冥界の女神は元Aチームマスターの夢をみるか   作:Reji

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エレシュキガルss書いてるのにスキルマじゃない奴おるってマジ?

投稿する位置間違えたので2回目


15.危機

バーサーカーが去って、緊張の糸が切れたのかその場の全員が棒のようになった足を休めるように座った。

 

「さっきは助かったよ、ありがとう。僕の名はビリー・ザ・キッド」

 

「世界一有名なガンマンにお礼されるなんて光栄ですよ、誠です」

 

誠は恐る恐ると言った感じで自分の名を告げる。

 

「敬語はいいよ、誠。ところで君腰に銃いっぱいつけてるよね?僕と早撃――」

 

「嫌です」

 

誠はビリーが最後まで言い終える前に答えた。即答である。

 

「ちぇ〜フラれちゃった」

 

次はそのやり取りを黙って見ていた立香が口を開いた。

 

「誠君、今までどうしてたの?」

 

誠は立香と別れてからのことを軽く説明した。

 

 

 

「武蔵ちゃんもいるんだ!それは心強いよ!」

 

「今は逸れちまってるけどな」

 

次は退屈そうに話を聞いていた以蔵に誠は質問を投げかけた。

 

「そういや、他の奴らはどうした?以蔵」

 

「儂もあの時――――」

 

 

 

 

「ふむ今はここからどう出るかだな、シャドウ・ボーダーとの連絡は?」

 

『マスター……良かった!』

 

立香の通信機からマシュの顔が投影された。

 

「やあ、マシュちゃん」

 

『誠さん!無事だったんですね!』

 

「しかし、ここからどうでたものか……」

 

 

立香の方針で取り敢えず、歩き回る誠達だったが……。

 

『……ダメです、また同じ座標に戻っています』

 

同じところを行ったり来たりしてしまっているのだ。

 

「あいつ殺すしかないねぇのかなぁ……」

 

「ところで誠、あのバーサーカーを一人であそこまで弱らせたのかい?」

 

「まぁ、そうですね。最後は割と死にそうになったから逃げましたけど」

 

ビリーの質問に銃を弄りながら答える誠。

 

「ちなみに戦い方は自己流?」

 

「いや、アトラス院って場所にいた時に師匠的な人がいたんですけど、その人の戦い方を見たり、教えて貰ったりしてましたね」

 

「その師匠ってのは強いのかい?」

 

ビリーのその質問に誠は昔を懐かしむような顔をして答えた。

 

「それはもう、ちなみに名前はシ――」

 

誠がそこまで言いかけた時にビリーが会話を中断させた。

 

「止まって。誰かいる」

 

ビリーの視線の先には一人のヤガが立っていた。

 

「ああ……アンタ達か……」

 

それはひどくやつれた様子のパツシィだった。

 

「パツシィじゃないか」

 

誠は少しテンションを上げてそう叫ぶが、周りの皆が白い目でパツシィを見ているのに気がついた。

 

「え、何だ空気」

 

「彼、裏切ったんだよ」

 

誠はその言葉に驚愕の表情を顔に貼り付かせた。

 

「殺すんなら殺せ。抵抗はするけど、どうせ無駄だろう」

 

「パツシィ!」

 

思わず怒りで立香はそのヤガの名を叫んだ。

 

「俺の名を呼ぶな!」

 

「呼ぶなって言われたら余計に呼びたくなるだろう?パツシィパツシィ……」

 

「君は小学生か!」

 

重い空気に耐えられなくなった誠がパツシィを茶化すが、すぐにビリーに止められる。

 

「俺は――見ちまったんだ、雷帝を」

 

その言葉に以蔵と誠が以外が言葉を詰まらせる。

 

「いや、俺も見たけど」

 

またしても重い空気を破ったのは誠だった。それまで頑なに誠を無視していたパツシィも反応してしまう。

 

「なら、お前だって分かるだろ?あれは決して――」

 

わざとパツシィに最後まで言わせないように誠が口を開いた。

 

「まぁ確かに初見ではビビリハしたが、次会うときは絶対殺す。あれを見てよくそんな事を言えるって顔をしてるいるな。俺達はお前らのように馬鹿みたいにペコペコ皇帝ツァーリに頭下げるわけにはいかないんだよ。何せそれじゃ生きていくこともできない」

 

「でもあれを見たお前なら分かるだろ!?あの御方にだけは、手を出しちゃいけないんだよ!」

 

パツシィは心底怯えきった様子で叫ぶ。

 

「そんなことは知らん。勝手にお前の価値観を押し付けないでもらおうか」

 

イライラして誠もだんだんと口が悪くなっていく。

 

「はいはい、二人ともそこまで。今は言い争っている場合じゃないでしょ?」

 

険悪な雰囲気を醸し出す二人を放置しておくとまずいと感じたのかビリーが止めに入った。

 

「……テメェらは、一体何なんだ。何もかもがわからない、わからないんだよ!」

 

『黙っていて申し訳ありません、実は私達は――――――――」

 

混乱しきったパツシィのマシュはさらに混乱するような要素を含んだ話をした。自分達は汎人類史の者であるということ。そして、そこでは四百五十年前に大寒波が起きなかった平和な世界であるということ。

 

「……平和な世界……なんだそれ。ますますわからねえ。わかねえが……」

 

「ようはこことは違う歴史のロシアって事。彼らの世界のロシアはここまで極寒ではなかったのさ」

 

パツシィの腑に落ちていない様子を見て、ビリーが補完した。

 

「……なるほど。だからヤガになる必要がなかったわけか」

 

ふと、その会話を見ていた誠はパツシィの時折ピクピクと動かせるモノに注目した。

 

「おい、パツシィ」

 

「……なんだ」

 

先程の口喧嘩で気まずくなったのか、パツシィが罰が悪そうに答える。

 

誠は先程一人の時に考えていた、銃の反響音で出口を探るという考えを話した。

 

 

 

立香の類い希なるコミュニケーション能力で普段通りに戻った皆は、どういうわけ立香のカルデアに来る前の日常の話しをしていた。

 

『学校……そうですね。正直に言いますと、かなり憧れがあります』

 

「儂は勉学は嫌いじゃ」

 

「以蔵見るからに馬鹿そうだもんな」

 

「あぁ?」

 

「本当のこと言っただけだろ!?」

 

無言で刀を構える以蔵にビビる誠。

 

『ふと気になったんですけど、先輩と誠さんはテストの順位などはどのくらいだったのですか?』

 

「僕は確か真ん中くらいだったよ、良くも悪くもなかった」

 

「俺は記憶力だけは良かったから代々一桁だったぞ」

 

誠は、ほとんど高校はにはいってなかったけどと付け加える。

 

珍しくドヤ顔する誠の視線の先には以蔵がいた。その顔に余程、腹がたったのか以蔵が誠に飛びかかった。

 

「儂は頭がえい奴は嫌いじゃきのう!」

 

「嫉妬かぁ?」

 

さらに誠が以蔵を煽る。

 

二人が命を賭けてじゃあっているときだった。

 

「複数の反応がある!」

 

ビリーがそう叫ぶと皆が身構える。

 

「なんだ、オプリチニキか」

 

誠はそう呟き周りを見た。周囲はもう囲まれているようだった。

 

『挟み撃ちの状態は危険です!』

 

「君達は二人は後ろを頼んだよ!」

 

ビリーは二人にそう命令すると誠達は逆の方向を向き銃を構えた。

 

その命令に以蔵と誠は頷き、二人は目前のオプリチニキを見据えた。

 

「今ちょうど腹が立っちょったきのう!えい、すとれす発散じゃ!」

 

「以蔵は前の奴を、後ろは俺がやる」

 

「いちいち命令しなや!」

 

以蔵はそう叫ぶと一人で敵陣に突っ込んだ。

 

「そういうとこが馬鹿って言うんだぞ!」

 

ついで誠も以蔵の後を追うように魔術を発動させて、マシンガン片手に突っ込んだ。

 

 

迷宮内に銃の発砲音と金属と金属が擦れあう音が鳴り響く。

 

「以蔵よろしく!」

 

誠がリロードしている隙に近寄ってきたオプリチニキを以蔵が力ずくで斬りふせる。

 

「しっかし倒しても倒してもキリがないのう!」

 

「こいつら限りってもんを知らないからな!」

 

誠がマシンガンを撃ちながら、悪態をつく。

 

ゾンビの如く湧き出てくるオプリチニキに立香達3人も苦戦しているようだった。

 

「しまっ――」

 

ビリーが撃ち漏らしたオプリチニキが立香が捨て身で突撃した。

 

その声を聞いた誠は瞬時にマシンガンを宙に投げ捨て、肩にかけたスナイパーを手に取り振り返りざまに狙撃する。弾丸は立香の肩、擦れ擦れを通過しそのままオプリチニキの顔面に直撃する。そしてそのままオプリチニキは爆散する。

 

しかし、今度は誠がピンチに陥った。3方向からオプリチニキが捨て身の姿勢で迫ってきていたのだ。

 

マシンガンは誠の手に届く位置には落ちてこず、以蔵はオプリチニキ3体と一気に斬り合っていてサポートにはこれそうにはない。

 

誠は思考を高速化し打開策を練る。

 

 ――スナイパーだと一体しか殺れない

 ――腰のハンドガンを使おうにもリロードしてない

 ――取り敢えず、来てない方向に飛び込むか

 

誠が地を蹴った。

 

が、その瞬間3人のオプリチニキがそれぞれの理由で爆散した。

 

 

1体は二刀の刀に斬り倒されて

 

1体は光の弾丸のようなもので消し飛ばされて

 

1体は大きな槍で吹き飛ばされて

 

 

誠は心のそこから頼りにしているサーヴァントの名を呼んだ。

 

「エレちゃん!!」

 

「遅くなって悪かったわね、マスター」

 

そこには一人の剣士と二人の女神が立っていた。




杭200個くらいくれ

以蔵も使うし足らんわハゲ

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