理由は単純、ヒロインを早くだしたかったからです。
なので今回は今まで以上に駄文です。
いきなり話は飛ぶが、俺は今、円堂と一緒に雷雷軒に来ていた。……理由? 簡単だよ。響さんを雷門中サッカー部の監督に引き入れるためだ。
ちなみに、あれから起こったことはほとんどが俺の知っている限りだった。
野生中戦の後、夏未が雷門中にマネージャーとして参加してくれて、その彼女が提供してくれたイナビカリ修練場のおかげで俺達はさらにレベルアップすることが出来た。
そして、続く御影専農での戦いでは一つだけイレギュラーがあった。それは御影専農の下鶴新が俺のデススピアーをもコピーしていたこと。まあ、俺達のデータを持っている奴らだからこれ自体は特に不思議には思わなかった。威力も俺のと比べて全然だったしな。
それに無事、円堂と豪炎寺がイナズマ一号を完成させることも出来た。
さらにその次、準決勝の秋葉名戸学園との試合では御影専農戦で足を負傷した豪炎寺の代わりに俺がFWとして参加した。
まあ相手はずぶの素人達だし、何の問題もなくこれにも勝利した。まあ、目金の出番を取っちまったってことはあるけど、許してくれや。
そして、次はいよいよFF地区予選決勝。
相手はもちろん、鬼道率いる帝国学園。
そんな帝国学園との試合を近日に控えていた俺達なのだが、そこで起こったのが、影山に指示された冬海が移動用のバスに爆弾を仕掛け、それが夏未の元に届いた告発状が元で発覚。晴れて奴はこの学校を辞めることになった。
だが、冬海はその直前に土門を同じく帝国のスパイ明かすが、俺と円堂は土門を信じ、土門自身も帝国のやり方に賛同できていなくなっていたことを話したことにより、土門と雷門イレブンの間に出来かけていたわだかまりは解消され、土門はついに、本当の意味で雷門イレブンの仲間になることが出来た。
しかし、そこで新たに問題として起こったことは、FFには監督がいなければ出場できないということだ。
そして、話は俺達が雷雷軒に来たところに戻る。
「はあ…。またお前たちか」
「また、俺達だよ」
「監督になってくれるまで、俺達は何度でも頼みに来ます」
俺と円堂は響さんに言う。
響さんの言う通り、俺達は何度もここに来ていた。
雷門中サッカー部の監督に相応しいのは元イナズマイレブンの一人で、なにより円堂と同じキーパーだった響さんしかいないからだ。
それに、響さんがキーパーだってことを鬼瓦刑事から聞いた円堂だってそう思っているはずだ。
「おじさん。キーパーだったんだよね。鬼瓦さんから聞いたよ」
「…鬼瓦のオヤジか」
「そうです。それに、FF決勝での事故のことも聞きました」
俺が言うと響さんの口角がピクッと動いた。
「一度サッカーが出来なくなったくらいで諦めちゃうんですか? それならこの稲妻町から離れることだって出来たはずですよね? それでも離れなかったのは、本当はサッカーが好きだからじゃないんですか!」
「神向の言う通りだよ。それにキーパーなら、相手からのどんなボールも受け止めるものじゃないの」
「言うじゃないか。若造共が」
響さんが笑う。
だがその笑いは、決して俺達を認めた笑いじゃない。
むしろお前たちは口だけだとでも言いたげな笑いだった。
「だから、勝負だ!」
「勝負だと?」
「おう! おじさんが3本シュートを打って。俺が3本とも止めたら、監督をやってくれ!」
「……はあ? 3本中3本だと? アホな勝負だ」
「やるの? やらないの?」
おーおー、円堂煽ってくねえ。
「ふっ、いいだろう。それに、そっちの小僧」
円堂の勝負に乗った響さんが俺を指差してきた。
「お前、ポジションは?」
「MFです」
「お前もあれだけ大層な口を叩くなら勝負をしろ。制限時間は3分。その間に俺からボールを奪ってシュートを決める。例えこっちの小僧が勝負に勝ってもお前が負けたら、その時点で監督の話は無しだ。乗らないなら、この話はここで終いだ」
……面白れえ。
伝説のイナズマイレブンの一人が提示してきた勝負、そんなの
「受けるに決まってるだろ!」
そして俺達は雷雷軒を後にし、河川敷へと向かった。
最初の勝負は、俺と響さんの勝負だ。
「勝負の内容は、覚えてるだろうな?」
「3分以内にあなたからボールを奪う。そしてシュートを決めること、ですよね」
「そうだ。MFは攻守のどちらにも対応してなければならない。だからこそ、敵に攻められた時には守り、ボールが来たら逆に攻めること。それこそがMFの……役割だ!」
響さんが唐突にボールを蹴り出した。
おいおい! いきなり勝負が始まるのかよ!?
「くそっ! させるかぁ!」
「ほう…、いい反応だ。口だけじゃないようだな」
GKなのにこんなにボールのキープが上手い人に言われたくねえやい!
そして響さんからボールが奪えないまま、1分半が経過した。
「どうした? その程度なのか?」
「くっそぉ…。ん?」
不意に一瞬。
たった一瞬だが、響さんの動きがスローに見えた。
そして、次の瞬間にまた響さんの動きは同じようにスローになり、隙が見えた。
「そこだぁ!」
「!」
俺は響さんからボールを奪い、そしてゴールに向けて強く蹴り込まれたそのボールはゴールネットを激しく揺らした。
「はぁはぁ…」
「すげーぜ神向! お前、いつの間にあんなこと出来るようになったんだよ!」
円堂が俺に言ってくる。
だが悪い、ほとんど聞き取れねえや。
ふう……疲れた。でも、限られた時間の中で敵からボールを奪う、この勝負のおかげでシュートに続いて見えた気がするぜ……ブロック技のヒントが。
「やるじゃないか。円堂、次はお前の番だ」
「おう! 神向、お前は休んでろ。今度は俺がゴールを守る番だ!」
円堂がそう言ったところで、俺は近くのベンチに座って二人の勝負を見守る。
大丈夫だ。円堂は必ず勝つ。
「よし、来いっ!!」
円堂がゴールの前で構える。
そして響さんはボールを軽くポンと上げ、そのままゴールに向かって蹴り出した。
だが、そのシュートに反応した円堂は即座にボールを響さんの元に弾き返す。
けど……嘘だろあの人。
俺と勝負してすぐだってのに、あんなシュート軽く撃てるって、どんなキック力してんだよ…。
「まず1本目! 止めたぞ!」
「やるな。だったらこれはどうだ!」
響さんのシュートにワクワクしている俺に構わず、二人の勝負は2本目に入る。今度の響さんはさっきとはまた違ってボールを上に投げた後、軽い助走の果てにシュートした。
そのシュートはさっきのように直前で曲がるのではなく、最初からかなりの回転がかけられていたことによりすでにゴールの端に飛んでいっている。
しかも、威力もさっきの比にならない。
「ちぇぁりゃぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」
だが、今度も円堂は止めて見せた。
さっきはパーで弾き返したが、今度は熱血パンチを使ってパンチングで響さんへ返す。
「ほお……熱血パンチ」
「2本目! 止めたぞ!」
「大したもんだな。だが……次の1本を落としたらこの話は無しだ。あいつの努力も台無しだぞ」
「神向の努力は台無しに何かさせない! 仲間の想いを背負ってゴールを守る、それがキーパーだ!」
「言うな。……だったら、見せて、みろぉぉぉぉ!!!!!!」
響さん最後のシュートは、さっきまでの2本と違って小細工なし。真正面からのストレートボールだ。
しかし、威力は今まで中でダントツ。
おそらく熱血パンチじゃ止められないだろう、円堂もそれを分かってるし、なにより他ならぬ響さんが見たいんだ。イナズマイレブンの意志を継いだ円堂のあの技を。
『ゴッドハンド!!!!!』
円堂渾身のゴッドハンドは響さんからのシュートをしっかりとキャッチしていた。
こうして、俺と円堂が勝負に勝利したことで響さんは無事、雷門中サッカー部の監督になってくれた。
次回は帝国戦です。
つまり、また話が飛びます。