学園デュエル・マスターズ WildCards【完結】   作:タク@DMP

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JO17話:邪王駕・復活

 ※※※

 

 

 

 かつて。

 鬼の神類種・酒呑童子が復活した際に断片的であるものの、十王のクリーチャーの争いを記した文献が「力の座」で発見された。

 そこに記されていたのは、酒呑童子よりも更に前の時代に、この地球に鬼達が襲来したことだった。

 そして、それを討滅してみせたのが──吉備津桃王、またの名を対鬼最終兵器であるモモキングだった。

 鬼札覇王連合を率いて、地球を舞台に大立ち回りしてみせたジャオウガであったが、モモキングや陰陽師の手によって封印されたのである。

 こうして封じられた鬼札側のキングマスター達は地球にマナを蓄積させる要因となり、後の神類種復活に手を貸してしまったわけであるが、それも俺達によって倒されたのだった。

 

「問題は、封じられたジャオウガそのものが今となっては行方が分からぬことであるが……」

 

 それだけをかつての吉備津桃王としての記憶を併せ持つモモキングは案じていた。

 当時の激闘は、彼としてもはっきりと思い出せぬほど昔のことだから当然ではあるが──神類種が居なくなった今、俺もジャオウガ復活の事は考えていなかったのだ。

 

 

 

 ※※※

 

 

 

「何千年ぶりだ? モモキングゥ……!!」

「ジャオウガ、某の狼藉も此処まででござる!!」

 

 

 

 ──俺達の前に立っているのは、数千年前に暴れたジャオウガに違いない。

 そのマナはこれまで戦ってきたクリーチャーどころか神類種に匹敵する程だ。

 モモキングは刀を構えて相まみえているが、ジャオウガの放つ圧倒的な邪気を前に膝を突きそうになっている。

 

「こんなバケモノをONIはずっと隠し持ってやがったのかよ!!」

「最悪でござるな……!」

「ジャハハハハハハハ!! 雪辱の日々だったぞ、この数千年は!! 溜め込んだ怨讐の力、貴様では覆せまいよ!! 貴様に角を折られ、組み伏せられ、刀を突きつけられたあの瞬間、何度も思い出しておったわ!!」

「マスター殿! 奴を倒すでござるよ!」

「おうよ! ……超超超・可及的速やかに──止める!!」

 

 エリアフォースカードは、もう無い。

 だけど──こいつを倒さなきゃ、全人類が鬼になってしまう。

 向こうの世界から帰ってきてしばらく使ってなかったが、相手が鬼なら手っ取り早い。

 

「ジャハハハハハハハ!! 札遊びか? 相手になってやろう!!」

 

 即座にシールドが展開される。

 使うデッキは──当然、JO退化だ。

 あいつが仕掛ける前にロックを掛けて、さっさと倒してしまえば良い。

 

「モモキング、行くぞ!! 《禁断英雄 モモキングダムX》だッ!!」

「御意でござるッ!!」

「取り合えずONIには責任取らせるぞ、ぜってーに!! こんなヤツのさばらせて堪るか!!」

「ジャハハハハハ!! その未来は来んぞ!! 《シュウマツ破鬼の封》で手札を捨てて3枚カードを引かせて貰うぞ!!」

 

 墓地に落ちたのは──《ウシミツ童子<マルバス.鬼>》、《センメツ邪鬼<ソルフェニ.鬼>》、《デュザメの黒象》。

 今までのクリーチャーが鬼と化した鬼レクスターズのクリーチャー達が見える。

 更に場に出ているタマシードも《ストリエ雷鬼の巻》、《シャクネツ悪鬼の巻》2枚と鬼レクスターズのものばかり。

 

「タマシード軸か……やりづらい相手だけど仕方ねえ!! 《バッドドック・マニアクス》を唱えて退化だ!!」

 

 

<Devolution>

 

 

 禁断の鎧が砕け散り、その中から十二の剣を構えたモモキングが現れる。

 

「──これが俺の切札(ワイルドカード)、《未来王龍 モモキングJO》ッ!! 来い!!」

 

 攻め落とす準備はこれで完了した。

 更に残るマナで《進化設計図》で手札も一気に回復。

 弾丸となる《<レッゾ.Star>》と《禁断のモモキングダム》を回収する。

 

「《JO》で攻撃する時、効果発動!! 《<レッゾ.Star>》を侵略、その上に《禁断のモモキングダム》を重ねる!!」

 

 車輪がジャオウガ目掛けて飛び、その身体を拘束する。

 そして、禁断の鎧を身に纏った《モモキングダム》が槍をジャオウガ目掛けて飛ばす。

 しかし、割れたシールドがすぐさま再構築され、タマシードとなってバトルゾーンへ現れる。

 

「甘い。甘いなァ。反撃じゃいッ!! 来い──《シラズ死鬼の封》! 効果で墓地から《ウシミツ童子<マルバス.鬼>》を蘇生するッ!!」

「こいつって……!!」

 

 無関係とは分かりつつも、背筋が凍る。

 かつて激闘を繰り広げたクリーチャー《天罪堕将アルカクラウン》の姿を模した鬼だ。

 その手に持った棍棒を振り下ろし、冷徹にこちらを見つめる瞳が、あの戦いを思い出させる。

 

「《<マルバス.鬼>》の効果で、墓地にカードを3枚墓地へ!!」

 

 更に、と彼は続けた。

 

「S・トリガー《ドラヴィ圧鬼の巻》!! 次の手番まで、相手の超獣は鬼化し、攻撃しなければならない!!」

「なッ!?」

 

 現れたタマシードからあふれ出す邪気がモモキングを包み込む。

 その角は鋭利に長くなり、目は凶悪な赤に染まっていく。

 

「ウッ、うぐっ、ウオオオオオオオーッ!?」

「モモキング!?」

「あ、頭が……マスター殿……割れッ……ああああああ!?」

「ジャハハハハハ!! ひとたび鬼化すれば、本能のままに暴れるのみ!! だが、それで良い!! それこそが鬼の在り方よ!!」

「ッ……させるかよ! 攻撃を強制させたこと、後悔させてやる!!」

「更に《<マルバス.鬼>》の効果発動──その犬っころが封じるのは我の手番のみ。貴様の手番なら何も問題あるまい?」

 

 墓地から絶叫が響き渡る。

 怪鳥の鬼が命を連れ去るべく、地獄より蘇った。

 

 

 

「──《センメツ邪鬼<ソルフェニ.鬼>》!!」

 

 

 

 

 次の瞬間、《モモキングダム》の鎧が炎に焼かれ、砕け散る。

 状況的には問題無いのだが、俺の頭には焦燥感が募りつつあった。

 選ばれないはずの《モモキングダム》の鎧でさえ、このジャオウガという男には通用しないのだ。

 

「効果でコストが一番小さい《モモキングダム》を破壊した」

「くそっ、シンカパワーで《<レッゾ.Star>》を墓地に送ってアンタップ!」

「ジャハハハハーッ!! まだ来るか? それともここで止めるか?」

「ッ……殴り切るっきゃねーだろ! 《モモキングJO》攻撃時、《モモキングダム》に進化ッ!!」

「うっ、ぐっ、ウッギャオオオオオオオオオオーッ!!」

 

 咆哮するモモキング。

 俺の指示を聞く前に彼は突っ切ってしまった。もう俺でも制御できない。

 

「それでも、それでも──勝てる、はずなんだ……!」

 

 ブロッカーが居るわけではない。

 G・ストライクが来ても、止められるわけではない。

 そう分かっているはずなのに。

 手札には《ボルメテウス・モモキング》がある。

 次の攻撃でジャオウガにトドメが刺せる。

 S・トリガーだって先に2枚踏んだのだ。もう有効牌が残っている確率だって──

 

「S・トリガー発動」

「ッ……!!」

「《ライオス銃鬼の封》──効果で相手はクリーチャーを1体選んで破壊し、更に《ウシミツ》で墓地から《ビシャモンス<ハンニバル.Star>》を復活させるッ!!」

 

 現れたタマシード。

 その砲撃を受け──またしても《モモキングダム》が粉砕される。

 ダメだ。通用しない。効かない。

 俺が今まで最強だと確信していた戦術が、そしてモモキングとのコンビが──崩されていく。

 

「ジャハハハハハ!! 余程モモキングに信頼を置いていたが……意外でも何でもないぞ? 人間」

「ンだと……!?」

「酒呑童子に勝ったようだな? だが……我は、酒呑童子等とは違う。対鬼兵器であるモモキングを以てしても、1対1では我の足元にも及ばなかったのだからな!!」

「ッ……!」

「見ろ、暴れ狂う姿を!! それこそがモモキング1人では我に勝てやしないことの証左!!」

 

 絶叫するモモキング。

 鎧を砕かれても尚、彼はジャオウガに掴みかかろうとする。

 

「ウッギャオオオオオオオオーッッッ!! ジャ、オウガァァァーッ!!」

「ジャハハハハハハハハ!! 良い!! 良い顔だモモキング!! 斃そうと思っていたが気が変わった!! お前も鬼に成れい!! 鬼に成るのだ、モモキング!!」

 

 《鬼寄せの術》が浮かび上がるのが見えた。

 マズい。

 ジャオウガは──モモキングを自分の配下に引き込もうとしているんだ。

 

「モモキング!! しっかりしろモモキング!! 目を醒ませ!! お前は鬼を倒すために産まれたんだろ!? お前が鬼になってどうするんだよ!!」

「ジャハハハハハハハ! しっかりと目に焼き付けろ!! 鬼狩りの龍が、鬼になるその瞬間を!! それこそが鬼狩りにとって一番の屈辱であろう!?」

 

 邪悪なる鬼が、その場に顕現する。

 来たる終焉の後、王と君臨する鬼が。

 今、現れようとしていた──

 

 

 

「──我が名は《終来王鬼 ジャオウガ》ッ!! 鬼の時代を告げる者なり!!」

 

 

 

 

 もがいていたモモキングの首は──ジャオウガに握り潰される。

 

 

 

 

「さあ、我らと来い、モモキングッ!! 貴様のレクスターズの力、我に寄越せい!!」

 

 

 

 そして──棍棒の如き脚が、モモキングを貫いた。

 《モモキングJO》のカードが──灰となり、消え失せていく。

 

「ッ……ウソだろ、モモキング……!」

「──やれい、鬼共。後の始末は任せてくれる」

 

 悪鬼たちが俺のシールドを叩き割っていく。

 そして──《<ソルフェニ.鬼>》の攻撃が、俺に襲い掛かったのだった。

 

 

 

 

「モモキングーッッッ!!」

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