学園デュエル・マスターズ WildCards【完結】 作:タク@DMP
「……《モモキングJO》ッ……だとぉ!?」
アカリの愕く声が聞こえてくる。
これが、ジョーカーズの頂点に立つ存在。
ありとあらゆる全ての過去を受け入れ、そして未来を紡ぐ未来王龍だ。
「──《モモキングJO》で《ザーディクリカ》を攻撃する時、効果発動!! 手札からこいつから進化できる《モモキング》進化クリーチャーを重ねるッ!!」
<ボルメテウス──ローディング>
「見せてやるぜ──ジョーカーズの本当の力って奴をな!!」
《モモキングJO》の周囲に12本の剣が突き刺さる。
「スター進化ッ!! 先ずはこの力だ!!」
そのうちの一振りを手に取った《モモキングJO》の身体に碧き鎧が身に着けられていく。
それは、あらゆるものを焼き尽くす伝説の炎。
その力を継承した姿が現れた。
「これが俺の
鎧に取り付けられたビーム砲から白い炎が放たれる。
当然、ボルメテウスなのだからその効果も健在。
「シールドを焼き尽くす!! ボルメテウス・ホワイト・フレアッ!!」
「ッ……G・ストライクが……!!」
登場時に相手のシールドを1枚、直接墓地に送る。
これでアカリのシールドは残り5枚。
そして、EXライフを持たない《ザーディクリカ》も粉砕される。
「──そして、攻撃はまだ終わってない! 《JO》のシンカパワー発動! コイツは攻撃の終わりに、一番上のカードを墓地に置くことで、カードを1枚引いてからアンタップする!」
《ボルメテウス》の鎧が光となって消える。
だけど消えるだけじゃない。
この光は、次へと続く星の光だ!!
「JOの名が受け継いだジョーカーズの魂、伊達じゃない!! 《ジョラゴン》の無限の弾丸は、こいつの無限の剣製に受け継がれた!!」
「……ジョラゴンを超えた……!? ジョーカーズのドラゴンが……此処まで強くなるなんてこと、あるの……!? こんなの、歴史に無い……ッ!!」
「今度はこれだ! 《ヴァルハルザーク》を攻撃する時、効果発動!!」
浮かび上がる《無双竜機ボルバルザーク》。
その力が鎧となって《モモキング》に身に着けられていく。
それはあらゆるものを粉砕し、突き進む力。
禁断にして殿堂。永遠の力。悠久の歴史より舞い降りた龍の鎧が現れる。
<ボルバルザーク──ローディング>
「これが俺の
剣と盾。
そして、神聖なる地龍の半身を纏うモモキング。
その圧倒的威光が、ディスペクターさえも退ける。
「無双竜機……面白い!! 神滅竜騎の力を持つ、あたしの《ヴァルハルザーク》を砕くと言うの!?」
「砕くッ!! 《ボルバル・モモキング》の効果発動! 俺のシールドを2枚ブレイクし、その後相手のクリーチャー1体とバトルする! 《ヴァルハルザーク》を強制バトルで破壊だ!!」
そして、攻撃先は《ヴァルハルザーク》。
EXライフ諸共、押し切る!!
「──まとめて切り裂けッ!! 無双竜剣ッ!!」
「……ちぃっ!! そんな能力まで……!!」
「増えた手札から、もう1度連続攻撃に繋げる! 《ボルバル・モモキング》を墓地に送り、《モモキングJO》をアンタップ!! もう1回攻撃だ!!」
今度は──まとうは《アルカディアス》の力。
邪悪を許さない聖霊王の力だ。
「進化ッ!! これが俺の
「ッ……!!」
「こいつが居る限り、光以外の呪文は唱えられない! 必殺──ホワイトアウト!!」
聖剣が残るアカリのシールド3枚を叩き斬った。
これで、残るシールドは──1枚!
「……G・ストライク、《新世界王の闘気》ッ!! 効果で《アルカディアス・モモキング》を止める!!」
「ッ……!」
「更にS・トリガー発動。《霊宝ヒャクメ─4》!! ざぁーんねんでしたぁ!! おじいちゃんの手札を破壊して、マナブーストするよ!」
「止められた……!」
『JOのシンカパワーは、同じクリーチャーが続けて攻撃する以上、G・ストライク1枚で止まってしまうのでありますよ!』
どうする、シンカパワーを使ってアンタップさせるか?
……いや、大丈夫だ。
仮に大きなディスペクターが出てきても1体目がタップインしていればこちらに有利に働く。
何より光以外の呪文を止めているこの状況は、《アルカディアス・モモキング》1体でかなり優位に立てている状態だ。
むしろ、ロックを自分から解除する方が危うい……!
「俺は《アルカディアス・モモキング》を残してターンエンドだ!」
「……じゃあ行くよ。あたしのターン!!」
次の瞬間、1枚のエリアフォースカードが龍魂珠から現れる。
<Ⅰ
「じゃあ……大好きな彼女のエリアフォースカードの力を使わせてもらうよ、おじいちゃん!! 先ずは4マナで《奇天烈シャッフ》を召喚。その効果で5を止める!」
「なっ!?」
アカリを守護するかのように、ギャンブラーのような容貌のクリーチャーが現れる。
あいつは確か、宣言したコストの呪文とクリーチャーの攻撃を止めるクリーチャーだ。
《スーパー・スパーク》に《モモキングRX》、そして《モモキングJO》。このデッキは、コスト5のカードの割合が最も多い。
そして、スター進化で進化元が剥がれた《JO》にもその効果はかかる。
つまり、このターンで《アルカディアス・モモキング》を処理しながら次のターンの《モモキングJO》の攻撃を止めにきたのだ。
「でも、《シャッフ》は《アルカディアス・モモキング》でタップインだ!」
「知ってるよ! でも、だから何? 本命はこっち!! これで、お終いなんだからさあ!!」
ビキビキ、と罅が入って《ヒャクメ》の身体が砕け散る。
「ササゲール4──《ヒャクメ─4》を破壊して、召喚するディスペクターのコストを4軽減ッ!!」
タップされるのは5枚。
9マナのクリーチャーだ。
《Vol-Val-8》か!? いや、違う。
このマナの動きは、あの禁断のディスペクターの比ではない。
頬にビリビリと強烈な震えが走る。
「5色マナをタップ。マナにある3枚のキング・セルをリンクッ!! ──キング・クリーチャーを召喚ッ!!」
「キング・クリーチャー!?」
『何でありますか、それはぁ!?』
「所詮は皇帝1枚だけで、22枚のエリアフォースカードを集めたあたしに勝てるわけがない。勝てるはずがないんだよ?」
アカリのマナゾーンから、3枚のカードが浮かび上がる。
《新世界王の権威》。
《新世界王の思想》。
そして《新世界王の闘気》。
この3枚が連なり、1枚のクリーチャーと化す。
その時だった。
「龍魂珠……あと少しだ。あと少しであたしの完全なる勝利が訪れる!! 五元龍神の力を今、完全に再現し、融合させるのだッ!!」
<アークゼオス、クリスド、モルナルク、ヴォルジャアク、バラフィオル──オールオーバー・ニューローディング!!>
「エリアフォースカード、フル起動!!」
次の瞬間だった。
龍魂珠から無数のエリアフォースカードが現れ、バラバラとなっている龍達の身体を繋ぎとめていく。
<Ⅰ
<Ⅱ
<Ⅲ
<Ⅳ
<Ⅴ
<Ⅵ
<Ⅶ
<Ⅷ
<Ⅸ
<Ⅹ
<Ⅺ
<Ⅻ
<ⅩⅢ
<ⅩⅣ
<ⅩⅤ
<ⅩⅥ
<ⅩⅦ
<ⅩⅧ
<ⅩⅨ
<ⅩⅩ
<ⅩⅩⅠ
<0──
<Wild……Cards……>
「くっすす、終わり。これで終わり。何もかも、仲間とかそういう茶番は終わり」
全てのカードの力が、ヴォルゼオスへと注がれていく。
「ねえ見てよ。これがあたしの最高傑作ッ!! 全てを飲み込み、宇宙さえも喰らい尽くす起源の龍ッ!! これが、あたしが作る新たな歴史の1ページだ!!」
「何なの、あれ……!!」
『本当に、クリーチャーなのでありますか……!?』
最早、そんな言葉で呼べるかも怪しい。
龍の身体は肥大化していき、そして中央に座す2対の目が俺達を睨み付ける。
周囲には無数の龍魂珠が現れては砕け散って消えていく。
何処からともなく、アカリの声が聞こえてきた。
「新世界の秩序は今、再構成される。ハロー・ニューワールド!!」
<──GotoDispect!!>
禁断文字が周囲に満ち満ちる。
龍魂珠が埋め込まれていた巨龍が、咆哮を上げた。
バラバラだった四肢は連結され、その肩には巨龍の顔が混成される。
そして、光る恒星の龍の尾が接続され、肉体の全てが電融された。
刻まれるはⅩⅩⅠ。世界を表す数字。
文字通り、新世界の王神として、それは君臨する。
<Iam King Of Dispecter!!>
その前では、俺達のカードなど、全てちっぽけなものでしかないことを思い知らされるのだった。
「──
※※※
絶句するしかない。
5文明のドラゴン全てを繋ぎ合わせて融合した存在、《
それが今、俺の目の前に立ちはだかっている。
いや、最早そんな言葉で表すレベルではない。
巨大だ。あまりにも巨大すぎる。見上げても、その全貌が確認できない程だ。
もしこいつが地に足をつけたが最期、この星は崩落するのではないかと思わせる。
「で、でかすぎる……!? 何なんだ!? さっきよりも、はるかに……!?」
「あっ、ああ……あァ……!! ス、バラ、しい!!」
アカリらしきうめき声が聞こえてくる。
しかし、最早それはヴォルゼオスの意識に飲まれつつあるのか、ノイズ混じりだ。
苦しさ、しかしその中に確かに逸楽と愉悦も混じっている。
ビキ、ビキビキと音を立てて、2つのシールドが目の前に現れる。
「壊す……壊して、全て作り変える……これが《
「っ……!!」
「エクストラEXライフッ!!」
それは、ヴォルゼオスの姿を象った更なる命。
だが、展開されたそれは2枚。
2つの命を持つ通常のディスペクターでさえ厄介だったのに、EXライフシールドを2つ持つということは──
「あいつ、命が3つあるっての!?」
『EXライフの上位だからエクストラEXライフでありますかぁ!?』
「3回倒さなきゃ、沈まねえってのかよ……!?」
「それだけじゃあない!! ヴォルゼオスのパワーは555555ッ! そしてワールドブレイカー! 文字通り、最恐の生命体だッ!」
「はーっ!?」
高過ぎるなんてものではない。
これでは仮に《モモキングダムX》のパワーマイナスが炸裂しても毛ほども通用しないではないか。
「畜生!! 何がパワー555555だ!! 全部テメーの匙加減じゃねえか!!」
「あっははははは!! 強いぞー!! すごいぞーっ!! 《
「ッ……!?」
ヴォルゼオスの瞳が光り輝き、俺の残る手札が全て破壊される。
そして、黒い稲光が周囲を薙ぎ払いながら、《アルカディアス・モモキング》を消し飛ばす。
「くっそッ……!? スター進化で鎧を犠牲に生き残る──!!」
「あっははははは!! 生き残ってもムダ!! その《モモキング》はシャッフの効果がかかって、動けないんだよ!」
『コスト5を指定したのは、進化元を剥がすことを見越して……でありますか!!』
「これであたしはターンエンド。さあ、次に引く手札でやれるものならやってみれば良いんじゃないかなあ!!」
「ッ……!!」
《奇天烈シャッフ》は指定した数字と同じコストを持つクリーチャーの攻撃と、呪文の詠唱を封じる。
場に居る《JO》だけではなく、《スーパー・スパーク》の詠唱も封じている。
S・トリガーはアテに出来ない……やれることは唯一つだ。
……そうだ。例えどんなに最悪な状況だったとしても。
いつだって、配られた手札でどうにかしてきたじゃないか!
「俺は《ボルシャック・NEX》を召喚ッ!! 効果でデッキから《凰翔竜機ワルキューレ・ルピア》を出して、ドラゴン全員をブロッカー化する!!」
「チッ、あくまでも──抵抗するとッ!!」
場に並ぶ《NEX》。
そして、《ワルキューレ・ルピア》に《モモキングJO》。
全員が既に防御態勢をとっている。
山札を確認したが、やはりトリガーには期待できない。
しかし──
「あっはははは! だよね! その程度の事しか出来ない! 出来るはずがない!」
当然。
アカリは、このくらいの防壁ならば乗り越える準備をしているだろう。
「……だから、見せてあげる。真の絶望って奴を!!」
<アルカディアス!! ドルバロム!! GotoDispect!!>
「これで終わり。全てが終わり。《シャッフ》で止められないようにコストがバラバラのブロッカーを用意したつもりかもしれないけど、無駄足だったね!!」
「ッ……!」
「……無駄な足掻き。無駄な抵抗。そう、全部ムダ。全部、全部全部、無意味!! 無価値!! 無駄!!」
<You Scream King!!>
天使と悪魔が繋ぎ合わされ、王がその場に君臨する。
来る。
「……我が新世界に、失楽を!! 《聖魔連結王 ドルファディロム》ッ!!」
<We Are Dispecter!!>
《ドルファディロム》は、詰めの一手だった。
アカリはこの戦いを終わらせようとしている。
それも完全なる自らの勝利という形で!
「その効果で──単色クリーチャーの《NEX》を滅殺ッ!!」
聖魔入り混じった雷撃。
それにより一瞬で《NEX》は蒸発する。
だが、それだけでは終わらない。
「《シャッフ》で攻撃──!! その効果で、コスト5を指定して行動不能に!」
「ッ……!!」
「あはっ。《ワルキューレ》も《モモキング》も、これで何も出来ないね!!」
「……」
「そして《ヴォルゼオス》で残るシールドを──ブレイクッ!! その時、アタック・チャンス発動──《禁時王秘伝 エンドオブランド》!!」
次の瞬間──《モモキング》の身体が砕かれる。
禁断と奇跡の王の力が一気に流れ込む。
「モモキングは今度こそ死んだッ!! やるなら……徹底的に!! 跡形も残さずッ!! そして──消え去れええええええええええええええーッ!!」
白。青。黒。赤。緑。
全ての色の閃光が混じり合い、斑となって俺の残る全てを焼き尽くす。
雷撃が、波濤が、瘴気が、灼熱が、颶風が、まとめて束になって襲い来る。
残る2枚のシールドが、そして手札が消し飛んだ。
その後には、聖魔連結王が迫る──ッ!!
「白銀耀を──消し飛ばせッ!! 《ドルファディロム》──ッ!!」