無限の成層で羽ばたく鋼鉄の翼   作:アマゾンズ

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もう一つのライディーンチームの一人の視点。

名前をもじったリアルでも有名なアイドル登場。


第一話 黒い鋼鉄の翼

IS学園がある地域から離れた場所にある一般的な中学校、そこでは何故か男女関係なく卒業式の後にIS適性検査が行われている。

 

この学校の校長は女性で、ISを神聖視している傾向があり男性の操縦者が現れれば宣伝になるという考えから出ている。

 

「・・・ISか、まるで何かを作る為、試作しているように見えるな」

 

彼、黒葉将宗はそんな印象をISに持っていた。彼はISに関してあまり良い印象を持ってはいない、正確にはISを扱えるのが女性である事という点である。

 

女性しか扱えず、既存の兵器を凌駕するパワードスーツのIS、その華やかさの裏で女性に対する権限が増長し、女尊男卑の風土が広まってしまった。

 

それによって将宗は何の接点もない通行人の女性に罪を擦り付けられた事があった。その時は大人数の目撃者が助けてくれた為に女性の方に非があるとされたが、すぐに解放された。

 

彼にはそれが悔しかった。故に自分を鍛えるため、幼い頃に始めたが今の今までやる気のなかったジークンドーへ真剣に通い始め鍛え上げてきたのだ。

 

「それに、俺には使命がある」

 

左腕を摩り始めた部分にゴッドフェザーの紋様が浮かび上がる。彼もライディーンであり完全な記憶と前世代の戦いの記憶を継承していた。

 

「超魔は必ず復活している・・・だから」

 

「黒葉くん、検査を始めますよ。触れてください」

 

「あ、はい」

 

促されるように彼はISに触れる。同時にISが起動しISの中に眠っていた記録が頭の中に浮かび上がり始める。

 

「こ、これは!?ゴッドライディーン!?嘘だ!ISがゴッドライディーンの模倣として作られたっていうのか!?」

 

「こ、この子!男なのにISを起動させた!?」

 

「!まずい!」

 

「あ、こら!待ちなさい!!誰か!黒葉くんを捕まえて!!」

 

将宗は急いで校舎を脱出し、鋼鉄の翼で雲の海の上まで飛んでいった。だが、彼の中では信じがたい真実が渦巻いていた。

 

「ISが・・・ゴッドライディーンの模倣、コアの意思は女神セイラの欠片とでも言うのか?・・・いや、早計だ。それに俺がISを動かせてしまったのは、恐らくライディーンであるからか?だが、それならば何故、世界初の操縦者である織斑一夏が動かせた?」

 

飛び続けながら将宗は考え事を続けていた。ISがゴッドライディーンを目指して作られた模倣品だとして、ライディーンである事も考慮に入れて考えるがそれだけでは起動させた理由にはならない。

 

「!?この気配は!?」

 

何かの気配を感じた将宗は急降下して向かっていく、そこには獣のような化物が小さな街を破壊していた。

 

『死ね、全ての人間は殺してやる!』

 

「超魔か!」

 

『俺の姿がわかる奴がいるのか?』

 

「超者!降臨!!」

 

全身に筋が走り、瞳が変化する。周りに突風が吹き荒れ渦を巻き、服が弾け飛び体色が変わっていく。

 

「はああああああ!うああああああっ!」

 

鴉の名を名を持つ黒き鋼鉄の天使、ライディーンクロウへと変化した。

 

『ライディーンだと!?』

 

「お前はすぐに倒す!」

 

『やれるもんならやってみろ!』

 

「クロウソード!!」

 

音楽のバンドチームの友人から貰ったギターを大剣に変化させ、超魔に向かっていく。今は簡単な曲しか出来ないが基本を音楽好きの知り合いに教わっている。

 

『そんな鈍らで俺の身体を切れるか!』

 

獣の超魔は瓦礫を掴むとクロウへ向けて投げつける。それを手にした剣で一刀のもとに切り崩し、超魔へ突撃する。

 

「うおおおおお!」

 

『へっ!』

 

刃が超魔の体毛に止められ、切り裂く事がなかった。超魔の防御力はかなりの物のようで最後まで通らない。

 

『言っただろう!俺の身体はお前の鈍らじゃ切れねえってなぁああ!!』

 

超魔はクロウの身体に噛み付き、強く圧力をかけ走り出した。壁のになっている瓦礫の跡へ突撃し続ける。

 

「ぐあああああ!」

 

しばらく壁にぶつけ続けた後、その勢いのまま壁に放り投げ激突させクロウは瓦礫に埋もれてしまった。

 

『お前とは身体の出来が違うんだよ!身体の出来がなぁ!』

 

「その慢心がお前の弱点だ!」

 

『何だぁ!?』

 

瓦礫の中を抜け出し、上空へ飛ぶとクロウは構えを取った。

 

「クロウ!ツイスター!!」

 

掌の中で作り上げた竜巻が超魔へと向かっていく。本来、竜巻は中心部に風は通っていないが、それを閉じた状態で放っている。

 

『うおおおお!?こんな風で俺の身体が!?』

 

体毛の一部を吹き飛ばされ、中心部分が露出している。そこは超魔の心臓にあたる部分だ。

 

「ゴッドバァァァァド!チェェェェンジ!!」

 

クロウの名の通り、漆黒の鴉の姿となって突撃する。闇というものは悪のイメージが強い、しかし宇宙をイメージ出来る闇は星を照らす手助けをしている。

 

クロウの闇は仲間を輝かせるもの、自らは暗くとも輝きを失わないオニキスのような存在、それを体現するかのようにクロウのゴッドバードは黒い輝きを発していく。

 

『へん!俺の身体を貫ける訳が!』

 

「そこだぁぁぁ!」

 

先ほどの竜巻で吹き飛ばした中心部に狙いを定め、急降下で突撃し中心部を貫き超魔の身体を突き抜けた。

 

『バ、バカなぁぁぁ!?』

 

「自慢の防御力も剥ぎ取られれば意味がなかったな」

 

超魔の消滅を確認すると近くにあった、ボロボロになっている外套になりそうな布切れを手にライディーンの姿を解いた。

 

「便利なんだけど・・・変身解くと全裸になるのが難点だよなぁ。変態扱いにされるよ」

 

外套を全身に纏い、急いでその場を後にして自宅へと急いだ。

 

 

 

 

 

 

自宅へ帰宅するとすぐに着替え、とある一室に入る。そこには彼の母親である結衣が布団で横になっていた。

 

「ゴホ、ゴホ!帰ってたのね・・・将宗」

 

「ああ、母さん。寝てて大丈夫だよ」

 

「ごめんなさいね、まさかこんな時期に風邪を引くなんて」

 

そう、彼の母親は病を患っていたのだ。それも長引くタイプで病院に入れるべきなのだが母子家庭であるために余裕がある訳ではない。

 

その為に彼はジークンドーの他に勉学を必死にやってきたのだ。今は中学生全体の復習になっている。

 

入学から二年生になりたての時に母が病を煩い、仕事ができなくなってしまった。それをきっかけに彼は必死に勉強した。

 

一位にはなれなかったが学校の特待生を取ることができ、地元の高校に進学するはずであった。

 

「おそらくIS学園に強制になるだろうな・・・起動させてしまった事実はもう流れてるだろうし」

 

「ゴホ、将宗。貴方は貴方がやりたい事をやりなさい。犯罪以外でね」

 

「うん」

 

そんな話をしていると突然、インターフォンが鳴らされる。将宗はインターフォンの映像を見ると有名人がいた。

 

それはブリュンヒルデ、織斑千冬であった。どうやら一人で来ているらしく周りには誰もいない。

 

「どなたですか?」

 

「IS学園の教師、織斑千冬です。黒葉さんのお宅でしょうか?」

 

「はい、少し待っていただけますか」

 

インターフォンも受話器を戻し、玄関へ向かい扉を開ける。警戒を強めるが本当に一人で来ているようだ。

 

「どうぞ、上がってください」

 

「お邪魔します」

 

「君が黒葉将宗くんか?」

 

「そうです。母は今、床に伏せっていますので代わりに聞きます」

 

将宗は緑茶を出しながら千冬との会話をする。彼には予測が出来ていた話題を。

 

「実は・・・」

 

「ISを起動させてしまった為、IS学園に入れという事でしょう?」

 

「気づいていたのか」

 

千冬は将宗の察しの良さに舌を巻いていた。この若さで察しの良さは相当な苦労がなければ身に付かないからだ。

 

「起動させてしまった事を覚えていますし、IS学園の教師の方が来れば分かりますよ」

 

「それもそうだな」

 

「IS学園への入学、受けるには条件があります」

 

「なんだ?」

 

「母を病院へ紹介してください。貴女の名前を使えれば簡単でしょう?」

 

将宗の要望はそれだけであった。病院へ入れねば危険なことが分かっているためである。

 

「ふむ、確かに私が鶴の一声を出せば動くだろうな。良いだろう、どこまで出来るか分からんが学園長に掛け合ってみよう」

 

「それと俺はちゃんと試験を受けますから」

 

「そうか、ならば教科書とIS勉学用の参考書と入学手続きに必要な書類等をすぐに送ろう。今日はこれで失礼する」

 

「ええ」

 

千冬が帰ろうとすると伏せっていた将宗の母である結衣が起き上がり、部屋から出てきた。フラフラの状態だが挨拶をするくらいは出来る様子である。

 

「織斑さん、息子をよろしく頼みます」

 

「!はい・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃、ラジオやテレビでは歌番組が放送されていた。大人気の女性アイドル田村ゆりである。今回は30分のラジオが主のようだ。

 

『ゆりちゃんは今回、生放送のラジオは初めてらしいね?』

 

『はい!ですが、こうして声を届けられるのがとっても嬉しいんです。皆さん、聞こえてますかー?』

 

愛嬌のある声と歌唱力でファンの耳はとても嬉しい気持ちになっているだろう。

 

『それではシール羽田のウイングダッシュ!ここからはゲストへのお便りのコーナーです!』

 

『羽田さん、ゲストの田村ゆりさん!こんばんはー!いつも楽しく聞いています!さて、早速質問なんですが、ゆりちゃんはアイドルになりたいと思ったきっかけはありますか?教えてください!というお便りです』

 

放送越しの質問にファンはそれぞれ、勉強や残業、帰宅途中などから放送を聞いている。

 

『私がアイドルになりたいと思ったのは、昔のアイドルの方がきっかけですね。名前は西条きらりといって優しく、芯が強く、歌で愛を届けたいと言っていた人です。もう、その方はいませんが、それに憧れを持ったのがきっかけです!』

 

次々に質問が終わっていき、区切りの場面に近づいていく。

 

『おっと、ここで残念ながらお便りコーナーは終了です!ゆりちゃんの新曲を聴いていただきましょう!この曲はカヴァー曲だそうで、先ほど言っていた西条きらりちゃんの?』

 

『はい!私がどうしてもカヴァーしたいってお願いしたんです。かなり昔の曲でしたが、映像が残っていたのでそこから作曲家や編曲家の方々にお願いして曲を復元したんです!聞いてください!私、田村ゆりのカヴァー新曲「Love is...」!』

 

 

[超者ライディーンより 挿入歌『Love is...』]

 

 

『シール羽田のウイングダッシュ!そろそろ、お別れのお時間が来てしまいました。ゆりちゃん生放送ラジオはどうだったかな?』

 

『楽しかったです!これからはもっとラジオにも出たいですね!番組持てるように頑張るぞー!』

 

『シール羽田のウイングダッシュ!この時間のお相手はシール羽田と』

 

『田村ゆりでした!』

 

『『ばいばーい!』』

 

『シール羽田のウイングダッシュ、この番組は天使更正組合、フォーチュンの提供でお送りました』

 

オンエアが終了し、パーソナリティの二人も退出していく。

 

「お疲れ様です!」

 

「お疲れさま、いやー今日は楽しい放送だった!」

 

会話をある程度すると、ゆりはラジオ局にある一室の窓へ近づき夜空を見上げた。

 

「きっと、また天使達が」




はい、クロウ登場回です。

田村ゆりは束さんの分身です。まぁ、誰なのかはすぐに察しがつくと思います。

だって簡単にしただけですから。

次回は自己紹介編に入ります。
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