三人の少年は、焚き火を燃やしながら一夜を過ごそうとしていた。
「なあ、キラ、シン。本当にここは俺たちの世界じゃないんだな?」
「何度も言ってるでしょ、アスラン。僕たち宇宙にいたんだよ」
シンはもう飽きていた。この論争、もう止めてほしい。ロボット兵器のデスティニー、フリーダム、ジャスティスは近くの浜辺に置かれている。そのロボットに乗って宇宙に出ようとしたが、何かのバリアで阻まれて出られなかった。それに、光の球が次々と世界に落ちていくのを見ている。
キラ、アスラン、シンは、朝になるまで行動を控えることにした。
こちらも、八人が同時に世界に落とされたが、ミラ・マクスウェルのおかげで軽傷で済んだ。つい先ほど、久方ぶりに皆で会合を開いて夜の街を歩いていたばかりだったのに、光に飲み込まれてここに落とされたのだ。
「夜は動かないほうがいいだろうな、ジュード」
「僕もそう思う。魔物の気配はないけど、分史世界のこともあるから」
この二人の他にも、アルヴィン、エリーゼ、ローエン、レイア、ガイアス、ミュゼという合わせて八人がいる。
「野宿は嫌だよ、ジュードくん」
「ごもっともです。老人にはちと酷でして」
「私は野宿でも頑張ります!」
「ジュードの料理があれば、大丈夫だよね」
「ここって、変な感じがするのよね〜、ミラ」
「どうにか場所を特定できれば、現状を理解出来るのだがな」
全員の意見がバラバラだ。でも、全員は動かないようにしてくれているのは助かる。分かるのは、自分たちは何者かによって空間移動させられてこの世界に落とされた。というくらい。見える夜空も、その創造主によって創り出されているに過ぎない。
落とされたのは何も特定の数と決まっているわけではなかった。忍び装束らしき三人は、尻もちついて痛がっていた。
「チャクラ練れないとは、どこだってばよここ!」
何度もチャクラ練ろうとしても足や手に力が入ってこない。
「無理だ、ナルト。この世界、幾つもの力が混ざり合って、俺でも感知が難しい」
「幻術じゃないわ、現実よ。でも、サスケくんの話が正しければ、チャクラが不安定で練れないのかも」
第四次忍界大戦を終わらせて、一息付いた時期に三人で火影邸に集まっていた頃、光が三人を包み込んだ。
「森の面影は一緒だが、外の様子は別物だな。それに夜だ、地形や地の利が分からない以上、焚き火でも起こして寝るしかないな」
「へいへい、サスケのいうとおりにするってばよ。サクラちゃん、ちょっと待っててくれってばよ」
ナルトは少しのチャクラで木を切る。まるで強大な力でチャクラを乱されているようで、コントロールが効かない。九尾のクラマも居心地が悪そうで、チャクラが練れないと愚痴を零している。
廃墟の繁華街でも、三人の人物が食べ物や生活品を漁っていた。最初は戸惑っていたが、現実を受け入れこの繁華街で漁ることにした。
「おい、ダン。そっちはどうだい?」
「OK、クラッキー。まゐのほうはどう?」
紫乃宮まゐは、一生懸命洗濯用品を漁って、自分に似合う服まで試着していた。
「駄目だ、クラッキー。まゐは夢中で、声が届いてない」
やれやれ、とクラッキーは帽子を揺らして、自分に風を仰ぐ。ダンは未来で死んだはずで、まゐは元の時代に戻り、自分は未来で裕福に暮らしていたはずだった。けれど、突然光に包まれて目覚めれば、ダンやまゐが倒れていた。自分たちの歳も当時に戻っており、見慣れぬ繁華街の中央にいた。自分たちはカードバトラーで、異界のゲートを開く力は機械で操作していた。しかし、この世界ではゲートを開く力さえ通用しなかった。
様々な多世界から落とされた者たちは、夜が明けるまで行動を控えているしかできなかった。
「おい、スイッチ。テント張ったぞ〜、ってよくテント持ってたな!」
『念のためだよ〜ん。こんな時のために』
なぜスイッチは喋れるはずなのに、パソコンで喋っているのか。というより、なぜパソコンは使えるのか。このスイッチは謎の力を持っている。
「それより、うち等何で飛ばされたんやろ。高校卒業して、今は大学とか頑張っているのにな〜」
『どうやら、我々以外にもたくさん生命反応があるようだ。しかし、いつ獣に襲われるか分からない。夜は危険で、見慣れぬ環境は死にやすい』
とりあえず、動かないという遠回しの言い方だろう。ボッスン、ヒメコ、スイッチなる三人も、何かの力で高校生時代の服装になってこの森の中にいた。パソコンを持っていたスイッチが先にこの世界がパラレルワールドだと気付き、ボッスンとヒメコを驚かせたが、実際のところは森の中なので、あまり確証はなかった。ただ仮説としては、高校生時代の服装を着ていること、パソコンが森の中でも起動していること、知らない生命反応が多数あることから証明されたらしいが、強引な解釈なので実証するには別の要因がなければいけない。
世界は刻々と動いていた。霧で覆われた都市のような場所では、光の球を多世界に放出していた。この光の球は、都市の駆動部分と連携しており、多世界を壊さぬよう維持されて放っている。
『どうやら、上手く手駒を揃えたようだな、ギリアス』
画面には何も映っていない。だが、画面からは声がする。ギリアスといわれた男は、何も答えない。
『楽しみにしておるぞ。とりあえず、次は多世界の破壊を開始せよ』
ギリアスはその声に従い頷く。ギリアスの司令で、二千万の大群が光に包まれて放出される。
宇宙で移民船団から離脱したマクロス・クォーターは、反応が消え新たに発見された星の位置を調べ、その銀河を彷徨っていた。星には特殊なバリアや何重にも覆われた防御壁で、マクロス・クォーターで入ることはできなかった。
「シェリル・ノーム、ランカ・リー。共に、第一層に生存確認。早乙女アルト、ブレラ・スターン共に第三層に確認。その他の生命反応、どの層にも確認。敵生命体の反応無し」
キャサリン・グラスは、星としては奇妙な形の星をアルトとブレラのVFから送られたデータを基に、層の存在も確認された。
ー第二層ー。
枢木スザクと名の少年は、ナイトメアのランスロット・アルビオンに乗って無人機と戦っていた。
「ここはいったい?くっ、エナジーフィラーが!」
ランスロットが力を失い、地上に落ちてゆく。スザクは近くの木に着陸して無事だったが、空には無人機がまだ無数飛んでいた。落ちる時に分かったのは、辺り一面が森だということだけ。
「ハァァ〜!」
無人機ロボットが破壊され音。スザクは近くでその声を聞き、見つからないよう近寄る。四人の騎士みたい奴らが無人機と戦っている。この攻撃の仕方は人外の力だ。
「空にはまだうようよいるぞ、ティア、ジェイド」
「困りましたね。やっとここ辺りの敵を排除したばかりなのに・・・」
ジェイドは魔法で後ろにいるスザクに向かって、攻撃を仕掛ける。スザクは上手くかわすが、茂みから表に出された。その衝撃音に気付いた無人機ロボットは変形して地上に降りてくる。無人機がスザクに攻撃したのを見て、彼等はスザクを敵ではないことを知る。
「そこの御仁、先ほどは失礼した。手を貸してもらえぬか?」
「こちらも疑って悪かった。話は後にして、まずはこいつ等を!」
スザクとルーク一行は、無人機ロボットに戦闘を開始する。けれど、敵が多過ぎて、スザクたちはこの場から脱出することを決意する。
第一層付近では、無人機の攻撃がないものの、様々なキャラたちが森や浜辺などを探索して抜け出そうとしていた。二層目は、スザクとルーク一行以外にもまだ多くのキャラたちが存在しているが、無人機の攻撃が相次いでいるために出会うには時間がかかりそうだったのである。
ー第三話に続くー