モチベがまた下がりつつある…なんとかせねば。
でもP4Gやりたい…(最近買った)
さて、アザゼルの下で修行に明け暮れるリアス達。彼女らは『赤龍帝の鎧』を安定して発動できる様になった兵藤一誠を筆頭に、めまぐるしい成長を見せていた。
だがまだまだ足りないと、アザゼルは心中の焦りを払拭する事はできない。あの正体不明の少年や『魔獣創造』と戦い勝利を収めるには不足しすぎている。現状三大勢力に残っているカードでは撃退すら怪しいだろう。
せめてヴァーリが裏切らずこちらに着いたままで居てくれれば、と思わずには居られない。どうしたものかと頭を悩ませるアザゼルの元に一通のメールが届く。
「あん?…ファルビウムからか」
ファルビウム・アスモデウス。四大魔王の1人であり、冥界の軍事を統括している者。「働いたら負け」が口癖の怠け者であり、仕事のほとんどは自身の眷属に丸投げしている筈だったが、彼は冥界襲撃以降、自ら働く事が多くなった。
「……こいつは…なるほど…」
届いた二つメールに目を細める。一つ目のメールは依頼。これぐらいなら今のリアス達に任せても、大丈夫だろう。そう思った堕天使総督はその場を立ち去り、教え子達の元へと向かう。
「……あの野郎」
その道すがら、もう一通のメールを見やる。それは、ミカエルからの招集願い。内容は、自分達の見たあの少年の正体について説明したいとのことだった。
「…嫌な予感がするな」
■ ■
日差しも強くなり行く朝九時。
仏蘭西のとある片田舎にある孤児院。従業員の一人であるアーシア・アルジェントは目を覚ます。先日は新しく来るとい子供達を迎える準備もあってから寝るのも遅くなってしまい、普段は規則正しく起きている彼女もこの始末だ。
まだはっきりと開いていない瞼で自室を見渡す。準備が終えたら片付けもせずに寝てしまったので酷く散らかったままだ。
「…かたづけ、なぃとでふね、へ…」
思わず大きなあくびが出てしまう。パパッと冷水で顔を洗ってしまおう。そう思えば、あっさり起き上がり、ゆか元に気をつけながらひょいひょいと散逸する資材をまたいで行く。 ちらと視界に机上にある紙切れが映る。とっさに手を伸ばしそれを見やった。
『アーシアちゃんへ、
ちっとゼノヴィアちゃんと近所まで買い出し行ってきますわ。すぐ戻るけどねん。あ、そうそう。朝飯は作ってガキどもに出しといた(脳味噌筋n私が)から安心してくれ。何かあったら直ぐに我々に連絡するように。なんだか、今日は嫌な予感がする。杞憂ならば、良いのだが。
ゼノヴィア・クァルタより』
「……へ?」
時計を見やる。針はきっかり九時を知らせていた。アーシアの中で焦りが走る。ドタドタと身支度を手荒く済ませれば、彼女は自分の仕事を果たしに行くのであった。
自室から出たアーシアが一番に目にしたのはいつもと変わらずに遊んでいる子供達の姿。焦りが急激に安堵に変わったせいか思わずその場にへたり込んでしまった。
「あ、先生起きた」
「アーシア先生珍しく遅刻だね」
「せんせー!フリードに勝てる方法教えて!」
「いや無理でしょ、諦めなさいよ」
ドタバタと子供達が駆け寄って来る。いつもと変わらない元気さに思わず笑みが浮かんで行く。ただまぁ、やはり寝過ごしてしまった事に自らの未熟さを痛感したのか幾分バツの悪いものだが。
「…皆さん、おはようございます」
おはよう、と声が帰って来る。ここにいる子供達や従業員の数は決して多くはない。だがそれでも、彼女には十分すぎるほどの縁だ。
何はともあれ、先ずは身だしなみをたとえなければいけない。そう思ったアーシアに、来客が、来る。
「先生、お客さん」
「えぇ⁉︎も、もうなんですか…?」
アーシアの中では新たな孤児達がやって来たのだと思っていた。
それは恐怖と不安。来たのが新たな孤児達であればそこに恥ずかしさや嬉しさが混ざる、宅配業の人であれば顔馴染みだ。怖がる理由も、不安である理由も無い。
「…ジーン君、避難口まで皆をお願いします。
フランさんは買い出しに向かった二人に連絡を」
「…わかった。皆付いて来て。姉さんも早くね」
「ええ、…何事もなければ、良いのだけど」
いくら子供達の安全を守る為とは言えども、その二人が年長者と言えども、本来守るべきである姉弟に頼ってしまう己は、度し難く、不甲斐ないと思う。だが、今だけは意識を切り替える。
来た存在がどうか穏便な方、子供にとって害のない者である事を祈る。アーシア・アルジェントは時間を稼ぐ為、己の舌を上手く回さなければと決意する。
「…信じています。ゼノヴィアさん、フリードさん」
最後に、残る微かな希望に甘えぬようにと、十字架のネックレスを床へと落とす事にした。カタン、と嫌に軽く尖った音が、少女の鼓膜によく響く。
■ ■
魔王からリアス達へ委託された依頼は過去に行方不明となったはずの眷属が確認されたという孤児院の調査だった。内容は極単純で、ただその眷属が本人かどうか確認して欲しいといこと。それが完了次第、撤収を命じられている。
「けどね、私は思うの」
ただ、誤算である。
「その眷属達を奪還出来れば、きっとお兄様達の負担も減るわ。こんな状況だもの、少しの無茶ぐらいはやるべきよ」
ファルビウムは致命的なミスを起こした。それは、作戦を遂行する上で使用する駒の性質の不理解である。リアス・グレモリー、彼女の人格や性質の理解を怠った。
「それに…あの時連れ去られていった子は…」
誤認。リアスが助けることができなかったと思い込んでいる、獣へと感謝を告げたあの少女。彼女の身体に残る傷は、獣によって負わされたものなのではと誤解した。
「連れ去られた子達の扱いは、想像に難くないわ」
その言葉に赤龍を宿す男は怒りに双眸を尖らせる。聖魔剣をその手に手繰る男は目を伏せる。雷光を下すことが出来る堕天使でありながら悪魔の女はその眼を細め、主君殺しの咎を背負った姉を持つ猫の妖であった少女は複雑そうに顔を歪める。
「さぁ、あの子達を助けてあげましょう」
それは、正しようの無いすれ違いだった。
だからこそ、この対立には必至だった。
かくして本来の道筋なれば仲間同士であった者達は出会う。分かり合え無い者同士、平行線の会話が始まる。
「それで、一体なんの御用でしょうか?」
子供達の避難準備も終わり、悪魔払いへの連絡も済んだ。そうして漸くリアス達は迎えられる。客室にて金と赤の二人はそれぞれはしっかりと向き合って居た。
「ここに居る子達を返しに貰いに来たの」
ほぅ、と長く熱い息がアーシアの口からゆったりと漏れる。恐怖と不安が背筋をゆったりと這い回る。それを悟られまいと、顔に下手な苦笑を貼り付け平然を装う。
「…仰っている意味がわからないのですが」
嘘だ。此処が何の為に作られた事ぐらい知っている。身寄りのない子供達の為の最後の居場所。今まで数え切れない程の酷い傷を癒してきた。 その子供達がどういう経緯を持っているかなど、知っているし、思い知らされた。
「分からないとは言わせないわよ?」
「ちゃんとした説明を求めます」
「…ちゃんと答えてもらえないかしら」
「ですから、理解が出来ないと…」
一触即発。キリキリと張り詰めた空気が場を支配する。悪魔達は耐える。アーシアの貼り付けた呆れ混じりの苦笑がリアスの神経を煽り逆なでする。満面な笑みで逆鱗を鱗取りで剥ぐようなものだ。
だが耐える。警戒が冷静なれと彼女達の頭に警告する。相手は何をして来るのか、手に持つカードは如何様なものか、それが分からない以上下手に先手を打つなとアザゼルに何度も釘を刺された。その忠告が生きている。
リアスは続ける。襲撃された冥界の事を、自らが憶測した連れ去らた者達の憶測を語る。半ば糾弾にも似た口振りで。そして、転生悪魔のことも勿論語った。さも皆が幸福であるかのように。そして叶うならば穏便で事を済ませたいと最後の一線を引いた。
沈黙。此処で断ればどうなるか、少女の中で思考が始まる。諦観気味であるが故か嫌に鮮明だ。
此処で断ればどうなるか。拘束か、いや、捕らえられて尋問だろうか。…拷問の方が可能性は高いだろう。だがまぁ、それが、
そうともなればもう迷わない。覚悟は既に我が胸へ、ともなれば逃げる道理も理由もなし。沈黙を破り口を開き言の葉を舌に乗せ、音節を紡ぎ届ける。
「此処は、孤児院です」
アーシア・アルジェント、彼女は神を信じていた、並々ならぬ信仰を抱いていた。それは打ち砕かれた。拾われたあの日、神は死んだと知らされて、深い絶望に沈んだこともあった。
「此処は、あの子達にとっての居場所です」
神は死んだ。信じていた存在はこの世にいない。だが、だがそれでも、そうであろうとも、己の『やるべき』は変わらない。
生まれながらに人を癒せる力がある。であればこそ、人を一人でも多く助けるべきではないのかと、道を照らしてくれた韓服の男を思い出す。
「此処には子供達の笑顔がある。幸せがある。それは、あの子達の傷が治り行く証です」
弱さと甘さを捨てろ。救えない命があろうとも最後まで足掻くのだ。死なない限りは助ける事ができるのだから。
自分に出来ることは外敵を打ち倒すことではない。命を助ける。ただそれだけだ。ただそれのみだ。ならば、それを果たせ。
私にはその『権利』と、『義務』がある。
「お引き取りを、貴女方に返すべき子供など、此処には一人も居ません。重ねて告げます。───お引き取りを」
人として、かくあれかし。
「……残念ね」
語るべくして言葉を交えた。だが分かり合える筈も無く、話は交わる事がなかった。ならばこそ、最後の手段がとられる。思わず目を瞑る。だがやるべき事は見失わない。震えた喉であろうとも、大声は出せる。『逃げて下さい』、それを言おうとした瞬間。
「部長!伏せて下さい!」
「! これは……⁉︎」
一発の光弾がガラス窓を叩き割り紅の髪を狙う。紙一重、僅かな差でそれは直撃を免れた。皆が窓より外を見やる。けたたましい音が鳴り響く。今度こそガラス窓は完全に割れ尽くし、二人の『人間』が場に揃う。
一人は黒一色のカソックを纏う隻腕の男。それはさながら片翼を捥がれた黒い鳥。健在である手に持つのは一丁の銃。
一人は青いコートを見に纏う者。恐らくは女。舞乱れる青髪は風に煽られた花のように。その手に持つのは一振りの聖剣。
「その予定はキャンセルだ、悪魔」
「オタクで多分28人目。怖がんなよ、
ちょーっと死ぬ時間が来ただけなんでね」
戦場の門を見下ろす。抜け出すことも出来ただろうに。 幼き夢にお別れを、現実は此処にある。太古より繰り返す人と化物の諍いが今の世界の未来を埋める。
■ ■
「うひゃひゃひゃひゃひゃ! おいおい見てみろよユークリッド君、あのリリスがご覧の有様だ。まさに地獄だ、紛争地域など目ではない。これこそが悪魔が住まうにふさわしいとは思わないか?」
「……にわかには信じがたい光景ですね。未だ夢なのではと、疑ってしまいます」
その悪魔は壊された冥を嗤う。嬉々快笑。その四文字が相応しいぐらいに笑い続ける。其の者の名は『リリン』。つまりは本来の《明けの明星》の血を引く者。正当なる金星の血を引く者。
リゼヴィム・リヴァン・ルシファー。『超越者』に名を刻む者の一人。
「やっぱべらぼうに強いな
存外に強いな!規格外に強いな!強すぎるな!
しかもだ!これでも全力じゃないんだぜ?」
彼には目的がある。 彼や今の人類や人外がいる世界とは違う虚数と実数。つまりは未だ観測されたことのない異なる地。『異世界』その有無を知る事。
その為には力がいる。最強の一角『赤龍神帝』を下しうるほどの絶大で圧倒的で規格外で特異的で頂上的で理解不能ともなるほどの莫大な力が。それが『黙示録の獣』。
「やはり想定通りの人格でしたが、どう致しましょう。拉致、洗脳、扇動、は我々が彼の忌むべき種族である以上不可能でしょう。やはり、グレートレッドをこちら側に呼ぶ方がいいのでは?」
「否! 引く水の無い田園がどこにある? それは得策とはいえないよ、ユーグリット君。今この世界には奴がいる。72柱の王はバビロンの穴より這い出てきた。お世辞にも良策とは言え無いなぁ」
リゼヴィムの手にはワイングラスが揺れている。注がれている美麗に赤く透き通る葡萄酒は見るだけでも十分に楽しめる。
「…
「勿論だとも。あの赤龍がこの世界の実数を代表する生命だとしたら、そうだろう。そうであるならば、そうだろう」
葡萄酒を飲み干す。ふぅ、と休暇に身を存分に休ませる者のような安らぎの息が大気へと溶けてゆく。
「今から俺達が挑むのは大敗を前提にしなければ正気など保てない、最高に、最高に楽しいギャンブルだ。さぁ、爆ぜる直前の風船にメスを入れよう。死にながら笑って準備を整えよう」
狂っている。まともでは無い。人はそういうだろう。だがこの悪魔はそれを一生に付すだろう。狂い無くして何が悪魔だ、と。
「グレンデルとアポプスを出せ! 思うように暴れさせよう!先ずは彼を起こそう。先ずは彼を怒らせよう。そして彼が愛した者達を全部壊させよう。そして彼自身を再び、壊そう。その上で仕向けよう。ああ、きっと楽しいよ?」
現在各陣営
三大勢力:冥界を襲った組織の特定中。悪魔はそれに加えて冥界の復興と眷属捜索及び奪還も含める。
大いなる都の都:第二次侵攻準備中
ソロモン:障害となり得るリゼヴィム捜索中
リゼヴィム:行動開始
旧魔王派:ソロモンに組みしているクロウ・クルワッハにより壊滅。
サマエル:静観
日本神話:静観
北欧神話:静観
ギリシャ神話:静観
次回は戦闘だから意外と早く出せるかも?(て言ってるor思ってる時は大体遅いです。ごめんなさい本当に)