この優秀な魔法使いに爆焔を!   作:ピカしば

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プロローグはめぐみん視点でしたが本編はカズマさん視点ですのでよろしく。
※最後の内容をガッツリと変更しました。








第1話︰紅魔族一の使い手

「カズマは、優秀な魔法使いが欲しいですか?」

 

 

 

 

  ━━めぐみんが上級魔法を覚え、里の外からの帰る途中でめぐみんがゆんゆんと勝負をしたいと言い出した。

  本人曰く『紅魔族一の使い手』をかけた重要な勝負らしい。

  そして今は勝負の開始数分前。

 

「そろそろ時間ですね……」

 

「うん……でも本当に良いの?あの内容で?」

 

「構わないと言っているではありませんか……何ですか?自分が勝てると思っているから余裕なんですね!!心配しなくても!すぐ、あなたに紅魔族随一の負け犬の称号を授けてあげますよ!!」

 

  心配してくれているゆんゆんに突っかかるめぐみん。

  今回のめぐみんとゆんゆんの勝負には村中の紅魔族が観戦に来ている。

  めぐみんがどうせならこの勝負の行方を紅魔族全員に見てもらいたいと言い出したのだ。

 

「本当に大丈夫なんだろうな……」

 

  流石に今回の勝負の行方は俺も少し心配だ。

  なんせ今回の勝負は勝った方が紅魔族随一の使い手の称号を得て、負けた方は紅魔族随一の負け犬の称号を得てしまうという紅魔族的には中々ハードな賭けをしているらしい。

  里中の人達に見られているので簡単にその汚名を払拭する事も出来ない。

  勝負の内容はゆんゆんの父親である族長が決めたもので、その内容は『1時間以内に森に生息している指定されたモンスターを討伐し、その合計ポイントで競う』というもの。

  どう考えてもめぐみんには不利な勝負内容にゆんゆんが困惑している。

  ちなみに、一撃熊が5ポイント、グリフォンが10ポイント、マンティコアが15ポイント、その他雑魚敵が1ポイントで倒した数は冒険者カードに記録される。

  そして……

 

「よーい!どん!!」

 

  族長の掛け声と共に2人は森の中へと駆け出した━━。

 

 

 

 

 

 

「━━それでは結果を発表する!!!」

 

  討伐を終えためぐみんとゆんゆんの冒険者カードを受け取った族長が大きな声で叫ぶ。

 

  「ゆんゆんの点数合計68ポイント!!」

 

  周りから歓声の声が上がる。

  流石は雷鳴轟く者だの、やはり私の目に狂いは無かっただの、あいつは俺の生徒だっただのと、ものすごい賞賛の嵐となっていた。

  正直、俺も驚いた。

  別にゆんゆんを過小評価していた訳では無かったが、この短時間で一撃熊やらグリフォンやらをポンポン討伐して来るのは少し背筋がゾッとする。

  これからゆんゆんにセクハラをするのはやめておこう……うん、そうしよう。

  当のゆんゆん本人は、顔を赤くして下を向いてしまっているが……

  しかし、誰もこの後にある、めぐみんの結果発表に期待はしていない。

  当たり前だ、紅魔族の連中は皆、めぐみんが爆裂魔法しか使えない欠陥魔法使いだと思っているのだ。

  当のめぐみんは帽子を深くかぶり、口元をニヤつかせている。

 

「あいつ…マジかよ……」

 

  そんなめぐみんの様子に誰も気付かないまま、めぐみんの結果が発表される。

 

「それじゃあ一応めぐみんの点数を……って何じゃこりゃあ!!」

 

  族長のその言葉に、騒がしかった紅魔族が一気に静かになる。

  いつまでも固まっている族長に、めぐみんが杖でつつきながら続きを言えと催促している。

 

「あ、えっと……めぐみんの点数合計は110ポイント……よってめぐみんの勝ち!!」

 

  その言葉に場の空気が一瞬固まる。

  そして、その空気を一蹴するかの様にめぐみんはバサッとマントを翻して……

 

「我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法の使い手にして、上級魔法を操る者!そして、いつか魔王を討伐する者!!」

 

  そのめぐみんの名乗りに紅魔族全員から大きな歓声が上がった。

 

 

 

 

「━━さあ!早く名乗るのです!紅魔族随一の負け犬、ゆんゆん!!」

 

「やめてぇ!うわああああああー!!」

 

  さっきからめぐみんがゆんゆんに早く紅魔族随一の負け犬を名乗れと強要している。

 

「もうやめてやれよ……そろそろゆんゆんが可哀想だろ……」

 

「カズマがそこまで言うなら仕方ありませんね…ですが、勝負は勝負です!今回はこの辺にしておきますが、次に会う時までにはちゃんと名乗れる様にしておいて下さいね『負け犬』」

 

「うわあああああああー!!」

 

 めぐみんはゆんゆんを虐めるのに熱が入ってきたのか、頬を火照らせている。

  たまに思うが、あいつは地味にいじめっ子の素質があると思う。

 

「馬鹿な事をやってないで帰るぞ……最近はずっとバタバタしてたからな、早く帰って屋敷でゴロゴロしたいんだよ」

 

「この男は、平気でそういう事を言いますね……」

 

 めぐみんからの視線が冷たいものに変わるが気にしない。

 

「それにしても、めぐみんが本当に上級魔法を覚えるなんてね……」

 

  ゆんゆんが涙目になりながら、とても意外そうにそうに口にする。

 

「私だって色々考えていたんです、カズマがピンチになっても何も出来なかった……爆裂魔法はそれはそれは美しくそして威力もある最強魔法ですけど、そんな事より目の前で仲間が……カズマが死ぬのが怖かったんです。だから私は……」

 

  笑っているのにどこか寂しそうな顔でそんな事を言うめぐみんに俺もゆんゆんも何も言えなくなってしまう。

  ……俺はまた、ふとバニルの言葉を思い出していた。

 

『貴様はこの旅の目的地にて、仲間に迷いを打ち明けられる時が来る。貴様の返答次第では、その仲間は自らの歩むべき道を変えるだろう。汝よく考え、後悔のない助言を与えるようにな』

 

 

「やっぱり止めるべきだったのか……」

 

  そんな後悔の言葉を誰にも聞こえない様に呟く。

 

「どうしました、カズマ?」

 

「いや、何でもないよ……」

 

「……そうですか、ではそろそろアクア達とも合流しましょう。帰って早く魔法の練習もしたいので」

 

「そうだな…たまになら、練習にも付き合ってやるよ」

 

「たまに、ではなく毎日付き合って欲しいです。私がこんな身体になってしまったのはカズマにも責任があるんですよ。」

  何故か顔を赤らめ、下を向きながらそんな事を言うめぐみんに、

 

「いちいち卑猥な言い方をするな!!俺はお前の冒険者カードを操作して上級魔法覚えさせただけだろ!!」

 

「ええ!?カズマさんがめぐみんの冒険者カードを操作したんですか!そんな!?いつの間に冒険者カードを預けあえる様な関係に……でもめぐみんは今日、カズマさんは私の男だって言ってたし……」

 

  何やらゆんゆんが勘違いをしているようだが、そんな事、今はどうでも良い。

  このままでは俺のこれからの引きこもり生活をこのロリっ子に邪魔されてしまうのだ。

「俺はお前の魔法の練習に毎日なんか付き合わないぞ!!俺の引きこもり生活を邪魔するのならたとえお前だろうと容赦はしないからな!!」

 

  そう、俺は真の男女平等を掲げる者。

  たとえそれが仲間の女の子であろうと、俺の安息を邪魔するのであれば容赦はしな……

 「そうですか、なら仕方ありません。他の人にでも頼むとしますね」

 

  そう言って俺の言う事に反論してくるめぐみんに……

 

 「あれ?」

  こいつ今なんて、

 

 「どうしました?」

 「へ?良いのか?毎日練習に付き合わなくても?」

 「別に構いませんよ、ここ最近はずっと遠出していて疲れているでしょうし、それに今回のシルビアとの戦いでカズマは大活躍でしたし、カズマが練習に付き合えない時は私ひとりで頑張ります」

 

 「お、おう…そうか」

  そんな風に言われると何故か少し罪悪感が……

 「ま、まあ……別に帰ってからはそんなに忙しい訳じゃないしな!毎日とは言わないが出来る限りは練習に付き合ってやるよ!」

 「そうですか、それじゃあ出来る限り練習に付き合って貰いますね!」

  めぐみんが凄く胡散臭い笑顔でそんな事を言う。

 

  これは嵌められたな…

  そういえばこいつは頭が良いんだった。

  変な悪知恵も働くようになってるが、これからはまともな魔法使いとして活躍してくれると思うとそんな些細な事も許せてしまう。

 

 「カズマァ!ボーッとしてないで早く戻りますよ!」

 「お、おう!そうだな」

 

 「ねぇ?結局カズマさんとめぐみんは付き合ってるの?」

 

  ここまで来て、何故か何も理解出来てなかったゆんゆんに本当の事をちゃんと説明して、俺達はめぐみんの実家に帰った────

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
こんな作品ですが、良かったと思って頂けたらそっとお気に入り登録や高評価を付けてくれると幸いです。
お気に入りや高評価が増えたら投稿も頑張れるかもしれないです。(多分、いや、やっぱり無理かも……)
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