ガタッガタガタッ..... 俺の肩が揺れる。目を瞑り、睡眠という数少ない安寧の一時から現実へと戻りそうになる。
「ぉ――――――」
何だ...... まだ朝だろ母さん。
「おい!!――――丈夫か―」
うるさいなぁ、まだだって言ってるだろ?ウチはカーテン無いんだから日光差せば起きるよ。
「おいッ!!坊主!!大丈夫かよ?......おいッッッ!!!」
「のわぁッッッッ!!!」
目の前にそびえる中年の大男の力がこもった大声に驚きふためいた俺は地面を跳ね起きる。感触がおかしい、ここはベッドの上、寝室じゃないのか?......と言うか母さんと中年男性間違える俺って何なんだよ。まだ目がボヤける。
それよりもこれはどう見ても丁寧に敷き詰められた石レンガのような触り心地......
いや、石レンガか。
んで、俺はどこに居るんだ?誘拐か、それとも寝ながら窒息という死に方でもしてここは冥界という説も。さすが厨2
だな。感覚的に違うだろ。
「おい!!坊主、いつまでボケぇ~っとつっ立ってんだ!!おう?俺か。俺は王都正門の門番、就任からなんと2日目ッッッッ!!!小さい子供からは«元気な息臭おじちゃん»というあだ名を...... って誰が息臭じゃあ!!!」
「確かに臭いですね。」
「うるせぇよ!!中年の悩みを抉るな坊主が!!バーカ!!」
この馴れ馴れしい巨人はどうも門兵らしい。口臭がコンプレックス(大男談)の話に適当に合わせたら怒られたが、何故だか少し楽しげだ。周りを見渡すと正門前には荒れた谷が広がり、その付近になんとか馬車の1つは通れそうな一本道が見える。恐らく、他国。もしくは害獣対策なのではと、厨2病特有の妄想からの推測を終わらせると、「いつも人通りが寂しいから職場で話ができて嬉しい(?)」という結論に至った。
「ところで...... ここは何処で貴方は誰ですかね?」
「おいおい、俺の名前はともかく記憶喪失みてぇな事言うなぁ。ここは«魔界»と交戦中の、文明国。
その王都«セラフ»だよ。その感じだと異国から来たか«転生者»なんだろ?......もしくは本当に記憶喪失なのか。」
魔界?王都?転生者?何それ楽しそう。
もう門前から見ても明らかに中世ファンタジーゲームみたいだから察してたがな!!ラノベすげぇ!!
「じゃあ俺はニホンってとこに住んでた記憶はあって、この世界はハジメマシテだから転生者的な感じかな?」
「ニホン...... 発音難しいなぁ。まあ門兵就任2日目の俺が知らねぇ国か地名なんだし、記憶もあるみてぇだから«転生者»なんじゃねぇの?マジの転生者だったらラッキーだぞお前。転生者なんて天職ねぇもんな、変わってほしいもんだよ。」
就任2日目ってあんましスゴくないだろ。あと天職って何だよ、かっこいいな。とか内心思いつつ、引きつった顔で軽く空を見上げた。どうやら全く分からないこの状況下で、混乱してきた頭を静めた俺は、脳内の1ページに今日の日記を殴り書きした。
「«厨2の俺は転生者らしい»」
――#プロローグ,End
どうでしたか?w 感想&訂正文もどうかよろしくお願いいたします。