三人の一行が、森や川を沿って歩いていた。一人は少しずつ疲れてきている様子で、前の男に言った。
「なぁ、絳攸。いったいどこに向かっているのだ?」
「私に聞かないでください!そういうのは、私の前にいる楸瑛に聞いてください!」
この世界でなければ、彩雲国の王の紫 劉輝であり、絳攸は文官、楸瑛は武官であったはずなのだ。それがなんだ、この有様は。光が世界を包み込んだと思ったら、目覚めたら森の中に三人で倒れ込んでいた。それも昔の姿で。ここが異世界だということはすぐに理解できたが情報が少ない。
「あれは、街ですかね?遠くのほうに見えますよ」
彼等にとっても見知らぬ土地であり、よく分からない街が点在していた。劉輝たちは急いで街まで降りることにした。
ー第三層ー崩れた街。
参った。ここにいる連中は腕は立つが、機体との戦闘に向いてない。自分たちの所属する艦隊もいない。武器と弾薬はこれだけだ。女は銃をカチリと鳴らし、見えない位置で空を見る。
「そのな、お姉はん。俺たち、どうすればいいかの〜?」
「大阪の小僧っ子は黙ってな!今は戦闘中だよ」
以前はミスリルという特殊部隊に所属し、相良宗介、クルツ・ウェーバーと一緒に千鳥かなめという少女を守っていた。しかし、世界が突如不明な光に覆われ、目覚めたらここに倒れていた。光でいた街は崩壊したと思ったが、近くに倒れていたのは、見知らぬ人物ばかり。大阪の少年探偵と名乗る服部平次、東京に住む毛利小五郎、その二人だった。毛利小五郎は大阪の小僧と違い、銃くらい扱えるようだが素人には貸したくないのが、この私、メリッサ・マオである。
「!」
上空で、無人機が一度にたくさん破壊される音がした。数人の男女が機械を手刀で破壊している。メリッサは二人を連れて、その男女の下に行く。
「怪我はないかな、御三方?」
でかい。何だ、この老人は。
メリッサたち三人の前には、中国風のおっさん、ヤクザ風の男、年上の綺麗な女性、目が細い白服の男、筋肉剥き出しの長身男、そして、髭の長い豪傑風な老人であった。メリッサはこの六人の男女を見て、
(できる、いったい何者?)
「儂らか?儂らは、梁山泊といってそこの道場を営んでおる者たちじゃ。おかしいのは、家にいたはずなんじゃが、光に目が眩んで気付いたらこの街におったんじゃよ」
「ピチピチギャルの本が台無しね」
メリッサや老人は気配に気付き、
「ここから離れたほうが良いようじゃのう。アパチャイ、逆鬼くん、そこの二人を頼む」
「アパ!」
「おう!」
老人はメリッサを抱きかかえ、
「話は後じゃ。ここは危険過ぎるでのう」
九人は安全な場所まで走ることになった。
ー第三層ー山荘付近。
四人連れの一行は、出会った無人機を凍らせたり、ぶつけたり、斬ったりしながら進んでいた。
「若、待って〜!速過ぎますよ〜」
「つらら、ゆっくり歩け。青田坊と黒田坊も後ろにいるんだからな」
なぜか分からない。この地に妖怪はいないのに、やたら無人機が攻撃してくる。遠くでは人間の気配がするのに、一向にそこまで進もうとすると無人機が現れる。まるで、自分たちを彼等から引き離すように。
「気に入らねえ。朝方なのに、妖気をまとったまま変化が解けねえなんて」
妖気だけじゃない。 別の力も多く存在して漂っている。リクオは違う気配に気付き、刀を抜いてぶつかる。
「お前は誰だ?」
「貴様こそ!」
リクオは金髪の少年と刀通しをぶつけたまま、その場を引かない。
「待て、黒崎!そいつにも人間の気がある!」
白服の少年に黒崎と呼ばれた少年は、刀をリクオの刀から外す。
「俺は黒崎一護、死神代行だ。あんたは?」
「俺は半妖の奴良リクオ。半分は人間で、半分は妖怪だ」
どちらも信じられない顔をしていた。
「霊気の他に別の気があったと思ったら、妖気もあるとは。失礼、俺は石田雨竜、クインシーという職を持ってる」
二人に追いついた少女は、二人が名乗っているのを見て、息を絶え絶えにして、
「私は、井上織姫。黒崎くんと石田くんの友達です!」
後ろからさらに、大男が走ってきた。
「俺は茶渡 泰虎。チャドと呼ばれている」
「若〜、やっと追いつきましたよ〜」
奴良リクオは仲間の三人が合流したことで、
「この女は雪女のつらら。こっちは青田坊に黒田坊だ。こいつ等は正真正銘、妖怪の類だ」
「どうりで、人外なら見えるはずだ。あなたたちも無人機を破壊してここまで?」
雨竜がリクオに尋ねる。
「やはりあんた等も? とりあえず、街に下りよう。ここじゃ、ロクな情報がねえ」
「同感だ。みんな行くぞ!」
山荘付近で二組の出会いにより、力は一部増した感じだった。リクオたちと一護たちは、人の気配がする街へ進んで行く。
ー暗黒の支配層ー中央部。
ギリアスはまた画面が黒く乱れるモニター前にいた。
『ギリアスよ、多世界の侵攻が上手くいかないようだな?』
「・・・」
画面の主は笑う。
『各層に兵団を送り込め。この層には誰も近付けるでない!』
「了解」
兵団層で、機械が動き出す。機械兵が層の番号に落とされていく。
「まずは腕試し。せっかく、強い奴らも呼んだのだ。覚悟するのだな」
各層に落とされていった機械兵団が彼等の下に辿り着くのは時間の問題であった。世界はかつてない脅威に晒される。
ー第四階層ー上空付近。
早乙女アルト、ブレラ・スターンは、VFバルキリーに乗って敵無人機を破壊していた。
「ランカとシェリルが見つからない上に、こう無人機が多いと下に行けないな」
「敵は我々を下に降ろさない気だ。どうやら、階層を一つ上に行かないといけないらしいな」
ブレラは速度を上げてバルキリーで上に走る。アルトも無人機の追っ手を払いながら、ブレラを追う。上の階層の穴を空けると、塞ぐ前に飛び込む。上階層では、地下通路になっていて、バルキリーの燃料がちょうど切れたところでもあった。
「ここは五階層か。アルト、先に行く」
ブレラは扉を開けて進んで行った。アルトは髪を掻き回し、仕方なくブレラについて行く。一人では危険な地でもある。
ー第一層ー浜辺。シェリルやランカ、蘭、和葉、カレンなど女性陣は、バーベキューをしながら一夜を過ごしていた。戦争のない日本や支配されていない日本など、彼女等にとって話のネタは尽きず、シェリルやランカなどは宇宙がどんなところなのか、蘭や和葉たちに大げさに話していた。中には、新しく出会った風林寺 美羽も入り、蘭やカレンは武道の教えを聞いた。
「へえー、美羽さんのお祖父さん、超人なんですか〜?」
「そうなんですの。見た目は恐いのですが、凄いですのよ」
蘭は美羽に技の稽古で腕の筋肉を上げる練習をしていた。カレンは美羽から足を揉んでもらい、魚釣りで捻った足を治してもらっていた。
美羽が目覚めて、ここに辿り着いた時、女性陣は料理の支度の真っ最中だった。美羽も手伝う傍ら、梁山泊の弟子一号である思い人、白浜健一を探していたが見つからない。カレンや蘭たちの話からすると、彼女等も全員目覚めたらこの浜辺の近くにいたらしい。
「美羽さんって、恋人いるんですか?」
「えっ?こ、恋人ですか?」
居るにはいるが、どう言えばいいのか分からない。
「蘭ちゃんにはな、工藤新一っていう恋人がいるんねん。あたしも、服部平次っちゅう男がいるんけどな。平次、探偵の癖してとろいねん」
和葉たちが恋愛話を聞いて、駆けつけてきた。
「あたしは早乙女アルトっていう恋人がいるわよ」
「シェリルさん、アルトくんは渡せません!」
ブー、と頬を膨らませながらランカはシェリルを睨む。
「カレンさんは?」
プー、とカレンは水を吐き出す。
「いない、いない。お兄ちゃん的存在はいるけど、恋人関係ならシャーリーに聞いたほうがいいわよ」
急に話題を自分に振られたシャーリーはルルーシュを思い出し、顔を真っ赤にする。
「へえー、どんな子かな?楽しめる?」
シャーリーに近寄ったシェリルはそう言うと、シャーリーはポーと湯気を噴いて倒れる。みんなは笑ってシャーリーを見ていた。
ー第四話に続くー