魔法少女リリカルなのはvivid もう1人の聖王の末裔の物語 作:ゲストU
戦いは苛烈を極めた
鉄腕を装備した状態だと
足りない攻撃力が補えるのだ
「重いっ…」
「俺はこんな所で負ける訳には行かないんだよっ!」
一方的な展開とまではいかないがアインハルトがなかなか反撃に移れなくなっている
「覇王…」
「空破断!」
アインハルトは攻撃の隙を付き距離を離すため空破断を放った
地面を削りながら進む空破断は距離を離すのに十分な威力を発揮した
「やっぱり強いなぁあんた」
「そちらこそ」
シルヴァは鉄腕を使った時点でアインハルトを速攻で倒す気で打ち込み続けていた
しかしわずかな隙をついて空破断を使われたのだ
「少し昔の話をしよう」
「?」
「それは600年ほど前のこと」
少しだけ小さな光が浮かび上がっている
話している間に変身魔法が構築されていく
「かつて聖王とともにシュトゥラにやってきたシルヴィエは覇王クラウスと共に鍛錬をこなしていた」
「それは知っています」
『完了したよシルヴィア』
了解と、そう心の中で答える
「昔話はここまで、こっからは最期の戦いだよ」
シルヴィエの姿再び変身し戦闘再開
「その姿になにか意味はあるのですか!」
「これは私の最期のワガママだよ!」
「なんですって!?」
シルヴィエがシルヴァの中にいられるのは長くないだからこそこうして意識を入れ替えてまで出てきて戦っている
「私は最後に見たかった!戦いたかった!この青い空の下で親友の子孫と!」
「それであなたの望みは叶ったのですか?」
「あぁ…私は満足だよ。待っててくれたまえ、私はもう消えてしまうだろうから」
「そうですか…」
「なにか伝えたいことはあるかい?オリヴィエやクラウスに。あの世があるとは思えないけど一応ね」
「いえ、いいです」
「そっか」
意識が…戻ってくる
もうシルヴィエの存在は感じられない
『ありがとう…シルヴィア…いや、シルヴァ 我が子孫』
最後に…そう言われた気がした
「あの…シルヴァさん?」
「もう…大丈夫だよ。アインハルトさん、決着をつけよう」
「…はい!」
そのまま距離を詰め互いに拳を突き出す
拳どうしをぶつけ合って
決して直撃は喰らわない
ダウンさせたりもしない
短い時間であっても二人の時間は充実していた
だがそれも終わりを告げる
2人の体力が切れつつあった
「次の一撃で決めてやる…!」
「受けて…たちます…!」
最後の一撃2人が選んだのは、同じ技だった
「「覇王っ!」」
「「断空拳っ!」」
拳が迫る 回避も、防御もしない
確実に決めに行ったその一撃は
双方直撃 クロスカウンター
それでも2人は倒れなかった
今にも倒れそうな程フラフラで
それでも勝ちへの執念で立ち続けていた
「っ!おおぉぉぉぉぉっ!」
「はあぁぁぁぁ!」
そしてまた拳を突き出す
「覇王!」
アインハルトは断空拳を再び
「一閃、必中!」
シルヴァはヴィヴィオと共に鍛えてきた加速の一撃
「断空拳!」
「アクセルスマァァァッシュ!!」
2つの拳が交錯する
勝者は────
シルヴァだ
顎にクリーンヒットしアインハルトの体は浮かされた
直後、無意識の一撃
遠ざかる意識の中アインハルトはシルヴァの顎に蹴りを直撃させた
判定は、双方ダウン
残りカウント10
それまでに先に起きた方が勝者となる
カウント9
双方動かない
いや、動けないのだ
カウント8
アインハルトが起き始めた
カウント7
シルヴァも起き出したが動きが鈍い
カウント6
双方体を動かそうとしているがダメージでそれどころではないようだ
カウント5
少しづつ動かし続け
2人は同時に立ち上がった。しかし、そこまでだ
カウント4
アインハルトが笑みを浮かべた
それに対しシルヴァも笑みを浮かべている
そして──────────
決着がついた
アインハルトが膝を折り倒れ込んだのだ
湧き上がる歓声
しかしそれは耳には届かない
シルヴァはそのまま倒れ込み意識を失った
──────────
勝ったんだね、シル
モニターで試合を見ていたヴィヴィオはそれを確認してモニターを消した
いくら休憩が挟んであっても少しだけでは疲れは抜けきらない
それでも二人とも全力で戦い次にはさらなる強敵との戦いが待っている
目を覚まさないシルヴァを横目に見ながら栄養補給を済ませたヴィヴィオはその瞳を閉じ眠りについた