学園デュエル・マスターズ WildCards【完結】   作:タク@DMP

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例によって吸死のY談おじさんパロです。


Y談しか喋れなくなったデュエマ部部員とその他

「俺は、ハイレグもローレグも平等に愛するッ……!?」

 

 

 

 

 ──事件は突如起こったのである。

 白銀耀は自らの口から飛び出た思わぬ言葉に驚き、手で口を覆ってしまった。

 普段の彼からは考えられぬ性癖丸出しの発言に、火廣金も、そしてブランも驚愕を隠せない。

 そして──その元凶は妖しい微笑みを浮かべて部室の入り口に立っているのだった。

 

 

 

「くっくっく、お前も既に私の術にハマっているのだよ、白銀耀」

「何ッ……!?」

 

 

 

 鶺鴒学園高校に現れた不審者。

 杖を持ち、妙なビームを放つこの男はすかさず名乗ったのである。

 

「私は魔導司Y談おじさん」

「魔導司Y談おじさんだと!?」

「知ってるのデスか、ヒイロ!!」

 

 火廣金はすぐさま手に炎を浮かべて相手を威嚇しながら語る。

 

「公然わいせつの罪で協会から指名手配されているA級犯罪者だ……!! よもやこんな所に来ているとは!」

「私の魔術にかかったが最期、卑猥な言葉しか喋れなくなる……性癖をブチ撒けて慌てふためく人間共を見るのが趣味でね!」

「テメェ!! 地味な女の子が背伸びして紐パン履いてんのがグッとくるんだよ!!(訳:なんてどーしよーもねぇヤツだ!!)」

「アカルが歩く性癖拡散機になってるデース!?」

「なんて恐ろしい能力だ……!」

「テメェはスケスケのネグリジェなら何でも良いと思ってんのか?(訳:そんな下らねえ能力で俺達に勝てると思ってんのか?)」

「無論思ってない」

 

 

 

「──だから逃げる」

「テメェェェーッ!!」

 

 

 

 ──画して。

 放課後の大捕り物が始まったのであった。

 

 

 

 ※※※

 

 

 

「変質者発見ッ! 怪しいヤツは即・斬る!!」

 

 

 

 Y談おじさんの退路を塞ぐように、相変わらず物騒な刀堂花梨が竹刀を構えて立っていた。

 そこに──耀が呼びかける。

 

「花梨ッ! 今すぐ紐パンとスケスケのベビードールを着けてくれ!!(訳:花梨ッ!! 遠慮なくやってくれ!!)」

「はぁぁぁーっ!?」

 

 バシーンッ!! バシーンッ!!

 

 不審者を差し置いて、花梨は耀を竹刀でどつき回す。

 顔を真っ赤にした彼女は、いきなり不埒な言葉を口走った幼馴染が容認できなかった。

 もっとも、その性格を考慮すれば当然と言えば当然なのであるが……。

 

「なななな、何言ってんだあんたは!? そんな幼馴染に育てた覚えはないんだからねっ!!」

「パンツッ!! パンツッ!!(訳:やめろっ!! 痛ェッ!!)」

「やめろ刀堂!! 部長に悪気はない!!」

「悪気が無いなら猶更悪いわ!!」

 

 

 

「隙あり!! Y談ビーム!!」

 

 

 

 それが命取りとなった。

 ビームが花梨に炸裂する。

 そして──

 

「ちんちーん!! ちんちーん!! ……ッ!?」

 

 ──こうなってしまった。

 彼女は自らの発した言葉が信じられず、口を塞いでしまう。

 

「!? どうしたデス、花梨!? 急に男子小学生みたいになってるデス!!」

「ちん……ちんちーん!!」

「刀堂ォォォーッ!?」

「カリンのY談の語彙が少なすぎて、鳴き声みたいになってるデス……でも、カリンはそれだけ純粋だってことデスね!」

「ちんちちん!!(訳:バカにしてるよねソレ!!)」

「まあ、その、何だ……良かったな……」

「ちんちーん……ちーん(訳:なんにもよくないよぉ……うぇえん)」

 

 意気消沈した花梨は、そのままへたり込んでしまうのだった。

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 ──耀、ブラン、火廣金の3人は美術室に辿り着いていた。

 そして、丁度そこから出てくる人影に呼びかける。

 今日はサボって部室に出てこなかった紫月の双子の姉・翠月だ。

 

「ミヅキ! 魔導司Y談おじさんは見なかったデース!!」

「!? ……あっ、うっ」

 

 しかし。

 彼女は恥ずかしそうに眼を逸らしてしまう。

 口を開きたくても開けない、と言わんばかりに。

 

「……やられたんデスね。でも今は緊急事態デース! 教えてくだサイ! どっちの方に行ったのか!」

「あ、ぅ……」

「早く教えるデス! 早くしないと……桑原先パイや、シヅクもやられちゃうかもデスよ?」

 

 今日の或瀬ブランの顔は過去一邪悪であった。こいつ本当に光使いか?

 翠月は──涙目になりながら、非常階段の方を指差して言った。

 

「私……どっちかというと、押し倒されるより押し倒したい派です……」

「ふむ、ミヅキは意外とSっ気が強いんデスね」

「紐パンンンッ!!(訳:いじめんなぁぁぁーっ!!)」

「あだぁっ!?」

 

 耀の鉄拳がすかさず炸裂する。

 哀れ悪の探偵はその場に倒れ伏せるのだった。

 

「年下のお世話し甲斐のある子を見ると男女問わず胸がキュンキュンしちゃって……(訳:ピカッと光って美術室から逃げていきました……)」

「成程何となくわかったデス」

「下着にニーソだけ履いてるのも良いよな……(訳:今のが分かったのかよ、この迷探偵……)」

 

 

 

 

 

「ンだ、何事だァ? 騒がしいじゃねえか」

 

 

 

 その時だった。

 聞き覚えのある声がどこからともなく降りてくる。

 桑原だ。

 普段は屋上で絵を描いているが、騒ぎを聞いて駆けつけてきたのだろう。

 

「実はかれこれこうで……桑原先輩、何か知りませんか?」

「はぁ!? Y談おじさん!? それで翠月までやられたってのかよ!? ぜってー許せねえ!!」

「……ひっぐ、うぅ……」

「刀堂花梨もやられた。いがみ合っている場合ではない」

「チッ、確かにそうだな火廣金……こっちも可愛い後輩がやられてんだ! 幾らでも協力するぜ!」

 

 そう言った矢先、悲劇は起こったのである。

 

 

 

「隙ありY談ビーム!!」

何のバカガード!!

「ぐおおおおお、火廣金テメェェェェェーッッッ!!」

 

 

 

 共闘関係とかそんなもんは無かった。

 咄嗟に背後から飛んできたビームに対し、火廣金は桑原を楯にしたのだった。

 そして──ビームの効果はすぐさま現れたのである。

 

「俺ァ金髪ダイナマイト爆乳外人が好みだァァァァーッ!!」

「桑原先パイイイ!?」

「チッ、外したか……!」

 

 不意打ちが不発に終わったことに悔しそうな顔をするY談おじさん。

 一応ひとり犠牲になっているのであるが。

 

「一級魔導司の俺に不意打ちするなど100年早い」

「包容力のあるお姉さんが大好きだ、おっぱいに顔をうずめて圧死したい!(訳:火廣金テメェ、今すぐ此処でブッ殺す!!)」

 

 火廣金に掴みかかろうとする桑原。

 しかし、流石に地の力が違い過ぎるので避けられてしまい、廊下に倒れてしまう。

 そして──倒れた先には、

 

「桑原先輩……?」

「あっ」

「あっ」

 

 ──怖い顔をした後輩が立っているのだった。

 

「可愛い男の子に甘えられるのが好き!! 添い寝したい!!(訳:やっぱりおっぱいが大きい人の方が好みだったんですね!! しかも金髪の方が良いだなんて!!)」

「おっぱい!! 白い美肌のセクシーダイナマイトは最高だ!! 胸とタッパがデカいのこそ正義!!(ちげーよ!! 二次元は別腹だ!! つかテメーも年下好きなんじゃねーか、このショタコンが!!)」

「何という事だ……性癖が暴露されたがばっかりに無用な争いが……許すまじ、Y談おじさんめ」

「今のはヒイロの所為デース!!」

 

 

 

 ※※※

 

 

 

「時間停止モノって良いよね……」

「百合の間に挟まりたい!!」

「眼鏡っ娘から眼鏡を取るヤツは死刑!!」

 

 

 

 ──放課後の鶺鴒学園は地獄の様相を呈していた。

 

「このままじゃ、学園は面白大変な事になるデース!」

「そういえば暗野の姿が見えんが……」

「紐パン……(訳:あんにゃろサボりか……)」

 

 そう言っていた矢先だった。

 

「ふわぁあ……」

 

 眠そうな目を擦る後輩が現れる。

 道を塞ぐ形になったため、3人は脚を止めた。

 ブランは慌てて、紫月を揺すって呼びかける。

 

「シヅク! 今まで何やってたんデス!」

「君が部活をサボってる間に、とんでもないことになってるぞ!」

「……むにゃむにゃ」

 

 どこかで昼寝していたのだろうか。

 完全にうたた寝状態の彼女は、

 

 

 

「”規制音(ピー)”、”規制音(ピー)”……”規制音(ピー)”」

 

 

 

 とても、ここには書けないことを口走ったのである。

 

「暗野ーッ!?」

「……う、うわぁ、シヅクって大胆ってか……ハレンチすぎデス……」

「……”規制音(ピー)”!?」

 

 自分の言った言葉で、漸く彼女は目を覚ました。

 そして、混乱した様子で涙目になりながらブランに訴える。

 

「”規制音(ピー)”、”規制音(ピー)”……(訳:ちっ、違うんです、私、こんな、えっちなことばっかり考えてるわけじゃ……)」

「シ、シヅク! やめるデス! 今は口を閉じるデスよ! ……私には、刺激が強すぎ、デェス……」

「君の所為ではない。敵の能力だ。相手の性癖を暴露させる催眠ビームを受けたのだろう」

「”規制音(ピー)”!!(訳:じゃあやっぱり私がえっちな事考えてるのが筒抜けじゃないですかーっ!!)」

「紫月、スケスケの下着は好きか(訳:紫月、落ち着いてくれ)」

「”規制音(ピー)”っ!? ”規制音(ピー)”?(訳:白銀先輩っ!? 私、こんなハレンチなのに……ドン引いたりしないんですか?)」

「縞々パンツも……甲乙つけがたいよな(訳:安心しろ……皆心の中では大体スケベな事考えてるんだ、まあ、その……ドンマイ!!)」

「”規制音(ピー)”っっっ!!(訳:何もフォローになってないし、もうお嫁にいけませんっっっ!!)」

「あだーっ!?」

 

 バチーン!!

 

 ビンタが耀に炸裂する。

 ううう、と半泣きで彼女は崩れ落ちてしまうのであった。

 

「何故だ、何故Y談同士で会話が成立しているのだあの二人は」

「……やっぱりあの二人お似合いじゃないデス?」

「言ってる場合か!!」

「そうデシタね、なんて恐ろしいヤツでショウ……! 私の後輩を二人も泣かせるなんて、許せないデス!」

「じゃあ君はその録音機を今すぐ下ろせ」

 

 

 

 ※※※

 

 

 

「くっくっく、次は誰の性癖をバラしてやろうかな──む、丁度良い所に!」

 

 

 

「あっ!! あの人、今度は黒鳥サンを狙ってるデース!!」

「逃げるんだ黒鳥レン!!」

「紐パン大好き!!(黒鳥さんが大変な事になっちまう!!)」

「む?」

 

 学園を抜け出した街路にて黒鳥は突如走ってくる来訪者に目を向ける。

 しかし、彼が逃げる隙も与えず、Y談おじさんは走りながら杖を構えた。

 

「取り合えず喰らえ、Y談ビーム!!」

「……」

「さあ、その根暗な顔から隠された性癖をぶちまけてみせろ!!」

 

 

 

 

「──僕から言わせれば、性癖もまた美学。全ては美学に通ずる。貴様の言うY談など、古代ギリシャの性癖オンパレード祭りの足元にも及ばん」

「なにぃ!?」

「強いて言うならば。森羅万象全てが美学であり、フェティッシュの対象である──これこそ僕の性癖だ」

 

 ──青年は全く動ずることなくつかつかとY談おじさんに詰め寄っていく。

 

「美学とは性癖をも内包する。思考の全てが美学である僕に、今更Y談ビームなぞ通用せん」

「何てヤツだ! 思考の全てがY談で出来ている……こんな人間は初めて見た!」

「平たく言えばそんなところだ」

「そうだったんデスか!? 私達が今まで聞いてきた美学ってY談も込みだったんデスか!?」

「ベビードール……(訳:なんかやだな……)」

「良いだろう、では人間よ! 勝負と行こうではないか!」

「美学とY談……勝つのはどちらか白黒付けるというのか。面白い」

 

 

 

「曲線美こそ至高!! 女体の持つ柔らかさこそが宇宙にも勝る美学!!」

「清楚な女の子のセーラー服からチラ見えするヘソは太陽よりも眩しい!!」

 

 

 

 がしっ、と二人は手と手を取り合う。

 こうして、黒鳥とY談おじさんは強い友情で結ばれたのだった。

 

「……貴様の美学。なかなかやるな。褒めてやろう」

「お前のY談とやら、しかと見せてもらったぞ」

「Nooooo!! 最悪な二人が手を組んでしまったデース!!」

「ふははははは、美学と性癖、最恐のコンビに勝てるわけがあるまい!!」

「いや、今ので時間が稼げた」

 

 火廣金は──親指を向ける。

 Y談おじさんと黒鳥を取り囲むのは──Y談ビームに侵された被害者たちであった。

 

「ちん!! ちんちちちんちん?」

「ネグリジェとベビードールの違いが、お前に分かるか?」

「ぼいんぼいんバキュンこそ最強……! マイクロビキニを着てれば尚止し!」

 

 そしてその中には──当然のように暗野姉妹の姿が。

 

「”規制音(ピー)”、”規制音(ピー)”!! ”規制音(ピー)”!!(訳:ブッ殺です、ブッ殺です、ブッ殺です!!)」

「ショタは最強!! でろでろに甘やかす!!(訳:よくも乙女の純情を弄んだわね!! ゆっくりと全身の血を抜いてやるわ!!)」

 

 Y談おじさんの顔から血の気が引けていく。

 尊厳とか色々弄ばれた結果、全員が殺意マックスなのであった。

 そして。

 

 

 

「……貴様、あまつさえ僕の弟子二人に今のビームを?」

「アッ」

 

 

 

 繋いだ手は──もうほどけなかった。

 万力よりも強く握られているためである。 

 弟子を辱められた黒鳥は、誰よりも怖い。

 

 

 

 

「卍死に値する」

「あっ、ごめんなさっ──おじさん死すともY談は死せずううううううう!?」

 

 

 

 ──魔導司Y談おじさん、最恐のデュエリスト・黒鳥レンの逆鱗に見事触れ、再起不能(リタイヤ)

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 尚。諸々の記憶はサッヴァークの力で消してもらったので、彼らの尊厳は守られたのだった。

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