だが所詮はガワのみ。他愛も無いッ!! ハッハハハハハハハハハハハハハ!!」

 

 《モモキング》の刀が、電融王と混成王の身体を両断した──

 

 

 

 

「《勝熱英雄 モモキング》でダイレクトアタック、である!!」

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 ──両断された混成王と電融王は、地面に転がっていた。

 既に身体も消えかかっており、限界を迎えていた。

 

 

 

「あ、ぎ……? クソ、クソ、電融王……お前が、足を引っ張った所為で……俺は……俺は……最強なのに……!!」

 

 

 恨み節をぶちまける。

 負けたことが認められない。

 勝ったと思っていたのに負けたのが悔しい。

 何より──あの顔の男に敗けたことが、腹が立って仕方がなかった。

 だが、もう遅い。

 全ては──遅きに失したのだ。

 彼には何もかもが足りなかった。

 白銀耀であっても、皇帝であっても、その好敵手には成り得ない。

 何故ならば、何処まで行っても彼は──火廣金緋色ではないからだ。

 しかし。

 

「混成王……大丈夫だよ……あたし、混成王が強いの、誰よりも、知ってる、気がするんだ……何で、だろ、ね……」

「俺はッ、お前の所為でえ……負けてぇ……!!」

 

 ──その強さを認める者は居た。 

 隣に。

 

 混成王と電融王は間違いなく、あの二人ではない。

 

 だが、敗北しても尚その強さを認める電融王は──本来あるべき姿の彼女のようだった。

 

 

「ッ……クソ……バカのくせに……」

「えっ、えへへへ……混成、王……」

 

 

 

 

 2人は、灰となって消えていった。

 《ドキンダンテ》、そして《ギュカウツ・マグル》のカードと共に。

 それを──バルガ・ド・ライバーは何処か物悲しそうに眺めていた。

 

「……主君。主君の身体も心も……必ず俺が取り戻してみせる」

「引き続き警戒を続けるぞ。ディスペクターが何処に潜んでいるか分からんからな」

「……うむ」

 

 サッヴァークが障壁を解除する。

 ドキンダンテが消滅したことで、滅亡の可能性も全て消え去っていた。

 後に残るのは、皇帝だけだ。

 

『す、すごいであります……ディスペクターの王をまとめて2体同時に……!』

「感心している場合か、たわけ!」

 

 皇帝は──工房へと踵を返す。

 

 

 

 

「……貴様の相棒を叩き起こしに行くぞ、チョートッQ」

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