学園デュエル・マスターズ WildCards【完結】   作:タク@DMP

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エピローグ

 ※※※

 

 

 

「あああああああああああああーッ!! 止ま”ら”な”い”でござるぅぅぅぅーっ!!」

 

 

 

 ──と、此処までは良かったのであるが。

 自由落下の勢いでジャオウガをブチ砕いたのがいけなかった。

 デモーニオ社長を無事モモキングがキャッチ。

 俺もキャッチ。

 じゃあ……着地どうすんの?

 

「オイ!! オイ、モモキング!! アルカディアス・モモキングの力を此処で顕現させろや!!」

「いやぁー、無理でござるなァァァーッ! さっきの合体で魔力を使いきっちまったでござる☆」

「あああああああああああああ!! お前ええええええええ!!」

「全力全開って言ったのは、マスター殿でござるよなぁ!!」

「そうだけども!!」

 

 今此処高度何mだろう。

 下は海が見えるけど、落ちたら絶対に俺でも助からないよな、きっと!

 

 

 

「部長ッ!! 部長ーッ!! 聞こえるか!!」

 

 

 

 何だ? 下の方から迫ってくる声がする。

 あっ、火廣金とブランドだ。

 ロケット噴射の要領でどんどんこっちに近付いてくる。

 

「おーい、火廣金ーっ!! どうにかしてくれ!! 俺達ゃこのまま海のモズクだ!!」

「藻屑だ部長!! 全く世話が焼ける、最後までーッ!!」

「お前、どうにか出来ないのかーッ!?」

「俺を誰だと思っている。戦闘型魔法使いだぞ? どうにかできる訳がないだろう!!」

「此処から入れる保険は──ッ!?」

「無い!!」

「鬼!! 悪魔!! 殺生丸ーッ!!」

「取り合えずデモーニオ社長はブランドが救出できるし、モモキングは実体化を解除すれば良い!」

「ああ、それで助かるでござるな、危ない危ない」

 

 ”轟轟轟”ブランドがデモーニオの腕を掴み、そのまま抱きとめた。

 ああなるほど。ただ落ちてる俺らと違って、ブースター噴射で飛んでるブランドはそのまま減速して着陸できるのか。

 そして、モモキングもひらひらと落ちる1枚のカードになったため、これで助かる……と。

 

「──って、俺はァァァァァーッ!?」

「下を見ろ、下を!!」

「下ぁ!?」

 

 見たくはないが、ちらり、と見やると──何かが見えた。

 丸い、ドームのようなものが浮かんでいる。

 

 

 

「受け身を取れッ!!」

「って言われても──」

 

 

 

 次の瞬間、身体は何かに抱きとめられた。

 とても柔らかくて、弾む──弾力のある冷たいものに。

 これって、まさか──水……!?

 

 

 

「でも弾力があるってことは、また跳ね上げられるってことだよなぁぁぁぁーっ!?」

 

 

 

 ぽんっ!!

 

 

 

 再び俺の身体は打ち上げられる。

 

 

 

 この時点で、絶対に普通の人間なら死んでいるぞ──!?

 

 

 

「いいや、それだけ時間があれば、十分デスよ!」

 

 

 

 

 何かが俺の手を取った。

 ──これって。

 

「ブランに、サッヴァークッ!!」

「……やれやれ、一時はどうなるかと思ったわい。ワシとブランドでは、速度に差があるからな……貴様の高度に到達するまでの時間稼ぎが必要だったんじゃよ」

「ま、一件落着デスね!」

 

 ぐいっ、と俺の身体は彼の背中の上に引っ張り上げられる。

 ……どうなるかと思ったけど。

 何とかなったようだ……。

 

 

 

 

「紐なしバンジーなんて、二度と、やりたかねぇぇぇ……」

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 

「……クラウディオ! クラウディオ!」

「……ソーラか」

「また曇った顔をしてるー。レシピ作りに一生懸命なのは良いけど、寝ないとダメよ? 気楽にいきましょう?」

「……君の言う通りだ。だが、寝ないといけないのは君の方だよ。ソーラは……身重なんだから」

「私の事を気遣ってくれるの? ふふっ、甘く見ないで。母は強し、っていうでしょ?」

「そうだね。……何か作ろうか? 俺も気安めになるし」

「え? いいの? それじゃあ私……魚卵のパスタが良い!」

「いっつもそれじゃあないか……今度、日本から取り寄せようか?」

「良いの? ふふっ、貴方はいっつも、私のワガママを聞いてくれるのね」

「当たり前だろう……君のワガママをずっと聞くために君と結婚したんだから……だから、子供の名前だって──」

 

 

 

「お父さん、誰と喋ってるの?」

 

 

 

 ──クラウディオは、そこで口を止めた。

 寝ていた息子が、起きてきたのだ。

 もう1度、目の前を見やる。

 そこには誰も居なかった。

 

「っ……」

 

 もう居ない妻と喋る日が続く。

 夜に眠くなると、いつも──現れるのだ。

 

「うるさいッ!! 子供は寝る時間じゃないか!!」

「ご、ごめんっ、だってパパ……最近ずっと……」

「俺の事は良い! 気にしなくて良いんだ……」

 

 レシピ本ではなく、裁判の書類が仕事机の上には広がっていた。

 

「……畜生! 畜生畜生畜生! どうして……どうして……!」

 

(ダメだ! 3人目の名前だけは譲れないよ! それだけは聞けないね! 幾らキミのワガママでもね)

(むぅっ、いじわる! どうしてガンコなのかしら!)

(ガンコなのはキミの方だ!)

(私もう知らないからっ)

(おとーさん、お母さんを追いかけなくて良いの?)

(ははっ、どうせ夕方にはお腹を空かせて帰ってくるよ。お父さんとお母さんが仲が良いの、知ってるだろ?)

 

 

 

「なんであの時くらい、君のワガママを聞いてやれなかったんだぁ……っ!」

 

 

 

(ああ、それか? 気付いてしまったかね。だが、此処は私のメンツを守ると思って……ね?)

(私は貴方の息子さんを、殺すかもしれないですよ……ッ!)

(君にも子供がいるだろう。止し給え。悪いが、息子の将来がかかってるんでね)

(貴方の息子さんの所為で、俺の妻とお腹の子はぁ……!!)

(……これは、事故だったんだよ、クラウディオ君。不幸な事故だ。そう言う事にしておいてくれないか? その方が──お互い幸せだよ)

 

 

 

「絶対に、復讐してやる……! 料理屋なんか要らない、あいつらに最高の復讐をしてやるんだ……ッ!」

 

 

 

 ※※※

 

 

 

「ザマァ見ろ……!! 本当に親族一同の揃ったパーティで殺し合いを始めやがった……!! あいつらは皆根絶やしだ……!!」

 

(ジャハハハハハハ!! 素晴らしいだろう? 鬼の槍の力。そして亜堕無の力は)

 

「ジャオウガ!! 素晴らしい!! こ、この力があれば……あれっ、何で俺は……? こんな事を……?」

 

(代償に貴様の大事なものを頂いた。だが、忘れると言う事は大したものではないということではないかね?)

 

「……そうだな。もうどうだって良い。こんな腐った奴らの居る腐った世の中は俺が壊してやる。俺は……今日からデモーニオだ……ッ!!」

 

 

 

 

 

 

「父さんッ!! 父さん──ッ!!」

「起きてください……父さん……」

 

 

 

 

 ※※※

 

 

 

「……悪い夢を、見ていたよ。ずっと……」

 

 

 

 デモーニオ──いや、クラウディオの寝ているベッドには、ジョンとジェーンがずっと泣きながら縋りついていた。

 

「父さん……!」

「目が醒めた……!」

「……やっと思い出したよ……バカだなあ。こんなに近くに居たのに……何で忘れてたんだろうなあ」

「デモーニオ・エティケッタ。……貴方はきっと、魔導司の手で裁かれるでしょう。退院後、魔導司書数名が貴方を迎えに来る」

「……大丈夫。全部覚えているし、逃げも隠れもしないさ……」

「ミスター・ヒヒロカネ……父は一体どうなるのでしょうか」

「世界を混乱に陥れた罪、相応の罰が下るだろうな」

 

 火廣金はぴしゃり、と言ってみせた。

 かつてのロードのように処刑されてもおかしくない、と言わんばかりだった。

 

「だが──これは俺の個人的な意見に過ぎないが、それでも生きて償い続けてほしいと俺は思っている。子供たちのためにも」

「……そうだなぁ」

「ONIは不祥事の発覚でCEOが逮捕されたことで、社長が交代する……というシナリオだ。しばらくは魔導司の監視が付くだろうが社員の心配はするな」

「……ああ、ありがとう。彼らに罪は無いし、巻き込んでしまったからね」

 

 それと、と彼は続けた。

 

「白銀耀達に……礼を言いたい」

「だそうだ」

「……どーもぉ」

 

 がらがら、と病室の扉が開く。

 現れたのはデュエマ部の面々であった。

 耀に加え、紫月とブランも来ている。

 

「……来ていたのか」

「一応ね」

「ジャオウガは守護獣の力も欲していた。君達を招待したのはそのためだ。だが、そのために君達に迷惑をかけてしまったどころか、私の凶行を止めてもらったこと……感謝してもしきれない」

「いーんだよ、オッサン。まあでも、生きてて良かったぜ。俺からはそれだけだ」

「しかし……決勝戦、楽しみにしていたようじゃないか。どうしたものだろうか」

「あっ」

「そういえば、そんなモノもあったデスね!」

「実は、あの戦いのときにデッキが消し飛んじゃってさ。また仕切り直しなんだよな」

「……ぷぅ」

 

 拗ねたように紫月は頬を膨らませている。

 

「そうか……すまない。デッキは弁償しよう」

「あー、オネガイシマス……」

「そうだ! 弁償ついでに、優勝賞品の《BlackLotus》!! アレも頂けると非常に嬉しいんデスけど……」

「何でオメーはそんな事ばっかり覚えてんだよ!」

「何でブラン先輩が貰う事になってるんですか」

「安心しろ、アレは戦いの余波で何処に行ったのか分からんぞ或瀬」

「WTFーッ!?」

「やれやれ、欲をかくからですよ」

 

 わいわいと騒ぐデュエマ部の面々たち。

 互いに遠慮のない彼らに──何故自分が敗北したのか、デモーニオは改めて悟るのだった。

 

「……俺は妻が死んでから、ずっと一人だった。子供たちの事を忘れていた。だからバチが当たったんだな」

「大丈夫だよ」

「……!」

 

 くっ、と耀は胸を指差す。

 

 

 

「離れれても、今度は心で繋がってんだろ?」

「……敵わんな。君は、本当に20やそこらの若者かね?」

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 ──俺達は帰路につく。

 また、日常に戻る為に。

 港に船が泊っており、俺達は客船で日本に帰る。

 

「──じゃあな、レン。次に会う時はもっと強くなってんだろうな?」

「ああ。首を洗って待っておけ」

 

 ヒナタさんとレンさんが別れているのが見える。

 あの二人の因縁と友情はきっと、これからも続いていくんだろうな。

 ああいうライバル関係、憧れるなあ。帰ったら、ノゾム兄に二人の事を聞いてみよう。黒鳥さんは教えてくれなさそうだし。

 

「ところでシヅクー」

「何ですか?」

「……シヅクって、結局魔法使いなのデス?」

「そうです」

「そうだったんデスか!?」

「えっ、やっぱりマジで!?」

 

 そう言えばそんな話もあったな。

 こいつ、今の今までそんなそぶり一切見せた事無かったのに。

 

「俺もびっくりだが、確かに体内でマナが生成されている。間違いない。俺と同じ、戦闘タイプの魔法使いだ」

 

 ……火廣金が言うんだったら、仕方がないか。

 

「ってことは、翠月さんも!? お前の父さんや母さんも!?」

「いえ、家に居る時、お父さんもお母さんも、そんな話をしたことはなかったですし……火廣金先輩も、私の家族を調べた際、全くそんな痕跡は無かったって言ってました」

「じゃあ、マジで隔世遺伝ってやつなのか……?」

「そうみたいです。私は思いもしませんでしたよ」

 

 ほう、と息を吐くと彼女の吐息から少しだけ雪の結晶が現れる。

 ……マジだったのか。

 確かにこいつも、頑丈な所があるなあとは思っていたけど。

 

「とはいえ、鍛えないと魔法らしい魔法は全く使えないらしいんで、私はこれからも普通の人間で居ますよ」

 

 そう言われると何も言い返せない。

 別に良いか。こいつの専属のクリーチャーなら……それで。

 

「そーデスねー! 私達は普通の日常に戻る為に、戦ってたんデスものね!」

「ああ。何事も無いのが一番だ」

 

 ……正直な事を言うと、久々に皆と会えたのは嬉しかったけどな。

 だから今度は、もう少し平和な出来事であってほしい。

 当分はクリーチャーの実体化とか、そういうのは良いかな、うん。

 船に乗り込み、荷物を下ろす。

 甲板から見える夕陽が妙にきれいだ。

 

「……本当に、色々あったなぁ」

 

 

 

「マスター殿!」

 

 

 

 その時だった。

 モモキングが真剣な面持ちで俺の前に現れる。

 

「おいどうしたんだよお前」

「我らは……確かに最強だったでござるな?」

「ああ、最強だったよ。間違いなくな」

「しかし、それはあくまでも、二人揃った時の話」

「え?」

「某……今回の事件で、己の力不足を痛感したでござる……かくなる上は──再び、修行の旅に出るでござるーッ!!」

「またァ!?」

 

 なんか知らんけどこいつ、勝手に燃えてるな。

 ……まあ止める理由もないし、また何かあったら駆け付けてくるだろ。

 それくらいの信頼感で繋がってるのだ、俺達は。

 

「ま、いいか。離れれても……心は繋がってるもんな」

「うむ!」

 

 ばさっ、ばさっ、とアルカディアス・モモキング由来の天使の羽根を広げ、彼は──空に飛び立とうとする。

 

 

「それではマスター殿!! いずれまた会う日まで、さらばでござるっ!!」

 

 

 

「おーいモモキングゥ、後で黒鳥の部屋で宴会すんだけどよー、オメェ来るだろ!?  サッヴァークの爺さんも参加するってよ!!」

「私も参加するデース! お酒も沢山買ったデスよーっ!」

 

 

 

「謹んで夜通し参加させてもらうでござる──ッ!!」

 

 

 

 俺はずっこけそうになった。

 返せ!! 感動の別れを!!

 

「アカルも来マスかー!?」

「お、俺は……良いかなあ……」

「むぅ、シヅクにも逃げられちゃったデスよ! ひっく」

「もう出来上がってやがるコイツ……!」

 

 ……ブランの酒癖に巻き込まれるのだけは絶対に勘弁だ。うん。

 さー酒デースと言いながら鼻歌うたってる始末だし。

 そんでもって──

 

「……ブラン先輩、行きましたか?」

「お前はお前でそこに隠れてたのかよ……」

「ええ、偶然です」

 

 くるくる、と髪の毛先を指で巻くと、彼女は問うた。

 

「結局、決着はつかず仕舞いでしたね」

「まー、今無理して決める必要もないんじゃね? 楽しみが一つ増えたってことで」

「むぅ……」

「それに、世界の暁ヒナタを倒したようなヤツに挑むなら、全力を出したいからなー」

「破ったら、凍らせますよ」

「……それは重々、承知してるよ」

 

 それと、と彼女は続けた。

 何処か好奇心に満ちた悪戯っ子のような笑みを浮かべてみせる。

 

「結局、私が魔法使いで……先輩がクリーチャーなんですよね?」

「奇しくもそうなっちまったな」

「……子供って、どうなるんでしょう?」

「え”」

「さーてと、部屋で待ってますよー、新しいデッキの相談もしたいですしー」

 

 

 ……。

 

 

 ……参ったなあ。

 結局俺、この子には一生敵いっこなさそうだ。

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 ──翌朝。

 

 

 

「おのれ……! 何故僕がいつもこんな役回りを……!」

「ぐごがぁぁぁ」

「ずごがぎががが」

「くかー……」

 

 

 寝こけた3匹の守護獣に向かって、寝不足の黒鳥は叫ぶ。

 最も、一向に起きる気配は無いのであるが。

 

「全く、ストッパーが居ないと、あそこまで騒がしいとは……白銀の奴も連れて来ればよかった」

「えー……アカルとシヅクはやめといた方が良いんじゃないデス?」

「何故だ! 奴らの守護獣だろう!」

「バカップルデスから」

「おい……まさか守護獣共は、気を遣ったのか? こいつらなりに?」

「恐らくは……」

「はぁー……ヒナタの前では強がったが、僕もいい加減、独り身は寂しくなってきたな」

「それじゃあ私とかどうデスか? 独り身だし、可愛いし、頭も良いデース!!」

「ハッ、却下だ却下、貴様だけは絶対に無い」

「何でそんな事を言うデスかー!?」

 

 

 ※※※

 

 

 

 ──しばらくしただろうか。

 あれから、後始末も大変だった。

 事情を知ったノゾム兄には大層労われ、ついでにヒナタ先輩に自分も会いたかった、と羨ましがられたのだった。

 翠月さんも桑原先輩も、鬼化した住民を止めるので大変だったらしく、日本は日本で大騒ぎだったようだ。

 デモーニオは重い罰を受けることになるらしいが、情状酌量の余地があるそうだ。 

 全ては丸く収まり、再び平和が訪れようとしていた矢先である。

 ……俺達関係者一同は、火廣金に呼び集められていた。

 

「……」

「……」

「……デース」

 

 彼の傍には、小さな女の子が──それも角が生えた女の子が立っていた。

 

「あのさー……火廣金、誰この子」

「鬼月だ」

「え”」

「何よ! あれくらいで、この私が消える訳無いでしょ!」

 

 ……それにしては随分と小さくなったな?

 中学生? 小学生? どっちだ?

 それくらいの背丈になっちまった。胸は……デカいけど。

 

「なあ……紫月。こいつに吸われたものって」

「全部元に戻りましたが……」

「全く酷い奴等ね! みーんな私の事忘れてるんだから! とゆーわけで、耀君は私のものなのよ!」

「小娘が身の程をわきまえなさい」

 

 紫月の目が赤く光る。

 空気が冷たくなり、6月なのに霜が降る。

 やばい、やばいよ。一触即発じゃねーかよ。どうしてくれるんだよ。

 

「私は耀君とちゅーしたもん!!」

「私だって耀君に──」

「おい馬鹿やめないか!!」

 

 こんな所で張り合っても仕方ないだろう。

 もう悪さをするような魔力も無いし、知性も外見年齢相応に落ちてるらしい。

 っていわれてもなあ……。

 

「他に引き取り手が無いのでどうしようかと思ってだな……」

「謹んでお返しします」

「なんでよーッ!! もう悪い事しないもん!!」

「Cute!! じゃあ、うちに欲しいデース!!」

 

 ブランが鬼月に抱き着く──が、キマっている。色々。

 

「ぐげげげげ、こ、殺される──」

「或瀬、首が!! 離してやれ!! 見た目は鬼だが、もう色々人間並みなんだぞ!」

「し、死ぬかと思った……こんな女のところに居たら、死んじゃうんだけど! 私、耀君と同棲するもんっ!」

「どうやら遺言を書く準備は出来たようですね」

 

 誰がどうやって収拾つけるんだ?

 ジャオウガは倒したのに、新たな争いの種が撒かれてるんだけど……。

 

「つまり、妹が増える……ってコト!?」

「みづ姉!? みづ姉の妹は私だけなんですよ!?」

「そうは言うけど、どっちもしづなんでしょ? 小さい頃のしづみたいで可愛いわあ」

「桑原先輩からも何とか言ってやってください!」

「じゃあデュエルで勝った方が本物の妹ってことで良いんじゃね?」

「乗った!」

「絶対に勝つのは私ですよ!」

「じゃあその次は私がシヅクとデュエルするデース!」

「何でそんな話に──」

「なら白銀ェ、久々にテメェと戦わせろや! 丁度良い所に刀堂兄もいるしなァ!」

「おっ、そんな話? 花梨も混ざるか?」

「あたしは賛成! 緋色、良いよね?」

「勝手にしろ。俺は止めんぞ」

 

 ……やっぱり、完全な日常には戻れなさそうである。

 

 

 

 

「そうだな……取り合えず、皆でデュエマすっか!」

 

 

 

 

 ──「学園デュエル・マスターズWildCards─切札VS鬼札篇」(完)




というわけで、王来MAXに合わせた最終章MAX、これにて完結です!! 所謂、夏の劇場版枠といいますか、番外編チックな話になってしまいましたが、改めて、最後に書きたかったものが書けたので良しとしましょう。
……それでは、次回作でお会いしましょう。また。
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