学園デュエル・マスターズ WildCards【完結】   作:タク@DMP

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JO30話:切札VS鬼札

 ※※※

 

 

 

「……好い気になるなよ、白銀耀!! 例えデュエルであろうと、俺達の戦力差は歴然なんだからなァ!!」

 

 

 

 咳き込みながら、彼は2枚のマナをタップする。

 早速、禁断の槍が幾つも降り注ぎ、闇文明の力を身に纏った《モモキングダムX》が現れる。

 赤黒の鬼レクスターズに、あのカードの相性は最高。

 タマシードが場に出る度に、封印が1枚ずつ剥がれていくのだ。

 

「……2マナ。《ジャスミンの地版》を発動ッ!!」

「手緩いな! こちらは2マナで《シブキ将鬼の封》、1マナで《ストリエ雷鬼の封》を発動!!」

 

 次々に《モモキングダムX》の封印は解放されていく。

 残りは3つだ。打点で押し切られるのは、このデッキにとっては苦しい……!

 相手の場のタマシードは2枚。少なくとも、2体の進化クリーチャーが場に出てくるわけだ。

 

「ウッ、ウッウウウ……マスター殿ォ……ッ!!」

「くそぉ、モモキング……! 絶対に助けてやるからな!」

「助からんよ、ヤツは。もう体も心も鬼になっているからな!」

「さっき守護獣を檻にも入れられなかったあんたが言っても、説得力が欠片もねぇよ!」

「何ィ!? あ、あれはちょっと、目ェ離してただけだし!」

 

 ……薄々察してはいたけれど。

 

「……あんた、悪役向いてねーよ」

「はぁ──ッ!?」

「悪い事なんて、結局出来ねえようになってんだよ。鬼の力なんて手放せ、って! 《ライフプラン・Reチャージャー》発動!」

 

 この呪文は、デッキから5枚を見てクリーチャーを手札に加えるカードだ。

 それで俺が手札に加えるのは、《オウ禍武斗<サンマ.Star>》。 

 場に出た時にマナのカードを3枚増やす、侵略持ちのレクスターズの進化クリーチャーだ。

 そして、手札にある他の2枚のカードがあれば、俺は──次のターンで勝負を決められる。

 

(麻雀とは誰が言ったか……役が揃って、マナさえ溜まれば、その時点で俺のアガリが確定する……ヤツを倒すにはこれしかねえ!)

 

「──させんぞ。《マガン金剛<Nワル.鬼>》に進化!!」

「げっ!?」

 

 現れたのは、サイバー・N・ワールドを鬼化させたようなクリーチャー。

 その魔眼により、俺の手札からカード2枚が零れ落ちる。

 あ、あああ! 後ちょっとだったのに……!

 

「効果でデッキからカードを2枚墓地に落とし、その2枚がタマシードならば相手の手札を破壊する!」

「《<サンマ.Star>》と《モンキッド<ライゾウ.Star>》が……!」

「何を考えていたかは知らんが、今の手札破壊は相当な痛手だったようだな? 白銀耀」

「ッ……!」

「さっきとはデッキが違うが、凡そ決勝戦で使うはずだったデッキでも持ってきたのかね? お生憎様だが、鬼には……勝てんよ」

 

 冗談じゃない。

 同じ相手に二度も負けて堪るか。

 

「諦めねえぞ……! 《ジャスミンの地版》を《晴舞龍ズンドコ・モモキング》に進化! 効果でマナを増やす……!」

「……残念だ。こんな所で終わりになるとはね」

 

 言った彼は、5枚のマナを払う。

 タマシードの1枚が──その姿を変えていく。

 天が裂け、稲光が落ちる。

 周囲には邪悪な気配が満ちていく。

 この嫌な空気の正体はきっと──デモーニオの持つ、あの槍からだ。

 

 

 

「……スター進化!! 《邪王来混沌三眼鬼(カオス・ヴィ・ナ・シューラ)》!!」

 

 

 

 槍が変形し、龍の如き鬼へと姿を変える。

 空間を引き裂き、幾つもの宝玉を従え、混沌の鬼は戦場へ降り立った。

 そして、引き裂かれた時空から更なる鬼が現れる。

 

「──このターンで終わりにしてやろう! 《邪王来混沌三眼鬼(カオス・ヴィ・ナ・シューラ)》で攻撃する時の効果で、山札の下からタマシードと進化クリーチャーを呼び出す!」

「ッ……ってことは、来るのは……!」

「タマシードは《ドラヴィ圧鬼の封》! そして、進化クリーチャーは──」

 

 幾つもの超獣の怨念を身に纏った鬼が、降り立つ。

 デモーニオの背後で、それは咆哮してみせる──

 

 

 

「百鬼夜行、鬼の王が来たりて!! 《終来王鬼 ジャオウガ》!!」

 

 

 

 混沌の鬼に続き、ジャオウガそのものが場に現れる。

 そして、数々のレクスターズの力を溜め込んだことにより──《モモキングダムX》の鎧も弾け飛ぶ。

 

「……さあ、終わりだ。禁断解放」

 

 槍が吹き飛び、滅びの光が放たれる。 

 《ズンドコ・モモキング》は消し飛び、後には鬼の大群が残るのみ。

 パワー99999の超パワークリーチャーが、俺を見下ろしている。

 

「……ッこのデッキから有効牌が2枚以上出る確率は……計算しても、仕方ねえか……!!」

「行くぞ!! 《邪王来混沌三眼鬼》でW・ブレイク!!」

 

 トリガーは無い。

 しかも、残る後続は3体。

 《マガン金剛》に《ジャオウガ》、《モモキングダムX》の3体だ。

 そして、T・ブレイカーの《モモキングダムX》の攻撃が迫る。

 槍が次々に降り注いでいく。

 こいつらを全部止められる札なんて──

 

「マスター殿ォ……!!」

「ッ! モモキング!」

 

 声がした気がした。

 今、モモキングが俺のことを呼んだ。

 

「……某も戦うでござる、マスター殿も……諦めちゃ、ダメでござる……ッ!!」

「……」

 

 そうだよな。

 お前が苦しんでる時に。

 俺が諦めるのは……絶対に有り得ねえよな。

 例え今は相対していても、俺達は相棒だ。

 共に闘うパートナーなんだ!

 

「《モモキングダムX》でT・ブレイク!!」

「……俺ってバカだよな。こんなに沢山の人に、仲間に助けられてたのに、自分ひとりでケジメ付けるつもりで居たんだからよ」

 

 砕け散るシールド。

 破片が俺を切り裂いていく。

 だけど、もう負ける気はしなかった。

 

 

 

 

「G・ストライク……《ライフプラン・Reチャージャー》、そして」

 

 

 

 

 ……サンキュー、モモダチ!

 離れていても、俺達は仲間だぜ!

 

 

 

「G・ストライク、《モモスター・モンキッド》!!」

 

 

 

 《ジャオウガ》と《マガン金剛》の身体は雷に打たれたように痺れ、動かなくなってしまう。

 2枚のG・ストライク札……この場は耐え切った!

 

「バカな! 2枚もG・ストライクを!?」

「……0じゃねえ限り、有り得るんだよ! 何にもトリガーをケアしてないなら、文句は言えねえよなあ!」

 

 少なくとも、ノゾム兄ならそう言うはずだ。

 そして、これで全ての札は揃った。

 さっき《ズンドコ・モモキング》が場を離れた時の効果で、俺はマナゾーンから必要なコンボパーツを揃えていたのだ。

 そしてシールドから加わったカード。

 これで……逆転の準備は整った!

 

「《邪王来》の効果で全てのクリーチャーは可能ならば攻撃しなければならない……! 貴様を待ち受けているのは地獄のタマシード・S・トリガーたちだぞ!」

「だろうな。だから、シールドには触れねえ。元より、これで勝つことしか考えてなかったからな」

「何のつもりだ……!?」

「……一点は狙わねえ。全部まとめて、吹き飛ばすぜ!!」

 

 ……モモキング、ありがとう。

 やっぱりお前は最高の相棒だ!

 

「6マナをタップ」

 

皇帝(エンペラー)・S─MAX:ジョラゴン>

 

「よう、久しぶりだな。……紫月との試合で使うつもりだったけど、前倒しだ。頼むぜ──これが俺達の全力全壊ッ!! 俺を進化元に──スターMAX進化だッ!!」

 

 旋風が巻き起こる。

 鬼による本能解放なんかじゃない。

 俺自身の意思で全てを突き貫く、自由の風を、此処で起こす!

 

 

 

「これが俺の真龍の切り札(ドラゴンズワイルド)!! 《MAX─(ガン)ジョラゴン》!!」

 

 

 

 それは──ジョーカーズの中でも最も「自由」とされる存在。

 純然たる龍にして、人の創造した龍。

 そして、全ての弾丸を友とする者だ。

 降り立ったジョラゴンは、無数の火器を身に着け、その弾丸を目掛けて充填していく。

 

「ジョラゴン、だとォ!?」

「ああ──全ての銃が味方だッ!!」

 

 手札も。

 マナゾーンも。

 全て、フルチャージだ……!

 

「発動、ジョラゴン・(ゲット)・ワイルド!! 俺の手札からジョーカーズまたはレクスターズを装填し、その効果を得る!」

 

<《<ライゾウ.Star>》ローディング>

 

「──これで完成!! 名付けて《G・ジョラゴン<ライゾウ.Star>》!!」

 

 装填するのは《モンキッド<ライゾウ.Star>》。

 その効果は、出た時にマナゾーンにカードを1枚置いて、マナゾーンの数よりコストの小さい進化クリーチャーを呼び出す事だ!

 

「そして、この状態のジョラゴンに進化クリーチャーを重ねる事で、装填したクリーチャーの出た時の能力を使用できる!」

「何!?」

「……《ジョラゴン》で攻撃する時、侵略発動!! 《オウ禍武斗<サンマ.Star>》!!」

 

 これで、《オウ禍武斗<サンマ.Star>》の効果が解決される。

 そして、コピーした《<ライゾウ.Star>》の効果も解決される!

 

「その効果でマナにカードを3枚増やし、そしてマナゾーンから《<ライゾウ.Star>》を重ねる! そしてまた《G・ジョラゴン<ライゾウ.Star>》の効果でマナゾーンから《超獣軍隊ダディパイン》を場に出す──」

「待て、まさか……!」

「気付いたみてーだな。マナゾーンに進化クリーチャーが居る限り、このループは続く!!」

 

 俺のマナゾーンには、《ダディパイン》の5ブーストにより、また《<サンマ.Star>》が落ちている。

 まだまだ連鎖されることが出来る。

 次々にその上には《ズンドコ》が、《サンマ.Star》が重ねられていき、その度にマナが増えていく。

 

「だが、そこからどうやって勝つつもりだ!? そのままでは貴様の山札が切れるぞ!!」

「安心しろよ。……お前はもう、勝てねえぜ。《<ライゾウ.Star>》の効果発動!!」

 

 その上に重ねるのは──進化の頂点。究極進化だッ!!

 

 

 

「──究極進化、《神羅サンダー・ムーン》!!」

 

 

 

 現れたのは、雷霹を操る神の月。

 その権能は、マナゾーンから好きな呪文を唱える事だ──ッ!! 

 

「わりーな。逆転はさせねぇ。《一王二命三眼槍》で凌がれるのも、もうゴメンだしな。ラストワード……《オールデリート》!!」

「……そ、その呪文は」

「効果で、互いのプレイヤーのシールド、手札、墓地のカードを全てシャッフルして山札に戻す!!」

 

 その場には大嵐が巻き起こる。

 無論、スター進化で場に残るタマシード達は退かせない。

 だが、重要なのは互いにシールドも、手札も、もう存在しない事だ。

 デモーニオも、俺の場も、ガラ空きだ。

 

「だが、お前もミチヅレだ──ッ!! 俺様が進化クリーチャーを引けば、その時点でお前の負け──いっ」

 

 その頭に《ジョラゴン》の銃口が突きつけられる。

 最後の一撃、残しておかないわけが無いだろ?

 

 

 

「……言ったろ、《<ライゾウ.Star>》の効果をストックしたって」

「ま、まさか、そんなことが──」

「──《G・ジョラゴン》で、ダイレクトアタック!!」

 

 

 

 全力全開。

 全てをデモーニオにぶつける。

 鬼を──剥がす勢いで!!

 

「フルチャージッ!!」

「くっ、おのれ、斯くなる上は──」

 

 次の瞬間だった。

 デモーニオが槍を使い、空間に穴を開ける。

 まさか、逃げるつもりかこの場から──

 

「ぎっ、動かない……!!」

 

 その時だった。

 デモーニオの身体が硬直する。

 見ると──モモキングが実体化しており、彼の身体を羽交い絞めにしていた。

 

「……撃て、主ッ!! チャンスは今しかないでござる!!」

「サイコーだぜ──お前はやっぱり!!」

 

 至近距離からの極大の弾丸が──爆ぜた。

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