あと、投稿遅れて大変申し訳ない。
弁明の言葉すらありません。
「アフロディ!」
あれからまた少しだけ時間が経った。
今日もいつもと同じように、彼を混じえて皆で練習をしていて、僕は彼からのパスを受け取った。
『ゴッドノウズ!!』
そのボールを僕はシュートして決める。
彼が来てくれたおかげで、僕達のレベルも以前とは比べ物にならないほど成長できていた。
…そう、もう神のアクアなんて物に頼らなくて良いほど。
「やっぱり凄いな、お前のゴッドノウズ。どんどんパワーが上がってきてるじゃないか」
彼……神向くんはまるで自分の事のように僕の、僕達の成長を喜んでくれていた。
「それに、何だか晴れ晴れとした顔してるじゃないか。悩みが吹っ切れたみたいな」
「そう、かな?」
僕が聞くと、神向くんはそうだと返してくる。
確かに、もう神のアクアを使っていた頃の僕とは決別が出来たような。
そんな感じはしている、だからきっとそれが顔に出ていたのだろう。
それもこれも、
「君のおかげだよ」
僕は彼に正直にそう伝えた。
「え? 俺何かしたっけ? てかヤベ、ちょっとトイレ行ってくる…!」
だが彼は、それだけを言うと走り去ってしまった。
「初めてお前がアイツを連れてきたときは、正直驚いたけど、今ではすっかり馴染んでるな」
「ヘラ。それに皆も、どうかしたのかい?」
声がする方に目を向けると、そこには僕のチームメイトである世宇子中の皆の姿があった。
「いやー。キャプテンもあの人もきっと鈍感だろうと思ったから俺達が教えてあげようと思って」
次にそう言ったのは、アポロンだった。
だが、僕にはアポロンの言ってる意味が分からなかった。
「僕と神向くんが鈍感? どういうことだい?」
「はぁ…、やっぱりか…。なあアフロディ、お前はアイツの事をどう想ってるんだ?」
デメテルが僕に聞く。
アイツ…というのは間違いなく神向くんの事だろう。
僕が彼をどう思っているのか…か。
「彼には、感謝しているよ。神のアクアによる罪悪感から、僕を救ってくれた。それに、彼を強くすると言ったのに、結果的に僕達がここまで強くなれたのも、彼のおかげだと思っている」
僕はそう答えた。
だが、メンバーの顔はどこかガッカリした様子だった。
「……アフロディは俺はお前にアイツの感想を聞いてるじゃなくて、お前がアイツに対して想ってる感情を聞いてるだよ。ハッキリ言って今のお前らは見ていてモヤモヤする」
「? ごめん、言ってる意味がよく分からないよ」
「だぁ〜かぁ〜らぁ〜!! お前はアイツの事が好きなんじゃないのかって話だよ!」
デメテルにそう言われた所で、僕は固まってしまった。
好き……という事は、僕が神向くんに好意を持っているという事。
だけど、不思議と動揺をはしなかった。
「そう言われると、そうかもしれないね」
「自覚あんのかよ…」
皆は拍子抜けしたように言う。
「まあね。最近彼と話すと、胸が暖かくなるというか。こう、心臓が高鳴るんだ。それが日に日に増していって、もしかしたらさっきも、その気持ちがほんのちょっとだけ出てしまっていたのかもしれないね」
そう言って皆の方を見ると、全員顔を赤くしていた。
「あぁ…。もうもどかしいな。今日の練習はおしまいだ。お前はさっさと家に帰って、アイツにその気持ちを伝えてやれ」
ヘラが当然のように僕にそう言う。
僕の気持ちを…神向…くん、に。
「おいアフロディ…!!」
そこから、僕の記憶は途絶えた。
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目が覚めたら、そこは僕の家の、僕の部屋だった。
そして隣では、神向くんが眠っている。
「…確か僕はさっき、皆と、神向くんと練習していて。それで…」
そこまで言いかけた所で、僕の顔はまた熱を帯びた。
……ダメだ…。
気持ちを理解したつもりでも、やっぱりこうしてちゃんと意識してしまうと、どうしようもなくダメになりそう。
「ん、んん…。おぉ、アフロディ。起きてたのか」
その気持ちに囚われている最中、神向くんが起きた。
「トイレから戻ったらお前が倒れてて心配したぞ。ヘラから聞いたけど、練習は中止にしたらしいな。ま、体が一番大事だし、当然だろ」
「君が、運んでくれたのかい?」
僕が聞くと、神向くんはそっと頷いた。
「先に言っとくけど、重くはなかったからな。女の子なんだから、体は大事にしろよ」
女の子…か。
「君は、おかしいと思うかい…? 女子が男子に紛れてサッカーをするなんてさ」
僕は唐突に神向くんへと聞いていた。
そして、彼の返答はあまりにおかしくて、
「サッカーが好きな奴なら、女子でも男子でも関係なく俺は喜んで一緒にプレイするぜ!!」
とても綺麗だった。
それと同時に、僕は今のこう思っていた。
彼と2人きりのこの時間、これがずっと続けば良いのに、と。
「……そうだったね。ごめんよ神向くん。おかしな事聞いて」
「まあ、そういう悩みを持つ奴も居るだろうから、さ」
彼はそう言いながら、バッグからある物を取り出す。
それは、イナズマのマークが書かれたサッカーボールだった。
「それは?」
「……約束のサッカーボールだ」
「約束の、サッカーボール?」
「ああ、円堂と約束したんだ。必ずまた、一緒にサッカーやるって」
そう言った時の神向くんの目はとても強く輝いていた。
そこで僕は悟った。
ああ、きっと彼にとっての一番は、円堂くん達とサッカーをする事なのだと、そのために、今は彼らから離れているのだと。
だから僕は、彼からそれを奪うような事はしない。
彼には笑顔で居てほしい。
だけど、それでも
「神向くん」
「ん? なんだ、アフロ…うおっ!?」
今だけは、僕を見ていてほしい。
その想いが止められなくなり、僕は彼をベッドに押し倒していた。
「お願いがあるんだ、神向くん」
「……分かった。俺に聞ける頼みなら、いくらでも聞いてやるよ」
きっと僕の気持ちを分かったわけではないんだろう。
けど彼は、真剣にそう言ってくれた。
そして僕は彼に願いを打ち明ける。
「僕を……いや、わ…私の事を、名前で呼んでくれないかな?」
……沈黙があった。
一瞬のようにも、はたまたとても長い時間のようにも感じられる沈黙が―――。
「い、いや! それは、ほらあのさ! いっつもあだ名とかで呼び合ってたのに、いきなり下の名前で呼ぶのはどうかなって…!」
彼は慌ててそう言う。
けど、私はそれを遮ってこう聞いた。
「駄目…かな?」
「……そうだよな。別に、これと言って不思議なことでも無いし、その位ならお安い御用だよ。これからもよろしくな。照美」
「……うん。よろしくね。神向くん。そうだった、そう言えば、さっきお母さんに呼ばれてたんだ。ちょっと行ってくるよ」
「お、おう」
私は、部屋から出て、ドアを閉じた。
そして、その場に座り込んで胸を抑える。
まだ動悸が収まらない。
頭の中がさっきの出来事で一杯になってしまって、すぐにでもその場から去りたい一心であんな嘘をついてしまった。
そこでようやく、私は私を理解した。
ああ、自分は好きな人に名前を呼ばれただけで、こんなにも嬉しくなってしまうのだと。
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やっべぇ…。
まだずっとドキドキしてる。
ていうかあんなの反則だろ!
薄っすらと涙浮かべながら名前を呼んでほしいなんて、男の子はああ言うこと言われただけでコロッと落ちちゃうかもしれないんだよ照美!
俺、神向大使は照美が去った後、彼女の部屋でそう悶えていた。
そして俺達は翌日、テレビの映像に釘付けになるのだった。
少しだけラブコメっぽくしてみましたが、無理矢理過ぎますねこれ…。
あと、唐突ですが次回でオリ主視点は終わらせます。
理由……円堂たちを書きたくなってしまったのさ。
はい、すみません