クリプターは大令呪ないと生存できないなんていう設定あったとしても知ったことではありません。
後、直すのでこの作品のダメな所を教えください。(ボロクソに言っていいよ)
いざ、空想樹を折るべくして根本まで来た誠達だったが、その規格外のサイズに困惑していた。太さは数百メートル、高さは木の終わりが見えないので数キロはあると推測される。
「上空五百メートル付近にこの木の核のような魔力が渦巻いてる箇所を見つけたわ」
空想樹を調べる為、上空に観察に行っていたイシュタルが報告する。
「取り敢えず、そこに行ってみるか」
「こ、こっからそンな所どうやっていくがじゃ!?」
以蔵一人が驚くのも無理はない。何せ、冥界の加護を目の当たりにしていないだから。
「こうするんだよ、頼むエレちゃん」
「分かったわ」
エレシュキガルが発熱神殿メスラム・タエアを足元に勢いよく突き刺した。すると、徐々に大地が変形していき空想樹を含む辺り一帯が不思議な雰囲気に包まれた。再び、擬似的な冥界を生成したのだ。
「何じゃあああああ!?」
そうとは知らず、以蔵は地の底まで落ちていく。
——青年説明中——
「宙に浮くらぁいうんは初めてじゃが、妙な感じやのう」
「俺も初めはそんな感じだったがすぐ慣れる」
ぎこちなく宙をプカプカと浮かび刀を振り回す以蔵と自在に宙を泳ぐ誠。
「アンタ達早くしないとあっちが終わって面倒になるわよ」
二人に見兼ねたイシュタルが声を上げる。
「おっとそうだったな、おい以蔵」
「分かっちゅうわ」
4人は上空遥か五百メートルにある核なる部分に向かった。
「どうしたものか……」
——そもそも太さ直径数百メートルもあるものを折れるのか、これは樹という名の通り植物なのか?
「ええい面倒だ、火力担当のイシュタル選手お願いします」
この中で一点集中系の高火力を持った宝具を持つのはイシュタルのみ。
「誰が火力担当よ」
だが、イシュタルはうだうだ愚痴を垂らしながら宝具を展開する。
「打ち砕け!『
金星ブラスターがイシュタルが搭乗するマアンナから放出される。それは大気を押しのけながら轟音と伴って空想樹に激突した。そして霧のようなものが辺り一面を覆った。
「くそ、どうなってやがる!」
次第に霧は晴れ、空想樹は本性を露わにする。
「凄い魔力量だな……!」
樹にある無数の裂け目から溜め込んでいた溢れんばかりの魔力を放出させ、明らかにこちらに敵意を剥き出しにしている。
「こんな魔力どこから溢れてくるのかしら」
「多分、地下から吸い取っているようね。今は私が色々地形を弄っているから魔力は吸い取れていないようだけど」
「なるほど、空想樹は大地から
冷静に分析する3人の対して以蔵は一人驚いていた。
「何じゃああ!?」
そして空想樹は以蔵の声に反応するよう裂け目から魔力弾を放出した。
魔力弾は大きく楕円を描きながら的外れの方角に飛来した。
「何……?」
誠が疑念に満ちた声を上げる。
先程まで敵意を剥き出しにして聳え立っていた空想樹が充電の切れた家電製品のように静止したではないか。
「……どういうことじゃ?」
ゲームでいざ挑んだラスボスをレベルを上げすぎて瞬殺してしまった時のように呆気に取られていた。
「どうやら魔力が枯渇したようね」
「私が冥界を使って根元の魔力を弄ったばかりに、現界と戦闘に必要な魔力に供給が追いつかなかったようね」
「それだと相当燃費が悪いことになるが、それとも———」
———タイミング的な問題なのか。
「……見てあそこ。何かいない?」
空想樹に拍子抜けだった全員はイシュタルが指差す方向を凝視する。
そこは空想樹の根元。
幹が最も太い箇所。
”何か”がそこに立っていた。
この距離なのにその顔はっきりと誠達にも認識できる。女性の顔だ。
だが
在るのはただの”空白”。
この世界にぽっかりあいた孔。
「何んだあれは……?」
誠がそう呟いたのも束の間、世界が大きく振動した。謎の女性が両手を空想樹に向けて振りかざしたのだ。すると太さ数百メートルはあろう空想樹が一瞬のうちにバキッと鉄が折れるような音と共に崩壊を始めたではないか。
「空想樹……あんな一瞬で……」
「あれは——いったい何だったのかしら……」
4人が愕然と立ち尽くしている時だった。空想樹が在った場所に光り輝く何かが湧き出てきた。
「次から次へとリアクションが追いつかないわね……」
「空想樹版かぐや姫でしょうかね、イシュタル神」
「何よソレ」
二人がくだらないやり取りをしている時だ。
「これって———」
エレシュキガルが声をあげた。
「聖杯じゃない!」
「何たってそんなものが……」
「まぁ取り敢えずボーダーまで持って帰りますか」
誠達を待ち受けていたのは何ともカオスな光景だった。
地面に佇むカドック、マシュに肩を貸してもらってようやく地に足をつけている立香。その様子を眺めるベオウルフとサリエリとビリー。
空想樹は完全に崩壊し、抑止の力で召喚されたサーヴァント達は座に還っていく。ソレで一旦区切りがつく誰もがそう思っていた。
だが、現実はそう甘くはない。
「お疲れ様。諸君」
そこに現れたのは神父の姿をしたサーヴァント。その場の緊張のパラメーターがぐっとマックスになる。
「失敬、自己紹介が遅れていたな。我が名はグレゴリー・ラスプーチン。以後、お見知り置きを」
口ではこう言っているが、実際に所はどうなのか。この時は誰も知る由はない。
「何だ僕を笑い来たのか?」
カドックが歩み寄って来た神父を睨みつける。
「いや、少し忘れ物をしてね」
そして、神父は音もなくカドックの背後に回り込んだかと思うと———。
「カドック後ろだ!」
誠の叫びはもう遅い。
「があああああああああああ!!ラス——プーチン——お前……!」
何と神父はカドックの令呪のある右腕を素手で切断したのだ。
カドックが悲痛の声を上げる。
「敗北者に用はない。だが、利用出来るものは使う。ではな」
言峰が消えると、誠は急いでカドックの元へと向かった。
「おい、カドック!くそ、気絶してやがる」
腕の断面からはドクドクと血が溢れ出ている。誠は一人で手早く応急処置を施していく。
その後誠が呼び掛けるまで、その様子をカルデアの者達はただただ傍観することしか出来なかった。それもその筈、クリプターの排除もカルデアの目的の一つ。殺すはず相手の命を救うことになるのだから。
「まだ消えてなかったんですか」
「君結構、口が悪いとこあるよね」
「それで天下のアウトローが俺に何か用ですか」
「誠に贈り物をしようと思ってね」
そこには体の端に方から光の粒子となって消滅しているビリーが立っていた。
「これを」
何と差し出されたのはビリーが愛用するサンダラーだった。
「次に会えたら、早撃ち勝負だ」
「格闘と狙撃なら得意なんでいつでも大歓迎ですよ」
「ははは、考えておくよ……」
そう言い残してビリーは完全に消滅した、誠一人を残して。もう皆はシャドウ・ボーダーに戻っている。
「……もっと聞いていたかったがしょうがないな」
誠のその呟きは時折、吹き荒れる吹雪に攫われた。
空想樹は完全に切除され、この異聞帯はもう時期終焉を迎える。それに伴い、抑止の力で召喚されたサーヴァント達が次々と座へ帰っていく。ある一人の音楽家を除いては。
「全く……アマデウスの奴め、結局あいつの思惑どうりになってしまったな……」
———全てが終わったら、キラキラ星を弾いてくれ
音楽長はは大好きで大嫌いな男の言い分を律儀にも守り、この世界の中心で鍵盤を叩く。
音と振動に混じり心地の良い何かがロシアに染み渡っていく。
空にまで届く何かが崩れる、音。
世界を支える何かが消えていく振動。
そして、その荒廃しきった世界に鳴り響く美しい音。
———空が砕ける、星が落ちてくる。
———お前が残した音楽を
アナスタシア編 〜終〜
次回 彷徨海編
吹雪の壁を突破したカルデア一行。そこに謎の女性からの一通のボイスメッセージが届く。誠はその内容に二重の意味で顔を青くする。
『こちら彷徨海、彷徨海—バルトアンデルスである』
誠の運命はいかに!デュエルスタンバイ!