冥界の女神は元Aチームマスターの夢をみるか   作:Reji

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ドラクエ6初見でやったんですけど面白かったです


6.叛逆軍

「まずは自己紹介をしておこう。我が名はアタランテ。カリュドーンは魔獣の力を手にせし者だ」

 

「なるほど、反転状態か」

 

いわゆるオルタというやつだ。オルタはそこそこイレギュラーな状態なのだが、カルデアにゴロゴロいた影響か立香達は見慣れていた。カルデアの資料でしかサーヴァントの知識がない誠もそうである。

 

「まあな。だが、取り立て悪いものでもない。元々、私の霊基はこの魔獣に適正があった、ということだろう。お陰で、ヤガにも仲間と認めてもらえるからな」

 

そんなことをドヤ顔で語るアタランテ。

 

誠はその様子でアタランテを凝視していた。服装もかなりエロいからだ。

 

ジロジロ見ているのがバレたのか誠はエレシュキガルにお腹を小突かれる。

「いてっ」

 

「全くどこを見ているのかしら?そんなに見たければお腹くらい私でも⋯⋯ぐぐぐ⋯⋯」   

 

「エレちゃんも落ち着ついてくれ」  

 

「そこ勝手にイチャつかないでくれる!?」

 

「イチャついてないです。ただの日常会話ですよイシュタル神」

 

「その日常会話二人の時にやりなさいよね!」

 

「⋯⋯コホン!話を戻すぞ」

 

アタランテは咳ごみをし話題を戻す。

 

「気がつけば私はこの土地に立っていた。呼ぶ声によってな。あれは世界の断末魔だったのだろう。この、我々の歴史にないロシアに上書きされた、本来のロシアのな」

 

「なるほど、抑止力か」

 

そこに立香が割り込む。

 

「抑止力ってなんだっけ?」

 

――よくそれで人理救えたな⋯⋯。

 

誠は呆れ半分といった感じで説明した。

 

「抑止力といってもいろいろあるが簡単にいうと、世界が危機に陥った時にその原因を排除するためになんやかんやしてくる機関のことだ」

抑止力のことについて説明し始めると複雑で時間かかるのでやめておこう。

 

「なるほど」

 

「ともあれ砦に戻るぞ。皆はそこで傷を癒せ。汝らもついてこい、砦に案内する」

 

皆で砦に向かう雰囲気になっているなか、マシュが声をあげた。

 

「あのもう一人いるんですが!」

 

誠もパツシィのことをすっかり忘れていた。

 

「ああ、あの男か⋯⋯。よし、いいだろう。奴も連れて行ってやれ」

 

「パツシィさん、大丈夫でしょうか⋯⋯」

 

そして、案の定マシュの心配通りーーー

「しぬかとおもったしぬかとおもったしぬかとおもったしぬかとおもったしぬかとおもったしぬかとおもったしぬかとおもったしぬかとおもったしぬかとおもったしぬかとおもったしぬかとおもったしぬかとおもったしぬかとおもったしぬかとおもった」

縄で縛られて死にかけてました。

 

「おーい生きってかー?」

 

「⋯⋯!お、おう、⋯⋯生きてる俺⋯⋯」

確認のため声をかけるがどうやら無事のようだ。

 

「では、砦に向かって出発する。双角馬(バイコーン)に乗れ、行くぞ!」

 

「私はマアンナに乗って行くから大丈夫よ」

 

「私もメスラムタエアに跨っていくから大丈夫なのだわ」

なるほど女神は女神らしく庶民の乗り物には乗らないということか。

 

そこから1時間

「よし、到着だ!」

そこは三方を崖で囲まれた砦だった。砦の門上には複数大型弩(バリスタ)が付けられていて乗馬対策の拒馬(バリケード)。それにここへ来るには来る途中に通った洞窟を通るしかない。伊達に叛逆()を名乗ってはいないらしい。

途中魔物が出たり魔物が出たり魔物が出たりしたが、その度イシュタル神とエレちゃんとアタランテが瞬殺していた。

ピピッと電子音がなる。どうやら途中で切れた通信が回復したようだ。

『おっと、通信が回復したか』

 

『報告だ!報告をせよ!一体何がどうなったのか!』

冷静に分析するホームズと騒ぎ立てるゴルドルフ。

 

「はい、私から報告します」

マシュがゴルドルフに状況を説明する。

 

「開門!開門せよ!」

アタランテがそう叫ぶと僅かに砦内が騒がしくなる。

 

「!ボスだ!ボスが帰ってきたぞー!門を開けー!」

門が開かれるとぞろぞろと叛逆軍の兵士が出てきた。

 

「ボス、よくお帰りで!⋯⋯そちらの方は?」

「ああ、彼らに関しては後で説明する!それと肉を多数確保できた!全員に配給できるだけの量があるからな!」

 

肉とその単語を聞くと同時にその場にいたヤガ達が歓声をあげた。ここでは食料がそれほど大事なのだ。

 

「⋯⋯食事をした後は、幹部は全員集合だ!会議を開く!」

 

みんなで魔獣の肉を頬張った後会議の時間まで、誠は一人で散歩していた。ちなみに味は少し生臭さがあったものの普通に食べられるものだった。

すると走り回っていたヤガの子供が誠にぶつかった。

 

「いてて⋯⋯ごめんない。あ、お兄さんニンゲンって奴なんでしょ?」

 

「まぁ、そうだが」

 

「本当に耳と尻尾ないか頭触らせてよ!」

 

「尻尾はダメだぞ。こんなとこでケツ出したらお兄さんが後で怒られちゃうからな」

 

腰を落とし頭を触らせる誠。

 

「本当にないんだぁ!ところでお兄さん名前なんて言うの?僕はジョン!」

 

「俺は誠だ。ところであれお前の母ちゃんじゃないのか?」

その子の母らしきヤガが手招きしていた。

 

「あ、本当だ!バイバイ、マコト!」

そう言って母さんらしきヤガに一礼すると散歩を再開した。

 

「お前さっきから一人で何してるんだ?」

不審に思われたのか一人のヤガに話かけられる。

 

「散策だ。新しい拠点のな。それより女と子供がやけに多いな」

「ああ、叛逆()っつっても村を焼かれて、家族で逃げてきた連中もかなりいるんだよ。俺とかもその一人だ」

ジョンもその内の一人なのだろう。

 

「成るほど、それは嫌なことを聞いてしまったな、すまん」

 

「別に気にしてねーよ、それに俺はまだ幸運だ、家族全員生き残ったからな。目の前で両親をぶっ殺された子供もいるからなあ」

軽い感じで説明してくれたが、その目は決して笑ってはいなかった。

 

しばらくするとカルデア一行は招集された。

「まず我々の目的だ。イヴァン雷帝の打倒ーーーそれは一致している。しかしだからと言って我らが汝らの指揮下に入ると勘違いされても困る」

話が長く成ると感じた誠は口を挟む。

 

「周り文句はいいアタランテ、信用を得るために何をさせるか要件だけかいつまんでくれ」

 

誠は慣れた感じで交渉を進めていく。

 

「⋯⋯了解した。少人数、かつ精鋭でなければこなせない任務が、ずっと放置されている。これをお前達に頼みたい」

 

そこにホームズが割って入る。

『失礼。通信越しにすまない、ミズ・アタランテ。道中で話は聞いていると思うが、改めて自己紹介を。私はシャーロック・ホームズ。君と同じサーヴァントだ。そしてこちらがーーー』

モニターに勢いよくダヴィンチちゃんが映し出さらる。

『はーい。私はレオナルド・ダ・ヴィンチ。訳あって省エネ霊基だけど、そこは割愛させてくれ。アタランテ。君と同じ、汎人類のサーヴァントだ。そして天才だ。困ったことがあるのなら相談してほしい。天才だからね」

果たして天才を2回言う意味はあったのだろうか。

 

「とはいえ、私たちもまだまだ情報が不足していてね。一つ質問したいんでけどいいかな?」

そう言って子供が母に物もねだるときのように上目遣いでアタランテをみるダヴィンチ。

 

「⋯⋯子供の頼みとあらば聞かない訳にはいくまい。何だ?」

 

「(((ちょろい)))」

ちなみに中身は多分30かそこらのおっ(以下略

「あの大樹の事だよ。ロシアはもちろんの事、地球にあんな大樹はなかったはずだ。あれが何なのか、君は知っているかな?」

 

「⋯⋯世界を支えるかのような大樹だ。私たちの神話体系には一つ、該当するものがあるが、あれとは無関係だろう。すまないが、私にも分からない」

アタランテの言っているソレはギリシャ神話に登場するドリュアスの事だろうか。小さい時は本をよく読んでいたためこういうのは詳しい。

「だが、ヤガ・モスクワに忍び込ませたスパイから、一つだけ情報を入手した」

 

『ほう、それは一体?』

ホームズが身を乗り出す。

 

「ふむ⋯⋯。ダヴィンチの顔に免じて教えてやろう。我らが入手したのは名前だけだ」

その場の全員が身を乗り出す。

 

「名前⋯⋯ですか?」

マシュが聞く。

 

「そう。あの樹の名前は空想樹(くうそうじゅ)。街を散策していた旧種(ヒト)の姿をした宮廷魔術師が呟いていたらしい。『空想樹はまだ根を張らない』と」

 

「その宮廷魔術師がどんな容姿だったかは分からないか?」

 

「すまない、そこまでは」

多分Aチームの奴らだから分かれば相手が誰か先に身構えれたりできたんだが。

『ふぬ。空想の樹、クラウド・トゥリーといったところかな。一応、こちらのデータベースで空想樹に関する手がかりを探してみよう。何も掴めなさそうではあるがね』

 

「好きにせよ、それらの方はどうだ。任務を引き受けてくれるだろうか?」

 

「もちろん!」

立香が勢いよく答える。

「では早速、諸君らに最初の任務を与える!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ミレーユ一位か二位争うくらいドラクエキャラで好き

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