そんな機会はなかった(仮)   作:ヤサカ

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3話です。


ぼっちの観測者

はい、オグリ ジョウですー。

 

神様(?)に手紙をいただいてから、少し時間が経過しましたー。

 

ただいま特典の試運転中―。

 

転生者の情報を集めてます―。

 

みんな特典を使いこなす練習をしてるみたいー。

 

おや?

 

なんだかみんな海鳴公園へ集まりはじめたぞー。

 

なるほど、今日はなのはちゃんが寂しくてひとり公園で黄昏てる日なのか―

 

まあ緊張しちゃって人にうまく話しかけられないおれには関係ないけどね、ハハハー、ハハハー、ハハハのハー…………

 

……かなしい。

 

さて、時刻は子供が帰って夕飯を楽しんでいる頃。

 

おれはすでにご飯を食べ終わり、自室で特典を試している。

 

そう特典。一番目にもらった「転生者の情報が得られる」能力を使用しているのだ。

 

使い方は簡単。

 

一言、「来れ(アデアット)」と唱えるだけ。

 

するとあら不思議。手元に一冊のノートが現れたではありませんか!

 

これが「いどえのにっき」と呼ばれるおれの特典。

 

『魔法先生ネギま!』に登場する能力だ。

 

ただし改造されてるんだが。

 

ノートを開いてみると、見開きに4人の名前が列挙されている。

 

その中の1人の名前に触れると、隣のページにつたない絵と手書き風の文字が浮かび上がってきた。

 

以下はその文章だ。

 

『○月×日 コンゴウ ヒデオ

ようやく今日なのはが公園へやってきた。

どの日にちか分からなかったため、ずっと張っていた甲斐があったものだ。

デバイスがあれば、このように我が労力を費やすこともよかったものを。

おかげで毎日公園で遊ぶ健康優良日本男児になってしまった。

いやそもそも探知系の宝具さえ見つかればっ……

今はそんなことを言っているときではないか。

雑種どもがなのはに手を出さないうちにケリをつけなければ』

 

とまぁこんな感じに転生者の心情が日記方式で描写されるわけだ。

 

ちなみに挿絵はブランコで打ちひしがれている女の子を、物陰でニタニタしながら見守っている男の子の絵である。

 

こいつ気持ち悪いという感想は置いといて、能力の改造点をおさらいしておこう。

 

・対象の名前を呼ばなくとも、本に表示されている名前を選択すれば心情が読める(もちろん、名前を呼んでもOK)

・効果範囲はない。どこにいても転生者が生きていれば心情が浮き上がる

・転生者以外の心情を読むことはできない

 

こんなもんかな。一般の人の考えを覗くことができないのは残念だけど、これで転生者に翻弄されることないだろう。

 

本来の能力が気になる人はマンガを買ってくれい。

 

さて、次の転生者の様子をみてみようか。

 

『○月×日 アカマツ シロウ

なのはの父、士郎が入院したという情報を翠屋で得た。

得たといっても、お金がないので外からみていただけだが。子供の経済力は世知辛いな。

情報から公園に行く頃だと考え向かってみたら、なのはをみつけることができた。

なにやら同い年の男児に言い寄られているようだ。

あれは転生者か? 多分「踏み台」ってやつだな。

バカだな。女は俺がいただくと決まっているのに。

おっと、なのはも困っているようだし、ここは本転生者としてビシッと言ってやるか。うひひ』

 

2人の間に入って、なのはを庇うように立ちニタ男を睨みつける男の子の絵が描かれている。心なしか、目がちょっといやらしい感じに見えるな。

 

感想として、五十歩百歩な気がするが、つっこまないでおこう。

 

気を取り直して次にいこうか。

 

『○月×日 イシグロ レイナ

サーチャーによって監視した結果、今日がイベントの日だったようだ。

まったく、士郎さんが重傷を負って入院してしまい、恭也君が頑張って店を手伝ってるというのに、高町なのはときたら……

とりあえず公園へ行くことにする。どうせエサ(高町なのは)につられて転生者が来るでしょうから、コンタクトをとってみようかしらと思ったからだ。

利害があえば、手を組めるかもしれない。

公園へ到着すると、転生者であろう2人と高町なのはを視界にとらえたので、上空から成り行きを窺っている。

様子をみて、すぐ男2人はバカだという結論に至った。

バカ2人が口喧嘩をしている間に、高町なのはは逃げてしまった。それは仕方がないことだ。私でもそうする。知らない人間が自分を奪い合って喧嘩するのだ。気味が悪いだろう。

2人はそのことに気付かないまま一触即発の口論を続けている。

なんと滑稽なんだ。憐憫の情すら抱いてしまう。

何だか見ているこちらが気疲れしてしまった。こんなものを見るために出てきたわけじゃないが、情報を集めるために必要なことだ。頑張ろう。

すべては目的のために』

 

空に浮いている女の子(短パン)がゴミを見るような目で、公園の茶番を見下ろしていた。

 

へぇ~、女性の転生者か。てっきり全員男かと思ってたから、新鮮だな。

 

目的ってなんだろう。そこらへんも含めてきちんと記してほしいよな。この特典のウィークポイントだ。

 

さあ、最後だ。こいつはどんな奴なんだろう。

 

『○月×日 アオヤマ トウジュウロウ

転生者が集まっているこの機会に協定を結ぼうとやってきたわけだが、どいつもこいつも欲望を隠しきれない愚か者ばかりだ。

こんな奴らと会話するのも不愉快だが、勝手な行動をされて予定を崩されるとまずいので我慢しよう。

そういえば残りの1人は来ないな。原作を知らないのか、はたまた関わる気がないのか。

どっちにしろ大人しくしていて欲しいものだな。

裏で暗躍するタイプだったら潰す必要があるが。

まあ、そういう意味ではここにいる3人は御しやすくて良いのかもしれないな。

まずはこいつらからだ。僕の手のひらの上で踊ってもらおうか!』

 

転生者3人を集め、にこやかにしゃべっている男の子が描かれた。顔は笑顔だけれども、まとっているオーラはどす黒い。

 

プライドの高そうな奴だな。おれのことを警戒してるし、ちょっと危険かもしれない。気をつけておこう。

 

ふぅ、ひとまずこんなものかな。

 

のどが渇いたので、冷蔵庫からくすねたコーラをラッパ飲みする。

 

ゴク、ゴク、ゴク……ぷはぁっ。

 

くぅ~、これこれ!

 

舌に広がる刺激的な甘さが頭を爽快にする、炭酸がのどを蘇らせる、冷たさが食道を癒す、これぞコーラよ!

 

ゲフッ。おっと失礼。

 

しかし、これからどうしたもんか。

 

今日の第一回戦はドロー。(おれは不戦敗だけど)なのはと仲良くなった人間はいなかった。

 

となると次の戦いは私立聖祥大学付属小学校だろう。

 

なのはと同じクラスになれるか、それが明暗を分けるかもしれない。

 

違うクラスなのに顔を出すのも変だし。

 

クラス替えがあれば、同じクラスになれる可能性が増えて、大変喜ばしいんだけど。

 

と、あれこれ考えても意味ないか。クラス云々は運だしな。

 

まずは私立聖祥大学付属小学校へ入学することだ。

 

受験がある小学校だから、試験をクリアしなければならない。

 

といってもテストなんて大学までいったおれからすれば余裕余裕。

 

早速、親にお願いして願書を取り寄せてもらおーと。

 

以上、鼻歌交じりで階段を下りて行ったら、隠れてコーラを飲んだことがばれ怒られるジョウでした~。

 




3話終了。
高田純次より適当をモットーに最後まで書き切りたいものです。
設定はあるようでないもの。
4話へ。
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